人工内耳友の会−東海−
遠隔文字通訳

2004.6.
NPO法人PCY298と筑波技術短期大学の
「遠隔文字通訳」を見学して

こんにちは。☆宮下あけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp です。

2004年6月、つくば市では朝、雷が鳴っていた…という日。
筑波技術短期大学「聴覚部」で行われている、「遠隔文字通訳」の様子を見学させていただきました。
以下、そのご報告と感想です。

このレポートは、NPO法人PCY298様、筑波技術短期大学様のご協力とご了解を得て、この「人工内耳友の会:東海」のホームページに掲載していただいているものです。
皆様、本当にありがとうございました。

■見学者■ H川さん(中途失聴者・手話可)、宮下(聴者・手話可)

国立大学法人筑波技術短期大学 http://www.tsukuba-tech.ac.jp/
・我が国唯一の、聴覚に障害のある人と視覚に障害のある人が学ぶ、3年制の国立大学。「聴覚部=聴覚障害学生のための天久保キャンパス」と「視覚部=視覚障害学生のための春日キャンパス」がある。
・それぞれの障害の特性に配慮した施設設備があり、学生定員270名に対して専任教職員が200名。
・文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」にも選ばれている。

PCY298(ピー・シー・ワイ・ツクバ) http://www.pcy298.com/
・2000年秋、前身である「PC要約筆記つくば」発足。目的=パソコン要約筆記の技術の向上と会員相互の親睦を深めること。
・2003年3月3日(耳の日)、特定非営利活動法人(NPO法人)に組織を変更、「特定非営利活動法人 PCY298」(ピーシーワイつくば)となりました。
・「NPO法人 PCY298」は、営利目的でなく、ボランティア的に機動的かつ地域に限定されない情報保障活動を促進し、情報保障技術の向上を図るために、関係機関と主体的に契約できる活動を目指して設立された。

プレリリース 2003.6.23発表
■聴覚障害者の授業理解遠隔支援システムを開発■〜筑波技術短期大学と共同で運用実験をスタート〜
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2003/pr20030623/pr20030623

【授業「歴史学」、非常勤講師※(聴者)、学生=約20名(1年生)】



≪視覚による情報保障(一番奥より)≫
@可動式スクリーン=パソコン文字通訳(パソコン要約筆記)
A天井からのスクリーン=講師持参の紙での印刷資料や、パワーポイント等を表示。教卓の下に「OHCとP.C.の切り替えスイッチ」がある。
B黒板=講師が板書
Cホワイトボード=学生が意見を書く。(以下、個々の説明。)

※講師=筑波技術短期大学で非常勤講師として、毎週月曜日1〜3時限目、「歴史学」を教えている。

≪@パソコン要約筆記・遠隔文字通訳≫





教室内/2名(固定)PCY298メンバー
メインで文字通訳を担当。
|通常、現場にお伺いして行っているパソコンによる情報保障と同じ。
|位置:教室の一番後ろ
|音声:生(マイクなし)

産業技術総合研究所(産総研)/1名(固定)
サポートとして、技短から5kmほど離れた研究所にて入力。
遠隔であるがタイムラグ感じず、教室内入力者と「ふたり入力(連係入力)」も可能。
|音声:講師がつけているピンマイク→ヘッドフォン
|   よって、学生の声は聞き取りにくいが、教室内にいるメイン入力者が入力。
|画像:教室後方中央の天井に設置したカメラで映像をとらえ、
|   産総研にいる入力者が遠隔で自分で「カメラの向き」をコントロールし、
|   自分のパソコン上に映す。
|   どこを映したら良いかは、ヘッドフォンで音声を聞きながら、
|   チョークやホワイトボードペンの音で判断し、
|   「パワーポイントの説明だな?」とか、
|   「ホワイトボードに書かせるな?」と予測して映している。


≪A講師持参資料の表示≫



・パワーポイントや紙資料の表示に使っている。
「今」読んでいるところ、「今」説明しているところ等を指し示しながら説明。


≪B黒板=講師用≫



・ポイントとなるべきところは、講師も板書をする。


≪Cホワイトボード=学生用≫



・この時の授業では、「なぜか?」という「意見や考え」を、約10名の学生に書いてもらっていた。(ホワイトボードには、10名の回答が書かれている。)

板書することのメリット
講師=難聴の学生の声が聞き取れなくても、学生の意見や考えを知る事ができる。
|   先に記入した学生の意見についても、話ができる。
|   いろいろな意見を比較しやすい。

学生=自分の意見を発表することができる。
|   「文章にする」「まとめて書く」という練習にもなる。


■講師と学生とのコミュニケーション■



・講師は、今年の4月から技短の授業を担当し始めたばかりなので、手話は知らない。よって口話か筆談。
・離れた位置からの口話は難しいので、個別に意見を聞くときは、講師が、その学生の席に移動するよう、心がけている。(写真一番奥で立っているのが、講師。)


【技短の学生にインタビュー】
※手話を使う学生、使わない学生、知らない学生など、様々です。

Q1/文字通訳があるというのは、どうですか?
  ↓
A1−1/良いです。役に立ちます。分かりやすいです。
A2−2/先生に「手話」も覚えて欲しいです。

Q2/この方法は週一回だけだそうですが、他にもつけて欲しい授業はありますか?
  ↓
A2−1/ありません。
A2−2/できれば付けてほしいのもあるけど…。

Q3/見るものが沢山あると思うのですが、どうですか?
  ↓
A3/大丈夫です。


【講師にインタビュー】
Q1/技短「聴覚部」は聞えない学生が通う大学だということはご存知だったと思いますが、実際に授業をはじめる前までは、どのようなイメージを持たれていましたか?
  ↓
A1/特別に「聞える学生と違う」というイメージは持っていなかった。ただ漠然と、「耳が悪いんだなぁ。大きな声でゆっくり話せばいいのかな。」と思っていました。

Q2/実際に授業をはじめられてみて、いかがでしたか?
  ↓
A2/全然違いましたね。(苦笑)

Q3/今日、授業を見学させていただいて、先生がとてもゆっくり、ハッキリ説明し、個々の学生の席に行って話しをされているのに驚きました。
文字通訳がついているので、もっと普通に講義されていると思っていたので。
私は普段、聞える学校に通う、その学校やクラスでたった一人の難聴の学生へのパソコン文字通訳(パソコン要約筆記)にお伺いしているのですが、聞える学校では、授業や先生の話す速度が、かなり速いですよね。
もし、聞える学校でも、先生のような話しかたの授業をしてくだされば、もっと「分かる・楽しめる」授業になり、難聴の学生も、より、授業に参加しやすくなると感じることがあるのですが。
先生は、もともと、これぐらいのスピードで講義をされていたのですか?
それとも技短に来られてからですか?
  ↓
A3/今日からです。(爆笑)
技短に来てから前回まで、今までの聞える学校での授業とあまりかわりなく、授業を進めていました。しかし、先日、大学側が「授業」や「情報保障」に関するアンケートをとって、その結果を見せていただいて、愕然としたんですよ。

学生のほとんどが、「速すぎる。」「分からない。」「OHCの操作をしながらだと、口が隠れて口形が見えない。」「板書をしながらの説明は、口の形が見えない。」「もっと板書を増やしてほしい。」等など、授業を分かってもらえていなかったんです。

それで、「これは、いけない!」と思い、今日から、比較的ゆっくり・ハッキリ、一人ずつのところに行って、話をするよう、心がけていました。

Q4/難聴の学生の声には、慣れましたか?
1対1ですと、かなり多くの会話をされていたようですが。
  ↓
A4/まだですね。ただ、なんとなく分かってきた面もあります。
学生は一生懸命、発言してくれるんですが、私には聞き取れないことがある。
その場合は、すぐに前に出て書いてもらっています。

また、学生が「ガッコウ」など「カ・ガ」を言おうとしているんだけど、どうしても「ア」に聞える。
面と向かって話をしているので口の中を見ると、口の奥で、舌が離れて、喉の奥が見えているんですよ。
そういうときに思わず、「ガは舌の奥を上顎にガツンと当てるんだよ。」と教えてあげたくなるときがありますね。
私は発音の専門ではないので、よく分からないんですが。

Q5/「学生に書かせる」というのは、技短に来られてからですか?
或いは、以前から先生はこのような方法を取られていたのですか?
  ↓
A5/技短に来てからです。
聞える学校では、着席させたまま、次、次と発言させていました。
しかし、それでは技短の学生の場合、私が学生の言っていることが分からない、聞き取れないんです。
それで、書いてもらうようにしました。
その結果、他の学生にも、その学生の意見がわかるようになったし、学生も「書く」という練習にもなったようです。

Q6/先生が話したことが文字化されて表示されること、授業に通訳者が入ることに対して、抵抗はありませんでしたか?
  ↓
A6/抵抗は全くありませんでした。今でもありません。
大学側よりはじめから、「学生は聞こえないので、授業に通訳がつきます。」と言われていましたし。
何より、学生が授業を理解できるのですから、私も助けられています。

Q7/先生はお顔の顎の方にだけおヒゲがありますが、元々は鼻の下とか、口のまわりとか、もっとおヒゲがあったのに、学生に、「口の形が読めない」と言われて、剃ったのですか?(笑)
  ↓
A7/アハハ。もともと下だけです。(笑)

Q8/いろんな人に聞かれていると思いますが、「手話」は?
  ↓
A8/できないんですよ。覚えなくては…と感じてはいるんですがね。(苦笑)
  ↓
H川/授業をするための手話を覚えるというのは大変です。しかし、「指文字」なら50個で済みます。
とりあえず、指文字を覚えていただいて、学生の名前を言うときや、キーワードを言うとき、その「頭の文字」だけでも指文字を出してみてください。
それに口形が付けば、何と言っているのか想像がしやすいんです。
例えば、「みやしたさん」というとき、指文字「ミ」を出しながら「みやしたさん」と言えば、分かりやすい、というわけです。
但し、指文字はいい加減に曖昧な覚え方をしたら、何年経っても覚えられないのですね。
短期間で集中的に覚える方が効率がよいようです。
  ↓
※講師は早速、翌週より、指文字にチャレンジしてくださったそうです。
その日の夜、講師より、
|今日、学生たちから指文字を教わり、数名の学生の名前を、
|一人一人の前で示してみたところ、学生たちが喜んでくれました。
|少し距離が縮まったような気がしました。
とのメッセージをいただきました。
学生は、手話や指文字を使う学生・使わない学生様々ですが、講師と学生の新しいコミュニケーションの第一歩かと思いました。


【文字通訳者PCY298(ピー・シー・ワイ・ツクバ)の皆様にインタビュー】

≪教室内の入力者:2名(1名は手話可。)≫
Q1/「今日から」だそうですが、先生はとてもゆっくり話されていましたね。
  ↓
A1/今日からです。(爆笑)

Q2/1時限から3時限目まで、ずっと2人で担当しているのですか?
  ↓
A2/はい、そうです。でも繰り返しですから、内容的には理解しやすくなりますし、思ったほど大変ではありません。

Q3/「PCY298」としてグループで請けていらっしゃるのに、2名の固定メンバーで1〜3時限目まで全てを担当されているのは、何故ですか?
  ↓
A3/毎週月曜日の昼間の時間帯に、技短に来ることができるメンバー(入力者)が、他にいないんです…。

Q4/聞き取りなどで困っている点はありますか?
  ↓
A4/学生の声が聞き取りにくいことがあるので、その場合は入力できません。
私たちは席も後ろで、学生の手話も口の形も見えませんので。
「学生の手話の読み取り通訳」を付けて欲しいと思うことがあります。

先生は手話をご存知ありませんが、学生と向かい合っているので、学生の声が、入力者には聞き取れない・分からなくても、先生には分かることがありますよね。
そうすると、その答えを受けて授業は進んでいきます。
たいていは先生が復唱してくださるので、それを入力していますが、復唱がない場合は、そのままです。

先生にも聞き取れない場合は、先生から学生に、前に出て書いてもらっていますので、私たちもそれを見ています。

Q5/大学側より、先日、学生に対して、情報保障と授業に関するアンケートが行われたそうですが。
  ↓
A5/はい。学生たちの意見を拝見させていただきました。
学生達が望んでいる文字情報(文字通訳)のありかたが、「要約・まとめ型希望」「全文表示希望」「とにかくリアルタイムで速い表示を希望」(「手話希望」「聴覚活用希望」)などマチマチですので、私たちもとても悩んでおります。

全ての希望に沿った文字通訳・表示ができるわけではありませんし、仮に意見が統一されたとしても、それが私達で対応できるものかどうかも分かりませんし。
ただ、今はできる限り、学生のことを考え、大学側と協力しながら行っています。


≪離れた場所(遠隔)産業技術総合研究所内にいる入力者:1名≫

Q1/講師の声は、かなりよく聞えますね。でも時折、聞えにくくなることがあるようにも思うんですが、いかがでしょう?
  ↓
A1/講師の声は、つけてもらっているピンマイクに直接入りますので、比較的良く聞えます。
ただ、カメラで捉えているのは「スクリーン」や「ホワイトボート」であり「動き続ける講師を追っている」わけではないので、聞えてくる講師の声が、“ぼそっ”…と言った「独り言」なのか「学生とのやり取りの中での会話」なの区別が付かなくて、入力してしまうことがあります。

Q2/今日、見学させていただいて感じたのは、「遠隔での通訳には難しい面がある」ということではなく、『環境と人材、工夫』により、遠隔での通訳は、十分、活用されているんだな、ということでした。
「人材」に関しては、まず、毎回文字通訳を担当する入力者の確保。
「環境」に関しては、「音環境+状況映像環境」ですよね。
実は私は、今日、技短に着くまで、全てを遠隔(産総研)で行っていると思っていました。
しかし、そうではなく、「教室内の入力者」と「遠隔地での入力者」で担当をわけておこなっているんですね。
  ↓
A2/そうです。
「メインの入力者は教室内で。サポートを遠隔で。」
その「サポート役」の人が、少しでも楽に、「遠隔」でという状況で行えるのであれば、それでも良いのではないか?という考えで、今はおこなっております。

例えば、講師が着けているピンマイクにより、講師の声は、教室内にいる入力者よりも、ハッキリ聞える事は多々あります。
しかし、逆に、学生の発言は、あまりよく聞えません。
マイクは講師のピンマイクだけですので、そこに学生の声が届くことはとても少ないからです。
このように、「本当の状況・本当のリアルタイム入力」は、教室内の入力者が担当。
私は「サポート役」として加わっています。

Q3/機材関係のトラブルというのは、ありますか?
  ↓
A3/たまにあります。
音声も映像もインターネットで送っているので、それなりに不具合が生じることはあります。
ただ、今は教室内に入力者がいるので、安心していますし、ここ(産総研)から技短までが近いので、「何かあったら駆けつけることができる」という安心感はあります。

Q4/今は「サポート役を遠隔通訳で」というスタンスですが、今後「遠隔通訳」を中心に考えていく…ということは、ありえますか?
「学校での授業」に限らず、一般の講演会などのケースでも結構です。
  ↓
A4/このような言い方は適切かわかりませんが、「ニーズの質・内容」により、「遠隔か、現場か」を分けることも可能だと思います。

どれほどのニーズがあるかは分かりませんが、講師にはピンマイクを着けてもらっているので、例えば、「情報保障がないよりは、先生の声だけでも文字化されれば良い」という場合には、「メインが遠隔入力:複数名。教室内がサポート入力者:1名」にできると思います。
或いは、更に、その日のマイクやネットワークの調子の変動により、大事なキーワードのところで音声が一瞬とぎれて入力できない部分があったとしても、それを認めてくださる程度のニーズであるか、あるいは、講師が気づいて復唱してくださるような場合には、全て遠隔支援者で情報保障をすることも可能だと思います。

Q5/映像や音声を送るソフト(システム)は、産総研で開発されたのでしょうか?
  ↓
A5/はい、そうです。
まだ回線の速さの問題もあり試行錯誤の段階ですが、教室内の様子が分かり、必要なときだけ、きれいな映像が送られるだけでも役立ちますので、活用しています。
もしも既存品を用いることができる環境があれば、それも活用しています。


【見学者:H川さんの感想】

今回の授業を拝見して、これは多分手話通訳では無理ではないか、文字通訳があって初めて通訳が可能になる授業ではないかと思いました。

というのは、歴史の授業ですから当然のことですが、いろいろ昔の難しい名前や言葉が出てくるのです。
「六国史(りっこくし)」、「本草和名(ほんぞうわみょう)」「蝦夷(えみし、えびす、えぞ)」云々。
こうした言葉を手話通訳で伝えるのは至難の業でしょうし、読む方も指文字の連続に疲れてしまうでしょう。

ただ、前に私が見学させてもらった授業(法律関係でした)では講師は淡々と話していかれる形で授業を進めておられたので、文字通訳(このときは速記タイプでの入力)でほぼ全てを伝えることができているという感じがしました。

ところが、今回の講師は「歴史意識」がこの日のテーマということもあり、学生との対話を授業に取り入れておられました。
そうすると、先生の話し声はピンマイクで入ってくるのですが、学生の声は入らなかったり、手話と一緒に話すので、入力者には聞き取れなかったりするわけです。
そうした会話を他の学生も分かることが大切ですが、その部分の情報保障ができないという問題が発生していました。
「学生との対話」は、授業にとって大切な要素です。

聴覚障害者に対する授業での情報保障というのが、始まって日が浅いということもあり、研究の余地がまだまだ残っていることを感じました。 


■お礼&感想■
本当に、いろんな所で、いろんなグループが、いろんな大学が、情報保障について研究や工夫をしているんだなぁ〜…と、改めて思いました。

●私が茨城県にある筑波技術短期大学にお伺いするようになったのは、10年ぐらい前からだと思います。
全て手話通訳(主として外国のお客様の通訳)としてでした。
当時から、大学としては「遠隔での通訳」ということを考えられていたようですが、その頃の私は、「授業での遠隔通訳」という形を想像もしていませんでした。

勿論、既に、海外との交流の中で、講演会やイベントでは、「日本・アメリカ」での「インターネットを利用しての手話・音声・映像による対話」は行われておりましたので、「あること・できること」は知っていましたが、それが日常生活である「授業」でも使われるようになるとは思ってもいませんでした。
しかし、今、それが、技術の進歩と協力者のお蔭で、ここまで進んでいるのだと、改めて感じました。


●技術がどんなに進歩・進化しても、一番大切なのは「人」です。
研究者・先生・大学のスタッフの皆様も、ボランティアとして学生への情報保障をおこなっている通訳者(文字・手話等)も、「人」です…。
そして毎週月曜日、1〜3時限目までの情報保障(パソコンによる文字通訳)を担当してくださっている「PCY298」の皆様もボランティアだと伺っております。

現在の聴覚部での、「技短・PCY298・産総研」での「遠隔文字通訳」という態勢が実施される以前より、技短では長年、情報保障に関しての研究が行われておりました。
また「PCY298」では、同じ技短の「視覚部」の聴覚障害のある弱視学生への情報保障として、かなり大きな文字で表示する「パソコン要約筆記」のサポートもされていました。

皆様の多くのご研究や実績を、私共のような一般の、聞こえる学校でボランティア活動をしている者にも伝えていただき、折に触れ、ご指導・アドバイスをいただけると嬉しいと思いました。


●いろいろな大学で、学内での通訳研究(音声認識等)、遠隔からの文字通訳、学生同士での手話&文字通訳態勢、地域のボランティアサークルとの連携など、いろいろな形での情報保障の形が生まれています。
そしてその中で、「正規職員としての通訳者の採用」をされている学校も出てきました。
今年度から技短には、専門職として「情報保障」に関する職員が採用されたと伺っております。

また、技短では以前より、スピードワープロ研究所による、入学式や卒業式等の遠隔文字通訳も行われておりましたし、「音声認識」による文字通訳(字幕表示)システムの研究も進んでおります。
「手話通訳」に関しては、「他大学で学ぶ聴覚障害学生への遠隔地手話通訳システムによる支援実験」も始まっていると発表されていました。


●時折、技短の卒業生(既に社会人となっている方々)とお会いする機会があります。
社会に出ると、思うようにコミュニケーションが上手く行かなかったり、情報保障について、職場での理解が得られないことがあるなど、それぞれに悩まれることもあるそうですが、皆さん、技短で学ばれたことや個性を活かし、充実した日々を送られているようです。

また、技短には、卒業生以外の多くの聾者・難聴者が、「非常勤講師」として顔を出されています。
いろいろな分野で既に活躍されている聾・難聴者の先輩が、数多く技短を訪れ、講義をしてくださるというのは、在学生にとっても、とても勇気付けられることではないかと感じることがあります。


♪最後になりましたが、改めまして、皆様にお礼です。♪
「今日からです。(爆笑)」と、楽しく素直にお答え下さった、歴史学のM先生
見学に関して、いろいろとお気遣いいただいた、「PCY298」のI井さん、Y崎さん
産総研で扇風機をつけて待っていてくださった、S田さん
そして…
大学内での許可を取っていただき、最後に、「音声認識字幕システム」のお話しまでお伺いできるように手配してくださった、H川先生
本当に…本当に…ありがとうございました。

♪いつか、「ケーブルカー」と「ロープウェイ」を制覇したいと思います。(^_-)-☆♪

【国立大学法人 筑波技術短期大学】 http://www.tsukuba-tech.ac.jp/
【PCY298(ピー・シー・ワイ・ツクバ)】 http://www.pcy298.com
【聴覚障害者の授業理解遠隔支援システムを開発】〜筑波技術短期大学と共同で運用実験をスタート〜
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2003/pr20030623/pr20030623
【インターネット上で利用できる新しい字幕提示システム 】
http://www.tsukuba-tech.ac.jp/shomu/sokuho/03gotext.htm#10
【スピードワープロ研究所】 http://www.speed-wp.co.jp/

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