小児のための聴覚口話法 |
小児のためのAuditory Verbal法
日本コクレア社副社長 ジャネット・オリバー (通訳:井相田美樹) 皆さん、こんにちは。ちょっと日本語ではプレゼンが出来ないので、今日は井相田が通訳させていただきます。今、毎週日本語のクラスに通っているのですが、まだ間違いが多いために、日本人を通訳として、わたしが英語で話します。先日エレベーターに乗っていたのですが、エレベーターに乗っている人に4歳に連れてってくださいといってしまいました。ほんとなら4階お願いしますと言うところです。なので、間違いを減らすため英語でやらさせて頂きます。 聴覚活用法:人工内耳装用児のためのハビリテーションモデル ジャネット・オリバー BA.、Dip.Teach.、M.Ed.、Dip.Ed[聴力とコミュニケーション障害] P.G.Dip.Aud.、M.Aud.SA. (CC)Cert.AVT. クリニカルアプリケーション担当副社長 日本コクレア、コクレア社 ------------------------------------ 今日は、人工内耳装用児のためのオーディトリー・バーバル法の重要性についてお話しさせていただきます。 人工内耳装用児のための聴覚活用法 ・人工内耳装用児のためのAV法は、人工内耳からの信号を使い聴覚を最大限に引き出すこと、そして発話の発達のために最適な条件作りを促進することを目的としたハビリテーションの応用と定義付られます。 ------------------------------------ 人工内耳装用児には毎日の日常会話を発達させるためにそれ専門にフォーカスをおいたオーディトリー・バーバル法が重要です。世界中で人工内耳装用児にとってオーディトリー・バーバル法というのは今一番重要視されている分野です。オーディトリー・バーバル法というのは人工内耳からの信号を使って聴覚を最大限に引き出すこと、発話の発達のために最適な条件を造りそれを促進することを目的としたハビリテーションです。ですので一番重要というかフォーカスをおかないといけないのは、視覚やハンドキューに頼ったものではなく人工内耳からの信号によって、聴覚を使って聞くということです。それは別の聴覚を使う以外にお子様がコミュニケーションの手段として何か別のこと、例えば読話とかハンドキューを使うということをすぐにやめてしまえと言うことではありません。 ハビリテーションはなぜ重要か? ・重度・高度難聴はコミュニケーションや言語習得過程の初期、あるいは発達段階において大きな影響を与えます。 ・初期段階におけるコミュニケーションの発達の遅れは自発性や社会性に影響を与えたり、家族活動などに障害をきたすことがあります。 ------------------------------------ ハビリテーションというのはなぜ重要なんでしょうか。高度重度難聴はコミュニケーションや言語習得の過程の初期あるいは発達に大きな影響を与えます。研究によりますと初期段階におけるコミュニケーション発達の遅れは自発性や社会性家族の活動に影響することがあります。 ハビリテーションはなぜ重要か? ・人工内耳は、音へのアクセスのみで、言葉の意味をもたらすものではありません。 ・Nucleus24システムに見られる発達は、改良を重ねた成果です。 ・適切な聴覚に基づいたハビリテーションが最適な効果をもたらすカギとなります。 ------------------------------------ 人工内耳は重度、高度難聴のお子様に音へのアクセスを与えることは出来るがただそれは音というだけで、その音が自動的に意味をもたらすものではない。ですので、この音へのアクセスというのは言葉を学んでいく第1歩になるわけです。ですので、よく考えられたオーディトリー・バーバル法というのが発話、発達への第1歩になるわけです。 聴覚活用法のアプローチとは? ・AV法でのアプローチは、論理的かつ決定的な主義に基づいたもので、難聴児が残存聴力(たとえそれが最小限であったとしても)や電気刺激(人工内耳)を使って聞いたり、言葉を発したりということを学びます。 ------------------------------------ 今日、限られた時間ですので、オーディトリー・バーバル法の基礎をお話しさせて頂きたいと思います。お手持ちの資料なんですが、そちらにオーディトリー・バーバル法の資料が書かれています。日本語になっているものです。ですから今日、ここで講演させていただくのは基礎です。この後ビデオをご覧になって頂きます。オーディトリー・バーバル法は電気刺激・・人工内耳などですが聞いたり言葉を話したり、発したりということを学びます。これは論理的かつ決定的な主義に基づいたものです。じゃあ、基礎的な重要性といいますか、そのことをお話しいたします。 聴覚活用法実践の基礎 ・難聴の早期発見と確認 ・聞くことを通じて学ぶことの利点を最大限に引き出すために、適切な補聴器や人工内耳の技術を用いること ------------------------------------ 一番最初なんですが、難聴の早期発見とその確認ということが重要になります。早期に難聴を発見すればするほど、また早期に補聴器や人工内耳を装用するほど、その結果は発達の結果がよくなると言われています。 聴覚活用法実践の基礎 ・積極的な聴覚管理 ・有意義な状況で聴覚刺激が最大限に引き出せるようご両親を導くこと ------------------------------------ 次に重要なことですが、毎日そして一日中補聴器や人工内耳を使い、それで聞くことを通じて学ぶ利点を適切に引き出すことが重要になります。積極的な聴覚管理というのが重要になります。 聴覚活用法実践の基礎 ・個別のセラピーで子どもの聴覚や言語発達を支えること ------------------------------------ 先ほどの中山先生のプレゼンで評価法をお話し頂きましたがその評価をより的確にするために、聴覚管理は必要になります。簡単に聞こえてしまうかもしれませんが聴覚を元にした聴覚を使って理解しようとしているお子さんにとって人工内耳や補聴器を一番最適に装用することまたそれらが最適に機能していることが一番大事なことです。人工内耳のオーディトリー・バーバル法に一番大事なものとしてあげていいのが、ご両親の参加と言うことです。オーディトリー・バーバル法では装用児の方だけではなくご両親と一緒にセッションを進めていきます。家族のセラピーへの参加が重要となります。ですので、オーディトリー・バーバル法で重要なことの一つとして、ご両親に指導をしていくと言うことがあります。ご家庭で聴覚をうまく引き出すためにどうしたらいいかという指導を行っていきます。病院の先生、STの先生言語聴覚の先生は多くても週に1,2回あうだけですが、ご家族の方は毎日お子さんと接しています。今全国的にスクリーニングなども行われていくようになると思うんですが、それは、小さな幼いお子様です。5歳6歳ではなく、1才や新生児になると思います。ですからまだ学校にも行かれてない年齢ですし、そのくらいのお子様は常にご家族と生活しています 聴覚活用法実践の基礎 ・発話やコミュニケーションスキルの発達を活性化させるため、聞くこと、話すこと、言語や知識の自然な発達パターンを用いること ------------------------------------ わたし、ジャネットはオーストラリア出身ですがそこでシドニーのプログラムというのがあります。そちらで人工内耳の手術を受けるお子様は2歳以前がほとんどです。典型的というか12〜14ヶ月のお子様が大多数を占めています。ですので、セッションの内容もご家族と一緒にと言うことが多いです。これらのお子さんは学校で座っていたりと言う年齢ではありません。先ほど申し上げましたシドニープログラムの大多数のお子さんは90%以上は2歳以前に手術したお子様で大多数は5、6才になるころには通常の学校に通っています。 聴覚活用法実践の基礎 ・子どもの聴覚、発話、言語そして認知の能力を常に評価し、子どものニーズに合わせてプログラムに変更を加えること ------------------------------------ 重要性の別の面としまして個別のセラピーで子供の聴覚や**発達を支えることということがあげられます。そのここのセラピーではそのお子様とご家族の為のカリキュラムを組みます。これはもうどのお子様にも共通というのではなく、個々のお子様のプログラムを組んでいきます。ですので、プログラム全体の特定のカリキュラム、共通するカリキュラムはありません。聞くことや話すこと、言語の自然な発達のパターンを用いることで全てを改善しようとしているからです。特別なカリキュラムはありませんが通常の発達というのはどういうことでしょう。このお子さんはどういう事ができるか、どういう能力を持っているかということを見極めます。たとえば4才のお子さんで人工内耳装用者、その前は補聴器などは使ってないお子様の話をします。こういうお子様のためにわたくしなら、4歳児としてプログラムを始めることはしません。このお子さんは実際には4歳ですが聞く力は4才のお子さんとは違うと思います。というのは人工内耳の前には補聴器もつけておりませんでした。ホントに言葉の覚えはじめの初期としてセッションを始めていきます。 聴覚活用法実践の基礎 ・両親がハビリテーションに積極的に参加すること ・発話発達のモデルとなるよう両親をサポートすること ------------------------------------ もう一つの重要性としまして、子供の聞く力、話す力、言語や認知力を常に評価し、その子供のニーズに合わせてプログラムを変更することがあげられます。カリキュラムをただ流すのではなくこのお子さんの理解力がどれくらい早いのかそういったことに応じて常にプログラムを変更していきます。先ほども申し上げましたがご両親のセッションへの積極的な参加というのは非常に重要です。というのはご両親は発話発達のモデルだからです。お子様にとっての。聞くことが生活の手段となるよう子どもの生活を聞くことと統合することが重要です。 聴覚活用法実践の基礎 ・聞くことが生活の手段になるように、子どもの個性に聞くことを取り入れること ・発話を自分で確認できるように統合した聴覚システムを確立すること ------------------------------------ もう一つの重要なことは発話を自覚できるよう統合した聴覚システムを確立することということがあります。人工内耳装用児は言葉を自分の発話する言葉をよく聞かなければいけない。それからできるだけ通常の会話のスピードに近づける努力をしていく必要があると思います。もし、私が明日何か突然自分の聴力を失ったとしたら私の発話能力は、例えば今日昨日のレベルですが、短い間にどんどん衰えていってしまいます。ですので、お子さんにとって重要なことは自分の声を自分で聞くということです。それは人工内耳を通じてでも補聴器を通じてでも同じ事です。 聴覚活用法実践の基礎 ・子どもが教育や社会生活に最大限入り込めやすくすること ------------------------------------ もう一つの重要性としまして子供が最大限に教育や社会の場に入りこみやすくすることということがあります。たとえそのお子様が特別学級とか特別学校に行かれていたとしてもこういうふうに健聴児と接する機会があれば自然な発話に接することが出来ます。よいチャンスだと思います。 事例研究:聞くことによる学習! セレスティ トレバー マシュー ディビッド ------------------------------------ ここでですね、4人のお子さんのケーススタディのビデオをご覧いただきたいと思います。最後に出て来るデイビッド君は既に人工内耳の手術を行っています。 ビデオ:セレスティ ・15ヶ月 ・高度難聴 ・おもちゃやものと音を結び付けることを学習中 ・見ることよりも聞くことを促すためハンドキューを使用 ・3ヶ月前から補聴器を装用 ・AVセラピーを始めて2ヶ月 ------------------------------------ 最初のお子さんはセレスティちゃんです。15ヶ月で高度難聴です。このビデオの中でおそらくみなさんお気づきになると思いますが音をおもちゃやものと結びつけることを学んでいます。それで、セラピストはハンドキューを使っています。このハンドキューは口を隠すハンドキューなんですがこれはみることより、聞くことを促進するために使っています。このビデオが撮られたときにはこのお子さんは補聴器を3ヶ月使っています。そしてオーディトリー・バーバル・セラピーに通って2ヶ月目のお子さんです。(英語では牛は「ムー」といいます。モーではありません。)今のビデオで、申し訳ございません、英語だったんですがだいたいの雰囲気を感じていただいたと思います。どういう風に音をまねしていくかと言うことです。そしてご両親、お父さんもお母さんもセッションに参加しています。セラピストなんですが、ご両親に何かを教える場面がありました。お子様に教えるんではなく親に教えて、それを真似させる場面があったと思います。 ビデオ:トレバー ・18ヶ月 ・高度から重度難聴 ・初歩的な簡単な質問を理解する ・音楽が好き ・赤ちゃん言葉や簡単な言葉に似ているものを使う ・11ヶ月前から補聴器を装用 ・AVセラピーを始めて10ヶ月 ------------------------------------ 次のお子さんなんですが男の子。トレバー君です。18ヶ月です。高度から重度難聴でして、人工内耳に適応するんではないかと言われています。簡単な質問でしたら、理解することが出来ます。音楽が大好きで、そして赤ちゃん言葉を使います。そして類似している言葉、初期、簡単な類似している言葉をよく発します。11ヶ月前から補聴器を使っていまして、セラピーを始めて10ヶ月になります ビデオ:マシュー ・2歳 ・重度難聴 ・音を発することを学習中、そして、初期の言葉を覚えつつある ・遊びを通じて赤ちゃん言葉から抜け出しつつある ・6ヶ月前から補聴器を装用 ・AVセラピーを始めて5ヶ月 ------------------------------------ 次にみていただくお子さんはマシューくんです。2才です。重度難聴で音を発することを学んでいます。そして初期の言葉を今開拓中です。遊ぶことを通じて赤ちゃん言葉からちゃんとした大人の言葉に今移行中です。6ヶ月前から補聴器をつけ始めセラピーを初めて5ヶ月です。 ビデオ:デイビッド ・6歳半 ・重度難聴 ・2歳半のとき人工内耳の手術を受ける ・手術前の聴覚反応はまったくなかった ・AVセラピーを始めて3年半 ------------------------------------ 最後にご覧いただくのがデイビットです。6歳半で重度難聴です。彼が2歳半の時に人工内耳の手術を行いました。このビデオを撮ったときには、人工内耳をつけて4年がたっています。人工内耳の手術の前は聴覚の反応は全くございませんでした。人工内耳をつけて4年間。そしてオーディトリー・バーバル・セラピーに通って3年半になります。 二人ガールフレンドがいます。金髪の女の子の方が好きだそうです。金髪は明るい色なので好きだそうです。黒髪だって輝いている人がいますよ。 ちょっと今デイビッドくんが出てくるまで時間がかかってしまって申し訳ありませんでした。先ほども申し上げたとおり人工内耳をつけてから4年になりますが、このオーディトリー・バーバル・セラピーに通い始めて皆様もおわかりいただけたと思いますが、聴覚に頼ったコミュニケーションが取れるようになっていると思います。 聞くことによる学習! ------------------------------------ すみません。ビデオを探すのに手間取ってしまいました。ビデオはここでやめさせて頂きます。時間も超過しましたし。どうも、ありがとうございました。 |
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