人工内耳友の会−東海−
おいで、音の世界へ!


おいで、音の世界へ!
〜聴覚障害の赤ちゃんをおもちの、聴者のパパとママへ〜
知茶子シュタイガー(ちさこ・しゅたいがー)著
新刊!



聴覚障害児のお母さん方に接すると、その中に「わが子を想う情愛・鉄をも溶かす」と思われるような「熱い」お母さん方に遭遇することがある。そして決まってそのような親に育てられた子どもたちは立派にのびる。この本の筆者・知茶子シュタイガーさんもその一人である。ホームページを通じて知り合い、フランスから子供を想う「熱い」メールがビシビシと飛んできた。そしてこの本の内容の底辺にある息吹にもその熱さを感じることができる。自分の子供の「母語を何とするのか?」を真剣に考え自分たち親と同じ「音声言語で育てたい」とする人たちにとってこれは格好の指南書である。ドイツ語もフランス語もおそらくは英語も堪能な筆者が日本の方たちにわかりやすく「日本語で」書いて頂いた「愛情の書」である。
20年前に受けた聴覚口話教育の成人達の声をフィードバックしてろう教育を見直そうとする試みもあるが、現在と大きな相違が一つあることに気づくべきである。それは補聴器も人工内耳も進化し、聴覚障害児の聴覚が、20年前よりもはるかに改善されている点である。時代は変わり補聴器もアナログからデジタルへ、人工内耳も出現し進化している点である。現代の聴覚障害児はその恩恵に預かるべきである(なのにその恩恵を享受できない子どもたちが多いのも事実である)。
聴覚活用教育(A-V教育)が何なのか・聴覚口話教育が何なのか・音声言語とは何なのかがこの本にはふんだんに織り込まれている。私がドイツ留学時に見てきた人工内耳センター、海外の方との交流で得られた諸外国の知見、また長崎のろう学校・長崎ベルヒアリングセンターの補聴器・人工内耳のたくさんの子どもたちの療育の基本と全く同じ方針である。さらにこの本は具体的な方法についても親の立場でやさしく詳しく伝えている。聴覚障害児のご両親だけでなく、補聴器や人工内耳に関わる人、療育者、医療関係全ての人に「聴覚障害がありながら音声言語を楽しむ意味」を知るためにお勧めしたい本である。
(神田耳鼻咽喉科entクリニック・長崎ベルヒアリングセンター院長 神田幸彦)

編集:「ACITA」+ 人工内耳友の会―東海―
発行:人工内耳友の会「ACITA」

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〒338−0001 埼玉県さいたま市中央区上落合9−13−9 古川さち子宛
            FAX:048−855−2751


内容紹介(目次)

1.なぜ音声言語を選ぶのか?
ことばを共有することは世界を共有すること。音の世界に生きている私たちにとってそれは自然な願いです。
●音は安心のおくるみ
●赤ちゃんとことば
●音声言語は難聴の否定?

2.なぜ〈聴く〉訓練が必要か?
ことばは教えるものではなく学ばれるもの。本当に〈聴く〉力を育てることで、自然で豊かなことばを自分で身につける基礎を築きます。
●大前提1:聴こうとする態度
●大前提2:ベストな聞こえ
●目を使って〈聴く〉訓練はできない
●声を出す・聴く・直す

3.A-V教育 (基礎編)
●今日から家庭でできる実践のいろは
●聴かせる
●プロソディー (ことばは音楽)
●フィードバック (自分の声を聴いて直す)
●コグニティブ (意味の広がりと奥行き)
●ちょっとアドバイス

4.A-V教育 (応用編)
●基本の考え方 (A-V教育協会がまとめた10のポイント)
●体験絵日記 (客観の視点)
●ごっご遊び (ものごととことばのつながり)
●予習と復習のごっご遊び (体験を深める)
●ストーリー性(ものごととものごとのつながり)
●童話の再演 (読書を楽しむ)
●お話作り (描写・想像力)
●チームプレー (情報保障のもうひとつのかたち)

(特別寄稿)
美知子の思い出 スザンネ・シュミット

巻末資料
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A.賢いパパとママの聴覚障害教育豆知識
補聴技術者・言語聴覚士・聾学校教諭…いろんな専門家との長いおつきあいの始まりです。まずこれだけは押さえて、賢いママ・パパになりましょう。
●聴覚補正・情報保障
●聴覚障害児教育

B.参考資料
聴覚障害、聴覚障害児教育、赤ちゃんとことばの発達、人工内耳、etc. もっと知りたい人のために・・・・・・




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