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いんぷらきっずのQ&A
〜人工内耳装用児のパパ、ママ達の知恵袋〜

<1. 手術前の質問>

Q1001(手術の告知)
2歳6ヶ月の男児です。もうすぐ人工内耳手術をするのですが、手術をするという事を教えた方がいいのでしょうか?手術やリハビリでストレスが溜まり、円形脱毛症になる子もいる。と聞きましたが、果たして説明して理解してくれるかどうか・・・。子供には、はじめに説明しましたか?もししたのであれば、どういう方法でしましたか?子供なりにストレスってたまりますか?教えて下さい。


A1001(体験A1)
一度に全部を説明する必要はないと思います。検査の日だったら、朝起きて、「今日は病院行くよ。レントゲン撮るよ。」と、1日ずつの説明で良いのでは。
うちの場合、3才になる少し前のオペでしたが、入院する当日の朝、時間をきっちりとって、用意していた塗り絵の冊子をもとに、ドーンと入院の荷物を見せて、お話しました。入院してからはその都度塗り絵を見せて、「一緒だね。お母さんと、ここでネンネするよ」とか、看護婦さんが現れたらそのページを見て「一緒だね」とか、お話しました。あまり不安にさせるのを避けたいこともあり、今のこと(せいぜい今日のこと)位の説明にしていました。

A1001(体験A2)
その子の成長具合によると思います。わかるレベルの事だけ、わかるように教えてあげればいいのでは。まだ訳の分からない小さい子どものほうが、手術への恐怖もわかなくて楽だろうと思います。子どもの場合、実際にやってみないと、どういう反応を示すか全く予測が付かない事が多くて困ります。
うちは、手術に向けての初診が3才6ヶ月、手術が4才3ヶ月です。母が付添える病院か、子どもだけの入院かでまた違うと思いますが、私は付添える病院だったので、その時々で対処しようと、事前にはあまり言いませんでした。通院のたびに、病院は楽しいね、先生はやさしいね、と洗脳していき、入院する(病院でママとネンネする)、手術をすると告げたのは入院直前でした。箱型補聴器をしていましたので、補聴器が新しく大きくなるよ、その補聴器はよ〜く聞こえるからと話しました。手術なんてわかっていなかったので、ただそのためにはちょっと痛いかもとだけ教えておきました。
入院してから、病室のみんなが何処かへ行って、すごい形相で帰ってくる、その様子でなんとなく手術がわかったみたいで、ちょっと怖がりました。でも母も一緒に入院してましたので、「ママがいるから大丈夫よ」と明るく過ごしました。パパや、もしいればペットや祖父母などなど、お別れしなくてはいけない人のことは、「しばらくバイバイよ」と教えてあげたほうがいいのでは。娘はパパが大好きだったのですが、「パパと3週間ぐらい(具体的にカレンダーをみながら)お別れよ」と教えると、涙ぐんでいました。

A1001(体験A3)
うちは、失聴により2才6ヶ月より言語訓練を受け、3才1ヶ月で手術しました。その間半年位時間があったわけで、その間に包帯やはさみ、注射器のおもちゃを使って、お医者さんごっこならぬ手術ごっこを何度もやって遊びました。手術に対する恐怖心を和らげるためでした。
全く聞こえないわけですからジェスチャー、キュードスピーチ、手話、絵、写真とあらゆるものを使ってコミュニケーションをとりました。「手術をしたら良く聞こえるよ」「ママとお話できるよ」「聞こえると楽しいよ」などなどで、子供自身が不安にならないように話しました。
例えば病院に行く時も写真や絵を使って「今日は○○先生と勉強だからバスに乗って電車に乗って病院に行こうね。」とあらゆるものを使って話すと本人もよくわかって納得してくれました。聞こえなくても通じることが1番大事だし、良くわかって納得して手術を受ける事は大切と思っていました。小さくても3才なりに理解してくれれば良いと思っていました。

A1001(専門A)
個人差はあると思いますが、やはり子どもにも納得のいくようにした方がよろしいのではないでしょうか? テディベアなどの人形を使ったり、ぬり絵などで手術や人工内耳の理解をしてもらうなどの方法がとれます。また、以前にお子さんの手術をなされたご両親と情報交換なさることにより、実体験に基づいたアドバイスが頂けるとおもいます。また、ACITAの会では小児部会もありますので、そちらに問い合わせてみるのも一案かと存じます。もちろん病院の担当の先生と充分にご相談なさってください。

Q1001(追加質問)
手術前の質問の答で、テディベアはもらえるのでしょうか?買うのでしょうか?どこで、もらう(買う)のでしょう?

A1001(専門A)
基本的に人工内耳の手術を実施している病院には、テディベアが用意されています。個人でも購入できるよう準備中ですので、もうしばらくお待ちください。

Q1002(装用効果)
2歳6ヶ月の男児です。うちの子みたいに、2年も補聴器の効果がなかったというお子さんはいらっしゃらないんでしょうか?うちの子は2ヶ月後に手術を受ける予定ですが、これからの2ヶ月の間も補聴効果は現れないと思います。全く聞こえていない状態で、手術を受けて、果たして、効果は現れるものなのでしょうか?

A1002(専門A)
人工内耳の適応基準として、「補聴器の補聴効果がまったくかほとんどみられない」という項があります。おそらく、補聴器を使用して音の入力が全くなかったために、補聴効果が薄かったものを思われます。人工内耳を装用することによって音の情報が確実に入力されることによって傾聴態度等に変化が現れてくる装用児の方が多くおります。

Q1003(手術前にやるべきこと)
手術前に、これだけはできた方がいいと言う事はありますか?

A1003(体験A1)
聴検ができること(音の有無がわかる)があると思います。マッッピングのために、聴力検査を受ける姿勢があることが大事だと思います。小さい子には、聞こえたらボタンを押すという聴検はつまらなく、集中できないので、その子に合った方法(たとえば聞こえたら車を並べていく・・・など)を見つけてあげることが大切かな?

A1003(体験A2)
術前に、STと子供の信頼関係を作れたことが何より術後のマップ作りやリハビリに影響しました。相性もあるので、術前に子どもとSTの様子を見れるといいかな?と思います。

A1003(専門A)
手術する年齢、発達段階によって各人異なりますので、一概には言えませんが、人工内耳を使用する前に、マップを作製する際に、挿入された電極ごとに聞こえ始めの音と大きくて聞き易い音を調べる検査があります(T/Cレベルの測定)。音の大きさについて主観的な判断ができるようになっていれば、正確なマップが作成できる可能性があります。しかしこれは、必ずしも最初からできていなくてもある程度近いマップで徐々に音が入っていくことで、だんだんに正確なマップが作っていけるようになります。

Q1004(手術時の兄弟1)
手術の時、兄弟はどうしていましたか?

A1004(体験A)
長男の手術の時、次男は9ヵ月でした。お義母さんに、田舎から出てきてもらってお願いしての3週間でした。ちょうど次男の後追いが始まった頃で、手術の付添いのために断乳もしました。会えない距離での入院ではなかったのですが、私は途中敢えて帰りませんでした。その方が、次男にとってもお義母さんにとっても良いと思って。せっかくペースをつかんで暮らしているところへ、数時間でも母親が姿を現すと、また1からやり直しになっちゃうと思ったから。可愛い盛りの次男と別れるのは辛かったし、私が留守の間に成長していく姿を見逃す事も寂しかったです。義母にもしんどい想いをさせたことと思います。それを承知で、引き受けてくれた母や、3週間義母を貸してくれた(?)義父さんには感謝してもしつくせません。それほどのみんなの願いがこもった手術でもあったわけで、決して無駄にはできないと思っていました。

Q1005(手術時の兄弟2)
手術の時に、下の子ども(7ヶ月)をどうしようか悩んでおります。離乳食を始めてはいるのですが、母乳から離れることができません。子供づれで入院、ということはできないでしょうか。

A1005(体験A)
それは考えない方がいいのでは、と思います。病院って、どんな細菌がどこにいるかわかりませんよ。私は、その時だけは手術にいどむ長男だけを見て、長男だけに専念してあげたいと思い、そうしました。

Q1006(入院時持参すると便利な物)
入院の時、持って行くと便利なものはありますか?

A1006(体験A1)
普段お気に入りのおもちゃをしばらく前から隠しておき入院時にみせると効果的でした。

A1006(体験A2)
私は○○人形(子どもに似せて作った人形)を作りました。布の段階から子どもに見せて、「何ができるかなあ?」と楽しませ、最後に「自分だ!」と判ると、結構可愛がっていました。入院中の説明・説得に役立ちました。

A1006(体験A3)
私も○△人形作りました。私の場合、入院中は人形と遊ぶ余裕はなくて、退院してからの方が音入れ・聴検などの説明に役立っています。

A1006(体験A4)
T医大で手術(96年)したのですが、入院時の説明をしてもらう時、抑制筒という物が必要だと聞きました。これは腕にはめる筒状の物で、術後に手で患部を触れないようにする物です。手作りの物で、ポテトチップのチップスターのように、筒に入っているものがありますよね、この筒を使います。脇の少し下位から肘の下までの長さを決め,筒を縦に切ります。これをキルティングなどで覆い、マジックテープを着けて腕の太さに合わせて止められるようにします。(血圧計の腕にはめる物と同じようなもの)これによって肘が曲がらないので、手が耳元にいかないのです。子供はかなり嫌がるけど、始めのうちは使ってみるのも良いかも。
それから、病院の食事が美味しく食べられるように、ふりかけや少々の調味料を持って行くのもいいかも。これは、そっと内緒でね!

A1006(体験A5)
同じくT医大で2000年に手術した者です。「抑制筒」は使われていましたが、親が持ちこむものでなく、病院ですでに用意してありました。手術の翌日に面会に行くと、子どもは両手に筒をはめられていました。包帯を一度はずしてしまったそうで、そのために付けられたのだそうです。私はたった4時間の面会時間ぐらいはと、外してあげ、帰る時にまたつけました。でも、ママと一緒の入院の方だと、ママがちょっと部屋を離れる時などに使えば便利かな、と思います。(T医大は完全看護の病院です)

A1006(体験A6)
うちは、点滴用の穴がつまってしまい、点滴で苦労しました。最初は左手に点滴用の管が入っていたのですが、駄目になり、右手、左腕、最後は足にまで点滴の針を刺さなければなりませんでした。右手が使えなかったのは、ほんの1日半ぐらいだったのですが、利き手が使えないと絵も描けずとても不便でした。ドミノみたいな利き手じゃなくても遊べるものがあるとよかった。

A1006(専門A)
手術や人工内耳を少しでも理解するための「ぬり絵」があります。病院の先生にご相談してみてください。

Q1007(SPベルトの準備)
スピーチプロセッサーを入れるベルトは入院前に用意しておいた方がいいんでしょうか?


A1007(体験A)
音入れまでに準備すればいいのではないですか。本物を見る機会がなくて、どれくらいのサイズかわからず、苦労しました。

A1007(専門A)
音入れ前までに、ご準備できれば十分だと思います。コクレア社でも販売しておりますので、ご入り用でしたらご連絡頂きたいと存じます。

Q1008(塗り絵)
子供の入院中にコクレア社から絵本を頂けると聞きましたが、どうすればもらえますか。

A1008(専門A)
病院のご担当の先生にご相談ください。この「ぬり絵」は、人工内耳の手術をするまでのストーリーが書かれたもので、ぬり絵をしながら入院から退院までの様子を理解することができます。



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