Copylight (C) 2010 Kanda Mori  All rights Reserved

土曜日の本
土曜日にゆったり読むような本です
地味企画『土曜日の本』

「リボーン」F ポール ウイルソン

re、ボーンです。生まれ変わりですね。

エンターテイメント小説というのは、カタルシスを得ることを目的に作られてる小説、と思うんですが
この「リボーン」は、構造的にカタルシスを得られにくいように、なってるんですねえ。

よく、まあ、漫画もエンターテイメントなので、悪役と正義役を、はっきりわけろ!
と、編集に言われる場合も、あったりするんですが、そういうのは脳みそがシンプルすぎて、
現代的ではないのではないか、とも思うんですが、この「リボーン」なんか読むとそういう
脳みそ真っ白的シンプルさ、も必要なものではあるなあ、と感じます。

どういうことかというと、この物語は二つの勢力のあらそいの話しです。

主人公(の一人)の女性がいて、その人が妊娠してしまうんですが、それがどうも悪魔の子のようなのですよ。
それで、その女性が「偏執狂的なキリスト教団体」に狙われるのです。

「偏執狂的なキリスト教団体」は、その女性を暴力で誘拐して、強制的に堕胎しようと付け狙うのですが、
ここがカタルシスを得られにくい、ストーリー構成の欠点なのです。

つまり、
 (1)正義のためとは言え、無理矢理女性を堕胎させるのは、かわいそう。
 (2)でも、女性側が勝っても、悪魔の子が生まれてしまう。

と、どっちの勢力が勝っても、すっきりとしない後味の悪いつくりになってるんですね!
でも作者というものは、その難題を克服して、読者が納得できるオチにもって行く義務があるんですね!
そう、義務なんですよ、これは。金払って買ってもらってる分の、、、。

娯楽物と文学作品の違いは(漫画も同じだけど)、読者に義務をもってるか、どうかですねえ。
つげ義春なら、わけわからないオチを付けて読者を、霧の荒野のなかに、置いてきぼりにしてもいいんですが
私は読者にいつも負債を払わなくてならないのですよ。めんどくさいですねえ。
まあ、ほとんど払ってないのではないかと、つっこみが入りそうですが。

それで、作者はこの構成上の難題をいかに解決し、カタルシスのあるエンデイングに持ち込むか?と思ってたら、
すごい卑怯な手に出てました。

「終わらない、、、、。」

シリーズ化して続いてました。そんな卑怯な、、、。ずるっと、こけました。

まあ、女側が勝って悪魔の子が生まれてしまうんですが、悪魔の子が生まれたからって、良かったね!と言って終わるわけには、
エンターテイメント小説では、いかないわけで、そこになんらかの解決とかオチが、カタルシスを得るためには、いるんですが、
それを、シリーズ化して逃げるトワ!!トワ!!トワ!!

テイトーワもびっくりです!(無理なオチ)

地味企画『土曜日の本』

「フレームシフト」ロバート J ソウヤー

またもや、ロバート J ソウヤー!!

と、書いても、このサイトは一日200人の方が、見に来てるんですが、もしかして一人も知らないの
ではないかと、推測されるロバート J ソウヤーです!
続けて読んでしまいました。

今度は、遺伝子操作がテーマです。

だから、ひと昔前に量産されたモダンホラーみたく、遺伝子操作で、バケモノが出現し、大パニックに!
と、思ったら全然ちがってて、単に主人公が遺伝子の問題からおこる「ハンチントン病」の遺伝子学者で、
自らの病気を直すため、DNAの謎を追求するというだけの、ことでした。

いやあ。地味ですねえ。
この辺の地味さの「はずしてる感」が、ロバート J ソウヤーの今いちB級作家たるゆえんでしょうか?

で、SFっぽいのは、主人公が遺伝子学者である、という設定くらいのもので、メインのスジは
「元ユダヤ人収容所の残虐指揮官の隠れナチを捜せ!?」というもので、「遺伝子学者」をはずすと、ほとんどSFになってません。
いよいよ地味ですねえ。

でも、例によって、つまらなくはなく、まあまあ面白いのです。

地味企画『土曜日の本』

「ゴールデン フリーズ」ロバート J ソウヤー

これが、また地味な話で。

まあ、hal9000(だったか)のような、宇宙船内における管理コンピューター反乱もの
というようなものです。

面白いのは、コンピューターがウイルスに感染することです。
「2001年宇宙の旅」の頃は、コンピューターウイルスに感染するという
発想自体なかったので、このへんはリアルタイムな現代の話だなあ、と思いました。

本には、リアルタイムで読む緊張感がありますね。時代とシンクロしてる感じとか、同時代を生きている
共感とか共通感を感じます。
昔の本はそれはそれで、いいものですが。

ロバート J ソウヤーが、また地味なぱっとしない人で。
でも、最近けっこう読んでるんですが。ちょうど読みやすい感じで。タイムスリップ恐竜ものの、「さよならダイノサウルス」
とかあるんですが。

なかなか、B級な空気をかもし出してやまない、エンターテイメントSF路線の人です。

巻末の写真を見ても、なんとも売れなさそうな顔してます。いわば、カリスマ性の正反対状態と、申しましょうか。
でも、それはそれで、愛すべきものです。

地味企画『土曜日の本』

「ダーティ ホワイト ボーイズ」
スティーブン ハンター


ダーティ ホワイト ボーイズだぜ!(そのまま)

キタナイ白人のガキどもですよ!ガキどもといっても、出てくるのは30代のアンちゃん連中なんですが。
いわゆるプアホワイトですね。

もう、これでもか!これでもか!シネ!シネエ!と、エネルギッシュに殺しまくります。

かと、いってスプラッター小説ではありません。ハードボイルド!です。
カタユデタマゴです!カタユデハムスターって、食べ物はどうでしょうかねえ?

ハムスターをじっくりユデル、、、、、。オエゲボボボ!!まずそうですねえ。というか、
じっくりユデルと、やわらかくなりますね!

で、このスティーブン ハンター、最近プッシュが、かかってるようですよ。
本屋でも、平積みで全作品がズラ〜と、並べて売られてます。

 「ブラックライト」
 「狩りのとき」
 「極大射程」

などと、ありまして、出版が扶桑社と新潮社に、またがって出てるという、変な状態になっています。
この3つは同じ主人公のシリーズなんですがね。「極大射程」だけ新潮社なので、翻訳とかも違っていて、空気感が
やや異なります。こういうのは、たまにありますが、なんとかならないでしょうかね?

この中では、「狩りのとき」が一番面白かったです。
ベトナム時代の話の中での、壮絶な戦闘シーンとか、とてもすごいです。読んでるだけで、三発くらいは、
被弾してるような、痛い気持ちになります。

ダーティ ホワイト ボーイズは、脱獄した終身囚が、子分2人と逃げながら、むやみと人を殺しまくる話し。
スティーブン ハンターは、アゴを撃たれて、アゴが吹っ飛んでとれるシーンが好きなのか、
二回も出てきます。

なにか、そこに暗い性的喜びを、得ているんでしょうか?ハアハア、、、、。

地味企画『土曜日の本』

「ミクロパーク」ジェイムス P ホーガン

どんどん、わかりやすくなっていく、ホーガン先生である、、、。

昔は、ほんとうにむずかしかったのにねえ。
初期の名前だけはなぜかとても有名な「ガニメデの優しい巨人」なんかは、
「ハードSF」などと呼ばれて、とても読みとおすのがハードだった。

でも、それが悪いわけではなく、すげえ意味難解な作者本人意味わかって書いてんのか
とゆうような、科学知識大羅列百科事典的大展開に、うひゃあ、、と
我慢してつきあってるうちに、あーら、不思議。だんだん、面白くなってくるのである。

「科学を考える知的喜び」(言葉にして書くとチンプだな)とゆうようなのが、味わえる。
小学校で理科の実験で、ワクワクするような(最近のイジメでカツアゲして自殺でブッコロスようなガキも感じるのか?)
喜びの高級版のようなものである。

そんな、難解な事で有名だった、ハード SF ホーガン先生であったが、歳とともにカドが取れて、とてもわかりやすい
ものを書くようになった。娯楽エンターテーメント路線にすっかりシフトチャンジである。
まあ、それでも面白いけど。
最近の作品は、昔の作品の一冊分のエネルギーで4冊くらい書いてる感じである。
まあ、これくらいウスくした方が、売れるのかもしれない。

さあ、集中して読むぞ!とがんばらなくても、ダラダラ読めるのは正直いって助かる。

ダラダラ読めないものといえば、ダンテの「神曲」、、、、。
買って一年くらいたつが、30Pぐらいしか、読めてない。生きてる内に、終わりまで読めるのであろうか?

えー。
ミクロパークは、1センチくらいのロボットをあやつって、子供達が悪者をやっつける作品。
と、書くとすごく面白くなさそうだが、そういうことはなく、まあまあ面白い。

地味企画『土曜日の本』

「日本フォーク私的大全」なぎら健壱

あーさー。

実に眠い。この眠いのに、なんで、なぎら健壱について考えなくては、ならないか?と
思うが、考える。

そういやあ、近くにマンダラ2という、フォークとかのライブハウスがあって、
この前も、なぎら健壱が出ていた。よくそこでライヴをしてるようである。
店の外で開場をまっている客が並んでたりするのだが、なぎら健壱の日とかは、客層が違う。

なんか、昔からフォーク唄ってるような、70年代の生き残りのような人々とかが、ならんでいて、心がなごむものである。
「若者の町」だった吉祥寺のなごりが、感じられる。今はもうフォークな空気はないなあ。

この本は、とても面白い。フォークでも、今聞くと時代に消費されてしまってる「ダメなフォーク」と
今でもかっこいい「いいフォーク」の二種類あるが、良い方のフォークについて書いてある。
とくにアングラ系のフォークにくわしく書かれていて、「シバ」とか「武蔵野たんぽぽ団」とかが出てくる。

私はフォーク世代ではないのだが、太古の記憶のなかで、昔「ケメ」という人の曲とか本人を、よくラジオで
聞いていたような記憶があったが、この本によると、ケメはアイドル的な売れ方をしたが、二年くらいで
人気がなくなり消えて行った、そうである。そうか。そういう人だったのか。

やっぱり、三上寛だな。

地味企画『土曜日の本』

「脚本家はしんどい」パーネル ホール

このシリーズも、ずいぶん長くなったなあ。こんなに長く続くとは、思わなかった。
もう読みはじめて、10年ぐらいたっている。

作者のパーネル ホールは元売れない俳優で、アーノルド シュワルツネッガーの無名時代の映画、
「超人ヘラクレス」に、ワキ役で一瞬出てるという話は有名である。
セリフが一言くらいある。たまたま、この映画は見ていた。

「売れない俳優です」と自嘲ぎみに、ただし少しナルシズムに酔って語る俳優は多いが、
この人は本当に売れてなかったらしい。

この「超人ヘラクレス」が、またイタナイ映画で、深夜放送とかでたまにやってても、
誰も見ないような映画だが、(でも面白い)、筋肉男ヘラクレスがニューヨークに現われて、 大暴れというサイケな映画である。

ところで、この小説、シリーズ名がない、、、。
実に呼びにくい。オビのコピーでは、

「控えめな探偵が活躍するシリーズ」(最近、この呼び名は使ってないのかな?)
「友達になりたい探偵ナンバーワン!」

とか、書いてあるが。

これが、なかなかヌルイ話なのである。探偵物のライトコメディーである。こう、ダラダラと読むにはなかなか
良いものなのである。ヌルイ話なので、すげえ!傑作面白い!という事はないのだが、70点くらいの感じで
だらだらと、面白いのである。

堂々の大十作目である。

主人公の設定は、10年も続いてるんで、もうよく憶えてないが、脚本家をめざしながら、生活のため交通事故とかの
こまかな訴訟用の探偵をバイトでしてるが、ほとんどバイトが専業になってきてる、というものである。たしか。
で、今回の作品は、主人公の書いたシナリオが、ハリウッドのC級プロデューサーの目に止まり、どんどん改作されて
わけのわからない話しになり、人もどんどん死ぬ話しである。

まあ、いつもと同じ感じである。

ところで、表紙が江口寿史。いいなあ金もうけていそうだなあ、、、。これ一枚描いていくらもらってんのかな?
うーむ。金がほしい。

地味企画『土曜日の本』

「スナッフ フィルム追跡」
ヤーロン スヴォレイ+トマス ヒューズ


たまたま、このあとに「8mm」とゆう映画をみたら、ほとんど同じテーマをあつかっていて
驚いた。

ようするに、「スナッフ フィルムは実在するか?」という話である。ドキュメント。

このヤーロン スヴォレイという、なぜかイスラエル人のライターが、
スナッフ フィルムを求めて、タイ、アメリカ、イギリス、ドイツ、オランダ、ユーゴスラビア
と、情報を求め訪ね歩くのである。

各国のギャング、ヤクザ、マフィア、ロシアンマフィアに、「とある金持ちにたのまれスナッフ フィルム
を探してるバイヤー」ということにして、接触してゆくのであるが、ウソがばれて殺されかけて、
離婚の危機には直面するしたいへんなのであるが、どうもうさんくさいのである。

このヤーロン スヴォレイというライターが、なんともハッタリをかませるっぽい人でねえ。
全体を、小説仕立てにして、ハリウッド映画を見てるような感じにしてるのが、
なおさら、信ぴょう性をあやしくしてるのだが、、。

「"スナッフ フィルム"は実在するか?」という前に
「"スナッフ フィルム追跡"は本物か?」という本が書けそうなくらいである。

どうも読んでるうちに、とある出版社の編集会議で、

「次はスナッフ フィルムが来そうだから、命知らずのジャーナリストが、
命がけで裏業界に潜入して、世界中を回って、スナッフ フィルムを手に入れるまでの話を、
ドキュメンタリーってことにして、でっちあげで書いたら、読者は頭悪いから、みんな本当の話だと信じて、
ベストセラー入りして、お金ウハウハ儲かりまっせ!!ひーひひひ!」

というような会話が、なされたんではないか?という疑惑がどうも読んでて始終、頭によぎるのであるが。
懐疑的すぎであろうか?

ラスト。
結局、スナッフ フィルムはユーゴ内戦のセルビア人勢力によって作られてると、突き止めた主人公、
ついにスナッフ フィルムを手に入れるが、兵隊につかまり連行されてる間に、
スナッフ フィルムがなくなってしまう、というオチは、「やっぱり、そんなオチだと思った!!」
と思った。

なんとなく、終わりの方を読んでいて、原物を入手して存在を確認するが、
アクシデントで証拠のスナッフ フィルムを失ってしまう。で、原物を見せて証明することはできない
のが、残念だが、本当にあったのはこの目で見たのである、、、、、、、、。
というようなオチになるんじゃないかと、思ってたら、本当にそういうオチになった。笑。

この本を読んで、昔の木曜スペシャルの「川口浩探検隊シリーズ」を思いだしたのは、
私だけだろうか?

と、書いてしまうと、まるでインチキ本のようであるが、そういう事はなく、かなり緊張感ある
リアリティーのある本である。
ただ、どうも巧みにだまされてる感じがするのだ。
地味企画『土曜日の本』

「ハンニバル」トマス ハリス

今まで、書いた本がすべて、歴史的傑作であるという、すごいトマス ハリスの新作である。
と、言っても4冊しか書いてないが。

で、今作であるが、残念ながら、歴史的傑作ではなかった。ただの傑作だった。

いや、実に面白くていいんだけど、なにかたりないなあ、という感じである。
まあ、知ってのとおり、「羊たちの沈黙」ですっかり有名になった、レクター博士という
人肉を食うのが好きなオッチャンが、出てくるのだけど、
どうも、レクター博士が、復讐のために追われる、という構成がまずいんじゃないか、と思う。

やはり、スーパー犯罪者である、レクター博士は、ネチネチと追う方が似合っているし、
これだけの天才でかつヘンタイに、狙われたら、そりゃあたいへんだ!という緊張感が出るのだが、
それがなかった。

ついでに、レクター博士は娑婆をうろつかん方が良い。
刑務所の厳重な警備のオリの中で、懲役500年というような、刑を受けて閉じ込められてる方が、
怪物性が発揮されると思う。

刑務所に閉じ込められてるのに、高度な知性と優美な趣味をもっている、というのが魅力なのに、
それが娑婆に出て、実際に優美なバロック趣味の生活をされてしまうと、妙に叶姉妹のような
俗悪な感じになってしまう気がするのだが、、、。

「羊たちの沈黙」の前作の「レッド ドラゴン」などは、読んだのが昔なのでよく憶えてないが、
いわばノビタ君のようなダメ人間の犯人が、竜にあこがれ?、歯をやすりでとがらせ、竜のイレズミを
入れて、鏡の前で「しゃあああああ!!」とかポーズを取り、「おれはドラゴンだ!」
とか、悦に入るあたりは、本当に変態がリアルで気持ち悪面白かった。

いやあ、気持ち悪い気持ち悪い。

トマス ハリスは、本人が変質者なのではないか?と思うくらい変態の描写がうまいので、
変態好きは読もう。

地味企画『土曜日の本』

「暴虐の奔流を止めろ」クライブ カッスラー

大人気の?クライブ カッスラーのシリーズである。大人気なのだろうか?
日記猿人でも、クライブ カッスラーのクの字も語られてるのを、見たことはないし。
ジャンルの閉鎖性というか、この手の翻訳アクション物を好む読者なら、誰でも知ってる
クライブ カッスラーだが、その他の人々には、まったく知られてないのかな?

まあ、これはアクションだけど、SF、ホラーなど翻訳ものの文庫本が、近年いよいよ売れなくて
死に体だという。こんなに面白いんだけどねえ。面白いんだけど、この手のジャンルを読む人々だけが
読んで、一般からの新たな読者の参入がまったくない、というのが、衰退の原因ではないかな。

村上春樹や村上龍なんてバカな物は、猫も杓子も読むのだが。村上春樹や村上龍は、名作を書いてるフリを
して実はバカだが、クライブ カッスラーなんて、最初からバカだからなあ。
この最初からバカをめざす、心意気の良さがわからないであろうか?

ストーリーはダークピットとゆう、アメリカの海洋捜査機関のダイバーがいて、湖にたまたま潜ったら、
わさわさ中国人の水死体が、湖底に沈んでいて、悪い中国人企業家が何万人も中国人を密入国させ
アメリカを中国人だらけにして、乗っ取ろうと計ってると言う、悪事をあばくもの。
おお!面白い!というか、こういうの面白いと感じるのは、世間では少数派なのか?

この「外国人の密入国や移民で、国家が衰退して行く」というテーマは、最近のアメリカの小説では、
よく目にする。ずんぶん、大衆の間で問題意識として、捉えられてるんだろうなあ。

このシリーズは、延々と続いていて、もう17冊くらい出ている。
話は、ハリウッドの娯楽大作を小説にしたような、徹底的なアメリカンなエンターテイメント路線である。
シリーズのお約束としては、毎回事件に沈船がからんでくる、それとかならずワンシーン、
「クライブ カッスラー」という名の人物が出てくる。役ガラは毎回違うけど、それでおいしいところを
さらっていく。というか、シリアスな展開してる中で、いきなり出てくると、なかなか脱力して面白い。

読まずに死ねるか!(内藤チン)。

地味企画『土曜日の本』

「スペクター」スティーブン ローズ

なんとなく、なつかしい。 

一般の人は知らないと思うが、10年くらい前に、翻訳本界?にモダンホラーブームというのが、
おきて、いろいろどどーっとモダンホラーの本が出たのである。
そんな頃の本である。

モダンホラーブームは今、いずこ?

モダンホラーブームは、クーンツとかスティーブンキングとかの、ホラー+エンターテイメント+
SFとかいろいろ、というミクスチャーな娯楽路線であった。
クーンツなんて、中身がとてもからっぽで、読んでるだけで、バカになる。
読む前と読んだ後で、知能指数が下がってることは、科学で証明されてるのである。

そんなブームもすっかり去り、クーンツも新作は、ぜんぜん出ないで、旧作の版を変えての再出版物
ばかりである。

「スペクター」は、デイスコにゴルゴンが住み着いて、テレビやラジオの電波を使って、
デレク&ドミノスの「レイラ」にのって、人を殺しまくる話。ひどい集約だな。

地味企画『土曜日の本』

「マンガ日本の歴史」士農工商

士農工商ですね。

士農工商といえば、身分制度。身分制度といえば、さけるにさけられないが、踏み絵をふむように
ふれたくないのが、部落問題。

この子供向けの本でも、おそるおそる触れられてました。
エタとか非人とか。

この本は大手出版社から出てますから、
「エタ」とか「非人」とか「部落」とかいうタブーの言葉は
通常は、死んでも、マンガに載ることはないのですが、さすが歴史勉強マンガ、載ってます。

大手ですから、それはそれはエリートな有名大学卒の、担当編集者が、おそるおそる
上層部に、おうかがいを立てて社の意向を聞いている姿が、目に浮かぶようです、、、、、。

まあ、うっかり変なこと、本に書くと、へんな窓のなかがよく見えないような四角くて黒いスピーカーのついた車が、
会社の前にやってきた、カラオケを唄いはじめますからねえ。
せめてモーニング娘。でも唄うならいいんですけどねえ。いや、モーニング娘。の方がいやな感じですかねえ。

古本屋で200円くらいでした。
この手の本は、当時の生活や家の中や人々の着てる服の、解説とかあったりして、
とても資料として使えます。ありがたやありがたや。

しかし、やっぱり、どうどうと「エタ」「非人」とか「部落」とか、書いてるのを見ると、ドキッとしますねえ。

地味企画『土曜日の本』

「ガラスの城の記録」手塚 治虫

手塚 治虫が、少年漫画が売れなくなってきたので、青年誌で青年漫画を描こうとしたけど、
どうも作風が、向いていなくて、今一つ、売れなかった頃の作品です。

手塚 治虫は、ブラックジャックとか、有名な作品は、さすがに今さら読もうという気には
ならないですが、こういうマイナー目で一冊で終わってるような長篇(ようするに打ち切られた?)
とかは、なかなかシブイ味わいがあっておもしろいです。

手塚 治虫は、やっぱり青年漫画は向いてないですねえ。
やっぱり、女が書けませんからねえ。まあ、いろいろ裸を出して、ニンフォマニアな女とか、
出してるんですが、どうも色気がないというか、人形みたいというか。

かえって、「リボンの騎士」とか「ピノコ」とか、子供向けの漫画に出てくる女の方が、
変な色気があるんですがねえ。

面白いのは、これは(1)になってますが、2巻はこの世には存在してないのです。
雑誌がつぶれたか、なんかして、未完のまま終わっています。
いきなり、途中でブチと終わってるのです。

まあ、こうしてあらためて読んでみると、子供の頃とかに読んでた時は、気がつかなかってけど、
けっこう絵が雑ですね。なかなか描き飛ばしてます。パパパッと線をいそいで引いちゃうから、
線が固くなって、人間がみんなロボットのようになってしまってます。だから、アトムが受けたのでしょうか?

冷凍催眠の長寿法で人間狩りがどうのこうのとゆう話しです。



コミック アニメ 漫画 ホラー 無料


QLOOKアクセス解析

アダルトSEO