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土曜日の本2
土曜日にゆったり読むような本です
『土曜日の本』

「闇の報復」
F・ポール・ウィルソン


これも懐かしい名前。F・ポール・ウィルソン。ナイトワールド・サイクルというシリーズ物なのだが、シリーズ物だと続けるために解決しないまま終わったりするので、単発で書いてほしいな。
『土曜日の本』

「アッシャー家の弔鐘」上下
ロバート・R・マキャモン


懐かしい。モダンホラー全盛期によく読んでいたロバート・R・マキャモン。日本版の発売は1991年である。この頃は良かった。題名の通りポーの「アッシャー家の崩壊」をモチーフにした地味な作品。始めの方はポーぽく暗いムードを出して描こうとしていたようだが、後になるとほとんどいつものモダンホラーなのりになってくる。
『土曜日の本』

「影が行く・ホラーSF傑作選」
P・K・ディック、D・R・クーンツ他


しぶい。珍しい所では「遊星からの物体X」の原作のジョン・W・キャンベル・ジュニア「影が行く」は入っている。キャンベルさんは作家としてよりSF黄金記の名編集者として有名だが、こうして小説を読んでみると、素材やアイデアは面白いのだがどうにも文章が読みにくい、話の流れやつながりがぎこちないとか、小説家としてはあまり良くない。ブライアン・W・オールディス「唾の樹」が非常に良い。懐かしい名前がたくさんの本。
『土曜日の本』

「マンハッタン強奪・上下」
ジョン・E・スティス


宇宙人によってマンハッタンがえぐり採られて住人ごと宇宙に持ち去られてしまう話。そんな事ができるわけがない。
『土曜日の本』

「アレフの彼方」
グレゴリー・ベンフォード


これはひどい。けっこう売れてる作家なのだが、小説としてのドラマ部分が弱すぎ。恐ろしくつまらなかった。
『土曜日の本』

「マカロニほうれん荘・2」
鴨川つばめ


しかし今頃マカロニほうれん荘を読むのもどうかと。しかも、これがここ一年で読んだ唯一の漫画の本だとは。漫画ラブがないねえ。しかしマカロニほうれん荘、昔読んでほんとうにつまんねえと思っていたものだが、今読むともしかしてかえって新鮮で面白いかも、と思って読んだがやっぱりすげえ面白くない。まあ、30年も前のギャグ漫画を今さらつまらんと言われても困ると思うが。こうして読むと勢いだけで人気が出る事はままある、と言う事だな。俺にも勢いくれよ、鴨川つばめ。
『土曜日の本』

「マークスの山」
高村薫


「新宿鮫」にはまったのをきっかけに、ほとんど人生において読んだ事のなかった日本人の小説を読んでみようと思って買って来た。高村薫は前から面白そうな予感がして気になっていた名前だったのだ。しかし、これまた重厚で重くて長い。漫画を描いている頭から見ると、非常に驚くべき事に、刑事側の主人公が100P以上すぎてからじゃないと登場しない。これは漫画ではまずできないので、驚いた。それまで別な刑事が捜査していて、こっちで最後まで行くと思っていた。しかしまあすごい才能と力量だな。
『土曜日の本』

「新宿鮫・風化水脈」
大沢在昌


おお。大沢在昌である。非常に好きなので冷静な批評はできない。ていうかそんなの誰も期待していないか。なにしろ「極道ラーメン」という漫画にこれをパクった新宿青鮫(そのままだな)というキャラを出したくらいである。最近はまた「新宿パチ鮫」という漫画を描いているのだが、あまりにくだらないので世間に発表する意味があるが疑問に感じているくらいである。で、これだが非常に読みごたえがある。昔はもっとベタでいたない部分があって、それがまたよくてベタだからこその、「良い台詞」が出たりしたのだが、最近のは練り上げられて来て隙がないので、そういう部分はなくなってきたな。
地味企画ふたたび『土曜日の本』

「破壊の黙示録」
デヴィッド・ウィルツ


さらに現代に近付く。下のがあまり良くなかったが、また買ってくる。惰性とも言う、保守的心情とも言う、新しい物を読んで完全にコケるよりは、いまいちでもお馴染みのシリーズの方が安心できると言うか、そういう消極的理由であるが、一応ぜんぶ読んでやろうと言う、登山家のような状態でもある。なんか前のがやはり評判が悪かったが、今までのシリーズとがらっと変えて来て、場所も違うは、登場人物も入れ替えるは、変態連続殺人鬼というコンセプト自体変えるはで、まったく別物になっているが、今回はなかなかおもしろい。ニューヨークの連続爆弾犯人の話。
地味企画ふたたび『土曜日の本』

「眠りについた骨」
デヴィッド・ウィルツ


さらにデヴィッド・ウィルツを読んでみる。今度は逆に現代に近付いていく。これはシリーズ屈指のできのいまいちな作品だな。「俺はキャプテン・ラァァァァァァァ〜〜〜〜ブだァ!」なんて言う、セックスがうまいだけが武器の、変態殺人鬼が、やってて興奮するとつい人を殺してしまうという話しなのだが、キャプテン・ラァァァァァァァ〜〜〜〜ブじゃなあ……。お笑いにはなっても、話は盛り上がらないな、やはり。
地味企画ふたたび『土曜日の本』

「倒錯者の祈り」
デヴィッド・ウィルツ


妙に印象に残ったのでデヴィッド・ウィルツを、さかのぼってもっと初期の頃から、読んでみようと買ってくる。この違和感はなにか?と思っていたが、その原因、たぶんどうもデヴィッド・ウィルツがホモ。写真からもどうもインテリホモな匂いが。ホモを差別するわけではないんだが、関係ないシーンで妙におじいちゃんが孫を抱いているだけなのにチンコ立ってたりするし、それ伏線かと思ったらぜんぜん関係なくて、単に作者の欲情のなせる脱線のような気がするが真実はいかなるものか?あと、主人公の男がミステリーの主人公のステレオタイプからはずれていて、妙にめめしかったりして。簡単にいうと男のオバサンのような感じがたまにしたりして、個性的といえば個性的な作風である。
地味企画ふたたび『土曜日の本』

「歪んだ愛」
デヴィッド・ウィルツ


ブライアン・フリーマントルが非常に面白かったので、他のブライアン・フリーマントルを読もうと思ったら、サイコなのはこのシリーズだけで、他のは普通のミステリーやスパイ物らしいのでやめて、かわりになにかサイコはないか?サイコはないか?と探したら目がついたのがデヴィッド・ウィルツ。全然、聞いた事もない。なかなか小説がへたで緊張感がなく、特に前半だらだら長い感じで、もっとエピソードをしぼってちじめればいいとか思って読んでいたが、無駄のないストーリー展開より、キャラクターの内面描写におもむきを置く作風らしく、キャラクターがなじんでくる後半になると、がぜんおもしろくなった。あと、たぶん小説がへたなせいだと思うが、へんな計算していないC調なところがあるのが違和感があって妙に印象に残る。なんか狙っていない真面目なシーンなのに笑いがとれるような……。
地味企画ふたたび『土曜日の本』

「虐待者」上下
ブライアン・フリーマントル


なんか名前だけはよく聞いた覚えがあるフリーマントルを買ってきてみた。「デット・ミート」にくらべると非常に小説的にうまい。かなりち密な心理描写をずっと続けていて、読んでいてへえ、うまいなあと感心する。しかし「女性捜査官」が主人公で「プロファイリング・シリーズ」……、いかにも狙った感じのあざとさが感じられておかしい。サイコ物、2冊続けて面白かったので、しばらく重点的に読もう。
地味企画ふたたび『土曜日の本』

「デット・ミート」
トレバー・バーンズ


聞いた事もない人のサイコサスペンスを買ってくる。思った通りで非常におざなり、B級な内容。いかにも奥域がなく薄く低俗。かと言ってつまらないわけはなく、非常に面白い。しかし、主人公の女が身動きできない状態になり、犯人に殺されかけるのだが、そのピンチをいかにくぐりぬけたかと言うと、その前に犯人が食べたサケのカンヅメが腐っていて、急性食中毒で死んでしまって助かるというオチは、いかがなものか?これくらいなら俺にも書けそうだな。
地味企画ふたたび『土曜日の本』

「アトランティスを発見せよ」上下 
クライブ・カッスラー


大型海洋冒険小説。もう10何冊も出ているダーク ピット シリーズで最近のはほどんど読み尽くしているのだが、古本屋にいったら、読んだ事のない新しいめのが出ていたので買って読んだが今一つ面白くない。小説はいつもと同じアメリカンでばかばかしくて大袈裟なハリウッド的なものなのだが、読む俺の方が変わったのだろうか?うむ……。


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