No. | タイトル | システム | 登録日 | 改稿日 |
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0102 | 遺言 | テラ | 02/11/10 | − |
ダイヤ財団 | : | テラ有数の巨大企業の1つ。グループを統括する親会社は、同族経営となっている。 |
ホリー | : | 故人。ダイヤ財団の女性当主だったが、死に際して紙の遺言状の代わりに、オートマータを遺言執行者として残した。夫はずっと昔に亡くなっており、実子2人と養子1人がいる。 |
テル | : | 情報処理機能に特化した大型オートマータ。ホリーの遺言状の代わりとして指定されていて、ホリーの死後10ヶ月目にテルが言う通りの財産分与が行われる予定。実はホリーの人格がコピーされている。 |
ユリ | : | ホリーの養女で相続人の1人。ホリーを「お婆様」と呼んで信奉していた。実はオートマータ。 |
チーパス | : | ホリーの実子で長男。財団のトップになりたいと願っている。 |
ジェーン | : | ホリーの実子で長女。財団経営に興味は無く、贅沢がしたいだけの我がまま女。 |
チーパス | 調査・交渉系PC向け。戦闘系PCも可。もし<バンカー>のアーキタイプを持つPCがいる場合は、ここに割り振る事。 PCはチーパスに雇われ、PCのアーキタイプに即した仕事(護衛、調査員、コンサルタントなど)に就いている。 非戦闘系PCの場合は、「とある専門分野に関する助言を必要とする事業にチーパスが取り組んでいて、PCはその専門家なので」と理由付けする(例えば「蒸気魔術に関係する事業に取り組んでいるので、スーパーバイザーとしてスチームメイジを雇う」など)。 |
ジェーン | アーキタイプは特に問わないが、戦闘力の高いPCをここに割り振らない事。 PCはジェーンの取り巻きの1人として、半端仕事をしながら金を得ている。 |
ユリ | 戦闘系PC向け。最大戦闘力を持つPCをここに割り振る事。 PCは護衛として雇われる。非戦闘系PCを組み入れる場合は、「短期契約で雇われた家庭教師」などとすると良いだろう。 |
チーパス | チーパスは、ダイヤ財団の親会社の平取締役の1人であり、幾つかの子会社の代表も任されている。オーナー一族であるからこそ35歳の若さでその地位に就いている訳だが、実力が伴っているか否かは未知数である。 財団の番頭たちは、内心ではチーパスを軽んじている。「高いカリスマを持っていたホリー亡き後、財団の実質的な経営は自分たちに任せるべきだ」と言うのが番頭たちの本音である。 逆にチーパス本人は、番頭たちを老害と考え、改革の為に自分が立たなければダメだと自負している。そして経営権を磐石にする為に、遺産の2/3に当たるダイヤ財団株式を欲しいと思っている。少なくともチーパスにやる気がある事だけは確かだが、チーパスが経営トップに立つ事が「吉か凶か」は誰にも占えない。 PCは、以上の状況をよく理解している。その上でチーパスに雇われる事になった。 チーパスの日常の描写を通じて、その辺りを追認できるようなロールプレイをする事。 |
ユリ | ホリーの死後2ヶ月ほどした頃、PCは身元の確かな者という事で紹介され、ユリの護衛(または家庭教師等)を請け負う。ユリとテルは同じ家で沢山の使用人に囲まれて暮らしており、季節に合わせて過ごし易い地域に住む場所を変えていると言う。たまたま、今住んでいる屋敷に来たときに使っていた護衛(または家庭教師等)の都合がつかなくなり、それでPCに話が持ち込まれたと聞かされる。 ここで、ユリとテルの日常の描写を行う。 ユリは表情の乏しい娘で、異常と言っても良いくらい時間に正確で、決められた予定を機械的にこなす。頭は良く、実社会の経験を積めば次期当主を務めるのも不可能でもない気もするが、コミュニケーション能力がネックになるだろう事が付き合ってすぐ分かる。護衛(または家庭教師等)として仕えるには面倒の無い相手だが、雑談に乗ってくるという事が無いので会話は弾まない。ただし、独りでいるのを好む風でも無く、「特に会話も無いのにPCの側にいる」という場面が多くなる。 話がホリーに及ぶと、ユリの表情は変わる。ホリーを「お婆様」と呼び、思い出を聞かれれば嬉しそうに語るし、ホリーの悪口を言われれば真剣に反論する。 テルは、周囲の者への口調は丁寧だが、“慇懃無礼”というような感じを抱かせる喋り方をするオートマータで、普段はダイヤ財団の財産管理の実務を行っている。ただの執事型オートマータにしては過ぎた振る舞いがあり、その辺りについてそれとなく周囲の者に聞くと、“オートマータを使った遺言のやり方”について説明してくれる。 あるとき、財団の用事でテルとユリが外出する事になり、PCも同道する。目的地にはチーパスとジェーンもいる。用事が終わった後、テルからチーパスに渡さなければならない書類があると言う事で、“チーパスに<コネ>があるPC”が帰りに寄っていって、受け取って来る事となる。 テル、ユリおよび“ユリに<コネ>があるPC”と“チーパスに<コネ>があるPC”の一行は、帰り道で暴漢の襲撃を受け、戦闘になる。暴漢のデータはPCが絶対に勝利できる程度のものとする。 戦闘中、ユリがテルに対して「お婆様」と呼びかけているのを、PCは耳にする。これまで能面のように無表情だったユリが、必死の形相をしてテルを守ろうとして、「もう二度とお婆様を失いはしない」と叫んでいる。 ユリの家に到着し、“チーパスに<コネ>があるPC”が書類を持って帰った後、それまで黙っていたテルは「オートマータを使った遺言のやり方」について“ユリに<コネ>があるPC”に説明する。その上で、「犯人の目的は、『テルを破壊して遺言を無効にする』または『ユリを殺して相続人を減らす』のどちらかの可能性が高い」「そうすると容疑者は2人に絞られるが、実行犯から黒幕の証拠を掴むのは難しいだろう」と言う。そしてテルから「現在、亡当主の財産は凍結されており、制限内でしか使えない。だからユリの護衛や、黒幕の捜査にお金は掛けられない。そんな状況ではあるが、ユリの護衛と襲撃犯探しを改めて請け負ってくれないか」と頼まれる。これにPCは承諾するものとして進める。 なお、ユリがテルを「お婆様」と呼んだ事について、当人たちは惚けて答えない。使用人に聞けば、「自分が教えたと言うなよ」と口止めされた上で「テルの人格は、亡当主ホリーがモデルになっているという噂がある」と教えてくれる。 |
ジェーン | ジェーンは、ダイヤ財団の系列子会社から相当な額の給与所得を得ているが、実際には全く働いていない。ときどき、財団の式典にオーナー一族として出席するくらいである。独身で、取り巻きにかしずかれながら勝手気ままに暮らしている。 取り巻きの多くはゴロツキで、男娼同然の者、喧嘩の腕を買われた者、或いは単に面白そうな道化者だからなどという理由で雇われる。ジェーンの気紛れもあるので、入れ替わりが激しい。つい最近になって、PCは「金の為」と割り切った考えでジェーンに雇われた。 ジェーンは、ユリが遺産相続人の1人である事への不満を周囲にいつも漏らし、“オートマータを使った遺言のやり方”についても「お母様(ホリー)も死の直前になってボケた」と罵っていた。 こういった様子がプレイヤーによく伝わるように、ジェーンの日常の描写を行う。とにかくジェーンは嫌な女で、「いつでも出て行けるようにしよう」とPCが思うくらいのロールプレイで丁度良い。 ある日、ジェーンが古株の取り巻きに何か命じているのをPCは目撃する。断片的なセリフしか聞き取れなかったが、どうやらユリまたはテルの襲撃を命じた様子だった。数日後、古株の取り巻きが襲撃失敗を報告しているのをPCが耳にする。古株は言い訳の後、「絶対に足の付かないゴロツキを使ったので、こちらが疑われる心配は無い。しかし、何分にもそういった都合の良い輩をそう次々と見付けるのは難しいので、再襲撃にはもう少し時間が欲しい」と付け加えていた。 |