No. | タイトル | システム | 登録日 | 改稿日 |
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0101 | 心の故郷 | RM | 02/10/14 | − |
サザーン地方 | : | 中央から遠く離れた辺境地方。人口はそれなりにあるが、王国政府との連絡が極端に少なく、閉鎖的な独立経済圏を形成している。人間とドワーフとエルフの3種族が住む。 |
人間 | : | 平野部で農耕と牧畜を行っている。中央と断絶された環境にいるにも関わらず、王国への帰属意識が高い。“田舎紳士”という雰囲気で、少々偏屈だが表裏の無い性格の者が多い。 |
ドワーフ | : | 山岳部の地下都市に住み、主に金属の採掘と加工を行っている。法解釈上は王国国民だが、当人たちに帰属意識は無い。穀物や食肉などは人間との商取引で入手しているが、必要以上の交わりを持とうとはせず、それどころか心の中では人間を下に見ている。鉱山ではミスリル銀も採れるが、サザーン地方の人間には秘密にされていて、インゴットの形で蓄えている。 |
エルフ | : | 奥深い森の中で暮らす特殊な上位種のエルフ。人間たちやドワーフたちは「普通のエルフ種だ」と思っている。他種族に依存しない独立した生活を送り、森の中から出て来ず、逆に余所者が森の奥に入ると追い出してしまう。一般には全く知られていないが、エルフたちは「より上位の存在に転生する事」を目的にしており、当然ながら王国への帰属意識などは持っていない。 |
経過日数 | イベント |
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0日目 | PCが人間の町のリーダーに任命される。 |
1日目 〜 14日目 |
町の人間に「最悪に備えて避難の準備をしてくれ」と指示しても、「まだサザーン地方の壊滅が確実と分かった訳では無いから」と本気で動いてくれない。ドワーフとエルフの動向を見ない限りは、人間は重い腰を上げないと言う事を思い知る。 |
5日目 〜 10日目 |
地下都市で数名の鉱山技師(ドワーフ)と合流して調査に赴く。ドワーフは、サザーン地方からの撤退の為にできるだけ多くの労働力を注ぎ込みたいと考えており、PCを護衛として使うつもりでいる。調査する場所の中には既に閉じた坑道もあり、そういった所にアンデット系のモンスターがいたりする。そういった際の戦闘はPCのみで行わなければならない。また、山越えなどに際して適当な技能判定を要求して、失敗した場合は適当なダメージを与える事。 各所での専門的な調査の後、鉱山技師の1人は首を振りつつ「駄目だな。ミスリルの埋蔵量が多過ぎるから不自然な山だとは以前から思っていたが、これだけ悪い方に地脈が乱れれば、後は崩壊していくだけだ」と口にする。別な鉱山技師が「おい、人間の前でミスリルの事を口にするな」と言った後、少しばつの悪そうな口調で「詳細は文章で報告するが、結論は『早ければ2ヶ月以内にサザーン地方は壊滅する』という事だ」と言う。 ドワーフの鉱山からミスリル銀が採掘できる事はそれまで人間の知らない事であり、地下都市に戻った後で追求すると「事実だが、保安上の要請から秘密にしていた。他意は無いし、今回の出来事とも無関係だ」と苦々しく言われる。それでも内心は関連性を疑っていて罪悪感からか、「護衛のボーナスだ」と言って幾ばくかの金をくれる。 |
15日目 | ドワーフより、正式な調査報告書が届く。これを見せれば、腰の重かった人間たちも、ようやく本気で避難の準備を始めようと言う気になる。 なお、ドワーフから情報を買わなかった場合は、この段階でもまだ人間は避難準備を始めない。 |
16日目 〜 30日目 |
ドワーフたちが避難を開始する。隊商を組んで少しずつ街道を進む予定で、1ヶ月(45日目まで)あれば運べるだけの財産と共にサザーン地方を出て行く事ができる見込みらしい。 人間の方は、避難する気にはなれたが、運び易い形で財産を持っている訳でも無いので混乱している。 NPCたちは、 「この期に及んでまだ、本当に壊滅するのか疑う者」 「とうてい運べる訳の無い物(商品としての大量の穀物とか)や意味の無い物(何々の記念に作った石碑とか)を持って行こうとする者」 「避難先で話し合えば良いのに、今この場で財産の所有権争いにかまけている者」 「理屈では無く、ただ何となく生まれ育った地を離れる事に抵抗を覚える者」 「新しい土地で生きていく苦労を味わうくらいならば、ここで死んだほうがマシだなどと(強がりでor本気で)言い、周囲を扇動する者」 などが次々と現れる。 こういったNPCたちを、ロールプレイまたは交渉系技能を駆使して解決するという展開に誘導する。 また、「基本的に人間の財産はかさ張る物なので持って行き難い」という問題を出して、 「PCの仲立ちで、余剰分の馬やロバをドワーフに売り、貴金属や宝石などに換えてもらう」 などといった解決に持って行けるか問うても良いだろう。 その他、マスターのアドリブで混乱を演出する事。 |
30日目 | もし、PCがドワーフから何の情報も得ていなかった場合、この段階でNPCを通して『サザーン地方壊滅に関する調査報告書』が届く。手に入れる為にNPCは多額の金を使ったと言い、「PCの無能のせいで、貴重な時間と金を無駄にした」と非難する。この場合、避難計画は15日ずつ遅くなるものとして本欄を読み替える事。 |
31日目 | ようやく人間も避難部隊の第一陣が出発のときを迎える。 この頃になると、ドワーフがミスリル銀を採掘していたという情報が一般市民にも漏れ、 「この災厄はドワーフのせいではないか」→「保証金を取ろう」 という動きが起こる。 ドワーフの避難が先行しているので仮に争いを起こせば人間側が有利だとの目算もあり、人間は暴動を起こしそうになる。 ただし、よく考えれば分かる事だが、どれだけ理屈を付けようともドワーフを襲えばただの山賊行為としか見なされない。上手く行っても、後々に罪を問われる事にもなりかねない。 ここでPCは、 「ロールプレイまたは交渉系技能で人間たちを思い止まらせる」 ないし 「完璧なドワーフ襲撃計画を立案・指揮し、目撃者を独りも逃さずに殺して、事後にドワーフの財産を処分する際にも足がつかないように注意する」 の何れかの方策を採らなければならない。 なお、「ドワーフがミスリル銀を採掘していた」という情報をPCがもっと早い段階で一般市民にリークしていた場合は、このイベントはその段階で起こるものとして調整する事。 |
40日目 〜 59日目 |
ドワーフたちは完全に避難を終える。 人間たちは、ようやく避難の最終段階に入る。 ここで、「エルフたちは誰一人として避難していない」という情報が入る。 ここで 「実は火山の噴火というのは、エルフの魔法によるマヤカシなのではないか。人間とドワーフを追い出した後、自分たちのテリトリーを広げるつもりなのではないか」 と言い出す者が現れる。偏屈な者になると、 「真相が分かるまで避難は中止だ」 などと言い出す始末である。 解決するには、PCがエルフの森の外縁に赴いて、話を聞き出さなければならない。 エルフたちは、今回の火山の噴火をただの自然災害とは思っていない。この地方のエルフたちは、「高位の存在に転生する為だけに生きている」のだが、「自分たち全員が一斉に高位存在に転生する日が近づいており、たまたま、その日に火山が噴火する。言ってみれば、高位世界への門が開く副作用で、噴火が起こるようなものだ」という認識でいる。 普段であれば、こういった“教義”を余所者に教える事は絶対に無いのだが、転生の日を直前にして昂っており、少し口が軽くなっている。よって、相手のプライドを突きつつ、「説明を聞かなければ動かないなどと言う愚かな人間を助けて下さい」と下手に出るロールプレイをすれば、話を聞き出す事ができる。 エルフの言い分を聞けば、意固地だった人間も 「ああ、キチガイが戯言を言っていただけだったのか」と納得して、避難してくれる。 なお、事前にPCが独力でエルフの動向を調査して、かつその情報をもっと早い段階で一般市民にリークしていた場合は、このイベントはもう少し早く起こるものとして調整する事。ただし、どちらにしろこのイベントを最後に持って来る事。 |
60日目 | 火山の大規模な噴火により、サザーン地方が壊滅する。 エルフたちは高位世界へと旅立ったのかどうかに関しては確かめようが無いが、噴火の日は彼らが予言した通りだった。 |