No. タイトル システム 登録日 改稿日
0101 心の故郷 RM 02/10/14



はじめに

 このシナリオは、『ロールマスター』の使用を想定して書かれた。しかし、『ソードワールド』などの汎用ファンタジーとして使用可能である。
 PCのレベルは、『ロールマスター』ならば10レベル程度、『ソードワールド』ならば追加経験点1万点程度を想定している。

 ファンタジー以外でも、『天羅万象』や『テラ:ザ・ガンスリンガー』などでの使用も可能である。それらの場合は、エルフやドワーフといった異種族を適当なものに置き換える事。



登場NPCおよび重要事項

サザーン地方 中央から遠く離れた辺境地方。人口はそれなりにあるが、王国政府との連絡が極端に少なく、閉鎖的な独立経済圏を形成している。人間とドワーフとエルフの3種族が住む。
人間 平野部で農耕と牧畜を行っている。中央と断絶された環境にいるにも関わらず、王国への帰属意識が高い。“田舎紳士”という雰囲気で、少々偏屈だが表裏の無い性格の者が多い。
ドワーフ 山岳部の地下都市に住み、主に金属の採掘と加工を行っている。法解釈上は王国国民だが、当人たちに帰属意識は無い。穀物や食肉などは人間との商取引で入手しているが、必要以上の交わりを持とうとはせず、それどころか心の中では人間を下に見ている。鉱山ではミスリル銀も採れるが、サザーン地方の人間には秘密にされていて、インゴットの形で蓄えている。
エルフ 奥深い森の中で暮らす特殊な上位種のエルフ。人間たちやドワーフたちは「普通のエルフ種だ」と思っている。他種族に依存しない独立した生活を送り、森の中から出て来ず、逆に余所者が森の奥に入ると追い出してしまう。一般には全く知られていないが、エルフたちは「より上位の存在に転生する事」を目的にしており、当然ながら王国への帰属意識などは持っていない。



事前状況

 舞台は、とある王国の辺境に位置するサザーン地方。ここに、人間、ドワーフ、エルフの3つの種族が住んでいる。

 人間は、平野部にて1つの小さな町と複数の村を築いて数千人が暮らしていて、主に農耕と牧畜を行っている。住人は「自分たちは王国の国民である」と認識しているが、中央から余りに遠い為に独立した経済圏を形成していて、納税や徴兵などは行っていない。ごく稀に国勢調査などといった理由で中央から役人が来る事もあるが、そういう客人をもてなすくらいが、王国へ行うべき唯一の義務となっている。目立った外敵もいないので常設の軍隊や警察機構を持たず、何かあれば有志からなる自警団や青年団が対応している。

 ドワーフは、山岳地帯に地下都市を築いて住み、鉱山での各種金属の採掘と加工を生業としている。自分たちで生産できない物は、人間と商取引を行う事で手に入れているが、必要以上の交わりを持とうとはしない。
 山岳地帯も王国の領土とされているので、法律解釈上はドワーフたちも国民という事になっている。しかし、王国に帰属しているという意識はドワーフたちに無く、王国も干渉していないので事実上の自治を行っている。

 エルフは、他の二種族がサザーン地方に入植するずっと昔から、奥深い森の中で暮らしている。実はここに住んでいるのは特殊な上位種のエルフなのだが、人間やドワーフは「普通のエルフ種だ」と思っている。
 人間とドワーフは商取引を行っているが、エルフだけは完全に独立していて森の中から出てこない。やはりエルフたちも法律上は王国の国民という事になるが、こちらも当然のように自治を行っていて、人間やドワーフが森の奥に侵入する事を禁じている。稀に酔狂な者が森の奥に入ると、必ずエルフに見付かり、追い出されてしまう。
 実はここのエルフは、特殊な宗教を信じている。この宗教の教義では、「修行して、より高みの存在へと昇る事」を目的としていて、それ以外の事には興味を持っていない。“余所者”に教義を説明する事も無い。

 そんな訳で人間は、ドワーフもエルフも、あまり快く思っていない。
 ドワーフは人間に対して「穀物や肉など、自分たちが生産していない品物を交換する相手」としか見ていない。取引に関しては厳格で、人間側が「来年の収穫時に払うから、先に農耕具をくれ」といった一種の“掛売り”を希望しても絶対に応じない。ドワーフとしては「輸送コストを考えて近くに住むサザーン地方の人間と取引しているが、なんなら遠方と取引したって良い」と考えており、それが態度にも表れている。だからこそ逆に人間がドワーフを敬遠する事に繋がっている。
 エルフは、自分たち以外の存在への興味を全く持っていない。彼らにとって自分たち以外は全てが“余所者”なので、別の地方出身のエルフも“余所者”として扱う(よってエルフのPCも“余所者”として扱われる)。

 そんな状況で安定していたサザーン地方に、今、1つの変化が訪れようとしていた。これまで活動していなかった火山が噴火の兆候を示し始めたのだ。見る者が見れば、このままではサザーン地方一帯が滅亡する事は明らかだった。
 人間は、未だこの事に気付いていない。
 ドワーフは、異変の予兆は掴んでいるが、まさか滅亡に繋がる程だとは思っていない。
 エルフは、超然としている。
 そこへ、中央からPCたちがやって来る。



導入

 PCの内の1人(複数人または全員でも可)を、サザーン地方の出身の人間とする。PCの父親は人間の指導者または重要人物で、閉鎖的な環境を嫌ったPC(たち)は青年の頃に家を出た。
 PCたちはいわゆる冒険者で、長く一緒にパーティーを組んでいる。あるとき「サザーン地方出身のPCの父親が重い病に罹った」という知らせが入り、色々と葛藤もあったものの里帰りを決める。サザーン地方への道のりは長く、多少の危険もあるので、仲間たち全員が付き添う事となった。

 街道を通ってサザーン地方を目指すと遠回りになるので、PCたちは危険を承知で荒野を横断して急ぐ事にする。
 苦難の末にサザーン地方の外縁まで辿り着いたPCたちは、まず最初に森のエルフたちと遭遇する。エルフは、PCが何を言っても森に入る事を許さず、やむを得ず半日ほどのロスを承知で森を避けて人間の居住地を目指す事にする。
 PCは、斜め後ろ左手に森林、斜め前左手に山岳地帯が見える場所を通る。ある所で、急に強烈な硫黄臭がして、ふと左手を見ると丘の上にドワーフが倒れているのを発見する。近寄って介抱すると、そのドワーフは酷い火傷を負っていて、永く持ちそうには無いと分かる。ドワーフは、震える手でPCに御守りのような物を渡し、丘のある地点を指差すと息絶える。
 ドワーフが指差した地点へ行ってみると、御守りが光り、それに呼応するように地面に1人通れるくらいの大きさの穴が開く。どうやらドワーフの隠し鉱山へ繋がる坑道への扉なのだろうとPCは想像がつく。穴の中は熱気に満ちていて、勇気を振り絞って中に入ると、人力のエレベーターが取り付けられた縦穴がある。縦穴を上から覗くと、ほんの十数メートル下まで溶岩が溜まっているのが見える。状況から推して、急に溶岩が噴出して坑道を覆い、ギリギリで地上まで溢れる事は無かったのだと分かる。

 ここまではいわゆる強制イベントによる導入である。マスターが概要を説明して進めても良いし、時間があるならばプレイヤーの理解を得た上でロールプレイを交えながら進めても良い。
 また、プレイヤーには下記の地図を見せて内容を知らせる事。


マップ




本編

 導入終了時点でPCは“隠し鉱山の入り口”にいる。
 この地方の山岳地帯は有史以来噴火したことは無く、こんな外縁で溶岩が噴き出してくるのは異常だというのは素人でも分かる。
 ドワーフの死体を調べれば、この地方出身の者だと分かる。魔法のアイテムで隠し鉱山の入口に鍵をするというやり方も、いかにもサザーン地方のドワーフがやりそうな事で違和感は無い。
 ドワーフの死体を放っておけば、山犬などに食べられてしまう可能性が高いし、それが露見すればドワーフたちが怒るだろう事も想像がつく。
 PCは、ドワーフの死体を持ってサザーンの人間またはドワーフの下へ赴くものとして、以下を進める。

 人間にもドワーフにも分け隔てなく異常を伝えようとする場合、まず人間のテリトリーに寄って事情を話して馬車などを借り、街道を経由してドワーフの地下都市を目指すのが最も効率的で早い。
 手間と時間はかかるが、険しい山岳を横切って最初にドワーフに異常を伝える事もできる。その場合、適当な技能判定などを要求して、失敗した場合はその具合に応じて「大幅に時間が掛かる」とか「山越えは不可能」などとする事。
 ただし、どちらに最初に知らせたとしても、対応が変わる事は無い。

 人間の町では、PCの親である指導者がつい先日に死去しており、後継者問題で揺れている。PCが異常事態を伝えると、「それでは、どうすれば良いとお考えか?」などと、戻ったばかりのPCにリーダーシップを発揮するように期待されてしまう。
 ドワーフに伝えると、短い礼の後、「これは情報料と、遺体の運び賃だ」と言って高額の金銭を渡される。隠し鉱山の入口を開く魔法アイテムに関しては秘匿したとしても特に追求はされない。
 ドワーフ側からは積極的に情報を伝えようとはしない。PCが聞くと、「そちらの情報に対して、我々は対価を払った。我々から情報を得たいならば、そちらもそうするべきだ」と言う。基本的にPCが受け取った金額の半分程度を暗に要求される。
 PCが金を払って話を聞くと、「最近、地震の回数が増えるなど異常を感じる兆候はあった。確信に繋がるほどの出来事は無かったが、PCの話が本当だとすると事態は致命的だ。詳細な調査を行った上で結論を出さなければならないが、“この地方の壊滅”という最悪の事態もあり得る」と教えてくれる。
 詳細な調査結果を知りたいと希望すると、「金(PCには払えないし、町の人間に払わせるのも躊躇われる金額)を払うか、それとも護衛として調査に同行するならば教えてやる」と言われる。基本的に「調査に同行」となるように誘導する事。準備に時間が掛かるので、5日後にドワーフの地下都市に来いと言われる。
 なお、PCが金を払わなかった場合は何も教えてくれない。半月ほどして、人間の商人から「ドワーフたちが何台もの馬車を仕立てて続々と他地方へ旅立っている」という情報がもたらされる事になる。

 PCが人間の町に戻って、町政に携わる幹部たちに仔細を話すと、「PCを新しい町長として立てて、事態の解決に当たってもらおう」という事になる。
 以降、原則的にPCは「壊滅するサザーン地方より、できるだけ多くの人と財産を避難させる」という任務に着く事になる。とは言え、人間全員が一枚岩でPCの命令に従う訳では無く、さまざまな立場での妨害やサボタージュを被る事になる。
 そういう状況に嫌気がさしてPCが何も行動を起こさない場合は、目端の効く僅かな者以外は火山の噴火に巻き込まれて死んでしまうという最期を迎える。

 以下に、起こるイベントを時系列順に示す。ただし、経過日数に関しては柔軟に考えて良い。

経過日数  イベント
 0日目  PCが人間の町のリーダーに任命される。
 1日目

14日目
 町の人間に「最悪に備えて避難の準備をしてくれ」と指示しても、「まだサザーン地方の壊滅が確実と分かった訳では無いから」と本気で動いてくれない。ドワーフとエルフの動向を見ない限りは、人間は重い腰を上げないと言う事を思い知る。
 5日目

10日目
 地下都市で数名の鉱山技師(ドワーフ)と合流して調査に赴く。ドワーフは、サザーン地方からの撤退の為にできるだけ多くの労働力を注ぎ込みたいと考えており、PCを護衛として使うつもりでいる。調査する場所の中には既に閉じた坑道もあり、そういった所にアンデット系のモンスターがいたりする。そういった際の戦闘はPCのみで行わなければならない。また、山越えなどに際して適当な技能判定を要求して、失敗した場合は適当なダメージを与える事。
 各所での専門的な調査の後、鉱山技師の1人は首を振りつつ「駄目だな。ミスリルの埋蔵量が多過ぎるから不自然な山だとは以前から思っていたが、これだけ悪い方に地脈が乱れれば、後は崩壊していくだけだ」と口にする。別な鉱山技師が「おい、人間の前でミスリルの事を口にするな」と言った後、少しばつの悪そうな口調で「詳細は文章で報告するが、結論は『早ければ2ヶ月以内にサザーン地方は壊滅する』という事だ」と言う。
 ドワーフの鉱山からミスリル銀が採掘できる事はそれまで人間の知らない事であり、地下都市に戻った後で追求すると「事実だが、保安上の要請から秘密にしていた。他意は無いし、今回の出来事とも無関係だ」と苦々しく言われる。それでも内心は関連性を疑っていて罪悪感からか、「護衛のボーナスだ」と言って幾ばくかの金をくれる。
15日目  ドワーフより、正式な調査報告書が届く。これを見せれば、腰の重かった人間たちも、ようやく本気で避難の準備を始めようと言う気になる。
 なお、ドワーフから情報を買わなかった場合は、この段階でもまだ人間は避難準備を始めない。
16日目

30日目
 ドワーフたちが避難を開始する。隊商を組んで少しずつ街道を進む予定で、1ヶ月(45日目まで)あれば運べるだけの財産と共にサザーン地方を出て行く事ができる見込みらしい。

 人間の方は、避難する気にはなれたが、運び易い形で財産を持っている訳でも無いので混乱している。
 NPCたちは、
「この期に及んでまだ、本当に壊滅するのか疑う者」
「とうてい運べる訳の無い物(商品としての大量の穀物とか)や意味の無い物(何々の記念に作った石碑とか)を持って行こうとする者」
「避難先で話し合えば良いのに、今この場で財産の所有権争いにかまけている者」
「理屈では無く、ただ何となく生まれ育った地を離れる事に抵抗を覚える者」
「新しい土地で生きていく苦労を味わうくらいならば、ここで死んだほうがマシだなどと(強がりでor本気で)言い、周囲を扇動する者」
などが次々と現れる。
 こういったNPCたちを、ロールプレイまたは交渉系技能を駆使して解決するという展開に誘導する。

 また、「基本的に人間の財産はかさ張る物なので持って行き難い」という問題を出して、
「PCの仲立ちで、余剰分の馬やロバをドワーフに売り、貴金属や宝石などに換えてもらう」
などといった解決に持って行けるか問うても良いだろう。
 その他、マスターのアドリブで混乱を演出する事。
30日目  もし、PCがドワーフから何の情報も得ていなかった場合、この段階でNPCを通して『サザーン地方壊滅に関する調査報告書』が届く。手に入れる為にNPCは多額の金を使ったと言い、「PCの無能のせいで、貴重な時間と金を無駄にした」と非難する。この場合、避難計画は15日ずつ遅くなるものとして本欄を読み替える事。
31日目  ようやく人間も避難部隊の第一陣が出発のときを迎える。

 この頃になると、ドワーフがミスリル銀を採掘していたという情報が一般市民にも漏れ、
「この災厄はドワーフのせいではないか」→「保証金を取ろう」
という動きが起こる。
 ドワーフの避難が先行しているので仮に争いを起こせば人間側が有利だとの目算もあり、人間は暴動を起こしそうになる。
 ただし、よく考えれば分かる事だが、どれだけ理屈を付けようともドワーフを襲えばただの山賊行為としか見なされない。上手く行っても、後々に罪を問われる事にもなりかねない。
 ここでPCは、
「ロールプレイまたは交渉系技能で人間たちを思い止まらせる」
ないし
「完璧なドワーフ襲撃計画を立案・指揮し、目撃者を独りも逃さずに殺して、事後にドワーフの財産を処分する際にも足がつかないように注意する」
の何れかの方策を採らなければならない。
 なお、「ドワーフがミスリル銀を採掘していた」という情報をPCがもっと早い段階で一般市民にリークしていた場合は、このイベントはその段階で起こるものとして調整する事。
40日目

59日目
 ドワーフたちは完全に避難を終える。
 人間たちは、ようやく避難の最終段階に入る。

 ここで、「エルフたちは誰一人として避難していない」という情報が入る。
 ここで
「実は火山の噴火というのは、エルフの魔法によるマヤカシなのではないか。人間とドワーフを追い出した後、自分たちのテリトリーを広げるつもりなのではないか」
と言い出す者が現れる。偏屈な者になると、
「真相が分かるまで避難は中止だ」
などと言い出す始末である。
 解決するには、PCがエルフの森の外縁に赴いて、話を聞き出さなければならない。

 エルフたちは、今回の火山の噴火をただの自然災害とは思っていない。この地方のエルフたちは、「高位の存在に転生する為だけに生きている」のだが、「自分たち全員が一斉に高位存在に転生する日が近づいており、たまたま、その日に火山が噴火する。言ってみれば、高位世界への門が開く副作用で、噴火が起こるようなものだ」という認識でいる。
 普段であれば、こういった“教義”を余所者に教える事は絶対に無いのだが、転生の日を直前にして昂っており、少し口が軽くなっている。よって、相手のプライドを突きつつ、「説明を聞かなければ動かないなどと言う愚かな人間を助けて下さい」と下手に出るロールプレイをすれば、話を聞き出す事ができる。
 エルフの言い分を聞けば、意固地だった人間も
「ああ、キチガイが戯言を言っていただけだったのか」と納得して、避難してくれる。

 なお、事前にPCが独力でエルフの動向を調査して、かつその情報をもっと早い段階で一般市民にリークしていた場合は、このイベントはもう少し早く起こるものとして調整する事。ただし、どちらにしろこのイベントを最後に持って来る事。
60日目  火山の大規模な噴火により、サザーン地方が壊滅する。
 エルフたちは高位世界へと旅立ったのかどうかに関しては確かめようが無いが、噴火の日は彼らが予言した通りだった。



結末

 最終的にどれだけの人間の避難が間に合い、かつ、その後に野垂れ死にしない程度の財産を持ち出せたかどうかを判定する。

●15日目までにドワーフの報告書を入手していたかどうか。
●16日目〜30日目に起こった混乱を、どれだけ上手く解決できたか。
●31日目のドワーフ襲撃を止められるか。または襲撃を完遂して、手に入れた財産を闇で処分する(技能判定)ところまで上手くできたか。
●40日目〜59日目のイベントを解決して、意固地な人間を納得させる事ができたか。

 以上のポイントを目安にして、判定して欲しい。
 基本的に、遅滞無く全てのイベントを完全解決してやっと「全員の避難が間に合い、かつその後に野垂れ死にする事も無かった」となるので、マイナス要因となる展開があったら厳しく判定するくらいで良いだろう。明らかな選択ミスや“悪乗りロールプレイ”が目立つようならば、バットエンドにして欲しい。
 人間たちが新しい土地に受け入れられれば、PCも元の冒険者に戻る事となる。
 この結果に基づいて、後日談を語り、経験点や報酬を決める参考にすると良いだろう。



さいごに

 元ネタは眉村卓の『消滅の光輪』三部作である。“司政官シリーズ”と称されるシリーズの1つで、人類が宇宙に進出した遠未来に植民星を統治する政治家を描いたSF。20年以上前に早川書房から出版された小説だが、2000年にハルキ文庫から再版されたので今でも入手可能である。“司政官シリーズ”に関しては、司政官シリーズ年代記などを参照して欲しい。

 元ネタをファンタジーに翻案してあるが、引用率は高い。「滅亡に瀕した辺境の村からの脱出」という時点で『消滅の光輪』が連想されてしまった場合、「エルフが退避に応じない理由」までネタバレしてしまう公算は高いだろう。ただ、ネタバレ=即セッション崩壊とはならないと思うので、ポーカーフェイスで押し通して欲しい。




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