No. | タイトル | システム | 登録日 | 改稿日 |
---|---|---|---|---|
0100 | ガールズ・ライフ | Xeno | 02/01/23 | − |
異世界スバル | : | 超未来とも超古代ともつかないファンタジー異世界。現世とは前世または来世という形で繋がっている。 |
魔王ギガント | : | 異世界スバルを支配している魔王。絶大な力を持つが、美しい音楽のメロディを弱点としている。 |
氷室 | : | 現世における音楽プロデューサー。以前は自分でバンドを組んでいたがプロデューサーに転身し、今ではトップチャートに入るアーティストの大半を傘下に抱える業界の大物となっている。実はそのアイズ(前世)は異世界の魔王ギガントであり、ギガントから“音楽の才能のある魂”の供給を受けて配下の若者に“移植”している。 |
セイレーン | : | 異世界スバルにある人間の国の美姫。類まれなる美声と絶対音感の持ち主で、それ故に魔王ギガントは脅威に感じていた。セッション導入部でPCの護衛の甲斐なくさらわれてしまう。 |
レン | : | 日英クォーターの美少女。アーティスト志望だが、所属事務所から来る仕事は三流雑誌のグラビアのようなものばかりで腐っていた。そんなとき氷室に誘われて不可思議な“儀式”を受け、それからは氷室ファミリーの一員として新進気鋭の歌姫としてトップチャートを登りつめるに至った。実は、氷室によってセイレーン姫のアイズを注入されたのである。 |
@小屋(月) PCの家 |
A雑踏(小惑星) 演奏する場所 |
イ ベ ン ト A |
D城(太陽) 氷室の事務所 |
イ ベ ン ト B |
E墓地(冥王星) 決着の場 |
B異界(竜の星) 異世界スバル |
|||||
C劇場(金星) 街頭TVの前 |
スケープ | 場所 | イベント | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
@ | 月 | PCの家 | PCが家賃を出し合って共同で暮らしているアパートの部屋。展開によっては、アルバイト先などの「音楽活動に関係の無い、日常生活の場」の全てを表す。ここでは特にイベントは無い。 | ||||
A | 小惑星 | 演奏する 場所 |
よくPCが演奏をしている、適当な路上または場末のライブハウス。ライブをやる場合は、このスケープに移動する。 | ||||
1 回 目 |
PCが何処で演奏するにしても、余り観客は付かず、収入にもならない。これも、いつもの事であり、習い性になって落胆する気力も湧かない状態である。そうこうする内に、「今日(今夜)は帰ろう」という雰囲気になる。別のスケープへ出て行く事。 | ||||||
2 回 目 |
今日(今夜)はこれまでになくノリが良く、観客にも恵まれる。観客の中に、サングラスで変装したレンがいるのにPCは気付く。レンは何か思い詰めた表情でPCのライブを見つめている。 ここで「ヴィジョンの共有(P127)」のルールをプレイヤーに説明する。レンと「ヴィジョンの共有」を行うならば、「異世界スバルにおいて、セイレーン姫を護衛して旅をする」というイメージを得て、また、レンも驚いた様子を見せているのに気付く。 「ヴィジョンの共有」を行わないならば、レンはPCの演奏が終わる前に姿を消す。 「C街頭TVの前」で既に「ヴィジョンの共有」を行っていた場合、二度目の「ヴィジョンの共有」の後で「強制的なドリーミング(P126参照。覚醒しているならば手札の入れ換えもできる)」が起こり、「はじまりの夢」を白昼夢としてもう一度見る。白昼夢から覚めた後、PCのロールプレイ次第によって、「レンとPCで即興のコラボレーションを行う」とか「歌で勝負を行い、最後は微笑み合う」といったようなオチに誘導する。 |
||||||
3 回 目 |
PCが演奏を終えて帰り支度をしているとき、大物プロデューサーの氷室が何処からともなく現れる。氷室は挨拶もそこそこに、「自分のプロデュースでメジャーデビューする気は無いか?」といきなりPCに言ってくる。 PC全員が全く興味を示さない場合は、携帯の電話番号を教えて「気が変わったら連絡しろ」とだけ言って去る。 PCの全員または一部が、話だけでも聞こうという態度を見せれば、運転手付きのリムジンに乗るように促され、「D氷室の事務所」に連れて行かれる。事務所の中の様子については、「D氷室の事務所」を参照の事。この奥で氷室は「自分は才能のある若者を探している。まず、PCの才能を見せてもらいたい」「才能を開花させる秘密のテクニックを自分は持っている。それは“暗示”をかけるというやり方だ。多くの才能ある若者は、正しく自分の才を理解していないが故に芽が出ない。そこで自分のかける“暗示”で真の才能が表に出てくるのだ。氷室ファミリーの者は皆、このやり方でメジャーデビューを果たした」と説明して、PCに“暗示”を受けるように言う。 強く拒否すれば、無理には行わない。承知するならば“暗示”を行う。 この“暗示”とは、実はギガントが氷室に教えた魔法の1つで、スバルから廃棄された音楽の才のある者の魂を現世の人間に宿らせる儀式である。いわば人工的に異世界スバルのアイズを移植する行為な訳だが、PCは既に異世界スバルのアイズを持っているので、儀式による人工的なアイズは受け付けない。 魔法が失敗したことで、氷室は驚愕する。思わず、「儀式の失敗なんてあり得ない。唯一あるとすれば、こいつら(PC)が既にスバルのアイズを持っている場合だけだが……まさか?」と呟く。 結局、きちんとした説明の無いまま、PCは事務所から追い出される。 |
||||||
B | 竜の星 | 異世界 スバル |
このスケープはゼノスケープであり、ここでの出来事は全てドリーミング・トゥルーとして扱う(よって、特に注記が無い限り行為判定は行わない)。PCは異世界スバルの勇者としてロールプレイする。 | ||||
1 回 目 |
時は、“はじまりの夢”の場面からそれなりの月日が過ぎた頃。セイレーン姫をさらわれて以来、敗残兵の如く無気力に各地を彷徨っていたPCだったが、「魔王軍が暗殺したり誘拐したりしている人物は、皆、吟遊詩人や歌姫たちらしい」という噂を聞いて活動を再開する。近くにある辺境の村に高名な吟遊詩人がいるというので、護衛を買って出て、ついでに魔王軍の目的を探ろうと考えたのである。暗い森を過ぎ、ようやく目的の村に着くと、既に魔王軍に襲われている。 PCの行動に関わらず、吟遊詩人は殺されてしまう。行きがけの駄賃にPCや村人たちを皆殺しにしようかと迷った魔王軍リーダーだが、「つまらぬ遊びで、万一にも歌い手の死体を持ち帰るのに失敗したら、魔王様に処刑されてしまう。大事をとって、ここは退くか」と呟くと、「運が良かったな!」との言葉をPCに吐き捨てて撤退する。 失意の気分で、現世のPCは目を覚ます。 |
||||||
2 回 目 |
「魔王ギガントと、魔王から力を与えられた幹部たちは、美しい音楽を弱点とする」という事実が判明する。プレイヤーが気付いた場合は「PCの報告によって人間側はその事実を知るようになった」という展開に、そうでない場合はNPCから教えられたと言う展開にする。 しかし、現時点では人間側に歌の力を持つ者は少なく、せっかく見付かった対抗手段も空しく、人間側は反攻に転じるまでには至らない。そんな中、PCたちは幹部クラスの魔王軍に襲われる。 「自分たちに歌の力があれば、こいつらを倒せるのに」と悔しく思ったそのとき、PCは覚醒して(手札6枚を得る)、「強制的なドリーミング(P126)」が起こる。夢の中でPCたちは「コンクリートに囲まれた不思議な世界(現世)で、メジャーデビューを目指すアーティスト」として共同生活を送っていた。我に返ったPCは、夢の中で持っていた歌や演奏の技能がこちらでも使える気がする。 ここで適当なレベル1のミーレスとの戦闘を行う。ドリーミング・トゥルー中ではあるが、通常通りの戦闘行為判定を行う。 スバルにおけるPCのデータは、キャラクターシートにある内容に準じるが、一般技能だけは普通には使えない。マスターは、「DTで“現実の能力”を使う(P130)」のルールをプレイヤーに読ませて「この判定に成功して<技術:演奏>や<技術:歌唱>を思い出せば、魔王軍にダメージを与える事ができる」と説明する。「DTで“現実の能力”を使う判定」は、攻撃判定の前には合わせて必ず行わなければならず、失敗した場合は攻撃を行う事ができない。また、「1」が出てしまった場合は戦線離脱となる。 高揚した気分で、現世のPCは目を覚ます。 |
||||||
3 回 目 |
「はじまりの夢」と同じ、セイレーン姫を守って旅をしている場面からドリーミング・トゥルーが始まる。以前の夢では、魔王軍の襲撃を受けて成す術も無くセイレーン姫を誘拐されたが、今回は違う。何故か、現時点で既に「魔王は音楽が弱点」と知っており、さらにPC自身の内側から音楽の才能を借りてくる手段も知っている。 やがて魔王軍が現れ、上記「2回目」に準じる戦闘を行う。十中八九、PCが勝つだろうが、万一にも「DTで“現実の能力”を使う判定」で「1」が多く出るようならば、日常によるキャンセルを認めても良い。 PCはセイレーン姫を守り切ったところで目を覚ます。 |
||||||
C | 金星 | 街頭TV の前 |
新宿や渋谷などにある大型テレビや、量販店のショーウィンドウに設置されたTVの前など。演奏以外の目的で街に繰り出すときは、このスケープに移動する。 | ||||
1 回 目 |
PC同士で待ち合わせなどをしていると、街頭にあるTVモニターにレンの姿が映り、歌声が流れる。レンは“氷室ファミリー”の新しい一員で、デビュー以来全ての曲が初登場1位という歌姫である。漫然と歌に耳を傾けているうちに、PCは「強制的なドリーミング(P126参照。ただし未覚醒なので手札の入れ換えはない)」が起こり、“はじまりの夢”をもう一度見た上で「レンとセイレーン姫はどこか似ている」と思う。 | ||||||
2 回 目 |
PCが街を歩いていると、路上に止まっていたトレーラーの側壁が突然開いて、そこをステージにしてレンのゲリラ・ライブが始まるのに出くわす。「A演奏する場所」の2回目と同様に、ここで「ヴィジョンの共有(P127)」のルールをプレイヤーに説明して、レンと「ヴィジョンの共有」を行うように誘導する。その後の展開も「A演奏する場所」の2回目に準じる。 「A演奏する場所」で既に「ヴィジョンの共有」を行っていた場合、二度目の「ヴィジョンの共有」の後で「強制的なドリーミング(P126参照。覚醒しているならば手札の入れ換えもできる)」が起こり、「はじまりの夢」を白昼夢としてもう一度見る。白昼夢から覚めた後、PCのロールプレイ次第によって、「レンとPCで即興のコラボレーションを行う」とか「歌で勝負を行い、最後は微笑み合う」といったようなオチに誘導する。 |
||||||
3 回 目 |
PCの立ち回り先で、簡単な変装をしたレンが待ち伏せをしている。前に会ったときの会話をヒントに、PCの居場所を推理して、やっと探し当てたと告白する。レンは、PCたちと共に夜通し飲んで騒いで語り尽くしたいという趣旨の事を、煮え切らない感じでモジモジと言う。レンの態度は、ここまでのセッションの雰囲気によって、「特定のPCに恋をし始めている」といったノリでも、「PC全員に仲間感覚を持ち始めた」といったノリでも構わない。 PCが拒否するならば、ここでのイベントはこれで終了する。 PCが応じるならば、レンは「PCの家に行きたい」と希望して、PCについていく。飲み始めて適当な頃合にレンは、問わず語りに「子供の頃から歌が好きで、ミュージシャンになりたかった。しかし芽が出ず、業界の片隅で燻っていたのだが、あるとき氷室さんに声をかけらた」「氷室さんは、芽が出ないのは自信が持て無いせいだと言い、自分に暗示をかけた。それ以降、上手く歌えるようになり、トントン拍子に登りつめた」「しかし、あのとき“暗示”を受けて以来、どうにも落ち着かない。自分の体の中に別の魂が入り、元からある魂と溶け合うこともなく違和感がある気分だ」「そんなこんなで自分に疑問を持ち、心を許せる人もできなかったのだが、何故かPCには自分と同じ匂いを感じた。PCの歌を聴くだけで、懐かしい思いに囚われた」といった話をポツリポツリとする。 朝になると、スッキリした顔でレンは帰って行く。もし跡をつけるならば、「D氷室の事務所」に入って行く事が確認できる。 |
||||||
イベントA | A〜Cの3つのスケープで全てのイベントが起こると、このイベントAが発生する。 現世では、レンが失踪したというニュースがマスコミに流れ話題になっている。レンから聞いた携帯の番号にかけても繋がらないし、以前に出会った場所を探しても見付からない。 夢で見る異世界スバルの状況は不安定で、この前の夢では無事に救った筈のセイレーン姫がやっぱり誘拐されたままという事になっている。その他の吟遊詩人や歌姫の暗殺/誘拐事件も、ある世の夢では「誘拐された」となっていたのに、次の夜の夢では「守った」となり、さらにその次には「やっぱり誘拐された」などとなり、出来事の時系列を行ったり来たりしながらそのときどきで異なる結末を見せられる。 ここで、「D氷室の事務所」のスケープに進む事ができるようになる。「D氷室の事務所」に入らない限り、この状態が延々と続く。 |
||||||
D | 太陽 | 氷室の 事務所 |
このスケープはゼノスケープである。ただし、プレイヤーから聞かれない限りその事は告げない。 ここは、マスコミには秘密にされている、氷室の事務所である。小さめのビルくらいの大きさのある一軒家で、生活できる十分なスペースがあり、氷室は隠れ家として使っていて、魔王ギガントとの交信や魔法の使用はここで行っている。 PCが正面から堂々とやって来ると、黙って奥へ通される。忍び込んで来ても、侵入は自動的にバレてしまう。 PCが入った先では氷室が待っている。些か憔悴した面持ちで、淡々と「異世界スバルの魔王ギガントと契約を結び、向こうの世界から廃棄された音楽家の魂をこちらの世界に固定していた。それによりギガントは弱点を無くし、自分は傘下に才能あるミュージシャンを抱える事ができた」と信じられないような真実を明かす。その後、氷室は「想定では、こちらの世界にはスバルのアイズを持つ者はいない筈だった。しかしPCたちだけが例外で、その為に計画が狂った。PCのアイズが魔王ギガントの手下になるように、アイズを説得しろ。そうすれば万事が上手く行くし、PCたちの芸能界での地位も約束する」と持ちかける。 レンについて聞くならば、このビルの何処かに監禁してあると教え、TVカメラの映像を見せる。そして、「人工的に移植したセイレーン姫のアイズが不安定になって放っておくとスバルに戻ってしまいそうなので捕らえている。PCが協力するなら、報酬としてあの女もやる」と言う。 氷室の誘いに応じるならば、PCのアイズが反応して「強制リンケージ判定(P135)」が起こり、その上で人格を乗っ取られなかった場合は、下段“結末”に進む。 氷室の誘いを断ったり、アイズに人格を乗っ取られた場合は氷室と戦闘になる。氷室のデータは適当なレベル2のミーレスのものを流用する。PCは、「アイズの力をリンケージ判定無しに使える」という状態になり、通常ルール通りに特技と秘技を使って戦う事ができる。 |
||||
イベントB | 「D氷室の事務所」で氷室と戦闘になり、倒すと「E決着の場」に進む事ができる。 | ||||||
E | 冥王星 | 決着の場 | このスケープはゼノスケープである。場所は異世界スバルの魔王の城で、「魔王ギガントの弱点が音楽であると知った人間軍は、歌い手たちを先頭に大反攻に転じて、とうとう魔王の城まで追い詰めた。大勇者であるPCたちは、魔王ギガント本人と最終決戦を行おうとする直前だった」という状況である。ここでの出来事は特殊なドリーミング・トゥルーであり、PCは異世界スバルの勇者なのだが、通常通りの判定を行う。ただし、「B異世界スバル」の「2回目」と同様に、ここでも「『DTで“現実の能力”を使う判定』に成功して<技術:演奏>や<技術:歌唱>を思い出せば、魔王ギガントにダメージを与える事ができる」というルールが適用される。「DTで“現実の能力”を使う判定」は、攻撃判定の前には合わせて必ず行わなければならず、失敗した場合は攻撃を行う事ができない。また、「1」が出てしまった場合は戦線離脱となる。 魔王ギガントは“光の使徒”なので、適当なデータを用意する事。倒したら、下段“結末”に進む。 |