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0093 夜の叫び テラ 01/05/06



はじめに

 このシナリオは、『テラ:ザ・ガンスリンガー』の使用を想定して書かれた。
 しかし、『Bea−Kid’s』などの西部劇物や、『トーキョーN◎VAレボリューション』などの近未来物ないし現代物でも使用可能である。

 PCの中に<エチケット:メイガス>か<エチケット:リージョン>を持ったキャラクターがいるようにする事。



登場NPCおよび重要事項

シェリー 故人。陸軍兵学校の女性士官候補生だったが、彼女の優秀さを妬んだ同級生により“卒業演習”中に暴行を受け、卒業目前で退学となる。その後、自殺する。
校長 陸軍兵学校の校長で、シェリーの父親。一応、娘を愛してはいるのだが、それよりも軍のメンツを守る事の方を優先した。
ブルー少尉 校長の子飼いの部下。実はサモナーでもある。



事前状況

 テラでは、南北に伸びる巨大山脈“ザ・マウンテン”を掘削してトンネルを作る事により、“西部”への開拓が可能になった。“ザ・マウンテン”より西が“西部”と呼ばれている。
 舞台は、この“ザ・マウンテン”に程近い西部地方で、辺境らしい風土を残しつつも、開拓から時間が経っている為にそれなりの発展を遂げている。

 ここに、陸軍兵学校があった。士官から兵卒まであらゆる兵科を教練し、実弾演習を含むあらゆる訓練を行う事ができる広大な敷地があり、学校自体が1つの町と言える程の規模を持っている。周辺地域に住む軍隊を志願する者たちは、ここで訓練を行い、卒業すると大陸横断鉄道に乗って任地へと向かう。
 学校は基本的に男性で占められている。情報部とか主計科などには少数ながら女性も存在するが、実戦部隊やそれを指揮する士官を養成する学科に女性は存在しなかった。しかし、ある年にシェリーという名の女性が士官学科に入学した。
 シェリーは数多くの軍人を輩出した名家の娘で、父親はこの陸軍兵学校の校長をしている。女性というハンデを負っているものの、「父親が校長」というコネがそれを打ち消した。入学後は、生来の向学心を発揮して常に主席を取っていた。しかし、男尊女卑的な空気を持つ軍隊ではシェリーを快く思う者は誰もおらず、彼女は孤立していた。
 様々な嫌がらせに耐えながら、シェリーは学業と訓練を続け、とうとう、後は“卒業演習”と呼ばれる、大規模な演習授業を乗り切れば正式に任官されるという所まで進んだ。
 “卒業演習”は数日間に渡って行われる。後方から大砲が撃たれ、参加する士官候補生たちは実弾の入ったライフルを実際に射撃するが、現実に戦う訳では無い。大砲の着弾地点は予め決められているし、士官候補生たちは野山を駆けずり回りながら各所に配置されたダミー人形に銃弾を打ち込むだけである。大きな凡ミスでも無い限り、死んだり大怪我をしたりする事は無い。成績の優劣を決めるのが目的では無く、「演習中にパニックに陥ってしまうような、端から戦場に向かない“不適格者”を選別する」というのが、金を掛けた大規模演習を行う理由とされている。ただ実際のところ、少々怯えて情けない姿を晒しても、最後まで参加さえすれば確実に卒業証書がもらえる。本来的には、実戦に出る前にちょっとした度胸試しをさせてやろうという教官の親心な訳である。
 さて、今回の“卒業演習”において、シェリーの同級生は、最低な悪巧みを計画した。このままでは、シェリーは主席として卒業生代表となってしまう事になり、それは「男として許せない」と考えたのである。同級生の一部は、演習中にシェリーを襲い、レイプした上に重傷を負わせて山野に放置した。
 演習が終了して、シェリーが行方不明である事が発覚し、それからようやく救助隊が出された。シェリーは何とか一命は取り留めたが、意識不明の重態ですぐに病院に運び込まれた。犯行に加わらなかった同級生も、真相を悟ったが、何も口外しなかった。学校側も、シェリーの傷を見れば何が行われたのかは自明だったし、状況から見て外部の犯行とは考えられないと分かっていたが、犯人の追及は行わなかった。
 結局、シェリーは「実弾の恐怖からパニックを起こし、大砲の着弾予定地点に入ってしまい、負傷した」という事にされた。シェリーは卒業を目前にして退学となってしまった。

 やがて、シェリーは意識を取り戻した。彼女は、「当然ながら犯人探しが行われているもの」と考えていて、見舞いに来た父親(校長)に捜査の進展状況を聞いたりしていたが、校長は口を濁すばかりでハッキリと返答しなかった。歩けるくらいに回復した頃になるとシェリーは「自分も独自に捜査を行う」「卑劣な犯罪者を軍隊から追い出して裁きを受けさせる」「犯人は同級生である可能性が高い。大陸横断鉄道が到着したらそれに乗って任地に行ってしまうから、その前に捜査を終えなければならない」と言うようになった。
 しかし校長にとって、軍隊と兵学校は何物にも代え難いほどに大切な物であり、そのメンツを守る為に全てを隠蔽するつもりでいた。そこで校長は、娘に「全てを忘れろ」「もし、軍に傷がつくような事をしたら、娘といえども容赦しない」と言い放った。

 絶望したシェリーは、半ば発作的に演習場で首を吊って自殺した。
 そして程なくして、演習場に女性の幽霊が出るようになった。

 娘の死に際して校長は、シェリーを襲った犯人に対して報いを与えようという気になった。しかし、相変わらず軍隊のメンツを守る事を最優先に考えている為、「疑わしい者を暗殺する」という手段を取った。丁度、幽霊の噂を耳にしていたので、「不可能犯罪であるように見せかけて、幽霊が呪い殺したという噂を流そう。今回のスキャンダルを守るという事に関しては兵学校関係者全員の暗黙の協力が約束されているから、最後にはうやむやにできる」と考えた。

 しかし、シェリーが幽霊となるほど現世に未練を持ったのは、自分の気持ちを父親が理解してくれなかったからである。シェリーは父親のやっている事を知り、「父親の無理解と裏切りこそを恨みに思っているのだ」と訴えたかったが、幽霊となった身では声を伝える事もできず、ただ幻のような姿を晒すのみだった。



導入

 PCは、舞台となる学校の近くにある町に滞在している。既に知り合い同士で、協力して事件を解決した実績もある。
 そんなPCの元に、ブルー少尉と名乗る軍人が訪ねてくる。ブルー少尉は、「軍関係の某施設内で面倒な事件が起こった。軍内部で解決したいのだが慣れない捜査で進展が無い。このままでは、外部の連邦保安官へ捜査権が移ってしまい、軍はメンツを失う事になる。そこで、次善の案として、フリーランスの人間を雇って捜査にあたってもらおうという事になった」と説明した上で、事件の捜査を依頼する。
 PCを選んだ理由を問われれば、「捜査経験のあるフリーランスで、かつ、魔法などの分野にも造詣があると聞いたから」と答える。報酬に関しては、「成功報酬で1人500ドル」が提示される。適当な交渉をすれば、前金をもらったり、捜査失敗時にも幾ばくかの金をもらえるというような契約にしても良い。
 以降、この依頼を受けるものとして進める。

 PCたちは、巨大な敷地を持つ陸軍兵学校に連れてこられる。学校の北端は大陸横断鉄道の停車駅になっていて、そこから南の方に幾つかのブロックに分かれて様々な施設がある。駅周辺には民間人も大勢いるが、そこを出ると軍人と学生しかいない独特の雰囲気を持つ場所になっている。
 PCはまず、上級将校が住まうブロックの中にある、陸軍兵学校の校長の屋敷に通される。屋敷で働いている者も全員が軍人か学生で、執事のような仕事は専属の尉官(ブルー少尉もその1人)が、下働きのような仕事は学生が交代でやっている。
 PCは書斎で待つ陸軍兵学校の校長と面会する事になる。校長にPCを紹介すると、ブルー少尉は「私はこれで失礼します」と言って退室する。
 校長は、些か尊大な調子で依頼内容を説明する。内容を以下に記す。

●2週間ほど前から、女の幽霊が出るとの噂が校内に広まった。折悪しく、それに呼応するように事故死する兵士がいたため、「女幽霊の呪い」などと囁かれているらしい。

●校内で殺人などの重大事件が起こった場合、初動捜査は学校側が行い、それで解決できないときはこの地方を統轄する連邦保安官が捜査に乗り出す事になっている。今まで、殺人事件が起こる事も稀だったし、ましてや連邦保安官を校内に入れた事など一度も無い。もし、連邦保安官が校内に立ち入るような事になれば、学校のメンツに傷がつく。

●以上2点を踏まえて、幽霊事件を解決して欲しい。重要なのは、学内関係者だけで捜査を終了させて報告書を作成する事にある。連邦保安官が校内に立ち入る口実を持てないようになるならば、「幽霊など存在せず集団ヒステリーだった」でも「PCたちで幽霊を倒した」でも、どんな結末でも良い。

 “幽霊”という存在については、ルールブックP176などで一部触れられているが、ここでは「強い未練を持ったまま人が死んで、残留思念となった存在」とする。召還主のいない精霊のようなものだが、姿形は生前のもので、ほとんどの場合は幻のように現れるだけで具体的な力を振るうことはできない。以上の事は、<エチケット:メイガス>か<エチケット:リージョン>で目標値10に成功すれば知っているものとする。

 詳細については、「事故死した兵士の姓名等と死体発見現場について」と「幽霊は演習場の何処かに現れるという噂だ」という事のみ教えてくれる。それ以上については「知らない。PC側で調査して欲しい」と言われる。



本編

 以下にPCが行く事ができる場所を列挙する。

上級将校住宅地  校長やその他の幹部が住むブロック。風光明媚な高級住宅地で、警備も厳しい。
学校関係者住居  教官や学生が住むブロック。家族持ちの教官は一軒家が、独身の教官は集合住宅の個室が与えられている。生徒は士官候補生も兵卒も共同部屋である。
兵士用住居  既に任官した軍人が住まうブロック。学校周辺を任地としている者と、大陸横断鉄道が到着するまでの仮住まいにしている者がいる。士官は個室、兵卒は共同部屋になっている。
事務所棟  学校やその他の軍事施設を管理する部署がある。生徒や卒業生の名簿はここにある。
校舎  学生用の教室や体育館などがある。士官と兵卒で分かれている他、幾つもの建物が存在する。
売店・食堂  学生の憩いの場。酒も飲める。
門・保安施設  校内への人の出入りをチェックしたり、保安を司る部署。
武器庫  あらゆる種類の武器を保管している部署。警備は厳重で、原則的にPCの立ち入りは許されない。
演習場  山野に川や湖もある広大な演習場。全地域をざっと見て回るだけでも数日はかかる。校舎に近い場所には、射撃場やダミー人形を置いた市街戦演習場などがある。

 以下に、事件が起きたタイムテーブルを示す。

2ヶ月前  卒業演習にてシェリーが襲われる。
5週間前  卒業式。その後、シェリーは回復するが、父親から「軍のメンツのために全てを忘れろ」と言われて絶望して、自殺する。
4週間前  校長は「娘の仇を取る為」に、犯人と思しき者(卒業演習でシェリーと同じ分隊にいた者)を殺害する事を決意する。実行は、直属の部下のブルー少尉に一任され、準備を始める。丁度同時期に、シェリーの幽霊が現れ、瞬く間に噂が広まる。
3週間前  最初の殺人が起こる。幽霊の噂を耳にした校長は、「シェリーの幽霊が元同級生を呪い殺している」という路線で事態を収拾させようと考え、不可能犯罪のようにみせかける。
現在  犯人と思しき者を1人だけ残して殺し終える。校長はPCに捜査を依頼して、事態にオチを付けようとする。

 PCに与えられた最初の手掛かりは、「幽霊は女性である事」と「事故死した兵士の身元」だけである。捜査を行うと、以下のような事が分かる。

●事故死した兵士の調査
 過去1年間に事故死した兵士は3人いる。何れも任地へ赴く為に大陸横断鉄道の乗車待ちをしていた新任士官で、3週間前から週に1人の割合で死んでいる。
 詳しく調べると、事故死というには死因がおかしいと分かる。以下に列挙する。
「高い木の上から落ちて死んだ」→「現場に行ってみると、その木は登ろうとしても全く足掛かりが無く、道具を使った跡も無いので、どうやって上まで行ったのか分からない。そんな木に登った理由も分からない」
「訓練用の地雷原に誤って入って死んだ」→「地雷原の中央で死んでいた。そこまで、他の地雷に触れずにどうやって入ったのか分からない」
「演習場で野犬に襲われて死んだ」→「寝巻きのまま、裸足で死んでいた。しかし足は汚れておらず、どうやってそこまで来たのか分からない」

●女幽霊についての調査
 女性の幽霊については、正面から聞き込みをしても、誰もが「知らない」と答える。本当に知らないのでは無く、嘘を吐いているとPCには分かる。しかし、学生たちは「女幽霊の呪い」について内心では非常に気にしていて、学生同士の会話を注意深く盗み聞きしたり、食堂で酒を振舞って口を滑らかにさせるなどすれば、以下の話を聞く事ができる。

「前年度の“卒業演習”にて、実弾の恐怖からパニックに陥った女性士官候補生が危険地域に踏み込み、重傷を負った。結局、卒業目前で退学となり、演習場で首を吊った。それ以降、元同級生を逆恨みして、呪い殺そうとしているらしい」

 概ねの学生、兵士はこの話を信じている。何人かは本当に幽霊を目撃しており、上手く話を持っていけばその場所を聞き出すこともできる。

●女幽霊と会ってみる
 幽霊はずっと出現している訳では無く、魔術的に“力”が満ちる特定の時間だけ現れる。聞き出した場所に行き、その特定の時間(<エチケット:メイガス>か<エチケット:リージョン>で分かる)になれば、女の幽霊が現れる。
 女の幽霊は病院で患者が着るような服装で、何かを訴えかけているが、余りに姿がぼんやりとしていて何が言いたいのか分からない。

●女性士官候補生の調査
 事務所等で去年の学籍名簿を調べれば、士官候補生に女性が1人だけいた事が分かる。卒業名簿を見ると、その女性(シェリー)に相当する箇所だけ墨塗りがされていて、「卒業名簿の校正が間に合わないほどの直前に退学になった」という事が分かる。
 女性の苗字は校長と同じであり、校長本人か学校関係者に聞けば、父娘であると確認できる。何故、教えなかったのかと校長に問えば、「PCに先入観を与えたくなかった」と答える。

 事故死した兵士と言うのも、シェリーと同期の卒業生である。兵士用住居にある仮住まいで、任地へ赴く為に大陸横断鉄道の乗車待ちをしていた。他にも、同じように兵士用住居で待機している卒業生がいて、事務所棟で調べれば彼らと会う事もできる。

●シェリーの元同級生の調査
 卒業演習でシェリーを襲った実行犯は、シェリーと同じ分隊に所属していた者たちである。犯行に加わらなかった卒業生たちも「あの日に起こった事」「犯人はシェリーと同じ分隊にいた奴だ」という事を薄々ながら気付いている。死んだ卒業生たちも「シェリーと同じ分隊にいた男」であり、シェリーの幽霊が復讐しているのだと信じている。
 この件に関しては、内心では全ての卒業生が共犯意識を抱いているので、PCが聞いても簡単には口を割らない。適当なロールプレイや技能判定を行ったならば、他の調査項目の進展状況も鑑みた上で適宜、内容を教える事。ここで、「シェリーと卒業演習で同じ分隊にいた者が、“事故死”している」と分かる。

●シェリーと同じ分隊だった最後の1人に会いに行く
 シェリーと同じ分隊だった最後の1人に会いに行くと不在で、「お前の秘密を知っている。今日の○×時、演習場の△ポイントに来い」とタイプ打ちされたメモが残されている。
 PCが“演習場の△ポイント”と呼ばれる場所へ行くと、完全武装した“元同級生”を見付ける。彼は、決着を付けるつもりで敢えて呼び出しに応じたのである。

 さて、殺人の実行犯はブルー少尉である。ブルー少尉はサモナーで、飛行能力を持つオリジナルの悪魔を召還する事ができる。この悪魔は人を抱えたまま空を飛べるので、それを使って“不可能犯罪”を演出していたのである。
 今回、ブルー少尉は、最後の殺人をPCに目撃させるつもりでいる。身を潜めて様子を伺い、PCの到着と同時に《遠隔召還》と《高速召還》で悪魔を呼び出して、“最後の1人”を殺すつもりでいる。
 よって、クライマックスは以下のように進む。

第1カット  PCの視界に、“最後の1人”が入る。ブルー少尉の<隠身>を<観察>などで見破れば、ブルー少尉も視界内に発見する。ブルー少尉はPCを見て、《遠隔召還》と《高速召還》で“最後の1人”のすぐ隣に悪魔を召還して攻撃する。PCが何らかのアクションを起こさなかった場合は、“最後の1人”はあっけなく死亡する。
第2カット以降  “最後の1人”を殺害し終えると、悪魔はPCに向かってくる。
 ブルー少尉は、基本的に隠れ続けるし、発見された場合も「偶然居合わせただけ」と主張する。

 ブルー少尉のデータは、P109のものを流用する。
 オリジナルの悪魔に関しては、「全アビリティ10」「全防御力10」「攻撃手段:魔法/全スート/中/+10/〔差分値〕をダメージに加える」「対決技能は全スート」「HP:マスターが決定」とする。SAとして《飛行能力》を持ち、常に飛んだ状態でいる。NPC用のパワーチップ全てを投入して召還条件や召還目標値をクリアーしたものとして、戦闘においてマスターはパワーチップを使用できないとする。



結末

 戦闘終了後、悪魔召還と死亡の影響から、シェリーの幽霊はハッキリした状態で出現する。シェリーはPCに対して(いるならばブルー少尉にも)次のように告げる。

「自分は軍人一家に生まれ、家族に望まれて軍人を志したつもりでいた。自分を襲った元同級生も憎いが、それよりも真に絶望したのは、父の裏切りである。父は真相を知りながら『軍のメンツの為に全てを忘れろ』と私に言い、そしてまた今も『元同級生を殺せば、全てを隠蔽しても娘は満足する』などと見当違いも甚だしい愚を犯している。私はそれが悔しい」

 その後の展開は、PC次第である。
 “最後の1人”に送られた脅迫状を打ったタイプライターは、ブルー少尉の持ち物である。《究極鑑定》やその他の適当な技能を使用すれば、それを証明する事ができる。
 ブルー少尉は「ソロモンの鍵」を所持しており、<エチケット:メイガス>で調べれば、それを使ってオリジナルの悪魔を召還した事が分かる。
 そういった物証となる事実を携えて連邦保安官の所へ行けば、強制捜査を行い、真実を暴いてくれる。

 シェリーの幽霊の言葉を校長に伝えた場合、どう反応するかはマスターに一任する。改心しても良いし、「馬鹿な娘だ」などと言わせても良い。
 展開次第では、連邦保安官事務所に行こうとするPCに対して、校長やブルー少尉が戦闘を仕掛けるかもしれない。



さいごに

 元ネタはネルソン・デミルの『将軍の娘』である。ジョン・トラボルタの主演で『将軍の娘/エリザベス・キャンベル』というタイトルで映画化もされた。私はこれを観てシナリオを思い付いた。
 一応、シナリオ化に当たってそれなりに話を変えたが、引用率は高い。プレイヤーが元ネタを知っているならば、セッションが崩壊する可能性もある。プレイヤーがいきなり士官学校を調べ始めるなどする場合は、シェリーの所属を変えてしまうなどして対応して欲しい。
 ただ、プレイヤーが「元ネタは『将軍の娘』だ」と100%の確信を抱いてしまうならばともかく、「なんだか『将軍の娘』を連想させるストーリーだな」と思うくらいならば、問題は無いと思う。何れにしろ、毅然としたマスタリングを心がけて欲しい。




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