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0049 姉妹の事情 BK 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『Bea−Kid’s』の使用を想定して書かれた。
 しかし、ファンタジーなど他のジャンルへの改造も可能である。



登場NPCおよび重要事項

犯罪組織 特殊な魔法で独特の脅迫を行う組織。犯罪はビジネス化していて、多くの資産家をターゲットにしている。
とある村の歳若い村長代行。妹想いで、犯罪組織の脅迫を受けている。
犯罪組織の手で人間に変身されていた獣人族。思春期になって自分が人間族で無い事を知りショックを受け、今は姉だけしか信じられるものがない。



事前状況

 とある犯罪組織は、非常に息の長い犯罪計画を立てた。まず彼らは獣人や亜人の赤ん坊を誘拐し、特殊な魔法で人間の姿にした。その後、彼らの表の顔である養子斡旋会社を通して、資産家・権力者にその子供を世話した。やがてその子供が成長して家督を継ぐ頃に現れ、正体をばらすぞと脅して金を得ていた。
 この犯罪組織は、その脅迫をビジネス化して、多くの者をターゲットにしていた。
 とある地方で権勢をふるっていた町長一家の下にも、その犯罪組織の手が伸びていた。町長一家には既に娘が1人いたが養子を望んでいて、そこに組織から人間に姿を変えられた獣人の赤ん坊が妹として養子に入った。
 獣人の子が思春期になる頃、手違いから変身の魔法が解けるという事件が起きた。組織は「養子斡旋から脅迫までの期間を縮めるテストケースにしよう」と考え、村長夫妻を脅すが、思わぬ反抗に合い、仕方無く事故に見せ掛けて村長夫妻を暗殺する。
 生き残った姉は“村長代行”という地位に就いたのだが、犯罪組織は彼女を脅迫する事にする。
 まず、前段階として、町の人間に「村長の娘は獣人をペットとして飼っている」という噂を広め、世論的に姉妹を追い詰める。その上、近くに住む獣人族にも同様の情報を流す。そして姉を、「再び妹に変身の魔法を使うしか生き延びる道はないぞ」と脅すつもりでいた。



導入

 獣人族のPCは、NPC獣人族から、「ある村の村長が獣人族をペットとして飼っているという噂があるので、調べて欲しい」と依頼され、件の村に赴く事で事件に関わる。
 人間族PCは、何らかの理由で村に滞在する事になる。村では、「村長代行は獣人族をペットとして飼うなどというハレンチな真似をしているのか否か」で世論が割れていて、それを元に酒場で喧嘩が起きたりしている。村の一部の人間は人間族PCに対して「ぜひ真相を探って欲しい」と依頼する。この事から、事件に関わる。



本編

 村で村長代行の人となりについて聞けば、「若い女性である」「彼女の父親は資産家で村長だった。父親は最近、妻と共に馬車の事故で死に、父親の権益を継ぐ形で村長代行となった」「公務以外で外に出る事は無く、使用人も雇わずにと2人でひっそりと暮らしている」といった話を聞く事ができる。
 元村長夫婦の事故現場は村のすぐ近くの坂道で、PCが適当な技能を用いて現場を調べれば、飛び散った馬車の部品を見付ける。部品を調べると、ブレーキを巧妙に細工した跡があり、事故は偽装ではないかと推理できる。

 村長の屋敷には、姉(=村長代行)と妹と犯罪組織の使者が滞在している。
 妹は、奥まった部屋で毛布を被って獣人族の特徴(尖った耳など)を隠し、部屋の外にも出ない。姉が来たときだけ心を開き、姉が側にいるならば入浴や食事などを行い、話もする。
 犯罪組織の使者は、村人に気付かれずに滞在している。脅迫の期限まであと数日で、姉に会うと脅しの言葉をかけている。姉の答えがNoだった場合は、村に潜む仲間に連絡して姉妹を暗殺する予定になっている。
 姉は、公務の無いときはずっと家にいて、犯罪組織の使者をあしらったり、妹と遊んだりして過ごしている。犯罪組織の脅迫には屈しないつもりだが、断れば両親同様に殺されると思い、返事を延ばしている。

 PCが村長の屋敷を見張る場合、適当な技能判定に成功すれば、PCと似た風体の者たち(=犯罪組織の暗殺者)が同様に屋敷を見張っている事に気付く。
 暗殺者に気付かれずに屋敷に入り、こっそりと中を探索するならば、上記の様子が分かる。



結末

 どういう方法にしろ真実を知った上で姉に協力を申し出れば、犯罪組織の暗殺者からの護衛を依頼される。
 村にいる犯罪組織の手の者を倒せば、姉妹は犯罪組織の手から逃げ出す事ができる。



さいごに

 「謎解き→人情→戦闘」と3つの段階をプレイヤーが楽しめるようにマスターをして欲しい。




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