No. タイトル システム 登録日 改稿日
0048 牛追い旅情 BK 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『Bea−Kid’s』の使用を想定して書かれた。



登場NPCおよび重要事項

ギャング団 気象操作による先物取引で儲けようと考えている。戦闘力はPCより少し劣る。
シャーマン 雨乞いの魔法が使えるが、もっと強い力を欲しいと願っていて、それで人間族のギャング団に協力している。
獣人族の捜索隊 誘拐されたシャーマンを捜索している。リーダーは、人間族と休戦協定を結ばざるを得なかった事を屈辱と感じていて、捜索の結果次第では戦争を再開せざるを得ないように工作しようと考えている。戦闘力はPCより少し勝る。



事前状況

 とある所に、一風変わった犯罪計画を立てたギャング団がいた。彼らは気象学者から、「A地方で、小規模で構わないから特定の周期で雨を降らせる事ができれば大きなハリケーンになる。そしてそのA地方でハリケーンが起こると、B地方の気候も乱れる」という法則を教わっていた。そこで、何とかして雨乞いの魔法が使える獣人のシャーマンに協力させてハリケーンを起こし、先物取引で儲けようと考えていた。
 ギャング団は、A地方に住む獣人族のシャーマンを誘拐した。そのシャーマンは、脅迫されたくらいでは言う事を聞く気になれなかったが、ギャング団の計画を聞いて協力する事にした。
 シャーマンは、ギャング団が言う「気象学と証券・先物取引」なるモノについて理解して、獣人族の役に立てようと考えているのである。

 そういった事情を知らない獣人族たちは、自分たちのシャーマンが人間に誘拐された事で、大規模な捜索活動を展開した。
 獣人族と休戦協定を結んでいたA地方の人間たちは「開戦の前触れか?」と恐れ、隊商などはいつもより護衛を増やした。



導入

 牛の輸送は、何百・何千頭もの牛をカウボーイたちが追い回す事で行う。
 PCたちは、A地方に向けて牛を輸送している、そんな牛追いの一団に護衛などとして雇われ、同行しているものとする。

 事前情報として、「牛追いの旅の間中、季節外れの雨と暑い乾燥した気候が一定の周期で繰り返していた」旨をさりげなくプレイヤーに伝える事。



本編

 旅の途中、荒野にて獣人族の一団と出会う。  荒野とは言え、水場沿いに旅する為に、道のようなものができている。獣人族の一団は、道に沿ってPCの目的地方向からやって来る。
 獣人族の一団は、シャーマンの捜索隊であり、説明も無く強引に馬車の中など人を隠せるような所を調べようとする。牛追いのリーダーは揉め事を避けようとこの捜索を黙認する。
 理由を聞く場合、捜索が終了した後ならば、シャーマン誘拐についての事情を話してくれる。獣人族はPCたちに被害を与えるような事はしないが、警戒は解かない(獣人族PCの場合も同様)。

 獣人族の捜索隊と別れて暫く進むと、PCは道から外れる方向を向いた足跡を発見する。この足跡は先程の獣人族の捜索隊の足跡とは交差しておらず、状況から考えて「獣人族の捜索隊を避けて進む何者かがいる」と推論できる。マスターは、プレイヤーがこの推論を導く事ができるように、図示などして誘導する事。どうしても思い付かない場合は、NPCの口を借りて説明する。

 怪しい足跡の主は、ギャング団とシャーマンである。
 ギャング団は、A地方の荒野の各所でシャーマンに雨乞いをさせて、つい先程にハリケーンを発生させるに十分な要件を満たし終えたところで、これから町へ帰ろうとしている。この町は、PCたち牛追いの目的地と同じである。
 PCが足跡を辿る場合、この怪しい足跡の主と自分たちの目的地が同じである事が分かる。獣人族の捜索隊は既に離れてしまっているので、これを教えに行く事はできない。

 やがて牛追いの一団は目的の町に着き、PCは仕事から解放される。
 夜になって、人目を忍んで町に入る怪しい一団をPCは目撃する。ここでPCが自主的にその一団を調べるように誘導する事。多少強引でも、先程の足跡の主がこの怪しい一団(ギャング団)だと伝えてしまった方が良いだろう。

 ギャング団は町に大部屋を取って泊まる。その後、B地方の気候や先物取引の市況を電報を利用して確かめる。ここでPCが立ち聞きしたり、電報を盗み見る事で悪事の大筋の内容を掴む事ができるように誘導する事。

 PCが事情を把握した頃(1〜3日後)に、町は大規模なハリケーンに襲われる。
 その頃になって、獣人族の捜索隊は、「ハリケーンを避ける為に」という口実で町に入る許可を求める。町長は、「宿を提供するからそこから動かない事」という条件で許すが、獣人族は密偵を町に出す。
 この獣人族の振る舞いにPCが気付くように誘導する事。

 基本的に町はハリケーンに襲われていて銃声ですら隣の部屋に届くかどうかという状態である。



結末

 PCが傍観する場合、獣人族の密偵によってシャーマンは発見される。シャーマンは「今はギャング団に味方する事が獣人族の将来に繋がる」と考えてギャング団側に立って行動する為に、不意をつかれて密偵は倒される。これが切っ掛けで騒ぎが大きくなり、A地方で獣人族対人間族の戦争が再開される。

 ギャング団を倒そうとする場合、ギャング団はPCを仲間にしようと説得する。説得に応じて倒したならば、シャーマンは「自分がどういうつもりでギャング団と同行していたのか」を語り、さらに「私の行為は、仲間からすれば裏切りに見えるだろう。しかし、力を得た暁には、賛同者も現れるに違いないと思っていた。だが、ギャング団が全滅した今、その道も閉ざされた」と付け加える。
 このシャーマンを獣人族の捜索隊に引き渡せば、事態は丸く収まる。
 PCが望むならば、報酬代わりにギャング団の所持金などを適当に渡しても良い。

 獣人族の捜索隊を倒そうとする場合、勝利してもいずれはその事が伝わり、戦争が再開される事になる。



さいごに

 一本道シナリオで、何度か「成功しないといけない行為」があるが、そこがクドくならないようにして欲しい。




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