No. タイトル システム 登録日 改稿日
0046 市電のある街 S=F 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『セブン=フォートレス・アドバンスド』専用である。

 『セブン=フォートレス・アドバンスド』は基本的にダンジョン・ゲームであり、このシナリオは「PCがダンジョン踏破をするに至る動機付け」を提供するのみであり、メインとなるダンジョン作成は行っていない。



第1フォートレス:街

 ある所に、スチームパンク風のゴチャゴチャした汚らしい街があった。
 魔法を動力とする路面電車(古代文明の遺産)が街を縦断している。路面電車には無料で乗れるので線路に沿った方向に移動したい場合は便利だが、踏み切りの類が無いので線路の反対側に行くのには大回りしなければならない。そんな街並みに目を奪われながら、PCは街の外れにある酒場にやって来る。
 酒場はこれから客が増える時間帯だったのだが、突然、主が「宝くじに当たったのに、うっかり引き換えに行くのを忘れていた。今日の日の入りまでに引き換えないと、金貨1000枚がフイになる」と言い出す。店を放っておく訳にもいかず、そこでPCに「代わりに引換所に行ってくれるならば半分あげる」と持ち掛ける。

 以下に街をフォートレスと見立てたマップの概要を提示する。“TL0001”などとあるのは、ルールブックP.124〜P.132にあるタイルデータに対応している。
 タイル@EJおよび右側のタイルは、ルールブックに記載されている通りだとする。
 左側のタイルは、ルールブックの記載とは左右反転(鏡像)に置き換えて使用する。
 トラップやオブジェクトは、特に指定が無い限り原則的に全てタイル中心にあるとする。


D
TL0030
C
TL0053
B
TL0053
A
TL0053
@
TL0039
A
TL0053
B
TL0053
C
TL0053
D
TL0030
I
TL0053
H
TL0029
G
TL0029
F
TL0029
E
TL0039
F
TL0029
G
TL0029
H
TL0029
I
TL0053
N
TL0055
M
TL0053
L
TL0053
K
TL0053
J
TL0039
K
TL0053
L
TL0053
M
TL0053
N
TL0055


  トラップ・オブジェクト等 解説
@ Ob-001“一般オブジェクト”  酒場。ここがスタート地点となる。
A Tr-020“もう君を離さない”  以下の記述は最初に侵入したタイルの方に適用する。
 子供の悪戯で歩道に接着剤が撒かれていた。引っ掛かった場合、親切な雑貨屋の店主が剥がし液を無料でくれる。自由になるのに計3ラウンドかかる。親切な雑貨屋の店主は、「路面電車が無ければ向こう側に行くのも楽なのだが、危ない真似をしてまで急ぐ事もないしな」などと世間話をする。
B Tr-022“這いよる瘴気”  下水溝から悪臭が漂って来る。ガスは拡散せず、タイル中心に存在し続ける。ダメージを受けると、HPを失う代わりにその分だけ“全力移動判定”が減る。これはこのフォートレスを攻略するまで回復しない。
C Tr-023“ひきずられる足”  人ごみで思うように進めない。タイルの全てにこのトラップがかかっているものとする。
DIN クリーチャー  闇ゴブリン(P.184)に相当するデータの人間のチンピラ多数が抗争を繰り広げている。Cのタイルから様子が見て取れるのだが、「最低20体のチンピラを倒さないと先に進めそうに無い」と分かる。
EFGH Tr-017“蹂躪するもの”  ローラーでは無く、路面電車が通っている。複線になっていて、町の両端で一定時間停車する他はノンストップであり、よって距離的には近い@とJが、時間的には最も離れた場所になっている。常に作動状態であり、当然ながら停止させる(=解除する)のも、破壊するのも犯罪。このタイルに関する情報は、既にPCは既知である。
KLM  他のタイルから見る限りトラップの有無は分からないが、実は何の障害も無い。
J Ob-001“一般オブジェクト”  宝くじの引換所。ここがゴール地点となる。

 左右対称のフォートレスになっているが、実際にそういう構造の町だというのでは無く、単に省略しただけである。もしプレイヤーが町の左右の両方に足を踏み入れる事があるならば、その辺りが気にならないようにマスターの方で適当に手を加えて欲しい。
 12ラウンド以内にゴール地点に到着できなければお金がもらえないと宣言しておく事。

 ところで、このフォートレスのコンセプトは「道はゴチャゴチャしていて障害も多く、真っ当な歩道を通っていては刻限までに引換所には間に合わない。しかし路面電車の線路に踏み入れば間に合う」という状況を再現する事にある。プレイヤーには「目先を変えたフォートレス踏破ゲームをやっている」と思わせておいて、“プレイヤーの判断で”路面電車の線路を横切るように仕向けなければならない。
 よって、制限ラウンドやトラップの内容は、このコンセプトに合うようにマスターの方で調節して欲しい。余りきつく設定し過ぎて、“マスターに線路を横切るように強制された”とは思われないように注意する事。

 ちなみに、D−E−Fのタイルに入らずに、スタート地点の酒場からゴール地点の引換所まで行く為には最短で50sq分の移動を行わなければならない。「行動カウント30以上で、3回の全力移動判定に31以上出す」事に成功すれば、3ラウンドで到着する計算になる。
 逆に、路面電車線路を横切るとして最短で20sqだが、下手をすると10ラウンド以上かかる事になる。

 PCが引換所で宝くじを換金した帰り道に、「路面電車に轢かれて死んだ子供がいる」と騒ぎが起こっているのに気付く。

 PCが酒場に戻ると、礼を言われ約束通り金貨500枚をもらえる。



第2フォートレス:復讐

 実は、PCが第1フォートレスの路面電車線路を横切るのを見て、真似をした“子供”がいた。
 PCと違い特別な力を持つ訳でも無いその“子供”は、電車に轢かれ、死亡した。
 PCや“子供”の行動には目撃者がいた。彼らから話を聞いた“子供”の父親(実は、前述の第1フォートレスのタイルAの親切な雑貨屋の店主である)は、PCのせいで“子供”が死んだとして復讐を誓う。
 父親は、“光の騎士”に祈り、復讐の手段を教わる。それに従い、隠されたC難度フォートレスを「E難度だ」と偽ってPCに突破を依頼する。

 フォートレス作成はマスターに一任するが、基本的に「レベルの低い罠やモンスターをたくさん出す」「宝などの利は無い」という方針にして欲しい。
 PCが中に入ると扉が閉まりロックされる。そして、聞き覚えのある男(=父親)が「我が子の恨みだ。絶望して死ね!」と言う声が響く。扉は、コアを壊してフォートレスが自壊を始めると開く。
 自分たちの境遇への不平不満が頂点に達した辺りで、“光の騎士”が登場して事情を説明し、ここぞとばかりに説教を垂れる。



結末

 フォートレスの外には父親が待っていて、PCが無事に出て来ると半狂乱で襲い掛かって来る。しかし戦闘能力は無いに等しいので、PCがその気になれば簡単に勝てる。



さいごに

 某アニメのノベライズのあとがきに「自分の妹は、開かずの踏み切りを越えて行った人の真似をしようとして電車に轢かれて死んだ」という話が書かれていて、そこから思い付いたシナリオである。

 「自分でも気付かない内に人の恨み(逆恨みでなく正当な恨み)を買う」というシチュエーションの物語は少なくないが、大概、どこか強引で不自然になりがちである。しかし、ここで扱った設定ならば、自然なのではないかと思う。




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