No. タイトル システム 登録日 改稿日
0034 干拓工事の町にて BK 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『Bea−Kid’s』専用である。



登場NPCおよび重要事項

潜水艦 南部連合国が、古代文明の遺産やオカルトを用いて作った。意志を持つ航法コンピュータとゾンビによって動く。実戦投入される事なく、最近まで岩間に挟まって動けなかった。
ゾンビ 潜水艦の航法コンピュータが作ったゾンビ。基本的なデータはルールブック掲載のものに準じるが、水中戦ではボーナスが付く。



事前状況

 大陸統一戦争当時、南部連合軍で潜水艦の開発が行われていた。研究当初は純粋な科学技術に基いて開発されていた潜水艦だが、行き詰まりからオカルトや超古代文明の遺産技術も取り入れられる事になった。その結果、意志を持つ航法ナビゲーション用コンピュータ(発掘品)が搭載され、そして搭乗員にはゾンビが採用された。
 しかし潜水艦は試験航海で事故に遭い、身動きが取れなくなってしまった。戦況の関係で回収部隊が派遣される事も無かった。搭乗員のゾンビも(偵察に出した先で倒されたり、搭乗席で腐ってしまったりで)失われた。航法コンピュータには、ゾンビを作り出して操る能力があったが、手近に死体がなければそれもできなかった。
 そんなある日、偶然にも1つの水死体が潜水艦の側まで漂ってきた。コンピュータはそれに魔術をかけ、支配下に入れると、偵察に出した。

 現在、潜水艦が沈んでいる湾は干拓工事が行われていて、これが完成すると潜水艦は陸上に姿を晒してしまう。それに既に、遠浅になってしまい、この湾から外海に出るのは不可能になっている。コンピュータはまず墓場から死体を掘り起こさせて配下のゾンビを増やし、身動きできない状態からの復帰作業を行う。それから湾内と外海を分ける堤を破壊して元の水位に戻そうとするが失敗。取り敢えず、工事を遅らせる為の破壊工作のみ行う。
 その後、街の近くに「湾を通らずに外海に繋がる地下水脈」がある事を知っていたコンピュータは、潜水艦をそこまで陸送しようと考える。ゾンビは線路を引き、廃棄された機関車をレストアして、潜水艦輸送車両を作り、輸送訓練を行った。一連の作業は主に街道から少し離れた山の中で掘っていたので街の住民は気付かなかったし、偶然にも山の中に分け入って気付いた者はゾンビに殺された。

 街の人間は、

@墓場荒し
A謎の山賊の凶行
B干拓工事妨害テロ

という3つの相関関係の無い事件が起こっているという認識でいて、しかも“B干拓工事妨害テロ”以外は本気で解決する気が無い。

 山中で夜を過ごすと「夜は運行していないハズの機関車の音」や「各種作業の音」が聞こえる。



導入

 PCを3つの組に分け、上記“事前状況”にある3つの事件のどれかを解決するように依頼を受けるか、自発的に解決しようとする。
 プレイヤーが望むならば、そのどれにも関わらずに、「たまたま山にいた」というのでも構わない。



本編

 潜水艦のコンピュータは、現時点で自分たちの正体がバレるのは避けたいと思っている。

 “@墓場荒し”の導入では、墓場を少数の人間が隠れて見張るなどしたならば、ゾンビが現れて死体を盗んで海に入って行くのを見る言ができる。

 “A謎の山賊の凶行”または「たまたま山にいた」の導入では、夜中に山の中で鉄道輸送訓練中のゾンビ(蒸気機関車)を目撃する。気付かれればゾンビに襲われる。

 “B干拓工事妨害テロ”の導入では、堤防を見張っていると、夜中に何者か(ゾンビ)が堤防を破壊する水中作業を始めるのに出くわす。放っておいては建設などできないし、水中へ銃弾を撃ち込んでもほとんど効果が無い。破壊は手作業で、朝になれば撤退する。

 全て“ゾンビ”というキーワードで結ばれ、山の中を調べれば、「地下水脈およびそこに繋がるように作られた鉄道の引込線」が見付かる。



結末

 PCの行動次第で、結末は以下のどれかになるだろう。

@ 成功  潜水艦陸送中に襲撃し、水中戦闘を行う事なく潜水艦を倒す。或いは、陸送前に山の中のゾンビを倒し、その後で海の中を捜索してゾンビと潜水艦を倒す。
A 現状維持  潜水艦陸送計画を妨害し、陸上に入たゾンビは全て倒したが、水中のゾンビは倒せず、潜水艦は湾内に取り残されながらも生き長らえる。PCが長期的な協力を約束すれば、やがて軍隊が派遣されて解決してくれるが、経済的にも人員も甚大な被害を受ける事になる。
B 失敗  潜水艦が外海に逃れてしまう。

 水中戦闘に関しての処理はマスターに任せる。「水中ではゾンビ&潜水艦に勝てない」でも良いし、「苦戦するが勝てる」でも構わない。「勝てない」とする場合は、プレイヤーが不公平感を抱かないように「勝てない」事をハッキリと伝えるべきである。



さいごに

 ホラー調で進め、黒幕が見えない恐怖を演出して欲しい。




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