No.
タイトル
システム
登録日
改稿日
0028
電磁波公害
怪奇CL
00/04/01
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はじめに
このシナリオは、『放課後怪奇倶楽部』の使用を想定して書かれた。
しかし、学校を舞台にしたホラーとして使用可能である。
登場NPCおよび重要事項
宇宙生物
:
謎の遺伝物質と電磁波のせいで宇宙生物になってしまった複数の高校生。世界征服を企み、その第一歩として学校支配を行う。
貧乏学者
:
電磁波公害を訴える団体の代表を勤めるマッドサイエンティスト。水源に含まれる遺伝物質の害も説いているが根拠に乏しい。
事前状況
PCが通う高校が建っている土地は、何百万年もの昔、宇宙生物の遺伝物質が大量に付着した隕石が落下していた。落下跡は水源になり、この地方の人間は遺伝物質を含む水を飲んで過ごしていた。現在の科学力では何の異常も無い物質と判断されるが、これを一定量を摂取した上で特定の電磁波を浴びた人間はDNAを書き換えられてしまい、身も心も元となった宇宙生物に変化してしまう。
歴史上、自然界の電磁波でごく希に宇宙生物に変身してしまう者もいて獣人伝承として伝わっていたが、大量の人間が変身してしまう様な事態に陥った事は無かった。しかし、「最近広まったPHSが使用する電波」と「パソコンやコンピュータゲーム機の出す電磁波」が合成される事によって出る電磁波の出力パターンは、偶然にも宇宙生物化の引き金となる波長・周波数だった事から、複数の高校生が徐々に宇宙生物になりつつあった。
中でも特に帰宅部ゲーマーでPHSも持っていた複数の生徒は変身する速度が早かった。
最初はその能力上昇をゲームにしか生かしていなかったのだが、ヤンキーなゲーマーの集団に絡まれて逆に殺してしまった事から一気に覚醒し、心まで宇宙生物になり果てる。心の声に従って地球征服を企み、その手始めとして自分たちの高校を支配すると決め、有力部と委員会の乗っ取りに着手する。
導入
高校の近くにあるゲームセンターは、何時の間にか「遠方から挑戦者が来るほど、強いゲーマーが集まる店」になっていた。その“全国的に強いゲーマー”は同じ高校の複数の生徒で、ときには興奮した挑戦者が殴り掛かる事もあると言う。
あるときPCの1人がNPCと帰宅していると、ゲームセンターの前で同じ高校の生徒数人がチーマー風の集団に連れて行かれようとしているのに出くわす。事情通のNPCに上記の話をして、「あの生徒たちはゲームが上手いので逆恨みされ、暴力で仕返ししようとしているのだろう」と解説する。PCが助けようとしても多勢に無勢でどうしようもない。しかし、その生徒たちが不敵な笑みを浮かべるのをPCは目にする。そして翌朝(もしPCが諦めずに生徒の捜索を続けるなら深夜)、PCは昨日のチーマー風の集団が路地裏で惨殺されているのを発見してしまう。
この事件を機に、宇宙生物は本格的に活動を始める。
本編
PCは、一部の生徒の異常な振る舞いに気付く。急に成績が良くなった一部の生徒が、裏では不良生徒を牛耳り、さらに揃って生徒会役員に立候補して当選。その上でマンガみたいな“学園支配”をしようとしていた。
その“一部の生徒”は、件の強いゲーマーたちで、大人は何も気付いていないし、NPCの生徒も「仕切りたがり屋の暴走」という程度の認識しか持っていない。
宇宙生物たちは、学校支配を通して仲間を増やそうとしている。その為に宇宙生物化を促す電磁波を出す改造PHSを生徒に売り付ける。
また、PHSの絡みで“電磁波公害を訴える団体の代表をする貧乏学者”が校門の前で「携帯やPHSは害になるので持つな」とアジる。世間は彼を異常者と見做しているが、話を聞くと「この町の水源に含まれる遺伝物質の話」「それと電磁波の相互作用で、精神に悪影響を与えるという新説」を語ってくれる。
結末
PCが問い詰めれば、比較的簡単に宇宙生物は正体を現わして襲い掛かって来る。
クラスメートを狩りながら、最期には“電磁波公害を訴える団体の代表をする貧乏学者”の話から「水源に毒を撒いて人が飲めないようにする」といった抜本対策を取る事になるように誘導して欲しい。
さいごに
元ネタはクリストファー・パイクの『謎の吸血湖』で、独自要素も入れているものの引用率は高い。しかし、その元ネタの小説からして『インスマウスの影』などのパターンを踏襲しているし、これが直接の元ネタだと100%の確信を抱けるプレイヤーはいないだろう。
ストーリーは一本道になってしまうので、陰惨さを演出する事にパワーを使って欲しい。
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