No. タイトル システム 登録日 改稿日
0027 猫の賞金 BK 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『Bea−Kid’s』の使用を想定して書かれた。
 しかし、他の西部劇物として使用可能である。



登場NPCおよび重要事項

エージェント 賞金を懸けて猫探しをする男。実は南部連合国の魔法研究部隊の残党で真言魔術師。失われた第一世代の猫(後述)を探している。
南部連合国の魔法研究部隊の残党が開発した戦闘生物。通常時は珍しい品種の愛玩動物だが、指令念波を受けると戦闘用獣に変身する。第一世代と第二世代があり、第二世代は欠陥品。
牧場主の息子 偶然から、最期の第一世代猫を匿っている。



事前状況

 南部連合国の魔法研究部隊の残党が「普段は愛らしいペットだが、指令念波を受けると戦闘用獣に変身する」という猫を作り出す研究をしていた。残党はこの猫を一般にペットとして売り出し、十分な時間をかけて世の中に広め、その上で自由にテロを起こせる道具にしようと考えていた。
 研究は一応の完成を見て、ペットとしての販売も軌道に乗り始めた矢先だった7年前、戦闘猫が暴走する事故が起こり、研究員の半数が死亡。連邦保安官の捜査を受けそうになった事もあり、生き残った残党は研究データの一部だけを抱え、ほうほうの体で逃亡。別の地に新たな研究所を築き、そこで何とか計画を続けた。
 しかし最近、第二世代以降の戦闘猫には「いつ暴走するか分からない。暴走すると指令念波に従わない」という欠陥が存在する事が判明した。
 7年前の事件のせいで、研究データが足りず打つ手が無い。せめて第一世代があれば解決法の糸口も見出せるのだが、7年前に持ち出せた第一世代は全て死亡していて何ともならない。残党は一応、他の解決策を模索しつつも、ダメモトで7年前まで研究所があった町にエージェントを派遣し、当時の混乱から逃げ出して生き延びた第一世代の猫を探す事にした。
 残党も人手が足りないので、派遣されたのは1人だけだった。その派遣されたエージェントは、寂れた田舎町であるその地で「愛玩していたペットが逃げたので捕まえて欲しい」と偽って高額の賞金を懸けた。賞金に釣られた町民は必死に探すが猫は見付からなかった。

 さて、この田舎町からそう離れていない所に、街道から外れているのでその存在が知られていない地下洞窟があった。その洞窟には地下水脈もあり、第一世代が一匹(1つがい)生き残り、人知れず暮らしていた。最近、この第一世代のメスは子供(第二世代)を10匹生んだが、産後の肥立ちが悪く死んだ。オスは生きていたが、つれあいの死が堪えたのか病気になってしまった。
 洞窟の入口で倒れていたオスを、付近の牧場主の息子が発見した。息子は内緒で第一世代のオスを連れ帰り看護した。父親が猫嫌いなので飼うのを反対されるに違いないと思った息子は、このままこっそり飼い続けようと考えた。
 そしてその頃、第二世代たちは地下洞窟で育ち始めていた。



導入

 PCの一部は、上記“事前状況”にある「猫探しの依頼」を受ける形で事件に関わるようにする。
 「猫探しなどスタイルに合わない」と思うPCは、理由はともかく舞台の町に滞在していれば良い。

 エージェントは、「どうせ第一世代の猫が見付かるとは思えないが、できる限りの事はする」というような心構えでいる。高額の賞金の話を聞いたPCがエージェントを尋ねると、目的の品種の猫が写った写真を見せ、「7年前までこの町に住んでいた老人がいるのだが、引越しの際に愛猫が逃げてしまった。そのときは仕方が無いと諦めたのだが、今、老人は死の床にあって、死ぬ前に愛猫に会いたがっている。その愛猫が生きている保証は無いが、もし生きていてそれを連れて来てくれたら賞金(高額)を支払う。愛猫は生きていれば老齢だが、同じ品種で若い猫を見付けた場合、それを連れて来てくれても幾らかの礼金を出す」と説明される。
 既に町中は調べ尽くされた感があるという話をPCに教えた上で、エージェントは「町民は、町の外までは調べていない。君たちのような屋外に慣れた者が捜索に出てくれれば成果が上がるかもしれない」と言う。

 エージェント自身は、確実に人目に付かない場所で真言魔術を用いた調査を行っているが、傍目には何もしていないように映る。



本編

 「7年前に町を出て行った老人」について裏取りをするならば、町人から「老人は知らないが、7年前と言えば、たくさんの人が出入りする大きな屋敷があった。新種の猫を愛玩用として売っている会社だと聞いていたが、突然の火事で焼失し、住んでいた人たちは逃げるように町を出て行った。屋敷の主を見た人はいないので、それがその老人なのかもしれない。その後、連邦保安官が調査に来たので、『猫を売っているというのは嘘で、ギャング団の隠れ家だったのでは?』などと噂されたが確実な事は分からない」との話を聞く。
 屋敷跡に侵入し、詳しく調べたならば、地下室へ続く隠し扉を発見する。地下室は研究室になっていて、真言魔術師が見れば「生物を改造する魔法実験を行っていた」と見当が付く。

 屋敷跡の件でエージェントを問い詰めても知らぬ存ぜぬだし、PCが余りに強い態度を見せるならば保安官を頼るか、逃亡する。
 エージェントの荷物には魔術道具があるので、PCが上手に振る舞えば、保安官にエージェントを逮捕させる事もできる。

 町の外を捜索する場合、丸一日かければ地下洞窟を発見する。中に入るならば、第二世代の猫(小猫)と遭遇する。小猫はPCを見た瞬間に戦闘形態に変身して襲い掛かって来る。小猫の能力は、「命中/回避修正+5、ダメージ2D6+2、HPは2段階(軽傷→死亡)」と設定する。状況次第では、PCは逃亡できるとしても良い。小猫からダメージを受けた場合、PCは病気に感染する。

 地下洞窟からの帰りに、PCは挙動不審な少年が自分たちを見て逃げ出すのを目撃する。この少年が牧場主の一人息子だという事は町の人に聞けばすぐ分かる。少年を監視すれば、納屋で第一世代の猫を匿っている事が分かる。上手く話を持っていけば、猫をエージェントに見せるくらいはOKする。なお、幾ら少年の父親が猫嫌いだと言っても、少年とPCが対立するような事態になれば、当然ながら父親は少年を全面的に庇う。

 小猫にうつされた病気は、セッション中には発病しないが、放置すれば死に至る。エージェントは治療薬を持っているが、相談してもすぐにはその事を教えず、後で利用しようと考える。



結末

 猫探しに加わらなかったPCも、どこかで事件解決に合流するように促す事。
 「屋敷跡の地下室」「地下洞窟」「挙動不審な少年」の3つは、絶対に起こるイベントと考えて良いが、PCの手際が余りに悪い場合はペナルティとなるイベントを挿入して欲しい。
 3つのイベントを経れば、エージェントの正体がだいたい分かった上で第一世代の猫を確保すると展開する筈である。エージェントは、第一世代の猫が手に入るならば金は惜しまないし、小猫にうつされた病気の治療も取り引き材料に使う。それでもPCが渋れば、エージェントは切り札とばかりに「第一世代を持って帰らないと、遠くない将来、各地で第二世代が狂暴化して大惨事になる。渡せば、第二世代は我々のコントロール下に置かれるので虐殺は起こらない」と言う。
 それでもPCがOKしない場合、エージェントは逃亡する。もし逃がした場合、数日後に残党の実行部隊に襲われる。

 町民の戦闘力はPCに比べれば格段に低いが、無茶をするようならば「たくさんの助手を引き連れた連邦保安官と戦闘になる」とオチを付けても良い。



さいごに

 ロシアで「新種の猫を作って高く売る」という商売が行われているとのニュースを聞き、そこから連想して思い付いた。




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