No.
タイトル
システム
登録日
改稿日
0018
裸の女
ＳＷ
00/04/01
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はじめに
このシナリオは、『ソードワールド』の使用を想定して書かれた。
しかし、汎用ファンタジーとして使用可能である。
登場ＮＰＣおよび重要事項
女邪神官
：
高レベルのダーク・プリースト＆ソーサラー。治療師としての表の顔を持ち、村人の信頼を得ている。
１８歳の娘
：
外見年齢１８歳。実年齢９歳。赤ん坊の頃から何の教育も受けずにいた為に、中味は赤ん坊のまま。
事前状況
あるところに高レベルの女邪神官がいた。その女邪神官はソーサラーでもあり、邪神専用奇跡と遺失呪文を組み合わせて「他人の若さを吸い取る」というオリジナル呪文を習得していた。外見は２０代後半だが、１００年以上は生きている。
現在、この女邪神官は、ある村で治療師として生活している。９年前にこの村に住みつき、村の若夫婦の赤ん坊を誘拐して家の地下室に監禁し、毎年決まった時期に１歳分の“若さ”を吸い取った。誘拐は犯人不明として捜査が終了し、女邪神官は村人の信頼を得る事に成功していた。
赤ん坊（女性）は何の教育も受けずに９年間を過ごし、１８歳の外見になっていた。
化粧で誤魔化しているので、女邪神官が歳を取らない事については今の所、不信がられていない。女邪神官は、そろそろ村を出るべきだが、居心地が良いのでもう少しいたいなどと考えている。
そんなあるとき、たまたま女邪神官が留守にした隙に、上記の１８歳の娘が逃げ出してしまった。
導入
「腕が良い治療師がいる」と近隣の村からも患者が訪れる治療所を中心にして栄える辺境の村がある。たまたまここに立ち寄ったＰＣは、深夜、宿屋の外で知性を失った全裸の女性を発見する。
その女性は年の頃は１８くらいで、村の者に聞いても心当たりは無いと言う。村の者はみんな親切で、深夜にも関わらず起き出して、近隣の村々への使いを出したりする。１８歳の娘の世話は、宿屋の夫婦が買って出る。宿屋の夫婦は「９年前に赤ん坊を誘拐されて以来、子供ができず寂しい思いをしていた。この娘の世話ができてむしろ嬉しい」などと言う（実はこの１８歳の女性は、宿屋の夫婦の実の娘である。序盤で伏線となるように、他の親切な村人のセリフと織り交ぜてこの事を言っておく事）。
宿屋の周囲を調べると、１８歳の女性の足跡を発見する。レンジャー技能を持った者なら追跡可能で、どうやらＰＣにできそうなのはそのくらいしか無い。
以降、ＰＣが自発的に事件に関わるものとして進める。
本編
足跡追跡はＰＣ１人だけに許可する事。達成値に関わらず、必ずとある枯れ井戸に辿り付く。この枯れ井戸には梯子段があり、技能判定しなくとも昇り降りが可能になっている。
達成値が高い場合、翌早朝に枯れ井戸に着く。中程度の場合は午前の遅い時間に、低い場合は昼過ぎになる。或いはＰＣが徹夜で足跡追跡を行わない場合、枯れ井戸を見付けるのは自動的に“昼過ぎ”となる。
急患の診療で外出していた女邪神官は、午前の遅い時間に村に帰ってくる。１８歳の女性の話を聞いて焦って自宅の地下室に向かう。
枯れ井戸は治療所の地下室に繋がっている。早朝に辿りついた場合、何の障害も無く地下室に辿り着く。シーフ技能かレンジャー技能で判定すれば、ここが位置的に治療所の地下室であると分かる。長年の風雨や地震などのせいで枯れ井戸と地下室が繋がったようで、もう１つ正規の扉があるが、外側から閂で閉じられている。
午前の遅い時間になった場合、枯れ井戸には女邪神官が召還したモンスターが待ち受けている。
昼過ぎには、地下室は魔法で埋められてしまう。シーフ技能かレンジャー技能で調べれば細工に気付く。
結末
女邪神官はシーフ技能やレンジャー技能を持たないので、物を隠すなどの偽装工作は苦手である。この辺りから真相がバレると展開するようにマスタリングする事。
秘密の地下室や女性の監禁についてＰＣが問い詰めるると、女邪神官は基本的にトボけ通す。抗弁できなくなったら１８歳の女性の監禁は認めるが、「乱暴されていたのを保護した。暴れるので危険だし、彼女の名誉も考えて村人には秘密の内に監禁した」と言い訳する。
女邪神官は、この事件が落ち着いたら逃亡しようと考え荷造りなどをしている。その中には、言い訳のできない邪神の祭器（若返りの遺失魔法に必要。上位古代語で「一方は歳重ね、他方は若返る」などの呪言が刻まれている）などもあり、これらを突き付けられれば開き直って戦闘を仕掛けてくる。
真相に気付き、宿屋の夫婦と娘に親子の対面を叶えさせればミッションは成功である。女邪神官の処遇に関しては、ＰＣ次第である。
さいごに
念の為に記しておくが、このシナリオを製作したのは１９９７年９月で、元ネタとして特定の事件を引用したものでは無い。
プレイヤーが積極的に乗ってこないならば、このシナリオは成り立たない。手詰まり感から八方塞になるようならば、女邪神官を「余計な事を口走る癖のある女」として演じると良いだろう。
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