No. タイトル システム 登録日 改稿日
0017 オカルト・ギャング GH 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『ゴーストハンター』の使用を想定して書かれた。
 しかし、『クトゥルフの呼び声』など、恐怖判定ルールのあるホラーRPGならば使用可能である。



事前状況

 舞台は、禁酒法下のアメリカの、とある地方都市。
 異次元から1体の知性体がこの世界のこの地方都市にやってきた。“異次元知性体”は死体に自分の体液を注入する事で“仲間”にする能力があった。“仲間”は生前の知識と、“異次元知性体の生来能力”を有し、互いに精神的にリンクされ群体として活動した。
 そのうち、“異次元知性体”は“仲間”を増やす為にユニークで効率的な方法を思い付いた。生来能力である飛行能力を駆使して行った酒の密輸で資金を稼ぎ、その金で新興ギャング組織を作ったのだ。
 新興ギャング組織は、異常なまでの武闘派として他組織との抗争を繰り返し、そうして得た死体を依代にしてより多くの“仲間”を得た。

 新興ギャング組織の余りに短期間での躍進ぶりを、在来組織やFBIは憂慮した。彼らは新興ギャング組織を「最近現れた謎の組織。構成員の人種もバラバラで、バックや資金源も分からない。ただ1つ、幹部クラスにオカルトに手を染めた者がいて、そいつの魔法が成功の秘密らしい」と考えている。
 在来組織とFBIは手を組む密約を交わし、新興ギャング組織を上回る戦力は確保した。しかし、“魔法”が厄介でそれで足元をすくわれないか恐れている。



導入

 PCは、在来組織ないしFBIから、「新興ギャング組織の魔術師対策顧問および魔術師に関する専従調査員」として雇われる。以下、この依頼を受けたものとして進める。
 在来組織&FBIは、「新興ギャング組織の中で魔術が使える人間はごく一部で、彼を暗殺すれば問題は消える」と考えている。NPCは精神抵抗力の弱い者ばかりで、怪異を目撃すれば簡単に発狂してしまう。そんな事もあって、PCの力が必要とされている。
 PCが必要な情報を集め、的確な襲撃計画を立案指揮してくれれば、肉弾戦闘はNPCが引き受けると言われる。



本編

 PCが新興ギャング組織を見張るなどすると、様々な怪異を目撃する事になる。例えば、「酒の密輸の現場を見に行けば、“名状しがたきモノ(=異次元知性体の飛行形態)”が沖合いの船から酒樽を空輸する」とか「抗争で倒れた者を敵味方構わず丁寧に回収して工場のような場所に集める」とか「死体としか思えなかったのに、荒っぽい“手術”で蘇生する」などなど。
 どれもNPCを引き連れていた場合には、それらを目撃して誰もが恐怖判定で使い物にならなくなる程のショッキングな場面である。

 やがてPCは、新興ギャング組織がとあるベンチャー企業と繋がりがある事にも気付く。そのベンチャー企業が開いた「新製品発表パーティー」には、政財界でそれなりの地位にある者も出席している。



結末

 写真、ベンチャー企業の怪しげな発明品、“異次元知性体”の体液などの証拠を揃えた上で、「構成員全員が人間では無い」との結論を得れば、基本的に依頼は達成である。
 報告を受け納得したFBIは、最早自分たちのレベルでは解決出来ないと悟り、軍隊に協力を要請する。軍の秘密部隊は飛行船で化学兵器を撒き、地方都市の住人を壊滅させる。
 事件は、「しかし、そこまでしても奴らは生き残っているかもしれない」との嫌な余韻を残して幕を閉じる。



さいごに

 基本的に一本道シナリオ。遊園地のお化け屋敷のノリでマスタリングして欲しい。途中でPCは逃亡を選ぶかもしれないが、そのときは「のっぺらぼう」の怪談のようなエピソードを逃亡先で演出してオトすと良いだろう。




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