No. タイトル システム 登録日 改稿日
0016 孝行息子の憂鬱 TORG 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『TORG』専用である。
 しかし、手を加えれば汎用ファンタジーとしても使用可能である



登場NPCおよび重要事項

老夫婦 若い頃は夫婦揃って野心的なオーロシュ(ビクトリア)のオカルト魔術師だった。歳を取ってからは改心し、人としての生活を何より大切に思っている。死期が近いのを自覚している。
孝行息子 老夫婦が中年を過ぎてからもらった養子。養い親を非常に大切に思っている。



事前状況

 ある老夫婦は、若い頃は夫婦揃って野心的なオーロシュ(ビクトリア)のオカルト魔術師だった。不死を求め、「自分が死ぬと自動発動する、吸血鬼の神祖になれる魔法」を自分たちにかけた。
 だが、歳を取ってからは改心し、養子をもらい、人としての生活を何より大切にした。そして今、死期が近いのを悟った。しかしこのまま死ねば吸血鬼として蘇ってしまい、どのように心変わりするともしれない。人として死にたいと願うようになった老夫婦は、ヒマラヤの奥地にある太古の神殿(コアアースのハードポイント)で死ねばそのまま蘇る事は無いと知る。
 老齢の為、普通の旅行でもキツイというのに、2人はヒマラヤへ旅立つ。息子に過去を知られないまま、ひっそりと死ぬ為に。

 書き置きでヒマラヤ行きを知った息子は、知人であるPCに親の保護を依頼する。



導入

 上記の息子はストームナイトの後援者(本人は一般人)で、PCの知人でもある。あるとき、PCに「自分には高齢の両親がいる。自分は養子なのだが、大切に育ててもらい、愛している。安寧に暮らしてもらいたいのに、どういう訳か自分に黙ってヒマラヤ登山に出掛けてしまった。ぜひ連れ戻すか、少なくとも守って欲しい」と依頼する。
 ヒマラヤのどの山に入ったのかまでは調査が終わっている。既に入山していると思われるので、急いで追いかけて欲しいと言われる。足手まといになるので息子は後から追い掛けると言う。
 息子に対してPCが疑いをかけるようなら、はっきり否定しておく事。



本編

 山の麓には村があり、普通の登山客はここで案内人を雇う。PCが話を聞くと、「それらしい老夫婦が案内人を断って入山した」「山頂にある遺跡について訊かれた」と教えられる。
 PCが山を登るに際して、適当な技能判定や、魔物化した野生動物との戦闘などを挟んでおく。

 老夫婦はポシビリティ能力者であり、登山に備えてポイントを貯めていた事もあって、無事に山頂に辿り着いている。PCが追い付いて説得しても頑なに遺跡から離れようとしない。「後から息子が来る」と言うと動揺を見せるが、意志は変えない。
 遺跡がハードポイントである事はすぐに分かるが、いくら調べても何ら特殊な効果があるようには思えない(実際、特殊な効果など無い)。

 “空飛ぶヒーロー”など高速移動手段を持つPCがいる場合、老夫婦の自宅に調査に戻る事を許しても良い。老夫婦の自宅には隠し部屋があり、オカルト魔術の道具が発見される。これについて追求されると老夫婦は何も答えず、ただ「息子には秘密にして、道具は始末して欲しい」と頼まれる。



結末

 厳しい気候が老夫婦の体力を奪っていて、このままでは長く持たずに死んでしまうのは確実である。
 老夫婦は、「遺跡で死ぬ」事に関しては何があっても意志を曲げない。
 交渉や心を読む魔法などに対しては、ポシビリティーを使って積極防御する。その成功度次第で、「若い頃は愚かだった」「ここでないと人として死ねない」などの断片的なヒントとなる事を口にするが、決定的な事は何も言わない。

 PCが老夫婦を無理矢理にでも遺跡から連れ出した場合、下山中に死んで吸血鬼化し、PCに襲い掛かる。
 そっとしておいた場合、2人ほぼ同時に遺跡で息を引き取る。その直後に息子が案内人と共に到着し、PCを責める。



さいごに

 「全ての魔法が効かなくなる遺跡」などを設定すれば、汎用ファンタジー物としても使用可能である。

 後味の悪さを楽しんで欲しい。




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