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0012 移民団護衛任務 OL 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『OUTLAW』の使用を想定して書かれた。
 しかし、『Bea−Kid’s』など、他の西部劇物でも使用可能である。



導入

 セッション開始前に、まず各プレイヤーに紙を一枚ずつ渡して、自分のPCの最初の仕事を“ローマン(法に従う者)”として受けるか、“アウトロー(法の外にある者)”として受けるか決めて書いてもらう。それぞれのプレイヤーに対して、以下の情報を紙に書いて与える。


@ローマン
 酒場で、サウスダコタへ行く移民団の護衛を探しているという男が君に近づいてきた。男は移民団の団長だと名乗る。報酬は40ドル。移民団は馬車10台、9家族、40人。護衛は5〜6人は雇うつもりだと言う。

Aアウトロー
 サウスダコタへ行く移民団が持つ、移民費用の金塊を奪う計画がある。そこで顔の知られていないPCに移民団の護衛として潜入して欲しいと、酒場でとある男に依頼される。護衛のほとんどは仲間であるが、全員ではない。とある地点で強盗の本隊が移民団に近づくから、銃撃を合図に裏切り、敵味方を識別する為に左腕に赤いスカーフを巻く様に言われる。誰が味方かは(君を信用していないのか)教えてくれない。奪った金塊は山分け。それに加え、前金として20ドルくれる。
 そして、君は上手くサウスダコタへ行く移民団に護衛として雇われた。移民団の団長だという男は、報酬として40ドルを提示する。移民団は馬車10台、9家族、40人。護衛は5〜6人は雇うつもりだと言う。


 そうしてPCたちは名目上は“移民団の護衛”という共通の目的のために一同に会す。
 護衛の内、NPCが1人だけいる。彼はアウトローである。残りはPCである。



最初の遭遇

 旅程の1/3が過ぎた夕方、馬車を止め、夕餉の支度をしている頃、PCは何かの接近に気付く。実は飢えた狼なのだが、知覚技能に成功しなければ、人間なのか狼なのかの区別は付かない。ここでPCは狼と戦闘になる。NPCはこの戦闘に加わらない。
 戦闘終了後、NPC(護衛として雇われたアウトロー)が馬に乗って全速力で移民団から離れて行くのに気付く。追い掛けようとしても、既に外した馬具を付け直したりしている内に、視界外に出てしまう(この辺りは森林地帯なので)為、追い付けない。
 NPCが去った辺りに行くと、団長がうずくまっている。寝惚けていたNPCは狼の襲撃に応戦する銃撃を合図と勘違いして、団長に正体を明かして金塊を出すように迫ったのだった。しかし、程無く自分の誤りに気付き、急に怖くなり、逃亡した。この時点で、団長とローマン側PCも、護衛としてアウトローが潜入している事に気付く。
 しかし、赤いスカーフが敵味方を識別する目印である事だけは分からない。



移民団との交流

 最初の遭遇の後は、2〜3日の間はこれといって護衛の仕事は無い。
 ここで少し間を置き、移民団の子供、団長、PC同士などの会話シーンがあるように、あざといくらいの演出を入れておく事。



最後の遭遇

 旅程の2/3が過ぎた昼、知覚技能に成功すると、僅かながら前方に煙が見える事に気付く。この辺りで馬車が進むためには煙の地点を通らねばならない。<地域知識>や<ナビゲーション>などの適当な技能チェックに成功すれば「あんなキャンプには適さない所で昼間から、できるだけ煙が立たない様な工夫をして焚き火をしている様な奴らは強盗の本隊に違いない。待ち伏せしているな」と推理できる。
 以上の事実は、口頭ではなく、筆談で各プレイヤーに知らせる事。
 PCが沈黙を守ると決めたなら、マスターは尊重する事。
 特に作戦を練らなければ、その日の夜に強盗の襲撃を受ける。
 移民団には、下手ながら一応は銃が使える者が12人いる。アウトローの本隊はPC並の実力を持つが4人しかいない。
 全面戦闘となった場合、プレイヤーに「何人の敵NPCを引き付けるか」を宣言する。宣言から外れたNPCは互いで争い、原則的に移民団側は2ラウンドに1人、アウトロー本隊側は6ラウンドに1人の割合で戦闘不能になる。
 これらのNPCの人数や、戦闘の推移についてはマスターが決め直して構わない。



結末

 結末はPC次第である。
 ローマン→アウトロー(またはその逆)への転向を認めるかどうかは、全プレイヤーの意見を鑑みて決める事。



さいごに

 ケビン・コスナーが出演した映画『シルバラード』に着想を得たシナリオだが、映画とはほとんど似ていない。

 精神的にはアウトロー側プレイヤーの方が有利なようで、ローマン/アウトロー割合が半々ならアウトロー勝利に終わるようである。




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