No. タイトル システム 登録日 改稿日
0007 生身の女優 N◎VA 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『トーキョーN◎VA 1st』の使用を想定して書かれた。
 しかし、『レボリューション』や他のサイバーパンク物として使用可能である。



登場NPCおよび重要事項

少女 生身である事が付加価値になっている女優。バサラないしマヤカシとしての潜在能力を持つ。
退役軍人 元北米連合将校。今はトーキョーで会社の代表をしている。少女のスポンサーでもある。
マネージャー 実は退役軍人のライバル会社の手先。少女を使って退役軍人を謀殺しようとしている。



事前状況

 ウェットな(サイバーウェアを入れていない)女優として人気を博していた少女が事故で失明した。少女の人気を保つ為にはサイバー化はできなかったので、死んだ人間の角膜が秘密裏に移植された。
 その後、少女の復帰に功績があったという事で新しいマネージャーが抜擢された。
 復帰後、少女は見知らぬ光景や人の顔を夢に見るようになり、また、身近でポルターガイスト現象が起こるようになる。気になって調べたところ、夢に出てくる人物は北米連合の退役将校だった。夢の内容から考えるに、少女の角膜の元の持主は北米連合の軍人で、ミトラス戦争のとき、件の人物に裏切られて死んだらしい。
 退役軍人は、今ではトーキョーでビジネスをしている。しかも今度の映画のスポンサーは彼が代表を勤める会社で、一度も会わずに済ます訳にはいかない。しかしこのまま退役軍人を前にしたら、角膜に取り付いた霊が退役軍人を殺してしまうに違いない……と少女は恐れた。

 しかし、実は全てマネージャーの陰謀だった。マネージャーは、退役軍人のライバル会社の手先で、「ライバル会社とは全く無関係な原因で退役軍人が死ぬ(殺される)」事を望んでいる。そこでマネージャーは、少女の潜在能力を引き出した上で「憑り付いた霊が退役軍人を殺そうとしている」との暗示をかけたのだった。



導入

 上段のような状況で、少女は、退役軍人と会わなくても済むようにする為に、ストーカーに付きまとわれ「映画に出演するな」と脅されているとの狂言を行う。
 マネージャーはそれが狂言だと気付くが、暗示を強化する結果に繋がるので、この“お遊び”に付き合う事にする。そこで護衛としてPCが雇われる。



本編

 ストーカーが狂言である事は、比較的簡単に判明する。
 その後、PCが問い詰めると、少女は角膜に憑依した霊の話をして、退役軍人に会いたくないと訴える。
 マネージャーは、「霊など信じない」「少女の我が侭が通らないレベルにまで契約が進んでしまっている」と主張する。
 結局、少女とマネージャーの間で「霊が悪さをしないようにPCに守ってもらおう」という話になる。PCが了承するならば、退役軍人と会う間だけでも霊を押え込むという内容に依頼が変更される。

 少女と退役軍人が会見する段になって、マネージャーは適当な嘘をついてPCと少女を引き離す(退役軍人が玄関で襲われたと言ってPCを外に誘き出し、その間に裏口から退役軍人が来るように取り計らうなど)。嘘はすぐにバレる程度のもので、おかしいと気付いてPCが戻った頃には、少女は“霊”に憑依され、退役軍人は不可視の力に襲われている。
 超常現象の知識のある者が見れば、これは少女がバサラやマヤカシの力で攻撃していると分かる。



結末

 少女を正気に戻すには、「角膜に憑依する霊などおらず、全てはマネージャーが暗示をかけたせいだ」と告げれば良い。
 そうしない限り、退役軍人が死ぬか、少女が死ぬまで事態は収拾しない。

 マネージャーは原則的に傍観を決め込む。



さいごに

 元ネタは、多戸雅之の『緑の標的』。引用率は60%くらいであろうか。原作を読まれている可能性を考慮するならば、移植されたのが角膜では無く他の臓器であるとするのも良いだろう。

 『トーキョーN◎VA』も『1st』と『レボリューション』ではだいぶん異なり、少女NPCをシナリオの意図通りに動かす事のできるデータを組むのは難しいかもしれない。「少女に封印技能を持たせたり、ハイランダーである事にしたりする」とか「マネージャーがカブキ×3でこっそりと<チャイ>を使う」などして、PCの半分くらいを相手にする分には勝てるくらいにして欲しい。




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