水凪新人の写真講座(上達編)


カメラの扱いに一通り慣れてくると、上手い写真を撮ってみたくなりますが、これがとっても難しい・・・・・・・・ 独学で試行錯誤したり雑誌を読んだりして覚えて行くわけですが、雑誌なんかで紹介しているテクニックも読んだだけではよく分からない。んで私の経験に沿って上達のためのポイントを絞って説明してみましょう。

@上達の早道、まずは引き算  A引き算になれたら今度は足し算

B被写界深度を使いこなそう  C三脚を使おう


@上達の早道、まずは引き算

 上手な写真を撮るポイントは自分が何を伝えたいのか考えることです。自分が目の前の素材に対して何を感じたのか考えていかないと、何を伝えたいのか見てくれた人に伝わらなくなってしまします。撮影者の気持ちが入った写真は見てくれる人の心を動かします。すなわち感動が生まれるわけです。その為には基本的には自分が見ている物の中で伝えたい部分を抽出する作業、すなわち素材に対する引き算が必要になるわけです。

 私の写真の中で余分な物を省く引き算の良い例になっているのが樹氷です。この写真を構成しているのは空の青さと木と雪と影の基本的には4点だけ。この場合、背景に空を使ったところがポイントになっています。普通に樹氷を撮ろうとすると、大抵は雪原の中に立っている樹を撮ってしまいますが、この場合、大抵は雪原の中に樹氷が埋まってしまって、なんだかパッとしない出来の写真になってしまいます。そこでこの場合は思い切って雪原が写らないように下から樹氷を見上げ、空をバックにして撮影できるポイントを捜しました。つまり樹氷を台無しにする背景になりそうな物を思いっきり引いてしまったわけですね。似たような方法で撮影した物に空へがあります。

 まずはとにかく余計な物をカットできるような構図を心がけて撮影する癖を付けましょう。その為には同じ位置からレンズを変えて試してみるだけではなく、自分が動き回って近づいたり離れたりすることでもベストな構図が見つかります。ズームレンズを使い慣れた人ほど動かない傾向が見られますので、積極的に足を使って構図を稼ぎましょう。

 また注意点としてはレンズによる画角があげられます。レンズは焦点距離が長いほど画角が狭くなり、短いほど広くなります。つまり広角レンズほど引き算がとても難しくなります。私の使っている18mmにいたっては画角が100度!じゃまな物を入れずに使うのにとっても苦労しています。引き算の練習をするには、まずは標準〜中望遠ぐらいのレンズで練習した方が良いと思います。

@上達の早道、まずは引き算  A引き算になれたら今度は足し算

B被写界深度を使いこなそう  C三脚を使おう


A引き算に慣れたら今度は足し算!

 引き算に慣れてくると逆に引き算だけでは物足りない被写体が出てくることがあります。こんな時に使うのが撮影したい被写体の背景や前景に対し、恣意的に物を加えていくことで浮き立たせる手法です。

 足し算を使った良い例としてはうつろいがあります。この場合はススキをメインにしたわけですが、これだけ写したのではあまりにも寂しいので背景として具合のいい樹のある場所を探し、さらにその部分が浮かび上がりやすいように朝靄の出ている日を選んで撮影しています。この場合ススキのたなびく様子を出すために背景に樹を足し、さらに余分な背景を隠すために朝霞を足したわけです。芝桜コスモスも背景に樹や雲を入れることで、より対象を浮き立たせた良い例ですね。

 足し算の他の手法としては、広さを表現するために手前の地面から思いっきり写しこんでやる手法があります。この例としては天と地とパッチワークの丘があげられます。

 ここで重要なのは引き算が充分に身に付いていないと、ただのゴチャゴチャした写真になってしまうって事です。あくまで引き算で余分な物を省く事が出来てこそ、加えると効果的な物が見つかります。さあ、頑張ってみましょう♪

@上達の早道、まずは引き算  A引き算になれたら今度は足し算

B被写界深度を使いこなそう  C三脚を使おう


B被写界深度とシャッター速度を使いこなそう

 カメラを使っていると背景をぼかしてみたり、くっきりさせてみたり出来ることに気が付くはずです。これはカメラのレンズの絞りを開けたり閉めたりする事で調整できます。基本的には開けるとぼけやすくなり、閉めるとくっきりします。これが被写界深度で、ぼけやすくなることを「被写界深度が浅くなる」といい、逆にくっきりする事を「被写界深度が深い」と言います。

 さてこの被写界深度、レンズの絞り位置によって左右される物であるため、深いほどシャッター速度は落ち、浅いほどシャッター速度が上がります。従って撮影の対象物によって使いこなすためにはフィルム感度が大事な要素になってきます。

 たとえば動きを表現するためにシャッター速度を落として撮影し、しかも被写界深度が欲しい場合。この場合、絞りを絞り込んで被写界深度を深くして、シャッター速度を落としても、フィルムの感度が高いとシャッター速度は必然的に高くなってしまいます。そこでフィルム感度はISO100程度にとどめます。そうしてスローシャッターで撮影したのが赤岩の滝不動の滝になります。

 また、絞りを開けた状態でシャッター速度を落としたい場合にもフィルムの感度を下げます。これによって背景をぼかして対象を浮かび上がらせることが出来ます。こうして写したのがヨサコイソーランです。逆に考えると絞りを開けたければ低い感度のフィルムじゃないとシャッター速度を上げないといけないことになりますね。昼間の撮影だと絞りを開けたくてもシャッター速度が足りなくて開けられない場合に有効な手段です。

 また運動会や動物の写真のように、動き回る被写体を写すときにはある程度シャッター速度が欲しく、しかも多少被写界深度が深い方がピントが併せやすい場合があります。この場合は感度の良いフィルムで、シャッター速度と絞りを確保してやります。ISO400ぐらいのフィルムが使いやすいと思います。ピント合わせに慣れてくると、ある程度は被写界深度を浅くした方が被写体が浮き立って良い効果をだすので、自分にあったシャッター速度と被写界深度を捜してみましょう。こうして撮影したのがですね。

 注意点としてはレンズの選択が上げられます。基本的には焦点距離が長いレンズほど被写界深度が浅く、短いレンズほど深くなります。したがって、手前の物に焦点を当てた状態で後ろの物までくっきり写したい場合には、望遠レンズはかなり絞りを閉めなければならず不利になります。

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B被写界深度を使いこなそう  C三脚を使おう


C三脚を使おう

 写真を撮っていて難しいのは手ぶれさせないこと。基本的にはレンズの焦点距離以上のシャッター速度であれば手ぶれしにくいのですが、それ以下になると俄然難しくなってきます。私は静止物を撮影しても35mmレンズで1/8秒が限界です。それ以下では手ぶれしない自信はほとんどありません。そこで基本的にはシャッター速度を上げる訳ですが、どうしてもスローシャッターを使いたいときがあります。その為、三脚を積極的に使用しています。

 また、撮影条件によっては手ぶれしないシャッター速度を確保できないこともあります。天気が曇りなのに被写界深度を深くしたいときや、夜景を撮影するときです。こうしたときには三脚に載せて撮影すると安定させることが出来ます。他には一脚を使用するのもいい方法です。こちらは上下の手ぶれを防ぐことが出来る上に軽いので、山登りなんかで携行するには良いですね。スパイクで地面に固定して三脚のように立てることもできますし。

 最近の軽いカメラならコンパクトで安い三脚でもいいのですが、カメラに重量がある場合は頑丈な物でないといけません。自分が使っているカメラの重量を調べて、三脚の対加重性能と釣り合いがとれるか考えて購入してください。

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B被写界深度を使いこなそう  C三脚を使おう


以上、参考になるかどうかは分かりませんが、私が撮影時に気を付けている点をいくつか上げてみました。