ランクル購入顛末記

2000年2月


 ランクルとつき合いだしてから丸3年が過ぎた。この間に進んだ距離は5万キロあまり。撮影や趣味の足としている割には意外と走っていないな〜と思わないでもない。しかし一度に遠距離を走っているにもかかわらず旅先で大きな故障も起こさずいてくれるのだからありがたい。そもそもランクルを購入しようと思ったきっかけは、以前乗っていた車の故障が原因だったから。

 ランクルを購入しようと思ったきっかけは、ある日それまで乗っていた車のステアリングが動かなくなった事で始まった。原因は以前壊したタイロッドの影響でステアリングギアボックスが破損したことであった。なかなか良く走ってくれたのだが、旅先でオイルはダダ漏れする、ターボは吹っ飛ぶ、ファンベルトは切れる、林道でタイロッドを曲げるとバラエティーに富んだ体験をさせてくれたおかげで、応急修理がすっかり上手になってしまった。

 まあ、そんなこんなで見切りをつけて新しい車を買おうと思ったとき、真っ先に脳裏に浮かんだのがランクルであった。私のランクルの原体験は親が乗っていたBJ42Vである。3Bエンジンの轟音を響かせながら、他の車が雪が積もって動けなくなっているときでも平気でスキー場まで出かけれる!明らかに車重が上のマイクロバスを引っぱり出す!岩だらけの林道を駆け上がる!なんて姿を良く覚えています。このことを覚えていたので「いつかはランクルを買う!」と決めていました。どうせだから思い切ってレストアベース車を買おうと思い、仕事で使うだけではなく趣味でいろいろ荷物も積みたかったので、ランクルの中でも4ドアのモデルを手に入れようと考えました。

 そんなわけで、70系セミロングか60系という条件で知り合いの中古車屋に頼んで捜していたところ、「道路公団が使っていた60系の出物があるよ」と言う情報が飛び込んできました。現物を見に行ってみたら程度はまあまあで錆びや腐りが多少目立つかな?といった感じでした。これをベースにレストアしていくには錆との戦いをかなり覚悟しないといけなかったので考え込んだのですが、エンジンをかけたとたん迷いは吹っ飛びました。その音は紛れもないあの3Bエンジンの音だったのです!

 結局26万で名義・登録変更・基本整備を行ってもらい、そこからレストアを開始しました。まず道路公団カラーをワインレッドに全塗装で塗り替えし、とりあえず床の腐りを補修。グリルガードを鹿対策に取り付け補助灯を装着。さらにオーディオを取り付けて初期レストアは終了。しばらくの間はこの状態で乗っていました。

 その後仕事のドタバタもあって事故を起こしてしまったのをきっかけに腐りが出てきていた左フェンダーを切り張りしリアゲートを交換。抜けていたショックもランチョのRS5000に交換し、リアサスペンションも程度のいい物に交換。タイヤもホイールをブラッドレーVに変更してサイズも夏は235/85/R16、冬は235/80/R16をチョイス。さらに車検時には右フェンダーの腐りも切り張り、メーター交換、発電器のブラシ交換にリアゲートダンパー交換と徐々にレストアしている。次はハーネス類の交換をメニューにしようかと考えています。

 ふと我に返ってみるとこれまでレストアにかけたお金でフルレストア済みの60が買えるな〜と思うのだが、やっぱり手塩にかけてレストアしてきた事が何とも言えない満足感を生み出している。ポロポロと細かい不具合が出ている我が車を見て「そんな車に乗っているよりも安い新車を買った方が安上がりじゃない?」と言う人も多いのだが、使い捨て的な使い方をするのはやっぱり私にはなじまないので今後もレストアしながら60に乗り続けるのが理想です。

 できればエンジンの排ガスをクリーンにするグッズなんかをメーカー責任でサポートして、末永く使い続けられるようにしてくれると嬉しいのだが。