もの食う人びと
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- 芥川賞、講談社ノンフィクション賞を受賞した著者が、全ての人々が例外なく行う「食う」という行為を通じ、現地で人々と同じ物を食べ、語りあったルポルタージュ
- バングラディシュ、フィリピン、ベトナム、ウクライナ、ソマリア、ウガンダ…。普段の日本人の生活からは想像もつかない「食」がそこにある
- 「生きるために食べる」これは基本的な行動だと思う。けれどその食べ物が「命を縮める物」だとしたら…。命を永らえるために食べるのか、縮めるために食べるのか、大いなる矛盾が横たわる
- 「食」の記憶、それは国の文化であり、個人に深く根ざすものだ。消しようにも消しようがない記憶。それはいくら録音を重ねても、テープトラックの隙間からにじみ出てくる雑音に似ている。生きるために食べた記憶はそのまま身体に染み付くのかもしれない。それこそDNAに上書きされ延々とコピーされつづけるのだ。「昨日のような過去」の記憶とはそんなものなのではないだろうか
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