精霊がいっぱい! 上・下
訳:佐田 千織
|
- 機械文明の代わりに全てのテクノロジーが魔法による世界で、放射性廃棄物にあたる有害魔法を処理する施設に魔法漏れ(=放射能漏れ)が発生!?というのが話の筋です。読み口としては(ミステリ+サスペンス+社会諷刺)÷3×ファンタジーが一番近い表現でしょう
- 原作が1993年にアメリカで、訳本が1999年4月に日本で出版されたのですが、つい最近まで積読していたところ、その間に東海村の臨界事故が発生し、そのせいで余計に印象的な作品となりました。主人公は環境保全局(アメリカの環境保護局にあたる)の役人なのですが、こんなお役人が本当にいたらもう少し世の中が綺麗になるのでしょうね
- 解説によると原題の“The Case of The Toxic Spell Dump”は「有害魔法廃棄物処理場事件」となり、典型的なミステリ小説の題名を踏襲しているとの事。また原作には随所に言葉遊びが鏤められているそうですが、訳本でもかなり楽しませてもらえます。読みながら「これは何の事だろう」と考えるのも、また一興かと思います
|