つかぬことを うかがいますが…
訳:金子 浩
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- イギリスの週刊科学雑誌「ニュー・サイエンティスト」掲載のコラム“The Last Word”をまとめた科学的雑学Q&A。ユニークなのは質問者も「読者」なら回答者も「読者」という点。日常生活のふとした疑問に対し、専門家や科学マニアが或いは科学的に、或いは面白半分に回答を寄せている。解説によれば、原題“The Last Word”は「議論にケリをつける決定的な言葉」という意味とコラムの掲載個所(雑誌の最後)を掛けた反語的ユーモアだそう
- 質問の例をあげれば「飛んでいる蝿と運行中の電車が衝突した場合、電車はホンの一瞬でも停止するのか」や「なぜ一人一人指紋が違うのか」など、寄せられる質問は本当にささやかなもの。が、その回答をみると俄然面白くなってくるから不思議。もちろんこの本は回答を鵜呑みにするのではなく、自分で疑いながら読むのがポイント。科学の発展とは、こういうふとした疑問に対する答えを見つける事から始まるのだと実感できるはず。まさに「科学の楽しみ方」のアドバイス集と言えるだろう
- 中にはこじ付けでは?と思うような回答も無きにしもあらずだが、質問のほとんどが物理学や生物学によって説明されている。また時に回答に対する回答や意見なども掲載されているので、感覚的にはweb上の掲示板ログを読んでいる気にさせられる
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