とびきり陽気なヨーロッパ史
監修：尾崎 寔
訳：竹内 理
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- ちくま文庫の「とびきり」歴史シリーズ（と私は呼んでいるのですが）第３弾は島国イギリスを離れ、オールドコンチネンタルとも言われるヨーロッパが舞台。ＥＵの結成で近年何かと社会的な変動の激しいヨーロッパですが、それほどまで変動が激しいのはなぜなのかを、加盟国別に実に簡潔にまとめています。
- 作者のディックスは広告代理店に勤めた経験があるということで、ポイントをついて短くまとめられた文章はコメント付き風刺イラストと相俟って、読んでいて飽きることはないでしょう。一番おもしろいのは国別の成績表。政治や文化、グルメ度などを100点満点で評価し、ユーモアたっぷりのコメントが添えられています。翻訳本の場合、訳文のセンスも注目ポイントの1つです。
- 原題は「Europe United」で、確かにＥＵ加盟国が載せられているのですが、なぜかイギリスが入っていません。後書きを読んで納得しましたが、この本は「イギリス人の、イギリス人による、イギリス人のため」の読み物のよう。道理で添えられたコメントに偏りがあるわけです。そういう背景も踏まえた上で読むなら、ＥＵの成立過程をより深く理解することができるのではないでしょうか。世界史はどうも苦手という方にもお奨めです。
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