赤い館の秘密
訳:大西 尹明
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- 「熊のプーさん」の作者としてあまりに有名なミルンが、父親のために物した唯一の長編推理小説。原題が“The Red House Mystery”ですから原語の字義通りです
- 「赤い館」の主人を15年ぶりに訪れた兄が密室で殺され、肝心の主人は行方不明。ひょんな事から事件に関わったギリンガムは友人ベヴリーと共にその謎に挑む。二転三転する推理の行方は?というのが大筋です。童話作家として有名な著者なので筋立てがどうかと思ったのですが、意外にオーソドックスな手法がキチンと守られているので、ミステリ好きな方でも楽しめると思います
- ミステリが苦手な人でも、全編を通じて漂う軽妙なユーモアのお陰で結末を待ち焦がれずに済むはずです。私としては訳文の文体のせいでしょうが、ガストン・ルルーの推理小説を読む感覚でした。探偵役のギリンガムがルルーの作品に出てくる名探偵ルールタビーユとしゃべり方や推理の仕方などで実に良く似ているのです
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