牛乳配達退場
訳:高田 惠子
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- 毎日好物のクリームをバケツに入れて持ち帰ることから「牛乳配達」と仇名される、バラクラヴァ農業大学が誇る酪農管理の権威が謎の失踪をとげた。新学期を迎えた畜産学部を案じる学長の命により、またもや探索に駆り出されるシャンディ教授。果たしてその真相は?「牛乳配達」はその人生から退場してしまったのか?
- 毎度ユニークなキャラクターが登場するこのシリーズ。今回はシャンディ教授の長年の隣人である畜産学部の教授がキーパーソンですが、この教授が190cmを超える長身の上いくら食べても太らないという、聞くだに羨ましい体型の持ち主のくせに、一向に目立たず誰もその過去を知らないという「謎めいた」存在なのです。この控えめな夫には稀代の悪妻がいて、シャンディ夫妻の頭痛の種になっています
- マクラウドのこのシリーズは推理のプロットより、登場人物のキャラクターで読ませるタイプの小説だと思います。シャンディ教授とヘレン夫人の「夫婦の掛け合い」が隣りの夫婦との好対照をなしているのもポイントでしょう
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