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「新婚旅行と私」改め「私の新婚旅行」


1998年11月3日 Frankfurt am Main

 結婚式を8月30日に挙げた俺たちが、諸々の事情で新婚旅行は11月頭に行くことになった。
 向かうは独仏英の3カ国(米や豪など候補に挙がりながら何故そこに決めたかというと貧乏性なので多くの国を回りたいと思ったのと、Qネタが多そうだったのとでそこになった)、とりあえずその前に千歳空港に集合なんだけどコレがまた朝早いんだ。ま、片道11時間半も飛行機に乗るんだから時間を有効に利用する為には仕方が無い、ということで朝6時に家を出発して着きました、まず千歳空港へ。
 そこで初めて添乗員さん及び他のツアーのお客さんと顔を合せたんだけど、印象は「添乗員俺と同じくらいのねぇちゃんじゃん」と「ジジババばっか、もう一組新婚居るって言っても四捨五入したら40じゃ?」だった。自己紹介が済み、結局ウチの嫁が1番若く2番目が俺であることが判明。「もし万が一何かが起こっても一番若い俺らが助かる可能性が一番高いな」と甘酸っぱい期待を胸に抱きつつ、空の玄関口成田空港へGO!

千歳→(飛行機JAL500便)→羽田→(リムジンバス)→成田

お金  朝早かった割に成田では暫しの自由時間があった、まだ金を現地の金に替えてなかったので、とりあえず20万円をマルクに替えたんだけど、3,000マルクにも満たないってぇ「桁2つ減ってるよぉ」。何だか損した様な気分で食事を取り、辺りをブラブラして時間を潰し、いよいよ出国!しかし日本人が日本を出る分には何のイベントも無しで、ちょっとばかし拍子抜け。

成田→(飛行機JAL407便)→フランクフルト

 初の国際線で座った席は、機体後方のスチュワーデスの席から2列目、左手3人掛けシートの窓側と真中の席だった。11時間30分もの間禁煙なんか出来ねぇ!仕方が無いので離陸後ベルト着用ランプが消えるなりワインを注文し、飲んで過ごすコトに決定。暫くしてスチュワーデスが持ってきたワインは2本、「あ、ぃゃまだ1本しか頼んでないんだけどぉ」と思ってると、もう1本を頼んだのは3人掛けシートの、嫁を挟んで通路側のおっさんだった。
 「おや新婚旅行ですか?」「ドイツの古い言い伝えではね、新婚旅行の夫婦に最初に会った人がコインをあげると、お互いに幸福が舞い込むんですよ」と5マルクをもらったのから始まり、マズイ洋食の機内食を摂りながらある程度言葉を交わした結果、そのおっさんは「建築関係の仕事でこれからドイツに行くんです」「北海道の人ですか?」「毛利衛記念館も私が手がけたんですよ」ということで、なにやら偉そうな人らしい。が、このおやぢ人に酒を進める進める。「今はロシア上空だから今度はウオッカでもどうですか?」「おやイギリスも訪ねるんですか、それではスコッチでも」そして酔っ払い、会話がループする。「ロシア上空じゃウオッカが…」怪しいんじゃねぇの?このおやぢ!
 酒は弱くないツモリだったんだけど飛行機の中ではマワリが早いのか?具合が悪くなってきたので2度目の機内食を食べた後少し仮眠を取り、チョイト一服をしに空いている喫煙席に移動したら、隣のおやぢが前に座っていたドイツ人夫婦の奥さんの方と煙草を吸いながら談笑をしていた。「お、ドイツ語ペラペラなんだ」と怪しい中にも真実を見つけて戸惑っている俺を見付けたおやぢが「旦那が煙草嫌いだから奥さんここで煙草吸ってるんだって」と前の席の夫婦の内情を説明しつつ、「席に戻ったらこの夫婦に紹介してあげよう」と言い出しやがった。「って俺知らないし、あんたも知らない人だろ、何?どんな関係が有るの?なぜ紹介なの?」そんな疑問を抱きつつも紹介されてみた、お互いに知らない夫婦に。
 間におやぢの通訳を入れ「ドイツの何処を回るんだい?」「近いじゃないか機会があったら家を訪ねてくれ、歓迎するよ」という社交辞令を交わし、また飲みに突入。その後、俺がどうなったのかを推し量るのに、特別豊かな想像力は必要としないだろう。ぃゃぁ新婚旅行初日で吐きそうになったのって俺だけか?
フライト記録  その後も「この2人新婚旅行だから何か記念品はないのか?」とスチュワーデスからシャンパンを貰ってくれたり、フライトの記録を綴った地図を貰ってくれたりと色々良くしてくれたおやぢ、その後の旅行でこのおやぢから教わった「外国人は基本的に、自分のだろうと他人のだろうと記念事が好きだから、折角の新婚旅行という記念事を使わない手は無い」という精神が結構役に立ってんだなコレが。

 フランクフルト・マイン国際空港に着いた頃の記憶というのが定かではない、問題なく「Not EU Nationals」で入国審査を終えた俺らはターミナル2からスカイライン(高架電車)でターミナル1Bへ移動し空港前のフランクフルト・シェラトン・ホテルにチェックインした。ま、空港に着いたのが18時頃なので移動のしようが無かったからか?今振り返るとこのホテルが一番豪華だった。
 ツアーのほかの参加者は疲れ果てた様子だったが、明朝早くに発つのでフランクフルトに滞在できるのは今夜限りという思いもあり、初の海外を堪能しに空港を探索に出かけた。

 ドイツ語は全くわかんないが、ま中を覗けば何の店だか判るし、アイソタイプっちゅうやつか?看板を見れば大体の想像がつくので色々と売店を見て回った。「ちくしょうドイツ人の若者悪そうなのばっかだぞ」ドイツ語出来ないし怖えぇよ、ま、面白くもあったけどナ。
 嫁は早速母親にお土産を購入、ってそんなん日本でも買えそうじゃん、何もココで買わなくても…と思いつつも、その時俺がトランペットを欲しがる黒人の様な物欲し気な瞳で眺めていたのは、ドイツ語版「ドラゴンボール」の7巻だったりするのでどっちもどっちだ。
 疲れたのでオープン喫茶で休もうかと思ったが、注文出来ねぇと思い留まりベンチに腰を下ろした。隣にはコカコーラの自動販売機とソフトクリームの自動販売機、結局は無難なコーラを買ったんだけど、チョット自分で作るソフトクリームにも挑戦したかったな。

やっぱその後も覚えてねぇ、たぶん部屋帰って寝た。

今回はこれでお終い。この続きは七つの夜が4回程過ぎた頃にお話しましょう!

Saturday,29,January,2000

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