ワートリ 255、256話感想



ジャンプスクエア8月号、ワールドトリガー255、256話の感想、長文版です。

遠征選抜閉鎖環境試験、7日目も残り1時間となりました。
修くんは「何か逆転のチャンスがあればと思ったけど そんな都合のいい話はなかった……」とモノローグしていますが、逆転って、7番隊が1位になれるチャンスってことですかね? それは余程のことがないと……
「本当の『自力』で戦うとぼくは戦況を覆せない それを忘れちゃだめだ」と自分に言い聞かせると修くんですが、それは実際に遠征に行った場合にってことですよね。この試験中はいかに上層部に自分が役に立つことを認めさせるかの勝負ですから、その点についてはかなりアピールできたと思うのですが…… 遠征先で奇襲でも受けてしまった場合、ほぼ役に立てない可能性が高いという点をつかれると痛いかもしれませんね。
さて、諏訪さんの隊長評価です。「三雲に500全部入れる 以上だ」と、最も極端に走ったバージョンとなりました。あり得るとは思っていましたが、本当にそうきましたか!
修くんもびっくりしていますが、すぐさま反発したのは葉子ちゃん。「諏訪さん 何か弱みでも握られてんの!?」と訊いてますが、その発想はなかったな。
理由として、諏訪さんは「7番隊(うち)から遠征行きが出るかどうか この試験の一番の肝はそこだ」と指摘し、「7番隊(うち)で今回の遠征を狙ってんのは三雲だけで 遠征に選ばれてもおかしくねえだけの働きは見せたと俺は思ってる なら三雲に点(ポイント)ぶっ込むのは普通だろ」と説明しました。
葉子ちゃんは、「メガネの弱点は実際の戦闘でザコいところじゃん! 選ばれる資格があるかどうかはまだわかんないでしょ!」と反論。これはついさっき修くんも肝に銘じていたことなので、納得の反論でしょうね。
諏訪さんは「つーかおめーは京介の件があんだから三雲が受かったほうが都合いいだろ」と説得を試みますが、葉子ちゃんは「それはそれ! これはこれ!」ときっぱり。
隠岐先輩はボーナスも遠征も狙っていないからいいと言い、宇井ちゃんは『隊長評価』だから隊長(すわさん)決めたなら納得と言い、葉子ちゃんは最後に「……メガネは? これでいいと思ってんの?」と問い正します。修くんは「……これでいい とは思ってませんが…… ……すみません 正直点(ポイント)は欲しいです」と、珍しく自分のことで貪欲な姿勢を見せました。……まあ、遠征に行きたい理由がそもそも自分以外の誰かのためなんですけどね。
諏訪さんは「決まりだな 三雲に500だ」と宣言しますが……
ページをめくると、葉子ちゃんが「アタシがだめだって言ってんでしょ」と怖い顔で言っていました。バックも黒だし! 
「納得いかない! アタシは納得してない!」ともぎゃもぎゃしているので、諏訪さんは「じゃあ香取に100点やっから好きなように分配しろ」と提案しました。葉子ちゃんは「それならいいわ」とあっさり納得。
そして、その100点を葉子ちゃんがどう割り振ったかというと……「すわさん 20  宇井 15 おきセンパイ 15 メガネ 50」でした!
自分のポイントがないことじゃなくて、他のメンバーの頑張りに点がつかないことが不服だったんだね。つまり、葉子ちゃんの「チーム大好き」が諏訪7番隊に対して発揮されるようになったということで……葉子ちゃん、ホントにかわいいね!
そして、いよいよ19時となり、第1試験の全ての課題が終了となりました。
第1試験の締めくくりとして、諏訪さんが「7日間よくやってくれた 一先ずおつかれさん」と、みんなにねぎらいの言葉をかけました。
その後に、「おめーらのおかげで 上層部(うえ)からの俺の評価も上がっただろだぶん」と付け加えて、葉子ちゃんにイヤな顔をされてしまっていますが……隠岐先輩と宇井ちゃんはわかってますよという笑顔ですね。上層部の評価なんてホントはどうでもいいくせに、悪ぶっちゃって……
さらに、「最終結果がどうなろうとそれは隊長の俺の責任だ だからおめーらは…… 順位が良かったら俺に感謝しろよ!」と言って悪い笑い方をするので、葉子ちゃんにはまたイヤがられてしまうのですが、隠岐先輩は「もうしてますよ実際」と応じてますね。諏訪さんの隊長ぶりは秀逸でしたもんね。これでまたどれだけ株を上げたのか、諏訪さんは……一般人に戻りたくても上層部が離してくれないでしょうね!

さて、最終結果の発表です。
1位  水上9番隊  13418pt
2位  古寺6番隊  13378pt
3位  諏訪7番隊  12537pt
4位  村上10番隊 11887pt
5位  若村11番隊 11678pt
6位  北添4番隊  11527pt
7位  歌川1番隊  11462pt
8位  二宮8番隊  11394pt
9位  来馬5番隊  10969pt
10位 柿崎3番隊  10689pt
11位 王子2番隊  10676pt

諏訪7番隊は3位!
古寺6番隊は最終日逆転1位を狙っていましたが、わずかに及ばず2位でした。1位は水上9番隊の逃げ切りですね。やはり、第1試験は頭脳の勝負となりましたか。
諏訪さんは「最下位スタートで3位フィニッシュなら上出来だ 胸張れよ」とフォロー。
と言いつつ、諏訪さんは「3位に落ちた7番隊(うち)よりも あいつのほうが凹んでだろうなこりゃ」と思いを馳せていますが……「あいつ」とは、もちろん古寺7番隊の古寺隊長ですね。
わずか40点差で1位に届かず、悔しがる6番隊メンバーたち。
六田先輩は「で……でも 2位でもすごいよ古寺くん」とフォローしますが、古寺先輩は「……実は 昨日…… こうなる可能性も考えたんです 若村隊が急激に得点を伸ばしたことで 課題の解答を貯めておく戦術に他の部隊(チーム)が気付くかもって……」と後悔を口にしました。
「……けど もう充分すぎるほど時間外労働してもらってるみんなに 『念のためにもっと働け』とは……おれには言えなかった 敗因はおれの保身と判断の甘さです 申し訳ない」と頭を下げる古寺先輩。
「いやいやそこまで……」と奥寺先輩が取りなそうとしますが、木虎ちゃんが「そうかもしれませんね」ときっぱり。そして、「古寺先輩が言いにくいなら私に委任してもられば 私が容赦なく残業の指揮を執りました 第2試験ではもっと私たちを上手く使ってください」と進言。さすが木虎ちゃん! 単に古寺先輩の問題点を指摘するだけでなく、ちゃんと自分が補えることをアピールするあたり、優秀さが際立ってますね。
それに対して「……うん ありがとう」と微笑んでお礼を言える古寺先輩も器が大きい! いい隊長になれる未来が見えてきましたね!

水上9番隊では、40点差でのきわどい勝利が話題に。
その中で、浮かない顔をしている照屋ちゃん。「全力でやった自負はあるんでけど…… 自分の力で1位を獲った感じがしない……!」とのことですが、それはみずかみんぐがいろいろ画策していたせいでは……
でも、「第2試験ではもっと! 部隊(チーム)の力になってみせます!」と闘志を燃やす照屋ちゃん。長時間戦闘試験に期待ですね。
荒船さんはみずかみんぐに「初の隊長でこの結果なら リーダーに向いてんじゃないか? 水上」と言いますが、みずかみんぐは「やればやるほど こんなん俺には向いてへんって思うわ」と憂い顔。……まあ、みずかみんぐが自分の思うとおりのチーム運営をしたらもめた訳で、それを乗り越えられたのは照屋ちゃんの性格が圧倒的に陽だったおかげですもんね。チームメンバーの感情も考えて動かなければならない立場に立つのは苦痛かもしれない。生駒隊ならその辺はみんながわかってくれますもんね。
「戦闘試験は荒船がやってくれてもええんやで?」は半分本気かもしれませんが、荒船さんの返答も「おまえが先にやられたらな」で、大マジかもしれませんね。
ここで、運営から「これから第2試験のルールを説明する」とのアナウンスが入り、255話は終了です。
今回は2話同時掲載なので、すぐに続きを読めるのがありがたいですね!

さて、ここからが256話です。
第2試験のルールを説明するのは忍田本部長。
A級部隊も同時に説明を聞いているとのことなので、条件は平等ですね。
「またこの説明の後 文書化したルールが各隊に送信される メモの必要はないので放送に集中してもらいたい」とのことなので、メモを用意していた修くんには肩透かしですね。
まず、第2試験の『長時間戦闘試験』が、A級部隊全員対臨時部隊全員の対戦形式だというのは既に発表されていたことですが、A級部隊は40名、臨時部隊は55名なので、数の有利は臨時部隊の方にあるということになりますね。
この「全員」にはオペレーターも含まれ、オペレーターも試験用MAPに転送されるということは、上層部の話し合いのシーンで読者には知らされていた内容ですが、隊員たちにとっては初耳の情報ですね。
「明朝8時45分に第2試験用トリガーが配布され トリガーを起動することで試験用MAPに転送 9時より試験開始となる」とのことなので、時間的余裕はあまりなさそうですね。ご飯つくって食べたり、お弁当を用意したりもしなくちゃいけないし。
「勝利条件は 味方陣営の得点を5千点まで到達させること 先に5千点を獲った陣営の勝利となる」とのことですが、これは読者にとっても新情報ですね。
そして、「どちらの陣営も5千点に到達しなかった場合は 試験開始から36時間の時点で得点が高い陣営の勝利とする」とのことなので、時間切れで勝敗が決まることもあるってことですね。
得点の方法は2つで、まずは「敵陣営の隊員を撃破すること」で、A級部隊の『撃破点』は隊長が200点、オペレーターが120点、それ以外の隊員は100点とのことなので、結構ちまちまとしか稼げない印象ですね。それに、例として太刀川隊のイラストが出ていますが、出水先輩でも唯我先輩でも同じ100点ということにはちょっと納得がいかないものを感じますね。
一方、「臨時部隊の隊員は『A級評価』の数字がそのまま『撃破点』になる」とのことなので、落とされやすいのに点が多めの修くんは落とされないように注意しなければなりませんね。逆に、落とされにくいし『撃破点』も低い葉子ちゃんは自由度が高いかも。
得点の方法の2つ目は「敵陣営のターミナルの破壊」とのこと。試験用MAPにある「ターミナル」と呼ばれる施設が、A級陣営に10基、臨時部隊陣営に1基配置され、これを破壊できれば500点入るそうなので、これは狙い目ですね。強力な固定フィールドに守られているとのことですが、その強度は「雨取隊員のアイビスでも破壊に8発程度は必要」とのことなので、滅茶苦茶堅い! でも、壊すのが不可能という訳ではないので、どう自陣のターミナルを守り、どう相手陣営のターミナルを破壊するかが勝敗を分けるポイントとなりそうですね。
細かい特殊ルールでは、まずは『トリオンの回復不可』が挙げられました。試験中は敵陣営に倒されない限りトリオン体は解除できない、つまり、自主的なベイルアウトはできないそうですが、試験用MAP内で生身での休息もとれないので、36時間ずっとトリオンを持続できるよう調整するしなければなりませんね。
次に、『再出撃』について。試験中、相手に撃破されてベイルアウトすると、各A級隊室か閉鎖環境施設に転送されるので、そこで栄養と休息をとってトリオンを完全回復させれば『再出撃』することが可能とのこと。つまり、トリオンの低い修くんはベイルアウトしても比較的早く『再出撃』できますが、また倒されると相手にポイントを与えてしまうので、デメリットもあるということになります。
続いて、『オペレーターの戦闘参加』について。オペレーターは携帯用のノート端末で戦闘を支援することになりますが、そのノート端末を破壊されると撃破扱いになってベイルアウトするということです。オペレーターのトリオン体は攻撃されてもダメージを受けないということです。
隠岐先輩は「女の子撃ちにくい人とかに対する配慮かもなぁ」と言っていますが、どうでしょう? そんな甘いことを運営が考えますかね? オペレーターがいないと部隊の行動が滞るので、落とされにくくするためかもしれませんね。
試験中、各部隊間の音信通信はオペレーターのノート端末を通じてしかできず、部隊内の通信にもオペレーターが必要で、もしオペがベイルアウトしてしまったら、携帯端末のメール機能で連絡するしかないそうなので、できればオペレーターは落とされないように守りたいですね。
さらに、ノート端末のバッテリーは60分しかもたず、ターミナルの周辺半径30メートル以内にいれば充電できるとのことなので、ターミナルの存在は重要ですね。『再出撃』の場所もターミナルを選択できるとのことですし。
もう一つの特殊ルールは『トリオン兵の使用』。これは、太一くんのアイデアの採用ですね! A級は既存のトリオン兵、臨時部隊はトリオン兵製作ツールで自作したトリオン兵を味方ユニットとして使用できるとのことです。製作者のトリオン能力に基いた『作成コスト上限』は撤廃されるとのことですので、かなり自由度がありますね。そして、『部隊コスト』は第1試験の最終得点に準ずるとのことなので、上位チームにとって有利ですね。でも、下位でも柿崎3番隊は、太一くんがいるからすごいトリオン兵を創りそうですね。ただし、トリオン兵を倒しても得点の対象にはならないということなので、守備に使うのがいいかもしれません。
続いて、『トリガーセットの変更』について。第2試験で使用する各隊員のトリガーセットは直近のランク戦実施時のものになっているもで、変更があれば24時までに申請せよとのことです。オペレーターのトリガーセットも申請が必要とのことですが、シールドとかですかね。戦闘もいけそうなオペは戦闘用のトリガーチップも入れるかも?

最後に、『補充要員』について、です。
臨時部隊への参加で隊員が欠けている風間隊、嵐山隊、三輪隊へ、欠員を埋める『補充要員』が参加するとのこと……
まず、風間隊の『補充要員』は、「チーフ技術者(エンジニア)寺島雷蔵」、「同ミカエル・クローニン」が参加! 諏訪さんの開いた口がでかい!
そして、嵐山隊には「沢村響子本部長補佐」! 三輪隊には「林藤匠玉狛支部長」が参加! これは熱い!
A級部隊も同時に説明を受けているので、三輪先輩と陽介先輩の驚いた顔も見れていますね。特に三輪先輩は林藤支部長とは合わなそう。かえって気の毒……

とうとう雷蔵さん、クローニンさん、沢村さん、林藤支部長の戦闘スタイルが明らかになるということもアツいですが、風間さん&雷蔵さんVS諏訪さんとか、夢の対決が見られる可能性が出てきたのも楽しみですね。
まさかこんな大玉が最後にくるとは思っていなかったので……お祭り状態ですね!

9月号は休載となりましたが、これほどおもしろい情報が投下されましたので、もう1ヵ月くらいは楽しく待てますね。葦原先生の健康が第一ですし!