ワートリ 252話感想



ジャンプスクエア6月号、ワールドトリガー252話の感想、長文版です。

遠征選抜試験、閉鎖環境試験の6日目夜、水上9番隊で若村11番隊の得点のジャンプアップの件が話題になり、「仕事時間外にも課題をしているのでは?」という可能性をカシオくんが言及し、それでも若村11番隊には追いつかれないだろうと結論を出しつつも、水上臨時隊長が何やら考えているようで、「……ちょっとみんなに提案があるんやけど ええかな」と切り出したところまでが前回でした。
みずかみんぐが「若村隊以外はわからへんねん」と指摘すると、今ちゃんが「諏訪隊とか古寺隊とかが 同じように課題の点を貯めてるかもってことね」とすぐに応じました。頭がいい人同士の会話だ〜 カシオくんも、「処理能力の高さ的には村上隊もあり得ますね」と追加。村上10番隊、評価高いですね。ひゃみさんやくらっちもいるもんね。鋼くんのサイドエフェクトもあるし。
やる気に満ちている照屋ちゃんは、「じゃあ何か対策しないと!」と前のめりですが、みずかみんぐは「ん〜〜〜……」と言い渋り。
でも、「……実は俺のパソコンに まだやってない分担課題のスクショがあります 今日のシミュの空き時間に撮っといたやつが」と言うことは、元から残業する気はあったんですね!
照屋ちゃんは「うちも同じことができるわけですね!」とうれしげですが、みずかみんぐは「正直俺はイヤやねん」と渋り、「相手が時間外労働で稼ぐにはええとして その対策が『こっちも残業や』っていうんは芸がないやろ」と理由を言いますが……これは、メンバーに負担をかけたくないという気持ちをストレートに言えないひねくれ者の言い訳という感じですね。
今ちゃんはみずかみんぐの性格を完全に理解しているのか、「でもやるんでしょ? 残業」とうながし、みずかみんぐは「結論を言うと やる 気付いたからにはやる これが一番確実やし 新しいネタもアイデアもいらへんからな」と答えます。ここ、閉鎖環境試験になって以前よりも多く見られるようになったアップのコマになってますね。水上敏志はこういう人間だということが表れているところなんでしょうね。
照屋ちゃんは「私は朝まででもいけますよ!」と意気込みますが、「そのやる気はありがたいけど」と、全然ありがたそうにない顔で言ったみずかみんぐは、「今日の残業は1時までや それ以上は明日に響く 1時まで全力でやってそれで万が一足らんかったら俺が甘かったってことや」と、隊長としての判断と責任を示します。なんやかんやありましたが、隊長として責任を持つということに関しては一貫してますよね、みずかみんぐは。

一方、若村11番隊では、マリオちゃんが「あぁ〜……怖いわぁ〜……イヤやわぁ〜……」とうかない顔。
理由は、「今日の成績(スコア) 他所から絶対ズルしたって思われるやん」ということでした。
ヒュースは「実力で取った点だ 文句を言われる筋合いはないだろう」と涼しい顔。
「ウチの点が不自然すぎるやろ!」とマリオちゃんが言っていますが、日佐人くんが「内訳は他所から見えませんよ」と冷静に指摘。
ちなみに点数は、マリオちゃんが475点、ヒュースが468点。ヒュースが自分で打ち込んだ分もあるのか、途中からヒュースのパソコンでマリオちゃんが打ち込んだかですかね。
A級評価も、マリオちゃんが+13点、ヒュースが……25点!? 例の「刻むんだ」のログを見て、後から入った点もあるんですかね? ろっくんの+7点は減点の割を食ってそう……
そのろっくんは、「別にいいんじゃねえか? ずっとチームを引っ張ってくれてんのは細井だし」と取りなします。検挙! やさしい! こういうところも評価してほしいよな〜
マリオちゃんは「いやいやあかんわ! 明日は他の人がヒュースの面倒見て!」とのことですが……やっぱり”面倒見る”って感覚なんだね……
日佐人くんがそれを受けて「じゃあ席の近さ的に半崎だな」と言い、半崎くんは「オレで良ければ」と返しました。ダルいは封印しているのかな?

モニター室では、草壁隊の里見先輩と駿くんが審査中。
「古寺隊が割食ってるね」というのは、せっかくこっそり残業して点を貯めていたのに若村11番隊のせいでバレてしまったという……若村11番隊の方は残業する気配は微塵もないのにね。
里見先輩によると、「最終日は古寺隊の『貯金で逆転』が濃厚だったけど けっこう際どい感じになりそうだなこれ」との評。古寺6番隊、かなり点を貯めているってことですね。でも、分担課題も無限にある訳じゃないだろうしなぁ。
出水くんが「ていうか水上先輩はなんで分担課題スクショしてたんすかね?」と疑問を出しました。「シミュの合間に撮ってたってことは若村隊の成績見る前ってことでしょ?」とのことですが、前から古寺隊の点が低すぎることに違和感を持ってましたよね、みずかみんぐは。
太刀川さんは出水くんの疑問に対し、「残業する気だったんだろうな 1人で」と指摘しました。ドーナツを食べながらですが、鋭いこと言ってる。
しかも、「今と荒船は気付いてそうだけど 触れないとこが大人だよな」とのこと。そこまで見抜いていますか! A級1位部隊の隊長はダテじゃないってことですね。
とりまる先輩は、ゆりさんと一緒に審査。「残業したほうが稼げるのはわかるんすけど これって運営的には想定内なんすかね? いい成績取るには残業が前提ってなると実際の能力が測りにくくなりそうすけど」と疑問を提起。それに対してゆりさんは、「たぶんそこは 性格を見たいんじゃない?」と指摘しました。
つまり、試験の規定には「オペレーターは夜9時になったらオペ部屋に行って報告書を書くこと」とあるけれど、それを読んで戻っちゃダメとは書いていないから戻って残業しようと考える宇井ちゃん、書いてないけどたぶん戻っちゃダメだろうと考える六田ちゃん、そもそも戻ることを考えない小夜子先輩と、それぞれ解釈が違い、そこに性格が現れるということですね。真面目そうな今ちゃんが、実際にはオペ部屋から戻ってもいいと考える『柔軟』組だったり、緩く解釈しそうな仁礼ちゃんや小佐野ちゃんが『厳守』組だったりと、「イメージと違って面白い」とはゆりさん談。
それに対してとりまる先輩が、「そうなると……ルールの抜け道を見つけられる人間のほうが運営的には高評価になるんすかね?」と質問しますが、ゆりさんは「運営(うえ)の評価はそれだけじゃないと思う」と答えます。なぜかというと、みんなが『融通が利く人』だと組織の土台がガタガタになってしまうので、「本部の人たちは目の前の実益よりもルールを優先できる『融通が利かない人』も必要としてると思うわ」とのことでした。そして、「私たちにとっては城戸さんがそういう人だったから」というゆりさんの言葉のバックに、かつての旧ボーダー時代の城戸さんの後ろ姿が!
滅茶苦茶すっきり片付いた机と、丁寧にボードに貼られたメモ類、きちんとラベルが貼られた書類棚……城戸さんの几帳面さがありありとわかる光景ですね。
その後ろ姿の下のコマに、現在の城戸さんの後ろ姿があるのがエモいですよね。城戸さんは変わってしまったように見えるけれど、本質的なところは変わっていないんだよという……泣!

さて、運営本部では、A級評価の集計を確認中。
A級評価が遠征選抜に大きく影響するだろうと考えている私にとって、この表は滅茶苦茶貴重な資料です!
はっきり見える範囲では、諏訪さんが最高点で156点なのがさすがですね。しかも、諏訪さんは修くんに121点、宇井ちゃんに114点、隠岐くんに106点と、隊員たちに高得点を取らせることにも成功しているんですよね。修くんについては明らかに意図してのことでしょう。宇井ちゃん、隠岐くんは葉子ちゃんのフォローや隊のムードメーカーになってることが評価されているのでしょうね。一方で葉子ちゃんが割を食って13点ですが……
次点は古寺先輩で150点。これもさすがです。3位ははっきり見えませんが、照屋ちゃんが144点かな? 「燃えるんです」で高得点取りましたもんね。それを不明確だからのぞくとすると、来馬先輩の143点。隊長としての采配が評価されていますね。
もし、遠征選抜の足きりがA級評価100点以上だとかだとすると、修くん121点、遊真さん113点、ヒュース116点だからクリアしてるんですよね。千佳ちゃんは62点だけど、トリオン能力で遠征行きは確定しているからよし。ユズルくんは40点だからマズいね……まあ、全て私の想像ですが。
ところで、A級評価の持ち点が1人135点というのは初出ですよね。これを試験7日目の18時までに可能な限り使い切る事ということですが、6日目が終わって消化率およそ9割ということなので、結構積極的に採点しているみたいですね。加点が98%、減点が2%ということで、鬼怒田さんが「減点が少ないのう 何のために審査させとるか忘れとるんじゃないのか?」と指摘していますが、「まあ 知った顔は減点しにくいでしょう」と桐山さんが取りなしています。
城戸司令は加点の偏りを指摘。「わかりやすい活躍は気遣い(フォロー) 明快な指揮やアイデアに加点が集まる一方で そつがないゆえに目立たない働きには評価が届いていない印象がある」と言っているということは、城戸さんはそういう目立たない働きに気付いてくれているってことですよね!
「成績と関係ない雑務を当たり前のように引き受ける人間」に、くまちゃん、帯島ちゃん、ポカリ、ゾエさんが入っていて、「特段活躍や発言内容が目立つわけではないが地道な部分で安定して部隊(チーム)を支え続けている人間」には、奥寺くん、六田ちゃん、辻ちゃん、小夜子先輩、日佐人くん、鋼くん、加賀美ちゃん、三浦くんが入っていますね。
鬼怒田さんが「さすがにA級各隊長とオペーレーター陣 あとは嵐山隊の面々などはそういった部分にも評価を入れておるようだが 平の隊員はやはりまだわかりやすいものに引っ張られとるのう」と言っているところで、沢村さんがドキリとしていますが……ついついわかりやすいところに点を入れちゃったんだろうね。沢村さんも直情型っぽいもんね。
桐山さんが「数字が絡むと尚のことデキるやつを基準にしてものを見がちですからね サッカーとかバスケでも自然と点取り屋に目が行っちまうもんじゃないですか?」とフォローすると、城戸さんは「観客はそれでも構いませんが監督や選手がそれでは困るでしょう」と指摘。それに対して桐山さんが「子供らへの期待がでかいねえ」と微笑んでいて……何か、城戸さんのそばにこういう人がいてくれてよかった……という気持ちになりますね。厳しい中にも子供たちへの愛情があるのが城戸さんなんだよ!
そして、特別課題の結果、「ドアを壊して解決」したのが歌川1番隊、柿崎3番隊、北添4番隊、諏訪7番隊、若村11番隊で、「直して解決」が王子2番隊、来馬5番隊、古寺6番隊、二宮8番隊、村上9番隊、村上10番隊とのことでした。直す方が多数派とは、さすがボーダー。二宮8番隊では誰が直したのか気になるところですね。やっぱり東さんかな? 二宮さんでもおいしいけど。
あ、次のページにドアを直した隊員が出てましたね。東さんと加賀美ちゃんの二人で直したのか! 村上10番隊では鋼くんとくらっちですね。
さらに、修理する前に写真を撮った弓場ちゃんと荒船さんに加点が。そして、桐山さんが「あとは太一」と指摘。「『試験中の事故』ではなく『遠征中の問題(トラブル)』として優先順位に明確な理屈をつけた太一にはちょっと上乗せしてもいいでしょう トリオン兵の時も思いましたけどあいつの目線は足元がしっかりしてますよ」と高評価! 今回の試験でいろいろ落ち込んでいた太一くんが評価されるとうれしいですね! みんな君の輝きを見てくれてるよ!
最後に、城戸さんが「すでに凡その最終順位は見えてきたが最後まで力を尽くしてもらいたいものだな その後に続く戦闘試験のためにも……」と述べて、閉鎖環境試験6日目は終了。
遂に最終7日目へということで、以下次号です。

今回、ワートリにしては大人しめな終わり方でしたね。切りがよいというか……まあ、ワートリだから最終日も単に作業だけでは終わらず、何かしらありそうな気はしていますが。
次号も楽しみです!