ワートリ 243話感想



ジャンプスクエア8月号、ワールドトリガー243話の感想です。

特殊戦闘シミュレーションで確かな手応えをつかんだ若村11番隊。
いよいよ順位発表です!
緊張の面持ちのろっくん。フラットな表情のヒュースとマリオちゃん。日佐人くんの表情は見えず。「ほんじゃ見ていきますか〜」と、覇気は無さげなのに陽気な口調の半崎くん。
まずは、特殊シミュのみの順位は……若村11番隊、4勝2敗4分で480点を獲得し、第4位! 低迷続きだった若村11番隊に希望が見えてきました!
まずは驚きが先に来ているマリオちゃん。冷汗をかきつつもうれしそうなろっくん。「水上隊とか二宮隊より上ってすごいな……!」と、よいポイントを指摘する日佐人くん。「こーれは美味いわ」と、やっぱり明るい口調の半崎くん。意外にムードメーカーだよね。

細かい順位を見てみると、

1位   諏訪7番隊  6勝3敗1分 620点
2位   歌川1番隊  5勝1敗4分 580点
3位   北添4番隊  5勝3敗2分 540点
4位   若村11番隊 4勝2敗4分 480点
5位   水上9番隊  4勝4敗2分 440点
6位タイ 古寺6番隊  3勝4敗3分 360点
6位タイ 二宮8番隊  3勝4敗3分 360点
8位   王子2番隊  3勝5敗2分 340点
9位   村上10番隊 2勝3敗5分 300点
10位  柿崎3番隊  2勝4敗4分 280点
11位  来馬5番隊  2敗6敗2分 240点

1位と11位で、380点もの差が生じているのが無情ですね。
玉狛メンバーのいる隊は、千佳ちゃんがいる二宮8番隊を除いて好成績。華さんがいる北添4番隊も3位と好調。
あ、三輪先輩が言ってた「勝つのは諏訪7番隊」が当たってましたね!

「ヒュースの作戦が効いたなー」と評する半崎くんに対して、「まあ全面的にそうだな」とドヤ顔するヒュース。えらそう。
マリオちゃん、「事実やけどむかつくわ〜この顔」と……「むかつくけど事実だから仕方ない」ではなく、「事実だけどむかつく」なんですね。感情に正直。
さて、シミュが好成績だったので総合順位も上昇が期待されますが、残念ながらそちらは11位のままでした。一転してしゅん…とするろっくん。
隊長としてはどうなんだろうと思うが、かわいいのでよし! てか、支えたくなる感じですよね。

ちなみに総合順位は、

1位  水上9番隊  9708ポイント
2位  諏訪7番隊  8788ポイント
3位  古寺6番隊  8645ポイント
4位  北添4番隊  8356ポイント
5位  村上10番隊 8352ポイント
6位  歌川1番隊  8262ポイント
7位  二宮8番隊  8163ポイント
8位  来馬5番隊  7929ポイント
9位  王子2番隊  7793ポイント
10位 柿崎3番隊  7702ポイント
11位 若村11番隊 7267ポイント

閉鎖環境試験が始まったばかりの頃は最下位に低迷していた諏訪7番隊が、いつの間にか2位に上昇しているのがすごい。さすが諏訪さんの手腕。きっちり配点が高い後半に標準を合わせてきたのがハマった感じですね。
古寺6番隊は3位ですが、読者も既知の”隠し玉”がありますから、逆転首位もあるかもしれませんよね。
北添4番隊もいつの間にか4位まで躍進してるし。
歌川1番隊の6位は、共通課題の方で点が取れていないからでしょうね。
二宮8番隊も7位と順位低目ですが、後輩を育てることも第一目的としているからいいのかな……二宮さん自身も遠征に行く気は満々なんだろうとは思いますが、ユズルくんや千佳ちゃんも一緒に行くことを視野に入れてるんだろうからな。

半崎くんが順位を見て、「こうなってくると昨日までの成績(スコア)がもったいないよなー オレももうちょいなんとか……」とつぶやいていますが、これは後悔というより反省という感じ。
ろっくんは、「そうだ…… オレがもっと最初から今日みたいにやれてれば……」と暗い顔。こちらは後悔が強い感じですね。全部顔に出ちゃうろっくん。
でも、マリオちゃんが「過ぎたこと言ってもしゃーないわ 上り調子なんはまちがいなやろ あと2日でいけるとこまでいくだけや!」と前向きに切り替えてくれるのが救いですね。
SNSでも見ましたが、ホントに若村11番隊のオペがマリオちゃんでよかったですよね。
隊長とオペの配置って、どこも絶妙な感じがします。まあ、ここは上層部が決めている訳ですから当然かもしれませんが。

モニター室では、「いや 麓郎は頑張っただろ やれることやって結果もついてきて もっち喜んでいいくらいだぜ」と佐伯先輩が評価してくれました。ここ、交流あるんでしたっけ?
一緒にモニターしているのは早紀ちゃんで、話題は諏訪7番隊の戦術のことに。若村11番隊、というかヒュースの予想は「大体は合ってる」ということで、諏訪7番隊での細かいやり取りは省略される流れですね。省ページ……
「基本的には三雲くんのアイデアね」という早紀ちゃんの評価に、「へえ…… ランク戦で二宮さんに勝ったのも まぐれじゃねえってわけだな」と、真剣な表情をする佐伯先輩。こういう顔をしているとデキる男っぽく見えるんですけどねぇ。

ところで、こうして三雲修を評価するA級隊員が増えていくのを、SNSで「三雲修がA級に見つけられている」という表現がされていましたが……A級隊員でいち早く三雲修の能力を見出し、評価したのが誰だったか覚えていらっしゃいますでしょうか?
風間蒼也さんっていうんですけどね。私の推しです。
(木虎ちゃんや嵐山さんという説もありますが、隊員としての能力を正確に見抜いた訳ではない、と解釈しています)

諏訪7番隊では、「っつーわけで……」と諏訪隊長がおもむろに切り出し、「今日もうちがトップだ!」とだははは笑い。何と言っても暫定総合2位、単日1位、特殊シミュ1位ですからね!
しかし、本質はものすごくクレバーなくせに、態度でそれを見せない諏訪さんの人柄よ。ガラ悪いけど頼りになるアニキって感じだよね。
この結果に対して、「すご〜」、「いや〜 やばいな〜」と素直に感嘆する宇井ちゃんと隠岐先輩に対して、「まあ当然よね!」とドヤる葉子ちゃん。絶好調だね。
隠岐先輩は「昨日もやけど 三雲くんの戦術がほんま冴えてるわ」とほめ。モテる男め。
「いえ……」と謙遜する修くんの後ろで、満足げな諏訪さん。采配がうまく当たっているうえ、三雲修の遠征選抜入りの目標にも近づいてますもんね。
ここで、『追跡移動』が修くんのアイデアではなかったことが明かされますが、これは隠岐先輩のアイデアなんですかね? ジャミングの方には「アイデア」はかかっていないので、修くんが出したアイデアを形にするにあたって、隠岐先輩がジャミング専用のトリオン兵をつくることを発案して、宇井ちゃんが作成したという流れかな? 当然のごとくネコ型ですね。
葉子ちゃんがつくったトリオン兵はボツられたということですが、決定したのは諏訪さんですよね? 修くんが謝ってるけど。
コスト1079ポイントでおそらく高性能高機動の「ロボカトリ」がボツられ、コスト807ポイントの「数合わせ1号」が採用……
とは言え、「別に勝てればなんでもいーけどね! 勝てば目的(デート)に近づくんだから!」と笑う葉子ちゃん。高笑いじゃなくて「わはは」笑いなのがいいね。
そして、「……つーか今日は 若村隊も勝ってんじゃねーか」と、わざわざ葉子ちゃんのチームメイトの隊の話題を振る諏訪さん。
葉子ちゃんは「ボコられないと自分のヘボさに気付けないんだから…… ほんとバカ! メガネ!」と罵倒していますが、うれしげですね。見守る宇井ちゃんもこの笑顔である。
『これはご機嫌だぁ〜』、『しばらくは大丈夫そうだな』と、内部通信で会話する宇井ちゃんと諏訪さん。ここもナイスコンビですな。チームのエースの士気をさり気なく高めている。

ここで、全試合の勝敗表も出されました。
諏訪7番隊は歌川1番隊、北添4番隊、二宮8番隊には敗北し、水上9番隊、村上10番隊、古寺6番隊、若村11番隊、王子2番隊、柿崎3番隊に勝利し、来馬5番隊とは引き分けているんですね。最後の引き分けの試合の流れが気になるところ。
歌川1番隊との試合が一番きつかったそうですが、修くんの戦術は逃げ切り必勝の遊真さんの戦術とは相性が悪かったですね。
二宮8番隊とは千佳ちゃんの高性能ユニットの「当てられかたがマズすぎた」とのことですが、次のコマを見ると、ジャミングで潜伏していた射撃ユニットの背後から攻撃されてしまったようですね。低コスト射撃ユニットは防御力低そうだから、これはひとたまりもなかっただろうな。
そう言えば、ここのポイント数が間違っていて、単行本収録時には訂正されているとのことですが……指摘した読者がいたんですかねぇ。ワートリ民は細かいから……
問題は、次と次のページですよ!
千佳ちゃんがつくったトリオン兵がレプリカ先生型なのを見て、最後に見た真っ二つのレプリカ先生を思い出す修くん。
その様子に、目ざとく気付いて「どうした? 三雲」と声をかけてくれる諏訪さんに対し、「……いえ 少し 気持ちを引き締めただけです」と答える修くん。
その時の、穏やかながら決意のこもった表情が印象的……と思いながら、次のページをめくると……
やはり穏やかな、うれしそうな、懐かしそうな表情を浮かべる遊真さんが!
この時、気が付いてくれるのは漆間先輩で、「なにニヤニヤしてんだ?」と問いかけるんですよね。ちょっと様子の違いに気付いてくれてるんだなぁ。いい先輩じゃん!
遊真さんは「いやちょっと 二宮隊との試合を思い出して」と答えて、話題は印象的な造形の巨大トリオン兵の方に行ってしまいますが……読者だけが「そっちじゃない」とわかってるやつですね。
この2ページ、二人の表情の解釈が見る人によって微妙に違うようで、SNSで見ると「同じ表情」と表現する人もいれば、「修くんはレプリカ先生のことで責任感じてるけど、遊真は千佳ちゃんがレプリカ先生似のトリオン兵をつくってくれてうれしそう」と、全然違う感情を見出している人もいて、いろいろだなと思いました。
私としては、修くんの表情に初見の時に感じた悲壮感は、改めて見てみると実はなくて、自責の念には整理をつけて、決意を新たにしているだけに見えてきました。その意味では、「同じ表情」というのもわからないのでもない気がしてきました。
ともあれ、二人が同時にレプリカ先生のことを思い出しているというのが、滅茶苦茶エモいことに代わりはありませんね!

歌川1番隊では、加賀美先輩デザインのすごい芸術的トリオン兵のことから、「全体の迫力はうちも負けてなかったけどね」と、百鬼夜行トリオン兵軍団のことに話題が移りました。
どれを誰がデザインしたのか気になるところでしたが、大半は小夜子先輩なんですかね? 少なくとも、中身が見えてるやつとピラミッドは小夜子先輩作だったことが判明!
トリオン兵について話す歌川1番隊を見ていた双葉ちゃんが、「歌川隊は特殊シミュでは勝ってるけど トリオン兵作りに時間使いすぎだと思う」と指摘。そして、「分担課題の進みは全部隊で最下位だし 志岐先輩には課題をやってもらうべきだったんじゃない?」とのことですが……ここで示されているグラフによると、遊真さんと虎太郎くんのデスクワーク力がほぼ同じ! 年齢を考えるとダメですが、実は近界出身ということを知っている読者としては、それはそれで遊真さんがんばってるじゃんということになるのでは……?
双葉ちゃんと一緒に審査をしていた駿くんは、「でもその分 志岐先輩がみんなとしゃべれるじょうになってるじゃん 戦闘試験に向けてそっちを優先したんだろ」と指摘。
そして、「もっと『先(みらい)』を見ましょうよ双葉さん」とウインクし、「うざ……」と切り捨てられる駿くん。幼馴染み同士の会話って感じですね。
双葉ちゃんは、「閉鎖環境試験を捨てる気がないんなら バランスよくやったほうがいいに決まってるじゃん」と指摘。そして、戦闘シミュはあまりよい成績を出せていなけれど、分担課題を進めている村上10番隊を引き合いに出します。

その村上10番隊では、「やっぱりシミュでも勝ちたいよ……」と落ち込むくまちゃんが。
「みんな頭いいし 村上先輩のサイドエフェクトもあるし この部隊ならもっと勝てるはずだって……」とつぶやくくまちゃんに対して、「そんなに高く評価してもらえてたとはな」「照れるぜ」と、キッチンの入口のところに”にゅっ”と現れて小芝居をうつ蔵内先輩とひゃみさん。この二人、こんなにノリがよかったんだ! 
閉鎖環境試験では、いろいろ普段は見られない姿が見られますね。女の子だけの部隊で男前な姿が目立ちがちなくまちゃんの弱気な姿とか、王子隊で良識担当の印象が強い蔵内先輩のノリのいいところとか。
鋼くんは、「おれのサイドエフェクトはそこまで万能じゃないぞ 練習とか勉強が人より身に付きやすいってだけだ 今回みたいな発想力勝負は『別ジャンル』って感じだな」と説明。
そして蔵内先輩が「たしかにこの部隊のメンバーはアイデア担当って感じじゃないかもな」と言ったのを受けて、ひゃみさんが「アイデアを形にする側だよね」と表現したのがいいですね。
ワートリって、人の能力の高さにはいろいろな方向性があることに気付かせてくれますよね。
ここで、「各隊のアイデア担当」がミニキャラで出されているんですが……王子先輩、小夜子先輩、太一くんはわかるんですが、カシオ、茜ちゃん、日佐人くんもアイデア担当!? あんまりその印象はなかったな。特にカシオ。彼も形にする側の人間という印象なんですが……そう言い切れるほどカシオくんを知ってる訳じゃないですが。
鋼くんは、「奇策で一発勝負よりは 積み重ねで強さを発揮する部隊だと思う」と評価。
それを受けて、「戦闘シミュがあと3日…… いや2日続けば 対策が進んで絶対うちがもっと勝ててたのに〜!」と、悔しがるくまちゃん。
蔵内先輩は「そういう条件(ルール)だから……」と冷静。ひゃみさんは「期日(スケジュール)は無情である」と、腕組みをしてうなずくひゃみさん。
そこで、堤んが「……じゃあ 明日を『4日目』くらいのつもりでやるのはどうだ?」と提案。
つまり、「今日を踏まえて『2日目』を予想 『2日目』を踏まえて『3日目』を予想」という感じて、「先回りして対策を回して」おく、ということ。
対策、対策の対策、対策の対策のさらに対策、という感じで、いくつも対策を立てておけば、先回りして戦術を考える隊よりもその先を行って対策できるということですね。
かなりの作業量になりそうですが、蔵内先輩は「ふつうに対策するよりも良さそうだな 夜は時間あるし」、ひゃみさんは「『なにかひらめけ』って言われるより気が楽だわ」と賛同。できる人たちの感覚ですね。
早速、「今日やられた戦術を書き出しておこう」、「じゃあ私はトリオン兵関係かな」と動き出すメンバーを見て、「あ あたしも ごはん急いで作るから!」とやる気を出すくまちゃん。
鋼くんは「ゆっくりでいいよゆっくりで」とやさしいですね。

その様子をモニターしていた佐伯先輩は、「マジか……! 未来の対策総当たりかよ……!」と驚きますが、大半の人はこちら側ですよね。村上10番隊が特殊なんだ……
早紀ちゃんは「堤さんらしいギャンブルだわ」と評価。実は勝負師として知られる堤んですが、早紀ちゃんもその辺は熟知しているんですね。諏訪さんつながりで。
「時間と労力に対して効率は悪そうだけど 村上隊の処理能力ならやる意味あるかもね」と高評価です。
「うまくいってほしいぜ……!」と応じる佐伯先輩。いいヤツだ……
ここで、佐伯先輩が「しっかし やっぱ新しいルールでよーいドンだと 尖ったアイデアが決め手になるんだなー」と述懐したところ、早紀ちゃんが「アイデア自体も大事だけど隊長の型(タイプ)の差が大きいと思う」と応じます。
するとそこへ「面白そうな話だな 詳しく聞かせろ」と風間さんが登場! 「うーっす」と冬島さんも。隊長2人ですね。それぞれタイプが違いそうな。
でも、SNSでここの風間さんは「自分じゃないオタクから推しの話を聞きたがるオタクムーブしてる」と言われていましたので、「面白そうな諏訪の話を聞かせろ」ってことかもしれませんね。
早紀ちゃんは、「今日の特殊シミュは『このアイデアをメインに据えて戦う』と隊長が決めて 方向性を揃えた部隊が勝っているように見えます 軸にするアイデアを決めて それを活かすためのアイデアをさらに募る という形です」と指摘。諏訪隊がまさしくそんな感じでしたね。
風間さんは、「歌川隊 北添隊 諏訪隊 若村隊あたりがそうだな」と応じ、冬島さんは「水上隊もまあそうかも」と付け加えました。
ここ、なんで諏訪隊が3番目なんじゃいと思いましたが……単に、番号順に言っているだけでしたね。歌川1番隊、北添4番隊、諏訪7番隊、若村11番隊ですわ。
「逆に 隊員から出たアイデアを全て活かそうとすると 結果的にマイルドな戦術に落ち着いてしまう」という指摘に対しては、例として示されているのは来馬5番隊。
来馬さんは確かにそういうタイプかもしれませんが、逆に太一くんの尖ったアイデアも否定せずに取り入れる懐の広さでもありますよね。
風間さんが「隊員の意見を採用しすぎては駄目 ということか」と尋ねると、早紀ちゃんは「隊員を育てるのが目的なら話は別です うまくいっても失敗しても経験にはなります」と答えます。この辺はイメージは示されていませんが、二宮8番隊がやっていることはそれっぽいですよね。
早紀ちゃんが「でも目の前の勝負に勝つことが目的なら 隊長の責任で戦術を管理(コントロール)するべきです」と言い切ると、「えらそうに……」と不満げにつぶやく佐伯先輩。
そして、隣りのブースにひょいと顔を出し、みかみかと仲睦まじくモニターをしていた真木さんに「おい真木 うちの隊長になんか言ってやってくれよ」と声をかけます。
真木さんに「は? 消えろ」と言われても、「なんか一言!」と食い下がる強心臓。これが佐伯クオリティ!
答えた方が早く片付くと思ったのか、真木さんは「負け越した部隊は単純に軸にできるほどのアイデアが出なかっただけだろ 出たものを使うしかないんだから隊長より個人個人の資質の問題だと思うけど?」と答えます。
佐伯先輩が「だよなぁ!?」とうれしそうにするのには、「消えろっての」と冷たい対応ですが。
風間さんは、隊長側の草壁は「隊長に責任がある」と言い、隊員側の2人は「隊員にも責任がある」と言うのに対して、「……士気が高くて結構なことだな」とうれし気。こんなにはっきりと表情に出すのは珍しいですね! 推しの貴重な笑顔だ!
冬島さんは「若いのにエラいはホント」と……冬島さんが言うと説得力ありますね。

一方、暫定総合10位に低迷している柿崎3番隊では、ロンTの襟ぐりに顔を埋めている太一くんの姿が……
「なにやってんだ? 太一」と問うののさんに、「無 です」と答える太一くん。フォントも弱弱し気。
「落ち込まれてもめんどくさいと思うんで 無になります おれはいないものとして扱ってください」と言うのに対して、「余計にめんどくせーこと言ってんじゃねーよ! なにいじけてんだコラ!」と、太一くんの頭を引っ張るののさん。
お年頃の男子にとってはののさんにこんな至近距離で構ってもらえるというのは夢シチュだと思うのですが、太一くんはそんな場合ではなく、「もうみんなうすうす気付いてるでしょ! おれが選抜試験にいること自体場違いなんですよ! おれがいるから勝てないんです! 生まれついてのお荷物野郎なんすよぉー」と叫んじゃってます。
そんな太一くんに対して、無言の犬飼先輩とカゲ先輩。
けれど、柿崎さんは太陽のような笑顔で、「そんなわけねえって これ見てみろよ」と、個人成績表を見せてくれました。どこも隠さずに。
注目すべきところは、特別課題の100点! 柿崎さんは「満点」と評していますが、確かにこの形式の得点で100点はこれ以上ない満点という評価でしょうね。
SNSでどなたかが書いていらっしゃいましたが、こうした試験で100点は想定していなかっただろうから、太一くんのトリオン兵は上層部の予想を超えた、全く新しいトリオン兵活用の可能性を示したということで、満点をつける以外の選択肢がなかったんでしょうね。
この特別課題の採点をしている上層部の様子は描かれていませんが、きっと盛り上がっていたのでしょうね。鬼怒田さんあたりは泣いてるかもしれん。
そして、特別課題は個人の回答への評価でも同じ点数が隊の全員に入るので、100点が5人分で500点。その効果もあって、柿崎3番隊は単日5位ということです!
犬飼先輩が「おれらはそんなに凝ったトリオン兵作ってないし 太一くんへの評価でまちがいないね」と評価したのに対し、カゲ先輩が「……だな」と応じました。
この閉鎖環境試験が始まって初めて、犬飼先輩とカゲ先輩の意見が一致したのでは!? すごい、奇跡だ……
ののさんは、「やったじゃねーか太一! 来馬先輩(くるセン)の目は確かだって証明されたな!」と、太一くんが気にしていた来馬先輩のことを取り上げてほめてくれます。このやさしさと明るさ、最高の姉貴ですね。
太一くんは調子に乗るかと思いきや、「……おれ…… もう泣き言は言わないっす…… おれに期待してくれる人たちにもうしわけないんで……」と、涙をこらえて決意を述べました。
やっと太一くんは、周りの人たちがやさしいから受け入れてくれているのではなくて、自分に本当に期待してくれているからここにいるんだと思えたのでしょうね。
瞳に輝きが戻っているよ!

そして、場面は諏訪7番隊へ。
パスタとサラダのおいしそうな夕食は宇井ちゃん作ですね。みんなで手を合わせて「いただきます」をする諏訪7番隊かわいいですね。家族味が出てる。
そこへ、諏訪さんが「……メシのついでに 明日のこと決めとくぞ」と言い出し、修くんが「……! はい!」とピリっとした表情に。
特殊シミュ2日目も勝ち切ってこそ、三雲修を遠征に行かせるべきという評価が固まるというものでしょうからね。ガンバれ!

というところで以下次号ですが……
閉鎖環境試験編は、いつも同じ場所でストーリーが進行し、動きも少なく、それでいておもしろいという天才的な展開なんですが、やはりこれまでのワートリでは少なかった、ここぞという時の大ゴマの使用頻度が上がっている感がありますね。
そして、その大ゴマで描かれる表情がどれも素晴らしい。表情っていうのはエモさを生み出すものです。これまで、敢えてかエモさをあまり出してこず、行間を読者が読んで勝手にエモさを感じていたワートリが、公式にエモさを出してきたのだから読者としてはますますたまらんということで……
つまりはますます楽しみってことです!