ワートリ 242話感想



ジャンプスクエア6月号、ワールドトリガー242話の感想です。2話掲載ですが、1話ずつまとめています。

さて、ヒュースによる修くんの戦術の解説です。
「修が作戦を立てるなら おそらくはもっと単純なものになるはずだ」と、ヒュースも修理解者の会の会員的なことを言うようになりましたね。
「オレの考えは 真織と同じ」と、ここでページが変わります。細かい引きもうまいですね。「10体いる狙撃型のコストが大きく抑えられてた と予想する」
ヒュースの言葉に対し、半崎くんが「コスト削ってあの性能は無理があるって」と反論し、日佐人くんも「威力も射程もまあまあ高く感じたけど……」と同調。
2人の反論に対して、ヒュースは『威力』と『射程』の他に『弾数』というパラメータがあることを指摘。
半崎くんは、弾数はマックスで13発で、1ターンに2、3発撃つとして5ターン戦うのにギリギリだと再反論しますが、ヒュースは「では そもそも諏訪隊が 2ターンしか戦う気がなかったとしたら どうだ?」と指摘します。ここでもページ転換。引きが、引きがうまいです!
さらに細かくヒュースが説明していきます。「1ターン目で陣形を作り 2・3ターン目で撃ち合い 4・5ターン目は退がって逃げ切る 初めから この2・3ターン目だけで勝負を決めるつもりなら 狙撃型の弾は2ターン分だけで足りる 武装の合計コストを減らした分 関連する数値も切り詰めされるだろう つまり 諏訪隊の『性能負けしない22体の大群』は 攻撃を2ターンのみに限定することで成立していた ……というんがオレの推測だ」
その手があったか!!の嵐ですよね。
とすると、4・5ターンは狙撃型は弾切れで戦闘不能で、実質12体で戦っていたことになりますが、2・3ターンで相手の数を減らしておけば少ないユニット数でも戦えるという計算が成り立つ訳ですね。しかも、何体かは終盤まで弾を残して、狙撃型が戦闘不能であることをバレにくくしていたのだろうとも予想。用意周到!
そして、レーダージャミングで狙撃型の多くを隠しておいたのは、『22体』という数を伏せておいて相手に警戒させず、攻めてくるように促す狙いもあったということも説明。相手が引き気味で射程に入ってきてくれなければ成り立たない作戦ですもんね。
これ、思い返してみると、トリオン量が少なくてトリオン兵作成のコストをかけられない修くんにとって、マイナス要素として指摘されていたことなんですよね。弾数にもコストがかかるとか、レーダージャミングは使いどころが難しいとか…… ヒントはたくさん提示されていたのに、「2・3ターンのみに攻撃を限定する」という単純な方法をなぜ思いつけなかったのか…… コストの低いユニットで何かしら仕掛けるのだろうとは思っていましたが、単純に強いユニットと弱いユニットを混ぜるくらいしか考えつかなかったよ〜
「これマジで三雲が考えてんの?」と半崎くんが尋ね、「この推測が当たっていれば の話だがな」と答えるヒュース。「ほぇ〜」という半崎くんの反応がかわいいっすね。
「種明かし聴けばたしかにシンプルな作戦だけどさ それを初日に思いついて形にしてんのがすげえわ」と半崎くんが評価してくれていますが、ホントそれっすわ!
「まあ そうだな そこが修の強みと言えなくもない」とは、ヒュースもデレたもんだねぇ。
映像問題の解き方が送られてきた時のことを思い出し、「空閑や雨取ほど派手じゃねえけど 三雲もやっぱただ者じゃねえんだよな……」とモノローグするろっくん。
ここで、ただ者じゃない感のある遊真さんと千佳ちゃんの図が、ろっくんの目線でおもしろいですね。こんな風に見えてるのか……そして、二人の後ろに小さく隠れながらも光っている修くん。
「こういう頭って何すりゃ身につくんだ……? 玉狛支部が特別なのか……? それとも……」と考え込んでしまっているろっくんですが……我々読者もそれが知りたいですよ! あの三雲修がどうやって出来たのかってのは、我々読者にとっても大きな謎ですから。

考え込んでしまっているろっくんに、「……こんなところでどうだ? 隊長」と声をかけるヒュース。隊長って言ってますよ、わざわざ。隊長って。
隊長として立てているとも取れますし、隊長だから言う通りにしてやってるんだぞと釘刺ししているとも取れますね。
ろっくんは自分の考えに浸ってしまっていたので、「……え? どうだ って……?」と間の抜けた反応をしてしまい、ヒュースに「? 何を言っている」と言われてしまいます。ここでもページ転換。
そして、次のページで、「「負けても諏訪隊の謎を解く」 じゃなかったのか」と指摘するヒュース。
今回はやけに目について意識してしまっていますが、常にいいタイミングでページが変わりますよね。漫画がうますぎますよ、葦原先生!
ろっくんは「…… そうだ! そうだな! これで明日の対策ができる! お手柄だぜヒュース!」と褒めますが、「なんか今ボーっとしてたな」とマリオちゃんに、「してたっすね」と半崎くんに指摘されてしまいます。このくらい抜けてるのもろっくんの愛されるところですけどね。
「気持ち切らしたらあかんで 残り3試合集中や!」と締めるマリオちゃん。頼りになりますね。
さて、9試合目は水上9番隊戦。プラス2133ポイントで勝ち! 変わり種が混ざっていても正体はバランス型だったので、爆撃で有利を取って勝利ということは、みずかみんぐが方向修正したものの、バランス型に寄ってしまう傾向は変えきれなかったということですかね?
10試合目は村上10番隊戦。防御に特化した大型ユニットは誰の発想でしょう? その回りでブレード付きの犬みたいなユニットが2体いますが、これは鋼くんっぽい気がしますね。この犬型が大型ユニットを足場にして高所に登ってきて、芋砂がまとめて落とされて引き分けになるという……おもしろい作戦! 堤んかな?
という訳で、残り1試合を残しての若村11番隊の戦績は、4勝1敗4分けと絶好調。大幅勝ち越し確定です!
「ヤバ 今日の順位ちょっと楽しみなんやけど!」と興奮気味のマリオちゃんがかわいいですね。「まだ気持ち切らしちゃアカンですよ」と、半崎くんにさっきの自分の言葉を使っわれちゃってますが。
11試合目は歌川1番隊戦。これが最後の試合になります。
1ターン目、配置可能ラインのギリギリに布陣する歌川1番隊。この隊は速攻で来るという前情報が読者にはありますから、なるほどという初期配置ですね。
「敵の見た目は目視できるか?」とろっくんが聞いて、半崎くんが「ワニとウサギ?が見えてるっすね」と半崎くんが答えていますが……この”目視”って、どういう感じになってるんでしょうね。自分が操作するユニットの射程に合わせて、ユニットの視界情報が画面に表示されているんでしょうか? これまでの戦闘シミュに描写だと、ユニットに本人の意識が入っているかのような描写がありましたが、ユニット数が増えるとバーチャルリアリティのような視界情報ではないだろうなと予想されますが……
それはさておき、片耳がハサミか何かみたいに見える凶悪殺人ウサギは遊真さん作でしょうか? ワニっぽいのは頭だけやけに大きくて不気味ですね。さらに家の陰に隠れている輪みたいのや三角錐みたいのは、何がなにやら……まあ、そういう作戦なんだと前に明らかにされてはいるんですが。
ろっくんは「東ルートをメインで警戒して4階建てを中心に布陣しよう ヒュースはまだ後ろで待機だ」と指示。
ですが、この判断が裏目に。
速攻作戦の歌川1番隊のユニットが、1ターン目からどっと押し寄せて来ます。それがみんな気持ち悪い見た目! あの頭の大きいワニも、片方のハサミだけ大きいカニも、走ってくると何だか怖いし、椅子に虫みたいな足がついてるのは妖怪っぽいし、骨組みむき出しのユニットも不気味だし、歩きキノコみたいなのはまんま魔物だし、三角錐にも目玉と手足がついてて気持ち悪い!
ろっくんが「なんだ!? こいつら……?」と叫んでいますが……無理もないですね。
どなたが「百鬼夜行」と表していらっしゃいましたが、まさしくそれですね。
先頭のワニはアタッカーで、腕からブレードが出て若村11番隊のユニットをぶった切り、屋根の上のワニとウサギはまさかの狙撃型で、射撃で攻撃してきます。
乱戦になってしまったため、ヒュースは「……これは厳しいな ここまでユニットが錯綜していると爆撃が味方を巻き込む」と攻撃できず。
結果的に、4575ポイント対8140ポイントで、約3500ポイント差をつけられて敗北となってしまいました。
もしかしたら、味方を巻き込んでもいいから相手をせん滅するという方針でドカドカ爆撃しちゃえば、引き分けには持ち込めたかもしれないですけどね。
試合後の感想で、日佐人くんが「一番わけわかんなかったですね……」と、半崎くんが「夢に出そう」と言っていますが、ホントそれですね。
ともあれ、これで1日目の特殊戦闘シミュは全て終了。順位が発表される、というところで以下次号です。
この終わり方も、ホントいい引きですよね。遊真さんの作戦が実際にどういう形になったかはたっぷり見せて満足感も与えつつ、気になる順位の発表はいかに、というところで引き。
最高の引きで、我々は今回も翻弄されっぱなしですよね!

続きは7月号のはずでしたが、葦原先生の体調不良のため1ヵ月お休みとなってしまいました。
残念ですが、2話掲載と単行本作業でお疲れでしょうから、休養は当然ですよね。むしろ定期でお休みいただいて、お体を大事にしていただきたいです。
我々はこの2話と27巻をまだまだ噛みしめて味わいますので!