ワートリ 238話感想



ジャンプスクエア12月号、ワールドトリガー238話の感想、長文版です。

新たな特別課題は、オリジナルのトリオン兵をつくること! しかも、作成したトリオン兵を特殊戦闘シミュで操作ユニットとして使用するということなので、超重要課題です。
まずは、トリオン兵を作成するためのソフトを立ち上げ。「トリオン兵つくーる」……栞ちゃん味を感じるソフト名ですね。
「パッと見はけっこうシンプルだね」との宇井ちゃんの評価ですが、徐々にその複雑さが明らかに……
「とりあえず適当に作ってみたらいいのよね?」と言う葉子ちゃんに、「その方が早えーだろな」と応じる諏訪さん。何だかいい感じのコンビになってますよね、この二人。

トリオン兵つくーる、まずは@本体設定。大きさと移動タイプを選びます。大きさは1〜5、移動タイプは2足、4足(獣)、4足(虫)、6足(虫)、飛行から選択。
あー、やっぱり「修と虫っぽい何か」はこれっぽいですね。
修くんは、まずは人間よりちょっと大きい3と、足は2足を選びました。すると、外観が表示されるのですが、これがけっこうグロテスク。黒い骨組みに、白い管のようなものが張り巡らされているのですが……これがトリオンを供給しているんでしょうか?
修くんも「うわっ」と驚いて、「中身だけだとグロテスクだな……」と、割と普通の感性の感想を抱いています。その前のページでは、貴重な冷汗のない修くんだったんですけどね。
次は、A装甲・装飾。これは「装甲密度」を1〜10で選びます。修くんが5を選ぶと外殻が付き、何となくトリオン兵っぽい見た目になりました。
それから、「装飾」ボタンを押すと、装甲を変形させることができるのを宇井ちゃんが発見。ということで、猫耳をつける宇井ちゃんに、にゅーんと胴体を伸ばす隠岐先輩。明らかに猫好きの所業ですね。
B能力値は、行動力、攻撃、防御、回避、援護、技術の数値を設定します。これは、最初からポイントが振ってある部分があり、足のタイプによって能力ボーナスがついたり、大きさと装甲密度の数値を上げると「ユニット耐久値」が増えるけど、「行動力」は減るなど、連動して変化があるとのこと。……全然シンプルじゃなくなってきましたね。
修くんがとりあえず行動力を10、他の能力値は3に設定すると、パソコンから「ピー」と警告音が発生。即座に葉子ちゃんに「なに今の音 壊した?」と訊かれてしまいますが、修くんのパソコンには「コストオーバー 作成できません」の文字が。修くんの作成コスト、「605/600」となっていますね。
ここで、作成者のトリオン量によって使えるコストに違いがあることが判明。隠岐先輩が1200、葉子ちゃんと諏訪さんは1080、修くんと宇井ちゃんは600。
数学が得意な人が計算してくれたところ、基礎コストが360で、トリオン1ごとに120プラスされていくようですね。
それを聞いて葉子ちゃんが、「二宮隊とかは超強い主人公メカ使えて アタシらは量産型しか使えないってこと!?」と激怒。ここの主人公メカのイメージが「ホニャララガ〇ダム」で、量産型のイメージが「ザム」。みんなが知ってる例えでわかりやすいっすね。
隠岐先輩は「雨取ちゃんのは強そうやなー」とはんなり言っていますが、葉子ちゃんは「うーわ! やっぱクソゲーだわ!」と、大口開けて怒ってます。……ねえ、ここ、烏丸先輩も見てるかもよ?
すかさず、諏訪さんが「落ち着け香取」。安定の上司力。健康にいい。
諏訪さんが指摘したのは、部隊コストが12000となっていること。これがたぶん『1試合でこんだけユニットを使える』という数字だと予想。ここが各部隊共通なら、コストが高いトリオン兵は出撃できる数が少なくなるので、隊員のトリオンが低いチームと高いチームでも工夫次第でいい勝負ができそうですね。修くんの発想力が試される展開です。
葉子ちゃんは「わかんないわよ 他所は3万とかかもよ」」と言いますが、諏訪さんが「んなわけあるか」といさめます。この二人のやり取り、ほんといいですね。
宇井ちゃんは「うっし三雲くん 量産型の意地見せてやろうぜ!」と握りこぶしで。かわいい。癒される……
で、トリオン兵つくーるはまだ終わりではありませんでした。Cセンサーは、トリオンセンサー、光学センサー、音響センサーの値を設定。最低値が0です。トリオンセンサーはレーダーと同じで、光学センサーと音響センサーは攻撃と防御に関わってくるみたいですね。光学と音響のどちらかだけだと武器は同時に1つしか使えず、音響が最低1ないとシールドも使えないようです。
でも、「センサーで得た探知情報は、全ユニットで共有されます」とのことなので、葉子ちゃんはレーダー専門のユニットを作ることを提案。こういうとこ、葉子ちゃんの頭の良さというか、戦闘センスというか、能力が高いところが出てますね。
宇井ちゃんがレーダー専門ユニットを作る係に立候補。オペの役割と関わってくるところなので、ちょうどいいんでしょうね。
最後に、D武装・スキルを選択します。武装はブレード、シールド、追加装甲、通常弾、炸裂弾、投擲弾、狙撃銃から選びます。スキルはレーダーステルス、レーダージャミング、光学ステルス、急所攻撃、ブレード防御、ブースト移動、ブースト攻撃、ブースト防御があります。
武器の強さの上限は関連する能力値で決まり、当然コストも関係してきますし、弾数を増やすにもコストがかかるので、トリオン貧乏な修くんにはシューターを想定したトリオン兵は作れそうにありませんね。
ここで、戦闘シミュで諏訪7番隊が勝利した「連携」は今回はメインにできそうにないことが判明。連携するには「援護」の数値を上げなければならないので、他に数値を割けなくなってしまうからのようです。
スキルのレーダーステルスはバッグワーム、光学ステルスはカメレオンで、レーダージャミングはまわりの味方が敵のレーダーに映らなくなるスキルとのことなので、バッグワームの特大版ということでしょうか。便利そうですが、コストが重いし、レベルを上げても2ターンしか保てないということなので、ここぞという時しか使えなさそうですね。敵を引き付けて狙撃、とかでしょうか。
急所攻撃は、当真先輩のユニットが持っていたスキルに似たものですが、当真先輩の「急所狙い」が30%の確率であるのに対して、トリオン兵の方は発動率10%にしかならないということなので、実戦では役に立たない感じですね。
そうこうしているうちに、宇井ちゃんが1体目を完成させました。ユニット名は「オペねこ」。耳としっぽをつけて、全体的な雰囲気も猫っぽいラインになっています。センサーはトリオンセンサーに全振りして15とし、武装もなしで大きさも小さく、装甲密度も薄くて、トータルコストは184です。
それを見て、隠岐先輩の感想は「おお〜 かわいいやん」ですが、葉子ちゃんは「コストが激安なのは助かるわ」と評価。違いがはっきりしてますね。
一方修くんは、コストの制限がきつすぎて弱いユニットしか作れないことに悩んでおります。「レイガストがない分 今回のほうがきついか……」とのモノローグですが、改めてレイガストって優れモノの武器だったんですね。それ一つで防御も攻撃もできて、スラスターで「ブースト移動」もできるんだもんね。コスパがいい。
そこへ、特殊戦闘シミュのルールが運営から送られてきました。時刻が9時30分なので、「トリオン兵つくーる」の内容把握に30分かけたということですね。
これから作戦を決めて、それに合うトリオン兵を作成して……と時間がかかることを考えると、どれだけ早く作戦を決められるかが勝負の鍵になりそうです。


さて、場面は歌川1番隊へ。久ぶりに遊真さんがまともに登場だーっ!
こちらでも、特殊戦闘シミュのルールが届いたところで、みんなで確認。
1試合に出撃できるユニットが部隊合計で作成コスト12000までというのは全部隊共通で、歌川1番隊でも予想していたことでした。これで、トリオン富豪チームが絶対的有利という訳ではないということになりますね。
意外なことに、使用するのはトリオン兵ユニットのみで、隊員ユニットは用いないということ。これで、どの隊がどんな作戦で来るのか、ますます読みにくい状況となりました。
そして、同じユニットを複数出撃させることは可能だけど、各隊員が作成したユニットを最低1体以上は出撃させる必要があるということなので、トリオンの高い隊員がつくった高コストのユニットだけで出撃するということはできないということですね。漆間先輩が「めんどくせーな」と言っていますが……
これまでのルールと一番違うのは、各ユニットの作成コストが、それを倒した場合の点数になるということ。そして、敵ユニットの作成コストは倒してみないとわからないということなので、高得点だと思って倒したユニットが案外低コストで獲得点数が低い……ということもあり得る訳ですね。
ここで、小夜子ちゃんが積極的に発言! 「で でも…… 高いユニットはほんとに強くなりそう…… ち 千佳ちゃんのとか……」
閉鎖環境の中で小夜子ちゃんのがんばりが少しずつ実を結びつつあることがうかがわれますね。そして、千佳ちゃん呼びに注目する感想もネットで目にしました。那須隊と千佳ちゃん、かなり仲良くなったんですね。出穂ちゃんの入隊の日も近いか!?
さて、相手がどう出るかわからないので作戦が立てられないとの意見が出ているところで、虎太郎くんが「おれ…… 空閑先輩の意見を聞いてみたいです」と発言。
その理由は、「昨日までの課題とか戦闘シミュでも空閑先輩の意見が参考になったので……」ということで、漆間先輩も「たしかにこいつ 地味にいい判断してたからな」と同調。
遊真さんのサポート能力の高さが評価されてますね!
遊真さん自身は、「う〜〜む…… ニホンジンがやたらトリオン兵に詳しかったらアヤシイのでは……」と躊躇いますが、ここで歌川臨時隊長が、「玉狛は遠征にも行ってるし 宇佐美先輩がいるからトリオン兵にも詳しそうだな」と助け船を出してくれます。この気遣い! さすがジェントル歌川!
ここで遊真さんが思い出している栞ちゃん、やしゃまるシリーズの新作をつくってる! その名もやしゃまるスカーレット! 今回はどんな裏設定があるのか気になりますな。
遊真さんは、「じゃあ しおりちゃんに教わったことだけ……」と断って、トリオン兵についての知識を披露。そのポイントとなるのは、「役割がはっきりしたトリオン兵のほうが『ねだんの割には性能がいい』」ということ。
つまり、いろいろできるトリオン兵をつくるとコストが高くなってしまい、多く出撃することができないから、数を出す場合は性能を控えめにしてコストを抑える必要があるということ。
でも、性能の低いトリオン兵で戦うには連携させる必要があり、それには「援護」にコストがかかることになり、結局作成コストが上がってしまうことになります。それを克服するために、実際のトリオン兵には「脳みそ部品」というものがあり、連携パーツは1つの「脳みそ部品」で4、5体まとめて動かしたりすることもできるそう……これは実戦の新情報ですね! ガロプラのアイドラとかがそれだったのかも。
漆間先輩は遊真さんの説明を聞き、「なかなかタメになるじゃんか ついでに対策も考えてくれよ」と悪い顔で言ってます。遊真さんが「それは丸投げというやつでは……?」と言うと、「期待してんだよ」と切り返し。この二人もかなり仲良くなってる感じですね。
遊真さんは、「う〜〜む 『対策』は…… しなくていいと思うんだよなあ」と発言。
ここで、遊真さんから虎太郎くんに質問。「試合が始まるとレーダーに敵が12体映ってました 隠れてる敵がいない場合 敵1体のおねだんはどのくらいでしょう?」って、算数の問題みたい!
虎太郎くんは「二宮隊とか以外なら1体1000円前後ですね 800円から1200円くらい」と回答。単位がコストから円になってるよ。”おねだん”につられましたね。
「じゃあ20体くらい映ってたら?」と訊かれ、反射的に「その場合は1体600円前後……」と虎太郎くんが答えますが、「いやいや待てよ虎太郎」と漆間先輩が遮ります。「コストが超安いダミーユニット混ぜれば もっと強いユニットも数出せるだろ」と指摘します。漆間先輩、面倒くさがるばっかりじゃなくて、面白そうだと思うとちゃんと頭使ってる感じですね。
指摘され、虎太郎くんも「たしかにその場合だと 思ったよりも強い敵と戦うことになりますね」と気付きます。
小夜子ちゃんもがんばって、「でで……でも 虎太郎くんの言う通り…… 600円が20体の 可能性もある よね……?」と意見を出します。
しかも、今回はトリオン兵の見た目も自由にいじれるので、「強そうに見えて実は弱い 安そうに見えて実は高い みたいな引っかけもできるんだ」と遊真さんが指摘。
そうなると、「結局 1回ユニットぶつけるまで何もわかんねーってことじゃねーか」と漆間先輩。
遊真さんはそれを受けて、「だから今回は『考えない』のがいいと思う」、「正確には 『相手には考えさせて』 『こっちは考えない』」と提案。
これだけで「……! なるほど……」と思っているジェントル歌川が有能過ぎるんですが……
遊真さんの提案の意味するところは、今回くらい情報が少ないとまともな対策はむずかしいし、全対応型のトリオン兵は「おねだんも高くなる」ので、「こっちも相手も対策が難しいなら 守りよりも攻めに特化したほうが勝ちやすい」ということで、「しっかり火力が出る攻撃パターンを1個作って どの部隊が相手でも最短で速攻」するということ。これが『こっちは考えない』の意味ですね。
相手には『考えさせる』の意味は、「相手が迷うポイントをこっちで増やすんだよ」ということ。安いダミーユニットを混ぜたり、『強そうに見えて弱い』、『安そうに見えて高い』ユニットを作ったりして、相手には「このチームはどんな作戦で来るのか……」と考えを巡らせるポイントを増やそうということですね。
小夜子ちゃんも、「み 見た目が全部バラバラなだけでも 相手の意識を割かせ られ られそう……」と、がんばって発言してます!
しかも、「相手の意識があちこち散るほどこっちの速攻は通りやすくなる」というメリットもあるし、「どこの部隊も昨日までの戦闘シミュの経験があるから 『対策しない』って決めてない限り 目に入る情報を無視できない」ということから、速攻に特化することでますます有利になるということですね。
遊真さんの意見に、みんなが納得や感心の表情。特に漆間先輩がすごく悪くてうれしそうな顔してますね! こっちが楽して相手に手間取らせる作戦って好きそうだもんな。
これで、歌川1番隊の作戦は明確になりました。早速、歌川臨時隊長が、速攻戦術用のユニットづくりと、相手を惑わせるアイデアを出すことを指示。みんな一致して作業に入ります。
いい感じでスタートが切れましたね。

というところで以下次号ですが……1月号は休載とのこと。
計画的に休載していただいた方が葦原先生の健康にいいでしょうし、そろそろ単行本が出る時期が近いのではないかという予想もありますし、たっぷり休養をとっていただきたいです。
今回も情報量が多いですから、2ヵ月たっぷり考えるのに使えますしね。
歌川1番隊は『考えない』ことで有利を取れると判断しましたが、考えることで活路を開いてきた修くんが『考えない』という方向に切り替えるのは難しそうですね。でも、合理的な判断から今回は対策が難しいということには思い至りそうなので、相手がどんな対策を考えてきても刺さる攻撃パターンを考えてそれに特化するという方向には行けそうな気がします。そして、「虫っぽいなにか」から予想すると、ダミーユニットや索敵特化ユニットとか、低コストで性能を限定した小さいユニットをたくさん作って駆使する気がしますね。