ワートリ 237話感想
ジャンプスクエア11月号、ワールドトリガー237話の感想、長文版です。
二宮さんから鳩原さんの失踪の真実を聴き、衝撃を受けるユズルくん。
そんなユズルくんに対し、「この話を聞いた以上 お前はちゃんと自力で試験を突破しろよ」と釘をさす二宮さん。
「上層部は鳩原の真似をする奴が出るのを懸念してる」とのことですが……鳩原さんにそれほどの影響力はないと思うけど、”その手があったか”と考える隊員は出るかもしれないってことですかね。そもそもボーダーには、身内を探す目的で入隊した隊員が一定数いるでしょうし。
ユズルくんは否定しますが、二宮さんに「もしあの時鳩原がお前を『密航』の仲間に誘ったとしても 「自分は付いて行かなかった」って断言できるか?」と訊かれ、言葉に詰まってしまいます。
しかし、ここのイメージの鳩原さん、実際の彼女よりもアヤシゲというか……ただならぬ雰囲気があるお姉さん系? 誰のイメージが加味されているからなのか……
二宮さんは更にたたみかけ、「そういう迷いを潰しておくためにも お前は必ず正規のルートで遠征部隊に入れ」と告げます。二宮さん……ホントにあんたって人は……外見を裏切るアツイ男だな!
ユズルくんは「この話……オレに教えて大丈夫なの?」と気にしますが、二宮さんは「試験前の『隊長面接』で上層部の許可はもらってる」と答えますが……本当に? ちょっと心配。
でも、二宮さんは真面目だから、ちゃんと筋を通すか。
それに、「お前が選抜試験に通ったらもっと詳しい話をしてやる」とも言ってますし……てことは、二宮さんが遠征に向けて千佳ちゃんやユズルくんを鍛えるということは、上層部も了承の上でやっている可能性が出てきましたね。遠征試験を突破するだけでなく、そういう指導者としての力量を見るのも審査のうちなのかも。
そして、二宮さんとの話を反芻し、「あいつの口から理由を聞きたい」という言葉に、「……そんなの オレだって同じだ」と、決意を固めた表情で思うユズルくん。
翌朝、千佳ちゃんとあいさつをかわしてから、「オレも今日は昨日よりもっとがんばるよ」と宣言するユズルくん。いい感じの顔になりましたね! これは今後に期待できそうです。
加賀美んは意外そうな顔で、二宮さんは我関せずという顔をしていて、東さんは温かく見守る表情。これは、東さんは昨夜二宮さんが動いたことを察している感じですね。
一方、諏訪7番隊は朝ごはん。目玉焼きがのったトーストとサラダ。卵が半熟でトロリとしていておいしそう! 今朝も諏訪さん作でしょうか? これは一人暮らしで自炊してそうな感じですね。
話題は今日からの特殊戦闘シミュのことですが……宇井ちゃんと葉子ちゃんのヘアアレンジがかわいい! 二人でお互いにやってあげたのかもしれないですね。仲良さそう。
大枠は昨日までと同じ感じなら、昨日戦闘シミュで1位を取っている諏訪7番隊としては有利ですが……葉子ちゃんは「何か変なルールが追加されるんじゃないの?」と予想。
その”変なルール”の例が、「メガネを倒すと得点2倍とか?」!
今回の試験では、メガネの隊員は修くんと古寺くんだけかな? オペは戦闘参加しないもんね。A級にはもっとメガネいるけど……あ、イコさんのゴーグルはメガネに入りますか!?
冗談はさておき、宇井ちゃんが「たしか一昨日の特別課題がそんな感じだったよね。『ランク戦の新しいルールを考えよう』……みたいな」と指摘。
「そういえば諏訪さんはどんなルールを考えたんですか?」と修くんに訊かれ、「急いでたし あんま覚えてねえなぁ……」と返す諏訪さん。
これは、マジで覚えてない訳じゃなくて、余計な先入観を与えないために具体的なことは言わなかったのかな? これまでの諏訪さんの完璧隊長ムーブを考えると、何かしら意図がある気がしますよね。
そして、時間は2日前に戻って、特別課題Bの評価をしている上層部のシーンに。
その場になんと、武富桜子ちゃんが参加! 肩書が「ランク戦実況解説システム運営主任」なんだ! 15歳にして主任! 有能過ぎる……
他のメンバーは、根付さん、鬼怒田さん、唐沢さん、林藤支部長。城戸司令と忍田本部長がいないですね。
ここからが、まさしく情報の宝庫! それぞれの臨時部隊の特別課題Bの解答です。
細かく見ていくと永遠に終わらなそうなので、単純に上層部の検討に沿って見ていきましょう。
まずは多数派の解答から見ていくのがボーダーらしいですね。一番多かったのは、『2部隊対2部隊の団体戦』。歌川1番隊の虎太郎くん、王子2番隊の王子先輩、北添4番隊のきくっちー、古寺6番隊の木虎ちゃん、村上10番隊の蔵内先輩があげています。
『各ランク帯を2つに分けた紅白戦』も多数派です。柿崎3番隊の太一くん、来馬5番隊の穂刈くん、二宮8番隊のユズルくん、水上9番隊の樫尾くんと文香ちゃんがあげています。これは、隊数としては4隊ですが、水上9番隊は2人で課題に取り組んだので人数としては5人ですね。
桜子ちゃんが「ランク戦の運営側から見てどうかな?」と唐沢さんから意見を求められ、「グループ分けで人数を揃える労力を除けば……運営の手間もそんなに変わらず実現しやすいアイデアだと思います!」と答えています。てことは……ランク戦の組み合わせとか、具体的な運営にも桜子ちゃんは関わってるの!? 実況の解説者確保だけじゃなく? そんなにたくさんお仕事しているとは思わなかったよ〜 本部、ちゃんと相応の手当を出してるんでしょうね?
紅白戦に関しては、防衛任務の手が足りなくなるという問題点を根付さんが指摘し、桜子ちゃんは「今のランク戦が昼と夜に分かれてるのはそこが理由ですからね」と応じています。てことはやっぱり……ランク戦終了時は特別ボーナスも出さないとですよ!
穂刈くんはその問題点に関して、各位ごとに曜日をずらすことを提案。林藤支部長が「具体的でいいねえ」とほめてます。
また、スケジュール的に無理な案として、樫尾くんと文香ちゃんの「試合がない部隊は、試合を観戦して戦術レポートを提出する」を鬼怒田さんがあげています。これは、現在進行形で防衛をしている組織としては確かに無理がありますね。林藤支部長は「勉強が好きな子のアイデアだな〜」と言っていますが、実務のことが考慮されていない、学生の発想ということでしょうか。
樫尾くんと、若村11番隊の日佐人くんが出した『B級全員での拠点攻防戦』も、おもしろそうなんですけどスケジュール的に無理ですね。人数を絞ればできるかもしれないけど。
その点とは別に、林藤支部長が「拠点『防衛』を時間を区切った競技にしちゃうのはちょっと怖いな 実際の『防衛』は作戦時間の見通しが立たない場合が多いし」と指摘。
まあ、ボーダーの防衛は迅さんのおかげで時間の目途が立つ場合もありますけど、絶対にいつもそうとは限りませんもんね。
さらに、攻防戦要素を少しマイルドにした案として、現行の『三つ巴』ルールの『目標物の破壊・防衛』を追加するという案を、穂刈くんとユズルくんが出しています。これは今までのランク戦に要素として追加するので、スケジュールには変更がなく、実現しやすそうですね。
ユズルくんは、B級上位の1部隊と下位の3部隊が戦う『ハンデ戦』も提案しているとのこと。これはオリジナリティがある案ですね! 桜子ちゃんは「うーん……おもしろいですけど 試合の組み合わせと得点の計算が大変かも……」と渋い顔ですが。
似ている案として、日佐人くんの「上位・中位・下位から1部隊ずつ選出して三つ巴戦。自分より上のランク帯(下位<中位<上位)の隊員を倒すとボーナス点あり」は、「運営目線では現実的かもですね」と評価。この案を日佐人くんが出しているというところに、日頃の諏訪さんからの影響を感じますね。
提案理由はどちらも、『下位部隊の戦術経験の底上げ』だそうで、根付さんが「負けた部隊が自信を失ってしまわないかが懸念点ですかね」と指摘。え……根付さん、やさしい……
唐沢さんは「とはいえ実戦を考えれば条件や能力の差があるのが当たり前ですから……」とシビアに指摘。
林藤支部長も、「下位の部隊にやってみる気があるならやってみてもいいかもですね」と賛同。これ、実際にランク戦で実装されるかもしれませんね。
次に、『トリオン兵の集団と戦うミッション』が、虎太郎くん、穂刈くん、諏訪さん、日佐人くんが提案。あ、やっと諏訪さんの名前が。そして、何気に日佐人くんも同じ提案を。やっぱり自部隊でこういう話をしてそうですね。
しかし、「毎回ミッションを作る手間が増えるため、運営の負担は微増する」と指摘しているのは諏訪さん! あなた、そうやって運営のことをいちいち気にするから幹部候補とか言われるんですよ!
虎太郎くん、きっくちー、文香ちゃんが提案したのが、『試合で使用できるトリガーが運営に指定される」という案。これもおもしろそう。そして、何気に虎太郎くんはたくさん案を出してますね! がんばってる!
似たアイデアとして、木虎ちゃんと蔵内先輩が、「戦闘前に使用できトリガーのリスト(種類と個数)が提示され、それを部隊内で分配する」という案を出しています。これ、提案理由の違いがおもしろいですね。自分が普段使わないトリガーや自分以外のポジションへの理解をあげている虎太郎くん、文香ちゃん、蔵内先輩に対して、遠征先でのトラブルなどのアドリブ力を鍛えることをあげているのがきっくちーと木虎ちゃんというA級隊員の2人。実戦よりの思考ですね。
それに対し、鬼怒田さんが「遠征先でのアドリブ力は無論必要じゃろうが…… そもそもその状況にならないための予防策を強化したいのう」と発言。え……鬼怒田さんもやさしい……ていうか、親心? 根付さんも鬼怒田さんも、最初の頃の印象とはずいぶん変わったよね〜
自由な方向に行った案として、「各部隊で独自に設定したオリジナル性能のトリガーを使える」という案を出したのは、王子先輩と太一くん。この2人らしい発想です。四連装アイビスすごい。千佳ちゃんが使ったらとんでもないことになるぞ。
また、蔵内先輩が「作戦室でのトリガー・トリオン体の数値設定を可能にする」という案を出しています。パラメータをいじるということは、仮想空間を前提とした運用ということでしょうか。これもおもしろそう。
でも、鬼怒田さんが「その場合でも何か制限を付けんと 素人が瞬間火力に全振りして継戦能力がガタ落ちするのが目に浮かぶわい」と指摘。実戦を考えるとよくないでしょうね。
桜子ちゃんは「ランク戦だけに特化した設定が流行ってしまう」と言い換え。そして、「それじゃ現行とあまり変わらないですね……」と言っているということは、今のランク戦形式がマンネリ化してしまっているから、新ルールの導入を運営として本気で考えているということなのかもしれませんね。単に試験の課題というだけでなく。
別に方向から数値をいじる提案として、王子先輩が「チーム内隊員のトリオンの数値がシャッフルされる」という案を、諏訪さんと蔵内先輩が「敵・味方全員のトリオンの数値が、同じ数値に固定される」という案を出しています。トリオン『以外』の能力を測る目的ということで、諏訪さんは修くんのことを考えて提案したのかもしれませんね。
でも、鬼怒田さんが「やりたいことはわかるがトリオンが低い人間に下駄を履かせるのは危険じゃろう」と指摘。まあ、やっぱり修くんとか…… 修くんはトリオンが高かろうが低かろうがやること変わらなそうだけど。林藤支部長は「逆にトリオン量に頼ってる人間を鍛え直すことはできるかもですね」と前向きな指摘。
そして、奇しくも大規模侵攻でキューブ化を体験した木虎ちゃんと諏訪さんが、同じく『オペレーターの戦闘参加』を提案。「非戦闘員を含む状況での戦闘」が訓練できることが理由にあげられていて、思わず二宮さんのことを思い出しちゃいましたね。イラストは諏訪7番隊で楽しそうなんですが。
木虎ちゃんのもう一つの案は、「傷つけると大きなペナルティーが科される建物やユニットを、MAP内に配置・指定する」というもの。民間人がいる場面での防衛任務を想定しているとのことで、やっぱり大規模侵攻の経験が記憶に新しいためでしょうね。
きくっちーは遠征を想定して、「対戦相手がどの部隊かの情報が伏せられる。視界設定によって敵の部隊が全員同じ姿の共通アバターに見えるようになる」というもの。未知の相手と対戦する際、相手の動きなどのわずかな情報から予測して対応する訓練になるということですね。
最後に、太一くんが提案した「トリオン兵を部隊にいれて戦う」という案。斬新!
これ、ネットでは「トリオン兵には嫌悪感があるだろうから防衛には使えない」という意見がありましたが、普通に考えて遠征先での運用を想定しているんですよね? 実際、アフトクラトルやガロプラも、人間は少数精鋭で、トリオン兵を駆使することで数の少なさを補っている訳で、ボーダー側もさらわれた隊員を取り返すために遠征先での戦闘を想定するなら、トリオン兵を導入しないと成り立たないですもんね。
桜子ちゃんの意見では、「開発室からデータを回してもらえればランク戦での実装は可能」とのこと。でも、ではトリオン兵は誰が動かすのかというと、オペレーターが担うなら「オペの処理能力でかなり差が出てきそうな気が……」と懸念。ここでオペの並列処理能力評価が出ていますが、最高の9は国近ちゃん、みかみかちゃん、オサノちゃんなんだね。以外にも、栞ちゃんは7で、摩子さん、月見さん、小夜子ちゃん、今ちゃん、桜子ちゃんもここ。8は綾辻さん、ひゃみさん、ヒカリちゃん、宇井ちゃん。六田ちゃんは3か……でも、オペの能力は並列処理だけじゃないからね!
しかし、トリオン兵を運用する戦闘なんて、修くんは得意そうだな……
鬼怒田さんは、「すでに決まったことに文句を言いたくはないが……」としつつも、「わしはやはり 『トリオン兵』を扱う部門と『トリガー』を扱う正隊員は分けたほうがいいと思うがのう」と、憂いの表情。「今のままでトリオン兵に頼る戦い方を覚えてしまったら 中位以上との力の差がさらに開くことになるぞ」と苦言をていします。
これも今となっては、隊員の生存を重視するゆえの発言としか聞こえません。鬼、出あ印象が変わったなぁ。
トリオン兵の運用に関しては、「平のエンジニアたちは実戦経験が乏しい」ので、「もし開発室でトリオン兵専門のチームを作るとしても 防衛部隊からのフィードバックは必須ですね」と唐沢さんが指摘。これは……雷蔵の活躍のフラグですかね?
そして、さらに細かく採点をしていきましょうと根付さんが提案したところで過去の場面は終了。
さて、再び諏訪7番隊。
9時になり、本日の作業を始めようというところで、まずはやることを確認。葉子ちゃんと宇井ちゃんは既に共通課題が終わっているので分担課題へ。優秀ですね! 諏訪さん、隠岐先輩、修くんは今日中に共通課題を終わらせるということで作業を開始しようとしたら……諏訪さんのパソコンに特別課題Cのメールが。
特別課題Cの内容は、「添付された専用のソフトを使って、オリジナルのトリオン兵を、各隊員1体以上 作成しなさい」というもの。そして、そのトリオン兵は「特殊戦闘シミュレーション」で操作ユニットとして使用!
初読の時は気付いていませんでしたが、専用ソフトの名称が「トリオン兵つくーる」ですね。わあ、栞ちゃんみを感じる……
修くんも葉子ちゃんも驚いていますが、諏訪さんは表情を変えず、「予定変更だ 一先ず 全員でソフト確認してくぞ」と即決即断、すぐに指示出し。またできる上司ムーブをかましていますね。
諏訪さんも意外だったでしょうに、表情に全然出していないのはさすが。たぶん、口調も平坦なんだろうな。
葉子ちゃんは出鼻をくじかれて不満そうですが、ゲーム好きだから案外楽しいんじゃないですかね。修くんもこういうのは得意そう。
ジャンフェスで予告されたという「修と虫っぽいなにか」はトリオン兵である可能性が高いですね。ラッドを参考にしてか、おもしろい機能のトリオン兵を作ってくれそうですね。
というところで、以下次号です。
そう言えば、細かいことに気がつくワ民のみなさんが、上層部の背後に見える任務割り振りで、防衛任務に旧ボーダーの桐山さんと林藤支部長が入ってたり、 謎の「ブライアン」という人物がクローニンさんと一緒に入っていたりしていますね。
今後、桐山さんや「ブライアン」の登場があるのか気になるところです。
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