ワートリ 236話感想



ジャンプスクエア10月号、ワールドトリガー236の感想、長文版です。


とうとう来た、サブタイトル「鳩原未来」!
二宮さんの回想と思われるシーンからスタート。

選抜試験の合格ラインをクリアしたにも関わらず、二宮隊が遠征から外されたことを抗議する二宮さん。
空の色から察するに夕刻ですね。ここからの時間経過も結構重要かも……

二宮隊が遠征から外された理由は、鳩原さんが人を撃てないから。
「人を攻撃できないということは 遠征先で自分の身を守れないということだ これがどれだけ大きな危険性(リスク)になるかお前なら理解できるだろう」
と、二宮さんを諭す忍田本部長。
鬼怒田さんには二宮さん個人で遠征行きを申請することを提案しますが、「それじゃ意味がない 遠征に行く目的があるのは鳩原です」と、あくまで譲らない二宮さん。
これって……そう言えば、二宮さんは修くんに、遠征に行きたいなら遊真さんをどこかのA級部隊にいれるのが手っ取り早いって言ってたよね。同じことを言われて自分は一蹴してたんじゃん……あれは、修くんを試してたのかな?

オペやエンジニアなどの非戦闘員も遠征に参加しているのに、なぜ鳩原さんが撃てないことだけ問題になるのかと食い下がる二宮さん。
それに対し、「遠征部隊の人数は限られている 非戦闘員が『2人』いる部隊があると他の隊員への負担が大きくなる」と説明する城戸司令。
二宮さんは、「非戦闘員が2人いても 鳩原が人を撃てなくても 他の部隊に面倒をかけないことを証明します 二宮隊(うち)がA級1位を獲ったら遠征への参加を認めてください」と……
アツイ男だな、二宮匡貴!
城戸司令の応えは、「もしそうなった場合は 二宮隊の参加を『検討』しよう」というもの。
これがどれだけ可能性のあるものなのか、ちょっとわかりませんよね。城戸司令が当初の印象ほど冷たい人ではないという感触はありますけど、遠征部隊から死者を出さないことが最優先だろうから、二宮隊がA級1位になれたとしても、その過程で鳩原さんの役割がどういったものだったかは『検討』の重要なポイントになるだろうし、『検討』の結果、やっぱりダメだという結論になることも充分あり得る……
二宮さん自身はどう感じたのか……A級1位になったとしても突っぱねられる可能性をわかっていたのか、それとも愚直に1位さえとればと信じたのか……
エレベーターを待っている表情からは読み取れませんね。

しかし、A級1位を何が何でも獲って望みをつなぐという決意は固めたんでしょう。
出水くんに遭って、「どうしてんすか? こわい顔して」と言われながらも、「俺に弾撃ちを教えろ」と。
いや、それって人にものを頼む態度じゃないですから!
しかも、出水くんの肩をつかんで、「お前の射撃の技術を俺に教えろと言っている」と、追い打ちをかける二宮さん。だからそれは人にものを頼む態度じゃ……
その次のページには、折り目正しく頭を下げる二宮さんが。
しかも、バックに大勢C級隊員がいるところでなんだな。木虎ちゃんが知ってたくらいだから、かなり噂になったんだろうね。あの二宮隊長が頭を下げた!って。
二宮さんの並々ならぬ覚悟を感じますね。

そして、隊室に戻り、隊員たちに経緯の報告をする二宮さん。
A級1位を獲ったら本当に選抜を考えてもらえるのかと疑問を口にしたのは辻ちゃん。
ひゃみさんは「どうかな…… 『検討する』としか言われてないわけだし 言質としては弱いよね」と冷静に指摘。
てことは、二宮さんは包み隠さず上層部との会話を伝えたってことですね。A級1位を獲れば遠征に行けると確約を得た訳じゃなく、『検討』に留まってるってことを。誤魔化して、実際よりも希望があるように見せかけたりはしなかったってことだ。
「1位を獲ったら 俺がもう一度上に掛け合う」と宣言する二宮さん。
鳩原さんは「それでもダメだったら…… 今回の選抜試験だって みんなに苦労かけてそれがムダになっちゃって……」とうかない顔。
犬飼先輩が「A級1位は二宮隊のもともとの目標だし どっちにしろやることは変わんないでしょ」とフォロー。辻ちゃん、ひゃみさんも同意。
でも、鳩原さんの表情は沈んだままで……
二宮さんは「予定より時間はかかるが 二宮隊の遠征行きは必ず上層部に認めさせる この5人で遠征に行く いいな?鳩原」と。
「……はい……!」と答えた鳩原さんは、笑顔を浮かべてはいるんですが……この時には既に、密航の決意を固めていたのでしょうか。

次のシーンは、電話で鳩原さんと話すユズルくん。
空に星が見えるので夜ですね。
そう言えば、基地の外にいるはずなのに、鳩原さんは隊服のままですね。
遠征選抜から外された理由を、「やっぱる人を撃てないと 遠征に行くのは難しいんだろ思う」と語る鳩原さん。
「……でも 二宮隊(チーム)のみんなに申し訳ないよね…… 遠征行きたいって言ってるのはあたしなのに」と言う鳩原さんに対し、「大丈夫でしょ 二宮隊の人たちヒマそうだし」と返すユズルくん。それにはちょっと笑っている鳩原さんですが……
ユズルくんは、「まあきっとそのうち 上層部も鳩原先輩の腕を認めるよ いつか人も撃てるようになるかもしれないし」と、たぶん鳩原さんを元気づけようと言うのですが、無言になってしまう鳩原さん。もしかして、これが最後の一押しだったのか……
そして、「あたしはやっぱりダメなやつなんだ…… ごめんね……」という言葉を残し、姿を消してしまった鳩原さん。

ここの、”この後少しして”ってのがどれくらいなのか気になりますね。
もしや、その”少し”って数日とかのことじゃなく、数時間とかだったりする?
この時点で、既に鳩原さんは麟児さんから密航計画をもちかけられていて、迷っていたけれど遠征選抜がダメになり、二宮さんは希望をつないでくれたけど、やっぱり人を撃てない自分がボーダーから遠征に行くのは無理だとユズルくんとの会話で思ってしまい、密航計画にのる決心をしてしまったとか?
ここからもう一回基地に戻ってトリガー持ち出して、そして姿を消した……とかって時系列だったりします?
どちらにせよ、この電話での会話が最後に、ユズルくんは鳩原さんと音信不通になってしまったということですよね。これはユズルくんには辛いよな〜

鳩原さんの失踪に、ショックを受ける二宮さん。
「二宮さんが余計に責任感じちゃうから 深刻な雰囲気にしないように」と、犬飼先輩と辻ちゃんに指示するひゃみさん。さすが有能。
そして、降格処分に異存があるか問われ、「ありません」の一言で受け容れる二宮さん……
鳩原さんがボーダーを裏切る選択をしてしまったことに、自分が鳩原さんを信じさせることができなかったからだと思ってのことでしょうかね……

一方、鳩原さんと連絡がつかず、落ち込むユズルくん。
「……くそっ オレがもっと ちゃんと話聞いてたら……!」と後悔しますが……うーん。ユズルくんでは鳩原さんを思いとどまらせるのは無理だったと思うけどね……
鳩原さんと連絡を取るために、広報のテレビ出演を利用して呼びかけようと提案するヒカリちゃん。
それを根付さんに提案しに行きますが、根付さんは「ひとまずウチで検討しましょう」と口ではいいながら、内心では「申し訳ないがこの件はさすがにメリットよりリスクの方が上回るねえ……」と考えていて、「……まあ 検討したうえでダメだったということにすれば……」と思ったところで、カゲさんが反応。
しかし、刺さった感情が『憐れみ』ですか。まあ、それも相手を下に見ての感情である場合は頭にくるかもしれないけど、根付さん、そんなに悪い人じゃないじゃん。
カゲさんが殴っちゃったのはさすがに短気すぎだよね。
目撃者になってしまった柿崎さん、かわいそう……
しかし、あれを「弁明」って、柿崎さんはどんなウルトラCをやったんだろうね? 普通、除隊扱いでしょう。やっぱり柿崎さんの人徳かしら?
結果として部隊が降格となってしまい、「……鳩原先輩のことは もういいよ」とあきらめてしまったユズルくん。
ここで、カゲさんにはどんな感情がユズルくんから刺さってたんでしょうね。たぶん、隊に対する申し訳なさが一番で、本当は鳩原さんの失踪に納得なんてしてなかったんだけど、そう言わざるをえないという気持ちだったんでしょうね。
それからユズルくんはしばらく無気力になってた訳だから、カゲさんも「久しぶりにやりたいこと見つかったんだろ」と応援したくもなりますよね〜。

そして、時間軸は現在へ。
鳩原さんが本当は近界へ向かったのだと知らされたユズルくん。
すごくシリアスな場面なのに、変ながらTシャツが緊張感をそぐね……
二宮さんは、「『密航』を選んだ理由は理解できる」と言いますが、「なんであのバカは二宮隊(うち)やお前に何も言わずに 部外者を仲間に選んで姿を消した?」と。
そこでしたか、二宮さんが引っ掛かってたのは! 『密航』はいいけど、それで隊が降格になったことにも文句はないけど、「部外者を仲間に選んで」に納得してなかったのか!
もしかして、二宮さんは鳩原さんに「密航してでも近界に行きたい」と打ち明けられたら、一緒に密航してやるくらいの思いがあったのかな……
まあ、実際にそう言われたら、密航の愚を解いて、ボーダーの遠征を目指す方が現実的だと説得したでしょうけどね。
「たしかにお前が言う通り俺のやり方に問題があって 鳩原を追い詰めてたのかもしれない」と言う二宮さんですが……でも、ユズルくんが言ってたのは「人が撃てない」ことを責めたんじゃないかってことだったから、その点に関しては絶対に二宮さんはしてないのにね。それでもこう言ってくれる二宮さん、ユズルくんに対してすごく優しいんじゃない?
「けど俺は納得できてないんだよ あいつの口から理由を聞きたい それが俺の遠征の目的だ」と、ユズルくんに対して語る二宮さん。
これは、たぶんストレートな本音でしょうね。二宮さん、本気でユズルくんに向き合ってるのが感じられますね。

というところで、以下次号です。
さて、次回は鳩原さんの失踪の真相を知って、ユズルくんがどうするかですね。二宮さんへの態度は簡単には変えられないだろうけど、遠征を目指す姿勢は変わってくるかな?
ユズルくんの変化に期待ですね。

しかし、二宮さんかわいいね。「部外者を仲間に選んで」が一番の引っ掛かりだったのかぁ。それだけ二宮隊が好きで大事で、それは鳩原さんも含めてのことで、鳩原さんも同じだと思ってたんだろうね。
初登場から一番印象が変わったのは二宮さんかもしれないなぁ。