ワートリ 232話感想



ジャンプスクエア月号、ワールドトリガー232話の感想、長文版です。

さて、先月号で苦戦することになると予言されていた二宮8番隊ですが、3日目の勝敗は1試合目は王子2番隊とで引き分け、2試合目は柿崎3番隊とで引き分け、3試合目は水上9番隊とで敗北、4試合目は来馬5番隊とで敗北、5試合目は北添4番隊とでやっと勝利できたという状態です。
オペの加賀美ちゃんに「やっぱ昨日より慎重み行ったほうがいいっぽいね 雨取ちゃん」と話しかけられますが、うなだれたままの千佳ちゃん。もう一度名前を呼ばれて「あっ はいっ そうですね」と答えますが、明らかに挙動不審ですね。
二宮さんは「何か問題があるなら言え」と言ってくれますが、本人は助力を求められたら応えるつもりであったとしても、如何せん素で態度が威圧的なので、千佳ちゃんも言い出しにくいですよね。
「いえっ 大丈夫です!」と、自分で何とかしようとする千佳ちゃん。若手を鍛えるつもりでいるので、「……そうか」と言うだけで、自分からは動かない二宮さん。「もっと何か言うことないかよ」と思いつつも、自分自身で気の利いたことを言うことはできないユズルくん。
二宮8番隊は低迷してしまっている状態ですね。
モニター室では、小南先輩も「どう見ても大丈夫じゃないでしょ!」と千佳ちゃんを心配しています。千佳ちゃんが狙われ続けているのが二宮8番隊低迷の原因とのこと。北添4番隊だけは明確に狙わなかったということは、決まった戦法を崩していないからでしょうか。栞ちゃんも心配そう。
一方、三輪隊のモニター室では、米屋先輩が「水上隊も今日はだいぶやれてっけど 二宮隊よりは落ち着いてんなー」と、水上9番隊を評価。審査をしているA級隊員たちは水上9番隊の事情を知っている訳ですから、突然の情報開示からの再スタートで一定の勝ち星を上げているなら高評価になって当然ですよね。
三輪先輩は、「隊長が方針を明確に打ち出してるからな 二宮さんのところよりはやりやすいだろう」と、隊長目線での評価。でも、「このままだと雨取が潰れるぞ」と言っていることに関しては、それはどうかな?と返したいと思います。千佳ちゃんはそんなにヤワじゃないのだ!
太刀川隊のモニター室では、出水先輩が「にしてもなんで今日はこんなに雨取ちゃんがやられてんすかね?」と疑問を口にしたところ、国近ちゃんが「アマトリチャーナのユニットにはでっかい欠点があるからねー」と答えました。……さらっと読んでしまっていましたが、「アマトリチャーナ」って呼んでる!? 王子先輩のつけたあだ名がいつの間にか定着してる!?
出水先輩は『戦闘経験不足』というマイナススキルのことを指摘しますが、それだけではないようです。「ゲームシステムと合わせて考えると実はけっこう致命的」とのことですが……
ここでは直言はされず、諏訪7番隊と二宮8番隊の試合の中でその”致命的な弱点”が示されることになりました。

さて、上り調子の諏訪7番隊。作戦立案の中心は修くんです。
まず、スナイパーが多い二宮8番隊はバックワームを使うユニットが多いので、隠岐先輩のユニットがグラスホッパーで高所に陣取り、相手の布陣を目視で確認。すると、千佳ちゃんのユニットが1か所に固まっているのがわかりました。
ここで修くんが「もしかしたら二宮隊も千佳のユニットの弱点に気づいたのかもしれませんね」と言ってますので、国近ちゃんと同じことを修くんも気づいているのだと察せられますね。
そして、「まずは千佳を狙います」と言っている時の修くんは、冷汗をかいていないんですね! ツイッターで指摘を読むまで気づきませんでしたが。
これまでの、千佳ちゃんのために行動してきた修くんのことを思うと、このセリフにはぎょっとしてしまうのですが……冷静に考えると、攻撃するのはあくまで「千佳ちゃんのユニット」であって、千佳ちゃん自身が傷つく訳ではないし、遠征に行けるかどうか五分五分の修くんにとっては、遠征行きが機関員としてであっても確定している千佳ちゃんよりもこの試験で成果をあげる必要性が高い訳で、感情的になっている場合ではないですよね。……まあ、修くんはそうした葛藤の末に千佳ちゃん狙いを決意した訳でもなく、相手の弱点をつくということを考えて、特に抵抗なく結論を出していそうではありますが。

ここから、作戦会議の回想が入ります。
さて、千佳ちゃんの「弱点」についてですが、古寺6番隊との情報交換で千佳ちゃんの『行動力』の数値がかなり低いことが判明したことが明らかにされました。トリオンが高くても、『行動力』が低いので攻撃できる回数が少ないということになるんですね。
そこで葉子ちゃんが、「ていうかむしろこれ ゲーム的にはかなり弱キャラなんじゃないの?」と指摘。
千佳ちゃんのキャラは『行動力』の消費が多い動かし方とすると、ターンの早い段階で『行動力』が尽きてしまい、そのターンでは何もできない状態になってしまうということですね。
なので、諏訪7番隊はターンの前半では防御と回避に専念して『行動力』を温存し、千佳ちゃんの『行動力』が尽きた後半に攻撃に出れば、ユニット数が有利な状態で戦闘に持ち込めるということですね。
さらに、『行動力』が尽きた千佳ちゃんのユニットは削られたシールドを張り直すことができないので、いくらシールドが堅くても、そこに攻撃を集中すればシールドを割ることができ、ユニットを落とすことが可能になると。
2つのユニットが落とされてしまった千佳ちゃんは次の手を考えますが、アイビスはメテオラより『行動力』を使ううえに命中率も低くて使えず、ハウンドは相手が射程に入ってきていないので使えないという手詰まり状態。
修くんはそれも読んでいて、遠距離から攻撃できる隠岐先輩に千佳ちゃんの対応を任せ、他のユニットの攻撃を開始します。
千佳ちゃんのユニットが西側に偏っているので、東側のルートを抜けやすくなっているということは、メテオラの攻撃範囲もあまり広くないんですね。ランク戦での千佳ちゃんのメテオラの威力を見ると、遠くまで攻撃できるように錯覚してしまいますが。
修くんのユニットは、両手レイガストでヘルプユニットのアタッカーの動きを止める役割を果たし、落とされてしまうも、その隙に葉子ちゃんのユニットがレッドバレットで二宮さんのユニットの動きを止め、その奥にいるユズルくんのユニットまで到達し、首チョンパで2ユニットを落とします。
ここ、ユニットでも両手ポケインで、ポケインのままレッドバレットを食らっている二宮さんのコマが何ともシュール。
そして、やはり微妙な笑顔のままで落とされるユニットも……
ユズルくんは、「このまま また負けたら雨取さんが……」と千佳ちゃんのメンタルを気にしていますが、千佳ちゃん自身は青ざめつつも、「まだ…… まだ何かできることがあるはず……」と考えることを止めていないんですよね。この点、当真先輩が「バトル向きの性格」と指摘した千佳ちゃんの本質が表れているのかなと思いました。決して守られているばかりの女の子じゃないんですよね。
そして、そうして考える余地があるということは、落とされていないユニットにはまだ行動力が残っているということで、次の一手を千佳ちゃんがひねり出せるかどうかが次回の見どころになりそうです。
ユズルくんは「どうするんだよ……! 二宮さん……!」と、二宮さんに対処を求めていますが二宮さんはまだ千佳ちゃんの出方を見極める姿勢のようですね。負けが続いたとしても、自分で考えて動くように促すという方針を貫くつもりなのでしょうか。
しかし、ユズルくんは隊長が方針を示すものと考えていて二宮さんが動くのを待っているのかもしれませんが、千佳ちゃんのフォローはユズルくん自身が主体的にやってもいいじゃないかと思うですけどね。それができない、もしくはそれを思いつく余裕がないというのが、ユズルくんがまだまだだということなのかな。


というところで、以下次号です。
次号はいよいよ二宮さんが動くのか、それとも千佳ちゃんが自力で活路を見出すのか、注目ですね。
でも6月号は休載なので、後2ヵ月待たなければ。単行本に向けての作業があるでしょうし、計画的に休んで葦原先生の健康を守っていただくことが大切なので、大人しくお待ちしています。
その間にもいろいろと考えることはありそうですしね。