ワートリ 227、228話感想
ジャンプスクエア12月号、ワールドトリガー227、228話の感想、長文版です。
今月は何と2話掲載! ちゃんと健康管理したうえでのこととは思いますが……葦原先生の健康が第一ですから!
さて、先月号で古寺先輩との情報交換にこぎ着けた修くん。何を聞き出すのかと思ったら、「戦闘シミュの各試合で『最初の戦闘』がどういう感じだったか」とは読めませんでした。
古寺先輩の提案で、スピーカーにして両隊全体で聞くことに。諏訪さんが「香取と三浦は会話すんなよ」と釘を刺しますが、葉子ちゃんだってそのくらい分かってますよねぇ。素直に「はいはい」って言ってるけど……この反応ってことは、葉子ちゃん、やっぱり諏訪さんに懐いてるよね。
なぜ修くんが『最初の戦闘』に注目したのかというと、「『最初の戦闘』でほとんど勝敗が決まってるんじゃないか」という印象を持ったからのようですね。
それを導き出したのが、『特別課題』で『B級ランク戦が三つ巴になってる理由』を考えて、その一つが『1部隊対1部隊だと人数が多いほうが有利すぎるから』ということで、それを戦闘シミュに当てはめると『最初の戦闘』でついた人数の差がその後の戦闘でも人数の不利、有利として継続し、どんどんその差が大きくなって負けにつながるということですね。
この流れ、今までも感じていたんですが、特別課題が戦闘シミュを有利に進めるためのヒントになっているんですよね。ほんとにそういう意図が上層部にあるのではないかという気がしてきました。そして、それを十二分に活かしてくる三雲修……末恐ろしい子ですよね。
ここで、三浦先輩が木虎ちゃんが悔しそうにしているのに気が付きます。木虎ちゃん、割と感情がストレートに顔に出ちゃう子だよね。本人はクールであろうとしてる節があるのに……そこがかわいい。
三浦先輩、「自力で戦況を動かせるような『強い人』ほどこういうことは意識しにくそうだよね……」と、心の中でフォロー。葉子ちゃんもそういう感じだからわかるのかな。
奥寺くんが勝敗記録を確認して、「三雲の言ってること当たってると思うぜ」と賛同。
古寺先輩が、「つまりは1試合6ターントータルで考えるより 『最初の一撃』を重視したほうがいいってことだね」とまとめてくれます。こういうとこ、頭のいい人だなーと思いますね。
得しているのはうちのほうだな……と思っておられますが……大丈夫です。7番隊のメガネは、得た情報を使った更にとんでもないことを考えますんで。
虫食いのデータを情報交換で埋めていく展開もやはりありましたね。オペ同士のやり取りになるとは思いませんですが、確かにデータ担当ですもんね。宇井ちゃんと六田ちゃんのやり取り良きですね。
葉子ちゃんの「万能適性」というスキル、『適性スキルを2つ選んで同時に持てる』ということですが、選択リストに3つしかスキルがないので葉子ちゃんは「雑魚スキル」と言っていますが……選べるスキルに「ワイヤー機動適性」があるじゃん! せっかく修くんもいるんだし、最終戦みたいにワイヤー使ってブイブイ言わせる葉子ちゃんが見たいな!
ここで、三浦先輩が何か言いたげなんですが、葉子ちゃんに話しかけるのはルール的にダメですからね…… やっぱりワイヤー機動適性のことを言いたかったのかな?
宇井ちゃんに続いて、隠岐先輩が「古寺6番隊ってトリオン少ない人多い気するけど どうやって勝ってるん?」と質問します。古寺先輩、「これはおそらく 三雲くんの弱点を補うための質問……」と、答えることに少し躊躇いますが、木虎ちゃんが内部通信で『教えていいと思います 教えたほうが 水上隊や二宮隊の黒星を増やしてくれる確率が上がります」と意見をし、それを聞いた古寺先輩は話す気になってくれました。木虎ちゃんのこういう怜悧なところも好きだな。
ブレードトリガーの方が威力が威力が上がるということは、修くんならシールドよりレイガストの方が防御力が上がるということなんですね! 質問の意図を読んで求められていることをさりげなく例に出して教えてくれるあたり、古寺先輩の頭の良さが出ていますね。
諏訪さん、「いろいろ参考んなったわ お互いがんばろーぜ うまいこと他所の勝ち星減らしてくれよ」のとこ、いろんな意味で古寺先輩よりも上手だな〜という感じ。古寺先輩も「7番隊と当たった時は勝たせてもらいますよ」と返していますが、負けてる感じ。
古寺6番隊とのやり取りが終わり、諏訪さんが「三雲のネタはこれで出揃ったか?」と訊き、修くんが「いえ 実はもう1つ……」と返したところで、今度は歌川1番隊から電話。
やけにアップになっている紳士歌川。やはり顔がいい。
戦闘シミュで共闘しないかというお誘いですが、提案は遊真さんだとのこと。前に言ってたのはこのことか!
漆間先輩に「チームメイトの心配してたのはおもえのほうじゃねーか」とあおられ、笑顔で「おれは心配してないよ オサムと組んだほうが勝てるってだけだね」と遊真さん。尊い!
久々のゆまおさ供給ですね! この遊真さんから修くんへの揺るぎない信頼を見せつけられる度に、「公式が最大手」という言葉を思い出すよ……
歌川1番隊ともデータのやり取りをしたところで、諏訪さんが修くんに「最後のネタ」を話すように促します。
ここで、深呼吸してから話し出す修くん。やっぱり自分の隊じゃないところだと緊張するのね、修くんでも。
修くんの「最後のネタ」とは、「諏訪7番隊が他の部隊とちがうところって 隊長が3人いるっていう部分だと思うんです」とのこと。……これは、唐沢さんが言ってたことだよね。でも、修くんが注目したのは「命令を出す側の気持ちがわかる」っていうところじゃなくて、『1人で連携を全部組む』というところ。これを、ユニットが増えた状態でやるのは無理だけど、「隊長3人で手分けすればできる」。つまり、「諏訪7番隊の中に3つの『ミニ水上隊』を作る」ということだと諏訪さんは表現していますが、むしろ「諏訪7番隊の中に諏訪隊、香取隊、三雲隊を作る」ってことですよね。
……これ、特別課題のどれかが出たときに考えてたことだ! やっぱり特別課題は戦闘シミュに勝つためのヒントになってる説はありそうですね。
感想を読み返してみたら、216、217話のところでした。今年の1月号なので、ほぼ1年前ですね。
引用すると、
「B級ランク戦が三つ巴、四つ巴で行なわれるのは、実際の戦闘が多数vs多数の形になることが多いので、状況に応じて他の隊と連携する必要が生じるのに近い状況をつくるためということがあると思われます。
この戦闘シミュもB級ランク戦と同様と考えると、ユニット9体で3体ずつの隊を3つ作って、1つの隊を1人の操作者が担当する形で運用すれば、1人の隊長の指示で連携して隊員が動くいつもの戦闘スタイルを再現することが可能なんですよね。それぞれの隊が独自の作戦を持って相手を撃破するために動きつつ、状況に応じて味方の隊とも連携するようにすれば、かなり力が発揮できるのではないでしょうか。そして、3隊にするなら1人は手が空くので、特別課題の回答を書き込んだり、自分の課題を進めたりできるんですよね。あるいは、全体を統括する総指揮の役割を担うということもありでしょう。次号は、修くんがその可能性に気付いて、ユニットの運用の変更を提案してくれるんじゃないでしょうか?普通に考えると、このタイミングで特別課題を出すのはプレッシャーを掛ける行為なのですが、実は戦闘シミュレーションがうまくいかない隊へのヒントでもあるのではないかという予想でした。」
結構いいところをついてるんじゃないでしょうか?
でも、修くんの方がより具体的で説得力がある表現をしていますね。「攻撃手 射手・銃手 狙撃手はそれぞれポジションによって動きや考え方が違うと思いますけど 隊長は全体の指揮を執るのが役目なのでいろんなポジションを『混ぜた連携』を作れるはず 水上先輩ほどじゃなくても 他の部隊よりは複雑で正確な連携部隊が3つ組めるってことです」と説明し、7番隊が他隊と比べていかに有利かということをプレゼンしてます。有能!
そして、葉子ちゃんと諏訪さんは自隊にスナイパーがいないから、スナイパーの運用は隠岐先輩にお願いすると。
最後に諏訪さんが、「現状手に入る情報だとこの方向で詰めんのが妥当だ」と判断を示し、「今夜はガッツリ準備して明日は暴れっぞ!」と締めます。
この安定感……やっぱり諏訪さんが隊長なのはラッキーですね!
しかし……3人の隊長で3つの隊を組んで連携を組むとしても、葉子ちゃんが自分のユニットを諏訪さんや修くんが使うのや嫌がるかもな。
まあ、ヘルプユニットを入れば何とか連携を組むことはできそうですが……
さて、閉鎖環境試験4日目、朝です。
やっぱり戦闘シミュにユニットは増えて、基本ユニットは自隊の4人が5体ずつの20ユニット、ヘルプユニットは加古さん、双葉ちゃん、三輪先輩、よねやん先輩、奈良坂先輩、片桐隊長、雪丸くん、桃園先輩、那須さんから4体選択するというもの。つまり、全24ユニットですね。1人あたり6ユニット担当するということですね。
「ん〜…… 増えたなあ……」と考え込む水上敏志。
そして、分担課題のことを樫尾くんや荒船さんが話しているところに、「はい 全員注目 ちゅうもーく」と手を叩きながら声を掛け、「え〜〜…… 皆さんに ちょっとお話があります」と言い出します。
いやー、不穏ですね。きょとんとしている樫尾くんと、「なんで急に標準語……?」と変なところで疑問を感じている照屋ちゃんがかわいいですが……
というところで、227話は終了です。
今月号は2話連続掲載でよかったですね! この状況で1ヵ月お預けだったら大変でしたよ。
228話冒頭、とうとう戦闘シミュ演習を一人でこっそりやっていたことを明らかにする水上敏志。
どんな手を打ってくるかと思ったら、まさかのストレートに全部ぶっちゃけでしたね。
冷静な荒船さん、今ちゃんに対して、呆然とする樫尾くんと、すごい口の開け方をしている照屋ちゃんが対照的ですね。
水上敏志が「ユニットが増えすぎて1人じゃ手が足りませんので 今日はみんなでやろうと思います」と言うのに対し、「そういうこと……」とちょっとあきれ顔の今ちゃんと、やっぱり開いた口がふさがらない照屋ちゃんも対照的。
戸惑いつつも、樫尾くんが「えーと……それではルールの確認からでしょうか?」と対応しようとするのに対し、「ソフトのダウンロードからだな」と荒船さんは終始冷静。
しかし、照屋ちゃんは「色々おかしくないですか!? そんなすぐに吞み込める!? 樫尾くん!」と、収まりがつきません。当然だよね。
樫尾くんがすんなり対応しようとする理由が、「王子先輩もこういうことは時々あるので……」には笑った! 王子先輩、普段はどんな破天荒な振る舞いで真面目な後輩を困らせてるんだよ……
「照屋ちゃんは納得いかへんの?」のとこ、水上、悪い顔してんな〜
当然照屋ちゃんは、「当たり前じゃないですか! ちゃんと説明してください!」と憤ります。
それを見ていた真木理佐さんは、照屋ちゃんにマイナス1点。心情的には照屋ちゃん側だけど、「今はチームに新しい仕事が降って湧いた状況でとにかく時間が惜しい 動こうとしているチームを止めるのはNG」とのこと。でも、「水上隊長がやったことを追及したいなら 夕食の後にでもじっくり詰めればいいんだから」と言ってます。この「じっくり」が怖いですね。どれだけじっくり責められるのか……
説明を求められて、水上敏志はこのチームの強みは頭の良さなので、共通課題と分担課題に全力集中してもらって、課題で他所に差をつけるのが基本方針だから、先のことに頭を使って欲しくなくて戦闘シミュのことは伏せていたと説明。そして、戦闘シミュのルールを見て、1人でやった方が有利だし、その間にみんなの課題が進むからやったとのこと。荒船さんはそれで納得している表情ですね。でも、照屋ちゃんはまだ不満そう。
モニタールームでは、嵐山さんが照屋ちゃんが納得できない理由を「柿崎隊と違いすぎて戸惑ってるんだろう」と指摘し、さりげなく19歳組の親密さを醸し出していますね。
対して風間さんは、「1位を独走してるのにチーム戦術に文句が出るのか」とドライ。こちらは寺島さんと一緒で、21歳組の仲の良さをあからさまにしていますね。
照屋ちゃんは理由があるのに説明せず水上隊長が一人で進めてしまったことに納得がいきませんが、水上敏志は「『話し合い』にしたくなかってん」と言い出します。
つまり、話し合いになったらいくらでも反対理由が出てきて、結局「全員でやる」ことになったら9番隊の強みを殺すことになり、しかも成績を落とすことになるということですね。
ここで、今ちゃんが「そこまで高得点に拘る理由は何? この部隊なら普通にやってもいい成績取れると思うんだけど」と、照屋ちゃんが納得いかないところを詰める質問をしてくれます。
水上敏志は、「成績以外に俺から渡せるもんが無いからやな」と答えます。「選んだ側の責任として 何かしら得して帰ってもらわなあかんやろ」「この試験の成績がこの先しばらくの評価につながるって最初から言われてるわけやし 取れる所でハイスコアを狙うんじゃ俺ん中では絶対条件やねん」と言葉を重ねます。
なのに、「本当にそれだけ? 他にも何かあるんじゃない?」と勘ぐってしまいたくなるのは、水上敏志の日頃の行ないのせいですかね。
照屋ちゃんはそれでも収まりがつかず、「でも結局今になってしわ寄せがきてるじゃないですか! こんなややこしそうな課題で! 他の部隊は2日分先を行ってて! 配点も激重で! いきなり「はい」って渡されて! まともな結果が出せるわけないでしょう!?」と噛みつきます。
水上敏志は、「なんでや この面子ならいけるやろ それができる面子を集めたつもりやで?」と言い返します。
照屋ちゃん、あと一歩踏み切れない表情。
水上は「俺の釈明はこれで全部やな ……他になんか要望があれば聞くけど?」と照屋ちゃんに投げます。
さて、照屋ちゃんはどう出るか……ってとこで、「………… ………… じゃあ…… 『頼む』 ……って 言ってください」
ここ! 今回はいろいろな表情を見せてくれている照屋ちゃんですが、ここの顔が最高にかわいかったですね!
水上が何か言おうとするのを遮って、「あっ! 自分でもわかってます! めんどくさいこと言ってるって!」と言ってますが……水上的には、それで納得してくれるならお安い御用じゃないかなぁ。
そして「頼まれなくても100%全力でやりますけど! けど! 『頼む』って言われたほうが…… 言われたほうが…… 燃えるんです!」
ここも好き。これで全てのわだかまりを抑え込んだてるてるは天晴ですね。
A級の評価点もすごい勢い! 真木理佐さん2点、佐鳥くん2点、みかみかちゃん2点、小早川さん2点、嵐山さん1点、喜多川さん2点、綾辻さん1点、とっきー2点、冬島さん1点、双葉ちゃん1点、寺島さん1点……あ、風間さんは点は入れてないのか。「そうきたか」のお顔は楽しそうですけどね。
水上敏志は照屋ちゃんの心情を理解した訳ではないんだろうけど、「みんな 『頼む』で」と言い、「了解です!」と照屋ちゃんと樫尾くんが応え、戦闘シミュの対策開始です。
さて、元々隊長の荒船さんはともかく、照屋ちゃんや樫尾くんが、この短時間で修くんが考えたような連携を組んで運用できるかどうかが鍵ですね。
諏訪7番隊では、修くんがまた何か思いついた様子。
連絡用の端末を見て、「共通課題で1つ思いついたことがあるんですけど…… ルール的に有りか無しかがわからなくて……」と言ってますので、相当えぐいことを考えていそうですね。
私が思いついたのは、ヒュースが提案したことの拡大版で、水上9番隊以外の全部隊で共通課題の答えを共有しちゃおうってことなんですよね。
修くんは初日のトリオン切れで隠岐先輩に問題を写真に撮らせてもらって、苦手な問題は抜かして解いていっているから、間が抜けていても最後の方まで問題を解いている可能性がある。そして、他のメンバーとも答えを寄せ合って全部の問題の解答を集めて、それを全部隊で共有してしまえば、共通課題での差を一気になくすことができて、水上9番隊の優位がなくなるんですよ。そうなれば、後は配点のでかい戦闘シミュに3日目の勝敗だけが順位の決め手になるんですよね。どうでしょう?
まあ、次号で修くんがもっととんでもないことを言い出すかもしれませんけどね。
ということで、次号も楽しみです!