ワートリ 226話感想




ジャンプスクエア11月号、ワールドトリガー226話の感想、長文版です。


前月号で、烏丸先輩とのデートの可能性で屍状態から復帰した葉子ちゃん。
取っておいてくれた夕食を食べながら、「さっきの話 細かく詰めていきたいんだけど」と言い出します。
「何がどうなったら条件達成になるわけ?」「ハッキリしたラインが要るでしょ」とくるのがワートリらしいですね。ここ、「やる気出したんだからいいでしょ」とはせずに、ちゃんと条件達成を自分に課せるのがえらいですね。葉子ちゃん、好きなことばっかりやっているように見えるけど、自分に甘いって訳じゃないんだよね。
宇井ちゃんが「香取が一生懸命やってくれればそれでいいんじゃない?」と優しいことを言ってくれますが、「……別に今までも手ぇ抜いてなんだけど」と応じる葉子ちゃん。うん、そうだよね。集中力が続かない時はあったけど、葉子ちゃんなりに一生懸命やってたよね……何か、すごく葉子ちゃんがかわいく見えてきてるんですけど!?
それに対し、「じゃあ『三雲が遠征選抜に合格したら』だな」と持って来る諏訪さんがすごい。これで葉子ちゃんのがんばる方向がきっちり決められるし、他でもない修くんが交渉権を握っていることが再認識されるし。うまいなぁ。そして、Twitterの有識者では、これで遠征選抜試験の最後まで葉子ちゃんのモチベーションを保つことに成功しているという指摘もありましたね。なるほど。
葉子ちゃん、悩みつつも、「……あんた真剣に遠征目指してんのよね?」と釘さし。「はい それはもう」と答える修くん。「ちゃんと約束守りなさいよね」と詰め寄られ、「……はい それはもう」と繰り返す修くん。これ、同じセリフを繰り返してるけど、絶対口調が変わっているのがうかがえますよね。アニメに聴きたいな。
そして、ちゃんと「ごちそうさま おいしかったわ」と言える葉子ちゃん。いい子だなぁ。こんなに葉子ちゃんをかわいく思える日が来るとは、初出の頃は夢にも思いませんでしたよ。今回の遠征選抜がなければ、私も修くんと同様「苦手」のままだったかも。

場面変わって、来馬5番隊。
弓場ちゃんと小荒井くんのコソ練の成果で、今回は戦闘シミュの結果がよかったようですね。来馬先輩に褒められてうれしそうな弓場ちゃんがかわいいね。
しかし、この弓場ちゃんの来馬先輩への態度を見るに、単に年上だからという訳ではなく、何か傾倒するに至ったエピソードがありそうですね。
特別課題はポカリくんがやったのですね。発想力が求められる課題だったから、結構いい人選かも。本人は「稼げなかったですけどね 弓場さんほどは」と、こんな時も倒置法。
「ぽかりんの駒をちゃんと動かしたくるま先輩もえらい」とオサノちゃん。ぽかりん呼びかぁ。そして、何気にくるま先輩と平仮名。ワートリの呼び方の拘りっていいよね。
来馬先輩は「引き分けでもいいからなんとか 二宮隊の得点を抑えたいところだね……」と思案顔。こういう表情を見ると、この人も単なる仏じゃないよなぁと、底知れなさを感じますね。

次は柿崎3番隊。
心配していた太一くんですが、今回は特別課題を担当して82点を獲得! 「やるじゃねーか太一!」とののさんに褒められ、「えへへ どもども」とはにかむ笑顔の太一くん。よかったね!
今回の特別課題は新しいランク戦を考えるというものですから、スイッチョフを思いついた太一くん向きの課題だったのでしょうね。
そして、太一くんに特別課題を任せるよう提案したのは犬飼先輩であることが、ののさんの言葉で判明。ここ、ののさんの全開の笑顔がかわいい。Tシャツのリボンもかわいいし。姉御肌のののさんがこういうかわいい面を見せると好きになっちゃうじゃないですか!
「戦闘シミュは昨日よりちょっと下がっちまったから 明日はそっちも頼むぜ太一」と柿崎さん。うん、人格者。
しかし、「特別課題でおれが抜けたから苦戦したんじゃないっすかぁ?」と太一くんが調子に乗ると、「太一くんが抜けてからのほうが勝ってるけどね」と、チクリと刺す犬飼先輩。あっ、また太一くんの目の輝きが…… 太一くんとあまり調子に乗せると危ないかもしれないけど、言い方ってもんがさあ!
カゲさんにも「おめー つまんねーこと言ってんじゃねーよ」ととがめられていますが、「冗談冗談 偶々だって太一くん」と返す犬飼先輩。うーん……カゲさんのサイドエフェクトがどう反応したかは描写されていませんが、「偶々」ってのは本心かな……? 余計な一言ではありますけどね。

村上10番隊は、特別課題が85点! さすがくらっちですね!
「氷見のアイデアがうまくいったな」と評価する鋼くんに、「うむ」とうなずくひゃみさん。こんなに「うむ」が似合う女子高生は他にいないね。かわいい。
そして、くまちゃんは「昨日より動けてる感じがあった分 もうちょっと勝ちたかったな」と残念そうですが、くらっちが「負けが減っただけでもかなり前進してるよ」と言ってくれているし、ひゃみさんも「二宮さんとこと引き分けてるから 他所にも感謝されてると思う」と指摘。
つつみんも、「上の2部隊と 二宮8番隊にどう勝つかだな……」と、二宮8番隊に注目。やはり、ユニット数が増えると有利が増す二宮8番隊をどこもロックオンする展開になってきていますね

その二宮8番隊では、ユズルくんの特別課題の得点がアップしました! 前回が71点、今回が75点。こうして見るとわずかに見えますが、「5人分もらえるから20点アップだよ!」とすかさず言ってくれる千佳ちゃん。これは惚れてしまうわ!
東さんも「たった1日でこれだけ上がれば大したもんだ」と褒め、「なあ?二宮」と、二宮さんにも発言を促します。
それに答えて、「……まあ下がるよりはマシですね」と言っちゃう二宮さん。苦笑する東さん。
でも、そんな二宮さんですが、千佳ちゃんには「おまえも 昨日よりはいい動きだった 明日もこの調子で頼むぞ」と、珍しい褒めを! 意外そうな顔を見せますが、「……はい!」と笑顔になる千佳ちゃん。かわいい。
千佳ちゃんはずっと、自分のせいで誰かが傷つくよりは一人でいる方がいいと思ってきて、玉狛に入ってからは守られる立場におかれることが多かったけど、本来は自分が矢面に立ちたいと思う子だから、ちゃんと戦闘員として評価してくれる二宮さんとは意外に合うのかもしれませんね。いい経験になりそう。

歌川1番隊では、虎太郎くんが特別課題で80点獲得! がんばった!
ところで、何気に歌川くんのA級評価が25点! 高得点ですね〜 さすが紳士歌川。
ほっとしている虎太郎くんに、「うんうん うんうんうん」とぎこちないながらも同意している小夜ちゃん。この二人もかわいい。
一方、夕食の片付けをしている漆間先輩とゆまさん。「うるしま先輩 今日何のメールしてたの?」とつっこむゆまさん。「何かチームの人のフォロー的なやつ?」と振られ、うるしま先輩は「はぁ? そんなんじゃねーよ 別に何でもいーだろ」と答えていますが、ゆまさんの「つまんないウソつくねぇ」のモノローグと生温かい笑顔で六田ちゃんのフォローのメールだったことが確定。
しかし、ここまでの漆間先輩、口は悪いけど性格は全然悪くないよね? 単にお金にがめついだけでいい子じゃん。他の隊員たちが物分かり良すぎるんだよな。
戦闘シミュでは、水上隊、古寺隊、二宮隊に負け、村上隊とは引き分けてるんですね。特に負けなしの水上隊と二宮隊をどうするかが課題に。
そこで、「ふむ…… だったらこういうのはどう?」と何やら提案。この提案が修くんと同じ路線なのか、それとも全く違う方向なのか、気になるところですね。

再び諏訪7番隊に戻り、ネタ探し開始。
隠岐先輩は「やっぱなんだかんだスキルがでかいと思うわ」と指摘。「スキルの連携がうまく決まると敵を落せて 決まらへんと押し負けてる感じあるわ」、「『強そうな陣形でぶつけてみて』『連携のずれが少ない方が勝つ』っていうイメージやなぁ」というのに、修くんも「それはぼくも同じ印象ですね」と同意。
そこで宇井ちゃんが、「相手チームの虫食いスキル表がもうちょい埋まれば相手の動きをもっと読めるかもだね」と指摘。
葉子ちゃんは「敵の動きは今でもそこそこ読めてるじゃん 大体のやつはメガネ狙ってくるんだから」と言って修くんをギクリとさせますが、「……別に狙われるのはいいんだけど 問題なのはメガネの防御が薄すぎることでしょ」と、なかなか鋭い分析。「囮がすぐやられるから囮として機能してないのよ ただの分が悪い消耗戦になってる」のところ、修くんは木虎ちゃんに首ちょんぱされ、葉子ちゃんは三浦くんをのしているので、相手は古寺6番隊ですね。
ってことは、修くんの防御を上げる方法があればいい訳ですが……誰かがシールドを重ねる? それとも、アバターは修くんだけどユニット性能は他の誰かとかいうのは可能ですかね? トリオン体なら外見はある程度いじれるみたいですが……
諏訪さんは、「OK 大体わかった」と応じ、「んじゃ次 三雲」と修くんに発言を促します。
修くんは「えーと…… 思いついたことはいくつかあるんですけど ちょっとデータが心許なくて……」と言い出します。いくつかある? いくつか? この状況で複数の手を思いつくというのが非凡だわ。
葉子ちゃんは「データぁ?」といぶかしげで、隠岐先輩は「でもデータってここにあるので全部やん?」と指摘しますが、修くんは「そうなんですよね だから…… 他所のチームに訊いてみようと思うんですけど どうですか」と提案。その発想はなかった! 諏訪さんですら意外そうな顔してるよ! まさかまさか、ここに及んで情報戦になるとは! 全く読めなかった!

諏訪さんは、序盤で恩を売っている古寺先輩に電話。
「おう古寺 おつかれ 情報よこせ」って、完全にチンピラの態度ですが……「おめーんトコと組んでやるっつってんだよ ネタ共有したほうが戦闘シミュの勝率上がんだろ」とけしかけます。
古寺先輩は「……それはそっちの都合じゃないですか? 順位で勝ってるうちのチームにはメリットないですよね?」と、簡単には乗らない姿勢を見せますが、「あ〜? なんだおめーらもうトップ目指してねーのか?」と諏訪さんのアオリ。「本来ならおめーのほうからまわりに持ち掛けて 二宮・水上をぶっ倒すための共同戦線を張るべきなんじゃねーの?」、話しが大きくなってきましたね。葉子ちゃんがあきれた顔してる。
「ま やる気ねーなら別にいいわ 鋼んとこに話持ってくだけだからよ じゃーな」と止めを刺し、古寺先輩から「……わかった わかりましたよ……」との言葉を引き出します。
そして、「おら」と端末を修くんに渡す諏訪さん。ここでペンチメンタルの修くんの出番、というところで以下次号です。

諏訪さん、一見ガラ悪くあおっているように見せかけて、最後まで1位狙いをあきらめない古寺先輩の性格を見抜き、二宮・水上隊以外の共同戦線を提案してみせるなんて、高度な交渉をしていますね。もしかすると、本当に他の隊にも持ち掛けて、穴あきデータを最大限埋めていく方向を目指すのかもしれませんね。そうすると、相手の手の内が読めて、修くんの知略がもっと活かせるのかも……

しかしまさか、”数字以外のところで勝つ”というのが、情報戦での共闘になるとは予想できませんでしたね! これだからワートリは止められない!
アクション的には全然動きがない展開なのに、続きが気になって堪りませんね。