ワートリ 225話感想




ジャンプスクエア10月号、ワールドトリガー225話の感想、長文版です。


前回、突然やる気をなくし、机に突っ伏してしまった葉子ちゃん。
読者から見ると、葉子ちゃんが華さんやろっくんがいる隊の低迷を見てやる気をなくしてしまったのは一目瞭然ですが、7番隊のメンバーからすると突然ですよね。
宇井ちゃん、「香取や〜〜い」と声をかけていますが、女の子同士の苗字呼びってなんかいいですよね。小南せんぱいと宇佐美先輩も「こなみ」「うさみ」って呼び合ってるし。
隠岐先輩の「ただのしかばねやろか?」は、ドラクエが元ネタなんですね。あちこちで聞いたことはあったけど、元ネタは知らんかったわ。
宇井ちゃんの「返事しないとくすぐっちゃうよ〜」は癒しですね。かわいい。
しかし、葉子ちゃんの反応は「う〇こ」のみ。
その様子を見て、1日目の夜に諏訪さんに言われた「不機嫌になると会話拒否るらしいからな」を思い出す修くん。
その諏訪さんが「香取 晩メシ当番はいけんのか?」と声を掛けますが、返事はやっぱり「う〇こ」……
それで、諏訪さんが「今日は俺が手伝う」と立ち上がりかけますが、修くんが「あっいえ ぼくが手伝います」と申し出ました。メインは宇井ちゃんで、修くんがそのサポートですね。玉狛での食事当番の経験が活かされますね。
そのやり取りの間、困るでもなく怒るでもなく、葉子ちゃんを見守る隠岐先輩……何考えてるかよくわからない人ですよね、ある意味。

一方、最下位に低迷する若村11番隊。苦悩する臨時隊長のろっくん。
その間、よくよく見たら日佐人くんがエプロンつけて料理してますね! エプロンは備品であったのか、それとも持ち込み? それなりに料理に慣れている感じですよね。
戦闘シミュは、ヒュースが指揮した4試合は1勝3引き分け、ろっくんが指揮した6試合は5敗1引き分けと、はっきり明暗が分かれてしまいましたね。しかし、他には強いアサシンチームの歌川1番隊には引き分けているので、ヒュースの”身内読み”以外にも何か要因がありそうなんですけどね。
何とか成績を上げようと、ヒュースの「手分けして答えを見せ合う作戦」をやってみないかと提案しますが、日佐人くんにもう共通課題は3分の1も残っていないと指摘されて、即時前言撤回に。この時点で冒険をするのは、リスクの高さに対してリターンが少なそうですもんね。
そんな真剣な話し合いをしている場面で、ヒュースが変な箸の持ち方で”んが”っと夕食を食べています…… それなりに真剣に試験に取り組んでいるヒュースだけど、食は最優先なのか……
自分の判断の遅さを自覚し、落ち込みつつも、葉子ちゃんの判断の速さを思い出すろっくん。
回想の中の葉子ちゃんは斜め後ろから見ている感じになっているのは、今のろっくんの立ち位置を表している感じですね。

場面は諏訪7番隊に戻り、まだ無反応の葉子ちゃん。
夕食も食べていないようです。ところで、今夜の献立は餃子のようですね。付け合わせは何でしょう?
葉子ちゃんがそんな様子ですが、諏訪さんは動じずに「明日の対策を始めっぞ」と口火を切りますが、修くんが「さすがにこの状態で会議を進めるのは審査官の心証的にまずいんじゃ……」と意見します。そして、「今回の試験が今度の香取隊の評価にもつながるわけですし……」と続けると、葉子ちゃんは立ち上がって「…………寝るわ」と寝室に引っ込んでしまいました。
ここ、まるで未知の珍獣を見守るように、恐々葉子ちゃんの様子をうかがっている修くんが面白いですね。ホントに、葉子ちゃんみたいに理屈よりも感情で動くタイプは苦手なんですね〜
この時点でも、諏訪7番隊のメンバーは葉子ちゃんの落ち込みの原因が、自分の頑張りが香取隊の他のメンバーには不利益になるという点にあるとは思っていないようですね。諏訪さんはわかってて言わないのかもしれませんが。
諏訪さんが、「今は放っといたほうがいい気はすっけど うち(7番隊)が戦うには香取の力は絶対に要る……」と思案していると、修くんが香取隊の他のメンバーに電話してみることを提案。諏訪さんは「よし いけ」と即決。
まず、修くんが最初に電話したのは華さん。確かに一番適任そうには思いますが、あまり親しくない異性の先輩を第一選択にできる修くんはすごいですね。さすがペンチメンタル。
でも、華さんには「申し訳ないけど わたしは力になれない」と断られます。
その理由が、本人のいないところで欠点についての話はしたくないということで……つまり、葉子ちゃんに対して誠実でいたいということ。二人の友情の尊さを感じますね。
そして、「……うち(香取隊)の他の2人なら もっとちゃんとした答えが返ってくると思う よかったら連絡してみて」と助言してくれる華さん。やさしい……
華さんが廊下から共有スペースに戻ると、きくっちーが「……その程度で根に持つほど繊細じゃないでしょ 香取は」と声を掛けます。トノくんは「?」を出しているってことは、きくっちーにだけ聞こえたってことですね。ここ、きくっちーが自分から話しかけにいっているってことは、華さんのことは友達認定してるんですかね。初日の無言を考えるとすごい進歩ですね。
華さんの答えは、「……言ったでしょ? わたしがしたくないだけ」。きくっちーが聞こえていることを受け容れて、自然に返してくれているのがいいですね。
次に修くんが電話したのは、苦悩中のろっくん。
「他所に塩送ってる場合じゃねえってのもあるけど……」と言いつつも、「正直 葉子がそうなったらどうにもなんねえ 下手につつくと余計不機嫌になる」と教えてくれるやさしさ。しかも、「……うちの隊長が面倒かけて悪いな」と謝罪まで! 基本的にいい子だよね、ろっくんは。
ヒュースのことも、「うちの順位が低いのは 別にヒュースがトラブってるとかじぇねーから安心してくれ」とフォローしてくれるし。
次は三浦くんに電話。彼も「そういう時の葉子ちゃんは なるべく刺激しないほうがいいかなぁ……」と言いつつも、もっと具体的に「葉子ちゃんが不機嫌になった時 チームの雰囲気はどんな感じだった?」と状況を聞き出す構えに。修くんは、チームはちょっとずつ上向いてきているが、自分が足を引っ張っているのがストレスになっているかもしれないと言いますが、自分がミスした時は怒ってもそれだけが原因で不機嫌になることはなく、「どっちかというと 文句言いながらも逆に燃える性格じゃないかなあ」と分析。それだけ葉子ちゃんのことを深くわかっている三浦くんも、葉子ちゃんの不機嫌の原因が、華さんやろっくんのチームの低迷にあるとは気づいていないようです。
そして、「葉子ちゃんは賢い人だけど 理屈よりは感性が上回るタイプだと思うから」と指摘。ここ、「理性」の象徴は華さんで、「感性」の象徴は葉子ちゃんなんですね。
刺激せずに見守るしかないということに落ち着きかけますが、三浦くんは「……ただ 1つだけわかっててほしいんだけど 葉子ちゃん自身も本当は 不機嫌なままでいたいわけじゃないと思うんだよ 不機嫌になりたくはないんだけど自分じゃそれを止められないから どうしようもなくて他人との会話をシャットアウトしちゃうんだと思う」と語ります。そして、本人も「できることなら不機嫌モードから抜け出したい」って思ってるはずだから、「不機嫌から意識を逸らせるようなものを用意できるといいんだよね」とアドバイスしてくれます。例としてあげられたのが甘いもの。あ、ここの葉子ちゃん、葉っぱのTシャツ着てますね。これが幻の葉っぱT?

三浦くんのアドバイスに従って、宇井ちゃんが「チョコ食べて元気出そ?」作戦を決行。癒される……私だったらこれで即元気出ちゃいそうですが、葉子ちゃんは沈黙したまま。
このチョコ入りマグカップは、宇井ちゃんの私物でしょうか? 食糧庫にあったとは思えないし。マグカップの柄が日本刀を持ってマフラーを巻いている猫というのがシュールです。
葉子ちゃんが戻って来ないので、「あと香取の気を引けそうなもんっつったら……」と諏訪さんがふり、隠岐先輩が「パッと思いつくのは烏丸くんですかねえ」と提案。諏訪さんも「……だな」と応じていますが、一人ピンときていない修くん。
隠岐先輩が「香取ちゃんて烏丸くんのファンガールやねん」と説明していますが……ファン、なのかなぁ? 真面目に好きなんじゃないかという気がしますが……
本部に烏丸先輩のファンがめっちゃいるというのはさもありなんですが、さすがに「城戸派・忍田派を烏丸派が脅かす」というのは冗談の範囲ですよね? さり気に出てきた太刀川隊の隊服のとりまる先輩はめっちゃかっこいいですが!(ファンアートで何度も見て来たので失念していましたが、原作では初出ですか!?) そして、このイラストを見ると烏丸派には男子も多そうですね? 半々くらいいそう。
諏訪さんは「三雲おめー京介の弟子だろ やる気出したらデートさせてやるとか あとで京介に頼めねーのか?」とあっさり言い出します。ところで諏訪さん、京介呼びなんですか……レイジさんつながりで、結構親しいのかな?
修くんは、「いやまあ そのくらい別にやってみてもいいですけど……」と応じます。って、そのくらいで済むことか?
しかし、ここで即座に「マジで?」と反応する葉子ちゃん。修くんに「マジのマジ? 絶対の絶対の絶対?」と詰め寄ります。修くんは怯みつつも、「えーと その はい」と返事。
この背後で宇井ちゃんが「香取が立った……!」と言っているのはハイジネタですね。これはわかる。
モニター室では、小南せんぱいが「あんた……弟子に売られたわよ」とドン引きしていますが、とりまる先輩は「修たちの遠征のためなら まあ……」とあっさり。軽っ! それでいいのか、烏丸恭介!?
葉子ちゃんは一気にやる気を出し、「みんな なにボサッとしてんの! 急いで対策よ対策!」と元気になったところで、以下次号です。
ここ、諏訪さんはあきれ顔、宇井ちゃんと隠岐先輩は妹を見るような微笑み、修くんは理解できないと言いたげな顔……と、それぞれ全然反応が違いますね。

初読では、葉子ちゃんは香取隊のことを思って落ち込んでたはずなのに、これでやる気を出してしまっていいのかと思いましたが……でも、葉子ちゃん自身、このままでいいとは思っていなくて、自分を浮上させるきっかけを探していて、とりまる先輩のことにこれだと思ってのっかったのかもしれませんね。無意識に。
それに、最終的には、この遠征選抜試験でそれぞれの臨時部隊で頑張ったことが、この先の香取隊として成長につながっていくのだろうとは思うですよね。
今回、遠征選抜試験の一幕ながら香取隊の関係性が描かれた訳ですが、これが香取隊の成長のきっかけになるという意味でも、今回のサブタイが「香取隊」なのかもしれませんね。

それはさておき、葉子ちゃんのロンTのドーナツがおいしそうですね。諏訪さんのは麻雀パイですか。修くんのはよくわからない生き物だなぁ。猫なのか、犬なのか……宇井ちゃんのはクジラっぽいですね。隠岐先輩のは……タコ足配線? 相変わらず服のイラストはカオスですね。