2018年12月号
今月のひと言。何か……萌え再燃!
8回表の崎玉の攻撃。次のバッターはピッチャーの市原君です。同点に追いつかれてしまったばかりのところなので、「先輩として ボコボコ天取られるばっかじゃねェとこ見せてやる!」と気合を入れます。
阿部は相変わらず性格悪く、「同点追いつかれたあとだぞ 少しはしょんぼりしろよな」とか思ってます。
最初はボールから。これは予想していたのか、市原君は「よし見えてる」と、引き締まった表情。次はストライクが来ると予想し、ストレートか「あの落ちる球」、ナックルカーブだと狙いを絞ります。しかし、阿部の選択はシュート。予想が外れて体勢を崩してしまいますが、うまくバットが当たって打球はセンター前へ! 2塁ランナーが一気にホームに帰り、崎玉がまた7−6で勝ち越します。
三橋は「せっかく同点なったのに また 取られちゃったぞ」と青ざめますが、ここは頼りになる栄口君が「プラスビーム!」と声掛け。例のメンタルトレーニングのあれですね。三橋も「プッ プラス!」と返します。栄口君の「オッケ!」の笑顔がいいね!
次の8番原田君に対しては、阿部は前打席で打たれたシュートを敢えて選択。三橋は逡巡しますが「プラス!」とカッと目を見開いて、久しぶりの首振り。
ここで、阿部が一瞬「あ?」ときょとんとして、それから「――あっ」と気付いて、「あ―― そうか んじゃ…」って次を考えるのがかわいいんですよ! そして、ナックルカーブのサインを出し、三橋が「よ よかった」と”ムカつく笑顔”を浮かべるところもカワイイ。阿部は「顔に出すんじゃねェ!」と怒ってるんですけどね。ミットをバシィッとやってバッターを怯えさせちゃっています。
バッターの原田君は「なんだ?」と迷いますが、ストレートにヤマを張ります。
三橋が、「オレも 考える それが バッテリー はずれてもいい きびしく!」と投げるところがかわいかっこいいですね!
原田君は読みが外れて空振りしそうになりますが、バットを止めてもう一度振りに出て、ナックルカーブを打ち上げます。それがレフトの頭を越え、長打に。跳ね返ったボールを取ったレフト水谷君が、「出走二塁回る! 一走ホームで刺すぞ!」という泉君の指示で、ボールをホーム方向に投げ、ボールはセカンドの栄口君へ。
ここで、打者走者が2塁を回って3塁へ向かい、3塁で止まっていた市原君はコーチャーの「市原さん ゴーだ ゴー!!」の指示を受けてホームへ向かいます。それを見て、サードの田島が「刺せるぞ 4つ!」と指示するのですが、セカンド栄口君が投げようとしたところに走者がかぶり、サードには投げられずにホームへ。阿部のタッチが間に合わず、市原君がスライディングでホームインし、8点目が入ってしまいました。
真っ青になっている三橋。気付いた阿部が「オイ大丈夫か」と声を掛けますが、三橋はロボットのようにコクコクとうなずくだけ。「お前が首振ったから打たれたわけじゃねーぞ リードしたのはオレだ!」と男前な発言をする阿部さんですが、三橋はやっぱり青ざめたまたコクコクコクコクとうなずくだけ。全く言葉の意味が通じていない感じ。
イラだった阿部は、「聞こえてんのか!? オメーの責任じゃ…」と怒鳴ってしまいますが、途中で「でかい声はダメなんだったか」と思い出し、一旦引いて、「”オメーのせえじゃねー””気にすんな”」と言い直します。成長したね、阿部! でも、三橋はまだ真っ青。
さらに阿部は「これからも首振りたきゃスキなだけ振っていい いいな」と言って、ポンッと三橋の方を叩くのですが、それで三橋はガックンと前のめり、頭がグラグラ。
明らかにダメな感じですが、審判に「タイムか?」と問われ、阿部が「いえ!」と答えている間に、三橋はぴゅっとマウンドに走って行ってしまいます。……何だか、初期の二人を見るようですねぇ。
阿部さんは、「何言ったって入ってかねェ 何度も体験させてやるしかねんだ」と、ちょっと悟った感じ。これも成長か?
1アウト3塁で、次のバッターは9番の古沢君。阿部は「スクイズ警戒だ 1球目はずす」とサインを出しますが、三橋はわかってるんだがわかってないんだかわからない顔でこっくりとうなずくだけ。阿部さん、またイラっとして、「のやろう ボールもふぬけてたら胸グラつかんで耳もとでどなってやっかんな」と物騒なことを考えてます。
ですが、三橋はやっぱり投球に入ると元に戻って、1球目はいい感じの球で指示どおりのボール。もう大丈夫そうですね。
というところで、以下次号!
久しぶりに阿部と三橋のもどかしいやり取りが戻って来て、また萌えが再燃した感じです。この調子でまたモノローグの多い展開を期待したですね。
2018年10月号
今月のひと言。同点か……
西浦が同点に追いついたところで、崎玉はピッチャーを交代。再び大地君がマウンドへ。
大地君はさすがの太陽属性で、「わりい たのむわ」と言う市原君に、「わりくないすよ! せっかく2枚目いるんスから1人であたってくことないんスよ」と言ってくれます。
これは……2枚目を育てきれていない西浦との対比ですかね?
大地君は、「逆転はさけたい お前なら抑えられる」という石浪君の言葉にも、「まかされたあ!」と前向き。このメンタルの強さは貴重ですね〜
西浦は逆転のチャンスで、バッターはスイッチヒッターの泉君。田島が「コースケ! 右は入れ!」と声をかけ、「いーかも」と右のバッターボックスへ。プロテクターも付け替えていますね。
三塁に阿部がいるので、ランナーをキャッチャーから見えにくくするという効果もあるようです。
泉君は「打つしかねーし。四球機体しないで振ってく!」と強気です。1球目は速球をファールにしますが、「おーし 当たるぜ!」とプラス思考。でも、2球目は見逃しで追い込まれてしまいます。
そこで阿部が、「泉! 振らされんなよ!」と声かけ。打とうとし過ぎて、ボール球に手を出すなということでしょうか? 石浪君も、「さすが捕手 打者審理考えてるな」と評価。
残念ながら、泉君は3球目の変化球に手を出してしまい、空振りで三振。これでスリーアウトになり、同点のままチェンジとなってしまいました。
同点にされてしまったことに責任を感じている市原君に対し、崎玉の子たちが次々に慰めますが、大地君は「はじめっからもっかい勝負っすよ! 1試合で2回勝負! お得ー!!」と、まぶし過ぎる太陽属性を発揮。やっぱりこのメンタルの強さは……田島を超えてるかも。
西浦の方は、阿部さんが三橋に、「勝負はこっからだ」と、内容は一緒でも全然違うテンションで言っています。こっちは威圧的というか怖……ゲフンゲフンっ
「いくら石浪が足おせーつっても 1人もランナー出したくねェ 手の内全部見せても打ちとろぞ!」って……三橋が萎縮しちゃったら……「うん!」と、意外と平気そうでした。
8回表の崎玉の攻撃は、5番の石浪君から。阿部は早速、「石浪は内も外も打てるが 内は二塁打1本であとはシングル ホームランを打ったのは外のスライダー でかいの打ちたいなら外狙いだ」と、細かい分析。
で、サインは内角のストライク。三橋は「怖く ないぞ!」と自分に言い聞かせながら投球。1球目は狙い通りのストライクが入ります。
でも、打者はキャッチャー石浪君なので、阿部の配球を見て「ホームランよりシングルってことか」と見抜き、「それなら内を打たせてもらうぞ」と打ち気です。
阿部は「見送り方じゃ待ってる球はわからねえ」と、次は外を指示。石浪君は振りに出かかりますが、バットを止めます。阿部はスイングを主張しますが……並行カウントって言っているから、スイングは取ってもらえなかったようですね。
でも、阿部は「もう1球遊べる」と考えて、次はストレートの外角高目。これで2ボール1ストライクです。阿部は「このカウントでストライクが来れば手ェ出す」と、打たせてアウトを取ろうと外角ストレートを指示。しかし、これはファールになって、2ボール2ストライクに。
阿部は「外を2球続けられた もう1球 外で行くのも手だが 大きいのが怖い」と内を指示。でも、これは石浪君にも読まれていて、「外2球は内への布石だ 2−2だ 次は内の厳しいとこへ来る」と分析されてしまっています。
三橋は「ちゃんと曲がれば 打たれても 内野ゴロ!」と思って投げますが、打球がファーストの前でイレギュラーし、沖君がボールをグラブで弾いてしまい、セカンドの栄口君は捕球し、沖君はファーストへ。ちょうどベース上で捕球しようとしたところでランナー石浪君と交錯してしまい、石浪君は倒されてしまいます。判定はセーフ。
石浪君はテーピングさせてほしいと主張し、臨時代走が出ます。
不安そうな崎玉ベンチ。沖の心配をする栄口君。その中で阿部は……「臨時代走って わざとじゃねーだろーな」とブラックなことを考えています。全くこの子は! 自分も怪我して辛かったくせに!
でも、審判に入っているタイさんも、「トモ… わざとじゃないよな」と考えていますが。
大地君は、「残念! ピッチャーじゃなきゃオレが代走出られたのにっ」と、一人だけ突き抜けたことを言っています。やっぱりメンタルの強さが……
石浪君はベンチでテーピングをしながら、「わざとじゃないですよ いくら足遅くてもそんな危険なことしません そうやって思われるくらいの鈍足だった自覚はありますよ」と自分で言っちゃってます。「え」「いやそんな」「思っ…たけど」「ごめんなっ」と崎玉っこたち。
試合は、ノーアウトランナー1塁で、バッターは6番の田中君。眼鏡の子ですね。
阿部はバントだろうと読み、高目のまっすぐを指示。これはファールになり、0−1に。2球目も同じ球で、やはり後ろに打ち上げてしまってファールに。3球目もバントの構えですが、阿部は3球もまっすぐを続ける訳にはいかないと、変化球を打たせ、バントは成功。1アウト2塁となります。
ここで、以下次号。崎玉の攻撃が続きます。
この後はあまり怖くない打順ですが、何が起こるかわかりません。でも、同点のままで防ぎきれれば、8回の裏の西浦は好打順なので期待したいですね。花井に回るよ!
2018年9月号
今月のひと言。文貴が活躍している!
2点返して3点差。1死1、3塁で水谷の打席です。
その前がヒット、その前がデッドボール、そのまた前がフォアボールですから、ピッチャーにはかなりプレッシャーがかかっています。
水谷は、「作戦は待ちだ でも気持ちは攻め!」と、なかなか気合の入ったいい表情です。
1球目、キャッチャー石浪君は内角低目を要求しますが、外に大きく外れます。そこで、石浪君は打者が手を出さないスクリューでストライクを取ろうとしますが、それもボールに。
立て直そうと、1球サードへ牽制球。次はカーブを真ん中へ入れようとしますが、またもやボールで3ボール。
ここで、モモカンから「打て」のサインが! 水谷は「オッケー 気持ちは切ってないすよー!」とうれしげ。
3ボールですので崎玉バッテリーにはストライクに投げるしか選択肢はなく、ストレートを投げますが、それがど真ん中に! 水谷が打った打球は、運よく内野と外野の間に落ち、ランナーは進めませんでしたが満塁になります。
石浪君は一旦大地君にピッチャーを交代することを提案しますが、市原君は続投を主張。そのココロは、「オレが出したランナー 大地にしょわせらんねェ」とのこと。先輩の意地ですね!
西浦はここで同点まで持って行きたいところ。バッターは8番に入っている阿部です。
1球目、阿部はバントの構えをして揺さぶりますが、外れたのでバットを引き、ボールに。阿部、「佐倉に替わる前にもらえるだけもらっとかなきゃな」と、また悪役みたいなことを考えております。
次も大きく外れて2ボール。阿部は、「今のキャッチングで後逸をイメージしたよな」と推測し、「スクリューはない ストレートに張ってカーブも対応する!」と打ち気満々です。
3球目はカーブ。阿部はタイミングを測って振り抜き、今度は田島は即座に走ってホームイン。2点差です!
打球はレフト前に落ちたようで、 水谷は三塁到達、栄口君はホームに帰って1点差に。阿部は「あと2点!」とガッツポーズをしていますが、これは逆転までってことですよね?
スタンドではお母さんたちが大盛り上がり! 「タカヤよく打ったああ」は、花井母でしょうか? 「今日はいいお肉たべさしたげるー!!」は阿部母ですね。
さて、まだ1死のままで、ランナーは2、3塁です。石浪君は、「次は9番ですからスクイズの可能性は高いと思います」と判断し、「でも スクイズでいいです!」と言い切ります。「アウトを取りますよ!」と、つまりは同点まではよしとして、アウト優先ってことですね。
そこで、バッターは9番ピッチャー三橋です。バッターボックスに入る時は「あーっす!」と元気ですし、構えている時も「勝ってARC」と前向きです。
1球目は思い切り振って空振り。石浪君は「打つ気か?」と疑い、「どちらにしろ今のスイングならよくてシングルだ 待たれると面倒だし簡単なボールでいく」と判断します。
ここで、モモカンがスクイズのサイン、かな? 「さあ次行ってみよう!」ってモノローグしてるし。
三橋は「オ オレはバントは うまいぞ!」と、モノローグでさえどもってますが、自信を持って臨みます。
しかし、ボールが大きく外れ、三橋はバットを出しますが、ファールに。
モモカンは内心ドキドキしていますが、「よしよし 当てられるね もっかいいくよ〜」と、続けてスクイズを指示。
三橋は「おおお おしかった! オレはバントうまい! 絶好調!」 ……これは、メンタルトレーニングをまんま実践しているのかな?
そして、「サードランナー!」と、気合を入れて3塁を見ますが……文貴は「わ〜い」と笑顔で手を振っています。ゆるっ!(前も、「にっこりはいらねーよ」とか言われていた気がする。あれは泉君にだったかな?)
3球目も外されたようですが、三橋は「できる!」とバットを出し、何とか当ててスクイズ成功! 三橋は1塁でアウトになりましたが、水谷がホームインして6点目。
同点となったところで、以下次号です。
これで2死になった訳ですが、たぶん、阿部は抜かりなく3塁に行っているだろうし、打順は1番に戻ります。つまり、いつも強気な泉センパイっすね! またやってくれそうな気がします!
2018年8月号
今月のひと言。……やっぱり西浦4番と5番の呪いが!
さて、我らがキャプテン、花井の打席です!
花井は外のストレート待ち。崎玉のキャッチャー石浪君は、デッドボールの後なので内角は避けて真ん中へ。これは変化してから真ん中に行ったみたいだから、スクリューなのかな? まだまだ未熟者で球種の区別はつきません……
次も同じ球、ということで、スクリューだったようですが、これは外れて1ボール1ストライクです。それにしても花井さん、見逃して「しまった」というのが顔に出ちゃってるよ〜
次は外のストレートで、一瞬花井は振りに出ようとしますが、留まって2ボールに。
キャッチャー石浪君は「楽に!」と声掛け。そして、カウントが有利なうちに打ちたいはずと読んで、ストライクから変化してボールになるスクリューで引っ掛けさせようとしますが、花井は気付いて踏み止まり、3ボールに。
……結果的にはいいんですが、ここまで花井は1度も振れていませんね。
5球目、ストレートが来てやっと振りに出ますが、バックネット直撃のファウル。これでフルカウントです。
ここで崎玉バッテリーは勝負を選択し、全力投球のストレートを投げて来ますが、花井はこれも見送ってボールに。これでフォアボールで出塁です。ベンチは「ナイセーン!」と喜んでいますが、花井自身は「選んでしまった」と渋い顔。ホントは打って出塁したかったんだもんね、4番としては。
これで、1死1、2塁のおいしいところで田島の打席ですよ! これはまた田島がヒーローになっちゃうのかなぁ〜とがっかりしていたんですが……
田島がモモカンからのサインで、「おし 任された!」と気合の入った顔をしている一方、花井はまた「なんのための4番なんだ モモカンの中の4番のイミと オレの思う4番が違うのか? まァ打てないんだからなんも言えんけど そして田島は打てるからもう」とぐるぐる考えちゃってます。
しかし。しかしですよ! スクリューが思ったよりも下に来ちゃったのか、田島が避けようとしてぴょんと飛んだところ、足先をボールがかすめてデットボール!
田島は不満そうですが、これで満塁と、西浦ベンチは沸き立ってます。
一方、崎玉は内野陣がマウンドに集合。いつも冷静な石浪君は、「こういうのもアレですけど 打たれるよりマシってイミでは4番5番を封じましたから 過程はおいといて現状見ましょう」と言い、「次の6番は2回にスクイズ決めてますが 次は大地に三振です」と指摘。スクイズはむしろ歓迎で、「1点と1死なら1死です とにかくアウトを取りましょう ムリなゲッツーもいりません 5点リードあるんですから1つずつ確実に行きます」と言い切ります。そして、「おし! ガッチリ行こーぜ!」と気合を入れる崎玉っ子たち。
一方モモカンの栄口君へのサインは、普通に打ってよしのようです。栄口君は「自分が生きること考えるぞ そうすりゃ点はついてくる」と男前! 自分は大地くんのストレートに三振しているから速い球が来ると読み、ピッチャーが投げた途端に「当たれ!」と振りに出たバットが見事にボールを捉え、定位置で守っていた内野を抜いた! しかも、芝に足を取られて外野からの返球が逸れ、3塁ランナーの巣山君だけでなく、2塁ランナーの花井も帰って3点目! これで3点差まで追いつきました!
ランナーはオールセーフですので、1死のまま3塁田島、1塁栄口君です。
崎玉は、ピッチャー市原君は「ダイジョブだ ダイジョブ まだ3点ある な?」と、自分に言い聞かせている感じ。石浪君は変わらず無表情で、「はい 次は安パイですし 2点取られましたがやることは一緒です スクイズされてもかまわないので 基本は打者を打ち取ることを考えましょう」と指示。
そして、”安パイ”と言われてしまったバッターは……アオリに、「フィジカル・普通、メンタル、ヘタレ。しかしやるときはやる、あなたの水谷の出番です!」と書かれちゃってる文貴ですよ!!
しかも、タイトル下の方のアオリでは、「主将のバットは湿ったまま。もう文貴に賭けるしか!」と書かれちゃってますよ! どっちもひでえ。
でも、確かにやるときはやってくれるのが文貴だもんね! 美丞戦では結構打ったし。期待してるぞ、文貴!
それにしても、やっぱり4番と5番の呪いは強固ですね……
主に花井にとって辛い展開が多かったですが、今度は田島までデッドボールとは……
その代わり、栄口君が何気に2打点の活躍だったので、うれしいっちゃうれしんですけどねー。
2018年7月号
今月のひと言。濃密な駆け引きが阿部さんの持ち味なので!
さて、コールドがかかった7回。1アウト、ランナー1、2塁で、4番の大地君の打席です。
気合が入っている大地君を見て、阿部は「ノリノリだ 牽制もできねェ ちっと考えさせてやる」と策士顔です。
と、最初のサインで三橋が首振り。もう1度首振り。大地君はおや?という顔。そして、1球1塁へ牽制球。
石浪君は冷静に、「リズム崩しにきてるだけだ こんなあからさまな手にのるなよ 大地」と思っていますが、大地君は素直なので、「首 振って 次も振って 三橋の持ち球はカーブとシュートとスライダーと…あとあの球でェ」と悩み出してしまいます。
そして、阿部のサインでまた三橋が首振り。大地君は「また首振った!」と混乱顔。で、1球目はストライク。これは……球種はよくわからないけど、ちょっと曲がってるかな?
ベンチからは「迷うな! 手ェ出せー!!」と檄が飛びますが、石浪君は「迷うなと言われるとかえって迷うことを意識させてしまう」と渋い顔。大地君は「ま 迷っちゃダメか」とかえって動揺した感じに。そしたらまた三橋が首を振るので、「なんで首振るんだ? オレには投げにくいからか?」と考え出してしまいます。そして、「このバッテリーがサイン決まらないことなんかなかったのに」と思った後、「−あっ」と気付きます。「ブラフだ 首 振るサインが−出てるんだ」とわかりますが、その間に2球目もストライクになってしまいます。
石浪君は表情は変えないままで、「追い込まれた 考えるな? ダメだ 言えばよけい意識しちまう こういう時は…」と考えていますが、彼が何か言う前にベンチから、「バッター手ェ出せよ! オレたち考えたってムダだぞ 来た球打てー!」と声が飛びます。大地君は「そう か? ムダか?」と、やっぱりまだ動揺気味。石浪君は「うまいぞスギ いい言い回しだ」と評価してますが……
阿部は「ムダじゃねェぞ 考えろ」って……鬼畜か、あんたは!?
3球目はボール。三橋は「うっと」としまった顔をしてしまいますが、阿部は「1ボール2ストライクだ ボールでオッケー」と冷静です。
大地君は「クイック? 今のタイミングで投げてくるなら早めに対応しないと」と、また少し考えてしまいます。
阿部はそんな大地君を横目で見つつ、「この打席 1回もスイングしてない 効いてるそ もっと考える時間をやる」って……やっぱり鬼畜だわ、阿部さん……
三橋はまた首振り。サインでの首振りだとわかっているはずですが、大地君は「スライダー シュート ストレートときたから きてない球はカーブと… おっと もう投げちゃうぞ!」と、まんまと考えさせられてしまいます。
またベンチから「来た球 打ちゃいいだけー!」と声が飛び、三橋が投球フォームに入った途端に大地君はスイングに入ります。バットに当たった位置はよくなかったようで、阿部は「よし ひっかけ−…」と思いかけますが、大地君はそれを振り抜いて飛ばします。
長打コースかと思いきや、沖君が首尾範囲でノーバンで捕球し、1塁バッターはベースを離れてしまっていたので、ベースにタッチしてランナーもアウト。これで2アウトと3アウトを一気に取り、無失点でチェンジとなりました!
阿部が「沖! サンキュー!」と、珍しく素直な言葉を! そして、栄口君が「ナイキャー!」と声を掛け、たぶん田島が「スゲー! かっこよかった!」と声を掛け、沖君うれしそう。彼がヒーローになれる場面って、今まであんまりなかったもんね!
そして、三橋も「沖君っ ありっ ありっ ありがとうっっ」とお礼を言い、沖君照れちゃってました。
崎玉のみんなはコールドが出来なくて残念そうですが、大地君は「残念〜〜っ」と思いつつも、「でもこれが勝負だ 勝ったり負けたり おもしろい!」と目をキラキラさせちゃってます。この子のメンタルを折るのはいくら阿部さんでも無理だわ……
次は西浦の攻撃。花井キャプが、「最低でも6点取るには1回2点だ! 取れない点じゃないはずだぞ!」とみんなに檄を飛ばします。そして沖君に「たのむぞ沖! 今日はお前がラッキーボーイになれ!」と声を掛けます。
一方、崎玉バッテリーは冷静。ピッチャー市原君の肘の調子を確認し、「それじゃ7回でコールドできなかったことですし」「おう ギアあげてく」とのやり取り。西浦に点はやらないってことですかね?
沖君への1球目は、たぶんストレートだと思うのですが、前よりも速さが増しているようです。これがギアを上げるってことですかね?
速い球が来ると身構えている沖君に対し、次はカーブでタイミングを外し、2ストライクと追い込んでしまいます。次のストレートを打とうとしますが、空振ってしまってアウトです。
次のバッターの巣山君に、沖君はストレートが速くなり、コントロールも利いていることを伝えます。
巣山君に対しては、石浪君は狙い球がストレートなのかどうか確かめようと、カーブを投げさせ、その避け方から外角のストレート狙いだと見抜きます。阿部と同様、石浪君も分析好きですね!
次の球は、1球見せておこうと内角へのストレートを投げますが、これがデッドボールになってしまい、巣山君は1塁へ。
ピッチャーの市原君が帽子を取って頭を下げ、ファーストのキャプテンも帽子を取って「スンマセン」と謝ってます。「だいじょうぶっす」と答える巣山君。彼はさわやかスポーツマンだねぇ。
石浪君はマウンドへ行ってピッチャーに声掛け。「大丈夫です 4番は今日は内野ゴロと三振ですから タイミングで打ち取れます 球速維持してください」って……よくよく考えたら、これって花井に対する評じゃん! 失礼だな!
そんなところで、我らがキャプテン、今日は4番の花井梓の打席ですよ! 「1回に2点だ 材料は揃ってる!」と意気込んでいますが……イマイチ、メンタルの弱い花井キャプのことだから心配……
アオリには、「4番の仕事を期待しちゃうぜ!」とか書かれてるしなぁ。こういう時の花井さんって、今までは田島に活躍を持っていかれるフラグ……
いや、今度こそ、西浦の4番と5番に連打なしの呪いを断ち切ってくれるはずだ! 信じてるぜ、キャプテン!
2018年6月号
今月のひと言。西浦大ピンチ!
6回裏の西浦の攻撃。三橋が三振に倒れ、2死ランナーなしの状態で、次は1番の泉君です。
その間、西浦のベンチでは、「なっ なんて声かえりゃいい!?」と焦る栄口君に、モモカンが「田島君以外は まずスクリューは捨てること!」と言い切ります。そして、狙い球はストレートに絞るように指示。
「6点以上取れなきゃ意味はない! 全員で打ってくよ!」とモモカンが檄を飛ばし、みんなが「はい!」と声をそろえます。
そして、タイムを取って栄口君が泉君にモモカンの指示を伝えます。泉君は「外のストレートベルト高狙いってふつーに正攻法な気がすっけど 石浪がどんだけスゲー捕手でもこっちが何もしかけてねーならカンケーねーよな」と、打席に臨みます。
1球目はストライク。これは曲がったのでカーブですかね?
キャッチャー石浪君は、この球の見送り方で泉君が外の球狙いなのを見抜き、次の内のストレートの見送り方で外狙い確定と判断し、次は外のスクリューで空振りをさせます。泉君は次もスクリューが来るヤマを張りますが、ストレートが来て空振り。これでスリーアウト、無得点のままチェンジとなってしまいます。
7回は因縁のコールドがかかった回です。「7回打順いーすよ! こりゃいけますよ!」「そっすよ! 行けます!」と盛り上がる崎玉ナイン。石浪君も「行けますよ 完璧リベンジです」と断言。そして、「この回で終わらすぞ!!」「おおっ」と気合を入れます。
阿部はそれを見て、「崎玉は最初っから7回コールドを考えてたんだな」と、マウンドで三橋に話し掛けます。「気おくれすんなよ インネンあったってカンケーねェからな」と言いますが、三橋は「う ん しないっ ……けど」と暗い顔。阿部は「5点差はでけーよな」と言って、更に三橋を青ざめさせますが、「でもARCとやりてェよ 勝ちたい理由なんかそれで充分だ」と男前発言。4、5番の前にランナーを出させない方針で7回のピッチングに臨みます。
7回表、崎玉の攻撃は、1番サード杉田君から。最初の1球、セーフティバントを読んで打ち上げさせ、ピッチャーフライで1アウトに。これはまっすぐを使ったのかな?
2番はセンター上村君。何と連続セーフティで、1塁セーフ。ランナー1塁です。
次のキャプテン沢君に向けて、大地君がネクストバッターズサークルから「打っちゃって下さい! リベンジだー!!」と声を張り上げます。
沢君は夏のコールド負けのことを思い出し、「完璧リベンジ あと2点!」と気合を入れ直します。
阿部は「あと2点ほしーならバントはねェよな」と冷静にサインを送り、1球目は低目の球でストライク。これはちょっと曲がったけど……球種はわかりません! 次はカーブを低目に。内にギリギリ入るところを狙いますが、沢君はのけぞりながらも「ゆるい! いける!」と振りに出て、思い切り振り抜いた打球が内野を越え、ヒットに。これで1死1、2塁で、4番の大地君に打順が回ってしまいました。
大地君は「これなら勝負してもらえる!」と目をぎらつかせて打席へ向かいます。
と言うところで以下次号!
これはまずいですね…… 下のアオリも、「崎玉ターンはまだ続く! もういっそ打て!」とかなっちゃってますし。
しかし、大地君との再戦については阿部も作戦を練ってると思うので、このまま打ち込まれて終わりにはならないと思うのですが……大地君の次は石浪君だしなぁ。次回、コールド負けもありかもしれないですね。オオフリは奇跡がおきないリアル野球漫画だからなぁ。
しかし、そうすっと西浦の4番、5番の活躍の場がなくなってしまいますので、7回表は2点取られても裏で取り返してコールド阻止に1票入れたいと思います。
2018年5月号
今月のひと言。キャッチャーってすごい……
6回の崎玉の攻撃はまだ続いています。7番の市原君が打席へ。「ライト」とアナウンスされていますが、本来は崎玉のエースが彼です。
夏大のリベンジに満を持して臨む彼は、「5点差じゃ足んねんだよ カンペキにリベンジすんなら あと2点!」と気合を入れます。つまり、今回は崎玉がコールド勝ちを狙っているってことですね!
阿部さんは「下位は出させねー」と、アウトコースを2球続けます。いわく、「コースで待ってんのがみえみえ」だそうです。で、市原君は2球目のストレートを続けて来ると予想して、3球目のシュートを空ぶってしまいました。(シュートはストレートと区別がしにくいんでしたっけ?) これで2アウトです。
8番の原田君にもシュートから入り、打ち損じをさせて1球でアウト。これで3アウト、チェンジです。
6回の西浦の攻撃を前にして、応援席の母たちの様子が。”夏と逆”ではあるけれど、夏の崎玉は完封コールドだったのに対して西浦は塁に出ているし点も取っていると明るい材料を見い出そうとしますが、三橋母の「1点だけどねー」に渋い顔。
攻撃に入る前に、モモカンも阿部も7回コールドがあり得ると予想しつつも、阿部さんは「だけどそーなったらどーしよーなんて考えてもムダなこと……」と冷静です。
その時、崎玉が再び市原君をピッチャーに戻します。田島が、「カンペキにおさえたのになんで?」と疑問に思いますが、その理由は間もなく明らかに。
キャッチャーは石浪君がそのままなのを見て、阿部が「篠岡! 市原石浪のバッテリー今日がはじめてだろ!?」と確認。千代ちゃんはすかさず、「はい! 石浪君は初マスクだから!」と答えます。相変わらずカンペキな情報把握。
それを受けて、田島が「まだなんかあんのかどうか」とニヤリとし、花井が「まだって?」と問うと、田島は「佐倉のピッチャー 石浪のキャッチャー そいから石浪の外打ちバッティング 多分 崎玉はこの試合まで封印してきてたと思う」と指摘します。
崎玉が自分たちに焦点を合わせてきたと知り、「夏大でウラミかってっからなァ」と暗くなってしまう西浦っこたちですが、田島は「そんなふうに言ったら崎玉にわりーよ!」と言い切ります。そして、「朝 佐倉と話したけど楽しそうだったよ なっ」と三橋に話をふります。三橋は挙動不審になりつつも記憶を辿り、「あっ うん! ニコニコだった!」と言います。
ちょっとほっとする西浦っこたちですが、阿部は「喜んでる場合じゃねーぞ」と指摘し、花井も「おお」と応じ、「市原さんに戻ったことだし 打ってこーぜ! 出ろよ先頭!」と声かけ。
で、先頭バッターは阿部な訳ですが……初球からスクリューがきて、アウトだったのに振ってしまって1ストライク。そして、阿部はサイン交換が速いことを確認します。次はアウトコースのストレートで、枠内に入って2ストライク。阿部は「追い込んでて次内はないだろ」と予想し、「ストレート狙いだと思われてんだろうから決め球はスクリューだ!」と構えますが、インコースのストレートで予想を外され、打ち損じて1アウト。応援席の母から「打たされてっ もうっ」と怒られてしまいます。野球に詳し過ぎる母はきついね。
ベンチに戻った阿部は、「石浪! 佐倉よりよっぽど本職だぞ!」と報告。ここから、阿部さんの怒涛の解説です。1球目の内角へのスクリューを空振ったので内角ストレート狙いがバレ、2球目は見てくるだろうと踏んで外角、ベルト高のストレートで、3球目は阿部が外角にスクリューだと予想し、スクリューは真ん中より外にくればボールになるから見逃すつもりだったけど、内角にストレートが来て、スクリューでもストライクになるコースだから振りに出たら、ストレートだったのでゴロになってしまったと……
阿部さんならではの細かさですが、花井は「それは… お前の考えスギとかではなく あの3球の間にそんなカケヒキやってんのか?」と焦り顔の花井キャプ。阿部はあっさりと「やってるよ」と言い切り、「しかも今までより全然テンポが早い」と指摘。トドメに田島が「そいじゃこれが 崎玉の正規のバッテリーなんだ」と指摘し、「いまさらかよ〜っ」と声を上げる西浦っこたち。
気弱な沖君が「どっどどーすりゃいい? ヤマはってくしかない?」とどもってしまいますが、阿部は通常運転で、「ヤマはってもカケヒキはあるぞ 構え方 見逃し方 空振りの仕方でも 何にヤマはってるかはバレる」と答えてますが……たった今、それでヤマがバレて空振ったところですよね、阿部さん!
でも、いつでもえらそうなのが阿部さんなので、「石浪がどのレベルまでやれんのかわかんねーけど ヤマはってるだけで打席立ってんじゃ このバッテリーから6点なんかぜってー取れねェぞ」と言っちゃいます。
これまで、阿部さんのクレバーな駆け引きによって、上位チームでも打線を機能させずに勝ってきたですが、正規の捕手がいればそういったことをやってくるチームが他にも出て来るのが高校野球ってことですね。ましてや、崎玉は西浦に焦点を絞っていて、データも集めて研究してきているはず。
しかし、阿部さんのような計算をいきなりみんなができるようにはなれないので、ここはデータを超える成長の成果を見せるしかないですね。
そんな訳で、がんばれ、4番5番!
それにつけも、キャッチャーで相当頭がよくないとできないポジションですねぇ。ここまでキャッチャーがすごいってことをマンガで示したのはオオフリが初めてじゃないかと思うけど。
何か、将棋や囲碁やチェスをやったらつよくなりそうですよね。
2018年4月号
今月のひと言。最悪の予想が当たってしまった!
6回の崎玉の攻撃。ノーアウト1、2塁で、何だか貫禄のある5番、石浪君の打席です。(登場の効果音が「ヌッ」って……)
しかし、阿部さんってば「崎玉は夏うちが佐倉を敬遠したこと根に持ってる 出れなかった石浪はなおさら 今の敬遠は頭くるだろ」って……読みが甘いよ!
阿部は石浪君が好きだと思われる内の球を使って打たせる作戦。三橋は「ここで打たれたられ4点差になるかも…」と心配しますが、「打たれること考えたらダメだ プラス!」と思い直し、内へ”まっすぐ”を投げます。
石浪君は、これを打ち上げてファウルになります。でも彼は、”まっすぐ”よりも、これまで内角しか打ってないのにまず内から入ってくるのはどういう考えなのかと考えだします。この冷静さが恐いですね。
阿部は次は外を打たせようと、外のボール球を要求。これもファウルになります。
追い込まれたカウントになりますが、ここで崎玉ベンチから声が。「夏の分打ってくれ! たのむー!!」との声に、石浪君は表情は冷静なままでバットを強く握り、気合を入れます。
阿部はそれを見たのか、「気負い充分だ 一気に行くか」と、遊び球なしで勝負に出ます。外のスライダーで、ボールからストライクに入って来る球で見逃し三振を狙うようです。
三橋は「だいじょぶ 外からストライク!」とうなずき、「ギリギリ狙う カウントは 余裕!」と投球に入ります。
石浪君は、最初は外のボール球と判断しますが、途中で見逃しを狙っていると気づき、振り抜いてホームラン! ランナー2人ですから、スリーランホームランですよ! ヤバイです!
盛り上がる崎玉ベンチ、応援席。その中でも、やっぱり冷静な表情でベースを回る石浪君。ここで、サードの田島が「すごいな! よくあんな飛ばせんね!」と声を掛けるのですが、それに対しても「どーも」と冷静な返し。その横で赤面している元主将のタイさんがうれしそう!
三橋はショックですよ…… いいコースに投げられたのに、この試合2本目のホームラン。高校に入ってからは、1試合に2本のホームランは初めてなのでは?
阿部も、「完っ璧にやられた」と呆然。でも、捕手らしく思考を巡らせるのが阿部。石浪君がずっと内を狙って打って来たのに、今は外の球をホームランしたことに対して、「1試合分しかビデオはないけど 石浪は全部の打席で内を狙ってってた 今日だってそうだ これが予選の全打席でそうだったとしたら…」
田島も、さっきの軽い態度とは一変して、厳しい表情。「記録みると石浪はこの大会予選ではシングルしか打ってない ビデオじゃ腕たたんでコンパクトに振ってたのに 今の打席はこれまでとは全然違ったバッティングだったぞ」と分析。「インパクトの瞬間 前の腕のヒジが張ってる これぞ長距離打者って打ち方だった あれができるなら外が苦手なはずがない それなのに今まで内しか打たずにいた 佐倉にしたって今日がはじめての登板だろ なんで今まで投げなかったのか」で、たぶん、田島と阿部は同じ結論に辿りついたと思われます。
阿部は、「うちとやるまで隠してたんだ 崎玉の本気度なめてたぞ!」と、やっと自分の甘さに気付いたようです。
しかし、ここですぐに立て直すのが阿部さんの捕手たる所以。次の打者に対しては即座に判断して、内角低めを打たせて詰まらせ、サードの田島が取ってファーストの沖君に投げ、簡単にアウトを取ります。
「ナイサード! ナイファースト!」と、律儀に声出しする三橋に、「廉! 自信もって投げろ!」と声掛けする田島が超男前。……おい、阿部さん、本来ならこれはお前の役目じゃないかい?
てなとことで以下次号なんですが……まだ1アウトなんですよ! これ以上点は取られないように阿部さんが頑張るでしょうけど……
西浦が6回裏で点を取れるかどうかが問題ですね。
さて、作者近況で、ひぐち先生がオオフリの舞台を観に行かれたことを書いていらっしゃいます。そこで改めて新鮮な気持ちでキャラクターを観る機会となったようで、「古女房のよう」になっていたキャラクターたちへの感覚が、「クラスの中で好きな人をただ眺めているくらいの時点」まで戻ったそうです! これは朗報ですね!
オオフリの魅力は、野球の展開のリアルさ、ち密さにもあると思いますが、キャラクターの高校生たちが感情豊かでキラキラしていることにもあったと思うんですよ。阿部さんの「それが捕手か!!!」とか、花井の「オレは田島と競うぞ!」とか。
最近、西浦もチームとして馴染んだからか、そういうエピソードが出て来ないのが物足りなくは感じていたんですよね。さらにこの試合では、現時点ではドラマは相手チームの方にあるし。今回のホームランの後も、序盤の頃の阿部さんならマウンドに行って三橋に声かけていたと思うんですよね。まあ、この程度で三橋は崩れないと思えるようになったら、それはそれでいいことではあるんですが……
でも、ひぐち先生の感覚も新鮮になったことだし、試合も追い込まれているし、これからぐっとくる感情表現が増えることに期待したいと思います。
後、ひぐち先生ってば、「自分ではそんなにかっこいいと思って描いてないんですが、阿部ってかっこいいキャラクターなんだなあと思われました……」って、阿部さんはかっこいいですよ!! 滅茶苦茶かっこいいですよ! 人間的にダメなところ(人の気持ちに鈍感、デリカシーなし、自己評価高過ぎ←ただし、野球に限る)を補ってあまりあるかっこよさがありますよ! いろいろ阿部さんに対して文句は言いますが、オオフリで2番めに好きなキャラクターです。不動の1番は花井キャプですが。
2018年2月号
今月のひと言。栄口君に期待だと思ったんだけど……
5回裏、西浦の攻撃。トップバッターの5番田島が凡退し、今回は6番という”裏の2番”の配置となった栄口君の打席に。
期待してたんですが……三振。これはマズいね。
7番の水谷君は3球続けてボールで見送って、次の球もボールで、四球で1塁へ。
8番は阿部さんですが……1球目は1塁への牽制。2球目も牽制。それから1球ストレートでズバッと速球が来て、また牽制をされて水谷君の戻りが間に合わず、タッチアウト。これでスリーアウト、チェンジとなってしまいました。
どうやら最初の2球の牽制よりも、3度目の牽制が速かったようですね。それを見ていたのは観客席のハマちゃん。今日は応援団はいないようですね。ハマちゃん私服だし。
で、ハマちゃんによると、崎玉は予選では大地君に1回も投げさせておらず、西浦用に温存していたようです。それだけ、西浦へのリベンジに燃えているっていうことですかね。
さて、5回が終わったのでグラウンド整備です。両校の選手が一斉に行ないます。
崎玉の2年生の沢村君は、整備をしながら、6回が8番からになったので、6、7回と3者凡退にできれば4番と5番を分断できて、この試合の勝ちが見えると分析。でも、「……んだけど そんなうまくは行かねェだろうなァ」と思っています。うん。4、5番の分断は今更だし、8番は阿部さんですからね。何かやってくれるはずですよ。
大地君は、「うえーい なんかバッチリじゃないスかーあ!」と上機嫌。でも、沢村先輩が元気がないのを見て、「なんかマズイことでも? オレなんかやりました!?」と、一転してネガティブ発言。この子って、基本明るいけど、浮き沈みが激しいよね。で、「お前 今投げてんだからベンチにいていんだぞ」と言われ、慌ててベンチに戻っていきました。
そして、沢村君の回想。4市大会の組み合わせ抽選で、西浦がARCとの対戦を意識している一方、崎玉は決勝リーグにいけば西浦と戦えると考えたそうです。「はっきりした相手」への対策を「短い期間」で集中して考え、西浦に負けた時の「あの悔しさ」をばねに、「夏大の熱気」を持ったまま練習できたとのこと。
「…うまく行きすぎてなんか落し穴ありそうなんだけど…」と思いつつ、「いやいや!」と思い直し、「打つ!」と気合を入れて打席に向かう沢村君です。
6回表の崎玉の攻撃、3番の沢村君から。初球は読みが外れてファウル。
阿部は思い切りのいいスイングを見て、「これで内へ投げたら思うつぼだろ」と外の球を選択しますが、沢村君は「打ち損じてんだ もう1球外!」と読み、合わせてきます。でも、阿部がボール球を要求していたのでまた打ち損じそうになりますが、そこを「負けんな腕!」と振り抜いて、レフト方向に打球を飛ばします。結果、二塁打となり、ノーアウト2塁という絶好の追加点のチャンスに。西浦は大ピンチです。
次は4番の大地君ですが、モモカンは敬遠を指示。観客席からは「また敬遠か!」と怒りの声が飛びますが、大地君は「オレは西浦の投手に完全に勝ったんだ でも野球はチームプレー オレだけが勝ってもチームの勝ちじゃない」と冷静です。
そして、5番の石浪君に「打てよ!」と言ってバットを渡します。それを静かな表情で「おお」と言って受け取る石浪君……というところで以下次号!
うわ〜……これは、次回も西浦失点の予感!
阿部は「石浪ならゲッツー取りやすい」とか思ってますけど、甘いよ! 石浪君は実は足が速いのを隠してたらどーすんの? と言うか、走らなくても済むくらい大きいのを飛ばされるかもしれませんしね……
しかし、「落し穴」という伏線が引かれたので、6回裏に西浦の巻き返しがあることを期待したいと思います。何といっても6回のトップバッターは阿部さんで、9番の三橋が駄目でも、次は1番の泉君に回りますからね。何かが起きますよ!
2018年1月号
今月のひと言。やっぱり4番と5番の呪いが……
4回裏、1アウト。打者は4番の花井。
2球目のストレートがボールになり、カウントは1−1。
次もストライクで追い込まれてしまいました。
花井は「でも リリーフ投手に対する1人目なんだ 見てくのも役割のうち…」とモモカンの方を見ますが、ギラッとにらまれて「迷ったらダメだ! ストレートきても対応できるよう準備してなきゃだった!」と思い直します。
ここからは右打ち、ということですが、ランナーを生かすために、ということですかね? この辺のことは、野球経験がないのでよくわからないです。
4球目は、初めて打ってファール。回転が少ないのか、重い球のようです。
花井は「変化球あんのかな それが決め球なら次こと来そうな気がすんだけど 球種もわかんねェ球を待つのは分が悪い」と、ストレートに絞ることを選択。ですが、5球目はボール。
打つならここと意気込みますが、6球目もボールでフルカウントに。
しかし、ここでまさかの牽制で、ランナーで出ていた沖君がアウトになってしまいます。
ケンセイ大好き大地くんの得意技がこんなところで……
栄口君も巣山君も沖君を励ましてますが、田島は一人「いいぞォ そうこなくちゃ!」とうれしそう…… あんたってヤツは〜
元キャプテンのタイさんがうれしそうなのにはほのぼのしたんですけどね。
これでツーアウトとなってしまい、しかもフルカウントをプレッシャーがかかってしまった花井キャプ。次の球は思い切りのいいストレートが外ギリギリに入り、3ストライク。バッターアウトとなってしましました。
阿部様は、「最後の1球 コントロールはまぐれだろ なんだかんだで0に抑えたけど どうして市原と替わったのかわかんねェデキだったぞ」と辛口評価です。
でも、三橋に「佐倉 君 ケンセイ うまい よね」。、「1歩で 投げた 二塁に」と言われ、「佐倉のスキルが投球より牽制ってこともあんのか?」と思い直しますが、それだけのはずないよね……
5回の崎玉の攻撃は、9番古沢君が三振、1番杉田君がショートゴロ、2番の上村君がショートフライで三者凡退に終わります。
花井キャプは5回のトップバッターである田島に、「スピードのわりに回転がないかんじしたぞ 伸びのない球で打っても飛ばない 感触としては重かった!」と情報を伝えます。
石浪君は「なげか5番に入っちゃいるが 田島がこのチームで一番警戒する打者だ」と評価。とは言え、「ごまかす程の技もなし 思い切り投げてこい!」と構えます。
1球目はボール。2球目はストライクに入っていたようですが、田島がファールで後ろに飛ばしてしまい、審判のヘルメットに当たってしまいました。審判の立ち位置って怖いね……
3球目もファール。これは前に飛びましたが、横のスタンドに入ります。
田島は「なるほど 飛ばしにくい球かも でもストレートしかないなら 踏み込んで打てば内野は越せる」と考えます。
バッテリーも次が勝負どころと考え、まさかの変化球! 球種はわかりませんが、落ちる球です。
田島はバットを止めようとしますが、スイングを取られてしまい、バッターアウトとなってしまいました。
珍しく、野球で田島の驚いた顔を見られて留飲が下がったんですが……ここで田島がアウトになったのは痛いですね。
でも、6番は栄口君じゃないですか! 「次回、西浦の攻撃は下位打線へ ピンチは続く!」とあおってますが、6番はクリーンナップのうちですからね。しかも、バントじゃない時の栄口くんも結構やるんですよ!
7番は水谷くんですが、彼もなかなかミラクルを起こしてくれる子ですし、その次は阿部様ですよ。ピンチじゃないって! そもそも、攻撃中に”ピンチ”って変ですしね。
今月はここまでです。とりあえず、まずは栄口君に期待だ!