2014年12月号
今月のひと言。こんなところで次号休載とは!
スコアは4対4の同点、回は6回表、千朶の攻撃でランナー一、二塁、未だ無死……
かなり大変な状況です。
阿部は「とにかくアウト取んねーと」と、内野に行ったらゲッツー、外野に行ったらバックの指示。
栄口くんが三橋に「打たしていーぞ!」と声を掛けます。(でもこの後……)
打者は6番。下位の選手にはこれまで出塁させていなかったのですが、1球目はカーブでボール、2球目は”まっすぐ”をファール。これで阿部は千朶が”まっすぐ”をファールするのを狙ってきていると確信。”まっすぐ”を捨ててくれなくなったことで、投球の幅が狭められてしまうことになります。3球目はスライダーでまたファール、4球目でレフトフライで打ち取るのですが、二塁ランナーがタッチアップで走り出し、三塁に到達してしまいます。普通はレフトフライ二塁ランナーがタッチアップすることはないそうですが、それを自分で判断して、間に合うと思ったら走るというのが”強豪”ならではという感じです。
しかし、これでワンナウトは取れました。
次の7、8、9番はヒットが出ていないので、一塁ランナーが走ると予想してけん制を投げる三橋。阿部は「ちょっと転がったら三走つっこんできそうだ」と警戒し、「打者はぜってーアウトにしたいし 点もやりたくない」と考え、一塁ランナーの単独スチールがないか反応を見ようと、”まっすぐ”でファールさせることを狙います。ですが、7番長谷川君もストレート系の球が来るはずと予想しており、1球目は見送り。阿部は犠牲フライで1点入ることを警戒し、変化球でのゲッツーを狙います。
長谷川君は読みが外れて打ち損じるのですが、打球がちょうど一塁ランナーと交錯するところに飛んでしまい、栄口くんが捕球できず、三塁ランナーがホームイン。5点目が入って逆転されてしまいます!
「わるい! ごめん三橋!」とあやまる栄口くんに、挙動不審に首を横に振る三橋……
その時、阿部がマウンドに走って来るんですが、三橋の第一声は「う 打たれて ない」でした。ホント、打たれるのが嫌いだよね、三橋……(まあ、打たれてないからオレは大丈夫だよって言いたかったのかな?)
阿部は「ああ そうだよ」と応じつつも、「だけど2点入っただろ それも お前のコントロールどうこうはあんま関係ない形でだ よーするに野球がうめえよ あいつら すごく」 つまり、それが”強豪”ってことなんですかねぇ。
無言になる三橋に、阿部は「勝ちをあきらめろってんじゃなくて… どー言ったらいーかな うん 負けを気にしすぎるな できることをちゃんとやろう」
これ、すごくいいこと言ってると思うんですが、三橋は「う うん オレあきらめない けど 気にしないで ちゃ ちゃんとする! わかった!」と答えて、阿部は「オウム返しだけどまあいいか」……なんか、意思の疎通があんまり進歩してない感じ? かなり話し合えるようにはなってる気がしてたんですけどねぇ。
でも一応、三橋は「今 できること ちゃんとやる!」と、とりあえず余計な緊張はしていない感じです。
次の8番バッターは、キャッチャーの谷嶋君。守備位置をきちっと見る子のようです。さすがキャッチャーだね!
阿部は”まっすぐ”を打ち上げずにファールでカットされるなら、”まっすぐ”でカウントを整えて変化球で勝負しようと考えますが、守備位置からいろいろ読んでいる谷嶋君は、ストレートは”もう打たない”と思われているのではないかと見抜きます。まず、1球目は”まっすぐ”がストライクに入りますが、これで”まっすぐ”が5球目になってしまうので慣れてくるのを警戒し、次はスライダーでボール。ここ、ちょっとおもしろいんですが、谷嶋君はキャッチャーならではで、並行カウントの次にボール球投げたい投手はいないと考えるんですが、阿部は三橋のコントロールがいつもより悪いとしても、4分割は狙えるならカウントをいっぱいに使おうと考え、次もボール球を指示します。しかも、ナックルカーブを空ぶらせ、カウントが2ストライクになります。
そして、2ストライクなら次にストライクゾーンに入っている球は打たない訳にはいかないので、阿部はボール球から変化してストライクに入るシュートのサインを出しますが、三橋は「で きない と思う」と首振り。振りながら、「リードに反対じゃない んだ よ」と思ってますが、阿部は特に動じた様子もなく、「ムリだよな」と受け止めて、「なら シュートを外へ投げて引っかけさせる」と次のサインを出します。
いやー、普通に首振りできるようになったのね、西浦バッテリー。ちょっとうれしいですね。
三橋はまだちょっと不安なようで、「あ 阿部君 わかったよね」と気にしつつ、「いつもなら 阿部君のしたいように できるのに 早く どうにかしたい!」と、ちょっとかわいいことを考えてますよ。
で、引っかけさせたかったシュートを谷嶋君に見送られてしまい、再び並行カウントに。2−2です。
谷嶋君はやっぱりキャッチャーならではの反応なのか、「普通この場合 四死球は一番避けたいもんだろ どんだけコントロール信用してんだよ」と、わかってるね!と言いたくなるモノローグをしてくれました。
阿部は、ゲッツーはあきらめてアウトを1つずつ取って行こうと、”まっすぐ”を打たせる作戦を取ります。でも、谷嶋君も「わざとボール球を内角に入れたんだ 次は外に打たせる球が来る すなわち ストレートだ」と読んじゃってますよ!
三橋は「できることを ちゃんとやる」と自分に言い聞かせて速い”まっすぐ”を投げますが、谷嶋君にフェアギリギリの打たれてしまい、ランナー二人が一気に還っていてきてしまいました。これで7対4、3点差です。しかも、まだアウトは1つ……
どうなるんだ!?というところで以下次号の上、次号は単行本準備のために休載ですって。
毎度のこととは言え、ちょっとジレジレしますねぇ。
この試合、田島が実力を発揮できていないんで、攻撃の方でもう1ドラマあるんではないかと予想しています。
だから、まだ勝負は決まっていないと思う! ガンバレ、西浦!
2014年11月号
今月のひと言。とってもアベミハでしたね!
三橋の「なんとかなる す……する!」を、阿部がフォローしてくれました。
「もうちょっとちゃんと教えろよ いや自分でもよくわかんねーのかもしんねーけど」と、ちゃんと追及し、「オレらの見てねーとこでフォーム改造して 今 崩れかけてて… それを一人で”なんとかする”っつーのはさあ!」と、よくよく見ると三橋への愛あふれる言葉が…… 相談してほしいってことですよね! 自分を頼ってほしいってことですよね、阿部!?
それに対して三橋の返しが、「………… 阿部君 な な な な な 泣いてる ?」……と、ちょっとひどくない?
阿部もさすがに「誰がだてめえは人のはなし聞いてんのかオラッ」と雷ですよ。かわいいなぁ。
でも、「……ど したら いーんだ オレが だってさ」ってうつむいてる三橋もとってもかわいかったですね。
そして、阿部の更に愛あふれる発言が。「言い方とか 手加減できねーけどさァ オレはお前を嫌わねェ それはわかれよ」
アベミハーっ!
それで、三橋は話し出そうとするんですが、「…コ ントロール が」と言ってから、「…」が20個分以上の沈黙。
再び阿部が、「時間がねェだろ!!!」と雷。これは仕方がない、と思う。
でも、それで恐怖が振り切れたのか、三橋は真っ青になりながらもスラスラしゃべり始めます。要約すると、コントロールがつきにくいのは”まっすぐ”で、変化球は4分割くらいのコントロールはつくとのこと。
阿部は、ちょっとほっとした顔で、「普通に考えりゃ4分割はコントロールのいい投手だぞ で まっすぐは?」と聞きまして、三橋は「………に…」と、むかつく笑顔で笑ったかと思いきや、「…2!? 内外!?」と驚く阿部。でも、4より悪いっていったら2しかないよね? 3分割って半端だもんね。
「お前それでよく”なんとかする”とか言ったな!」と、阿部はあきれ顔。
でも、その次がね! 「でも 伸び伸びやれっか」「へ」「だってお前 コースのリードが内外だけとかありえなかったじゃん」と……阿部が笑った! しかも悪人笑いじゃない、かわいい笑い方だと!?
その次のページの阿部がめっさ男前! 「なんかあったらすぐ呼べ 何回だってマウンド行ってやる」 かっけーっ!
三橋は、「ありがとう 阿部君」「おう」「あ ありがとう 阿部君」(阿部、ちょい困り顔)「ありがとう! 阿部君…」「わかった 充分伝わった!」
ア、アベミハーっ! 萌え!
で、とってもアベミハな西浦バッテリーのターンの後は、千朶のターン。
監督から下位打者が打てていないことを指摘し、対策を教えてやれと選手の一人に指示。この辺、誰が誰とかよくわからないので、ポイントだけ。
ストレートは捨てる、落ちる球は見送ればほとんとボールなので振らない、変化球を打つべきだけど山を外すと崩される、ストレートはバッテリーが大事にしている球なので、カットする、といったところでしょうか。
そして、「いっきに行こうぜ!」という監督の檄。嫌な予感がしますね〜
そして、今度はグラ整から戻って来た西浦っこたち。
花井が「うし!」と気合を入れて、前の回にトリプルプレイを決められてしまった田島に声掛け。「お前の責任じゃねーよ オレのふがいないバッティングがあってのことで…… むしろお前はちゃんと仕事したんだ」
それに対する田島の答えは、「わーってるよ」。目も合わさずに!
気まずそうな花井の横で、「田島!」と泉くんが声を掛け、「スパイクヒモ結んでけ!」 ……これは、確か前に、田島が緊張をほぐす対策でやるって言ってたことですよね? 「おー!」と応じる田島の顔が、珍しく無理目な笑顔…… でも、「3回はありがとな!」「おー!」というやり取りを聞くと、何とか大丈夫そう?(3回って何だっけ?と感想を読み返してみたら、田島がスパイクヒモ結び直していた時に、三橋と泉が「サードランナー!」って声掛けしたことですね。9組の厚い友情がかわいかった!)
「なんの話よ…」と疎外感を感じる花井もかわいかった! この辺、ちょっとタジハナ風味でしたね。
次は6回、千朶の攻撃です。バッターは3番から。
阿部は、「今日は5番以降を完璧におさえてる 無死でも単打ならなんとかなる!」と判断し、打たせて取る方式で、まずは”まっすぐ”を外に。コースサインは内か外かだけってことですね。
これを3番櫻井君はスタンドインのファール。
次は真ん中に投げて”失投”と思わせ、実は落ちる球で空振り。これでノーツーですね。
三振は狙わず、次はナックルカーブでボール。
ワンボールツーストライクとなったところで、”まっすぐ”をアウトコースに投げて再びファール。阿部はここで、”まっすぐ”をファールしようとしていると気づくのですが、もう1回”まっすぐ”をアウトコースへ投げて、これもファール。これは確かめたってことかな?
阿部は、「千朶をそこまでさせるってスゲェ… けどファールできる球ってことでもある」と、ノロケてるのか冷静なのかわからんことをモノローグ。まあ、捕手脳で考えてるってことは、”投手に尽くしたい”脳ってことでもありますからね!
次は速い”まっすぐ”の外で、またファール。
櫻井君はそろそろ変化球だろうと読み、外3つだから内にきて、左打者が一番打ちにくいスライダーだと予想。
で、内は合っていたみたいですが、これは……変化球なのは確かだけど、スライダーではないのかな?
櫻井君は打ちそこなったようで、三橋は「よし!」阿部も「打ちとった!」と思いますが、送球が間に合わずにセーフに。
モモカンは、「セーフにはなったけれど櫻井君にバット振らせてない かけ引きには勝ったよ!」とモノローグで評価。そして、三橋のバランスが崩れていることにも気づいていますが、傍目ではわからないし、三橋が交代することになれば「うちはそこでおしまい」と、バッテリーに託す構えです。
次の4番の前田君には、最初は”まっすぐ”。三橋は「なんか普通のストレートみたい な配球だ」という感想。
まずはストレートでストライク。次も”まっすぐ”で、三橋は「同じとこ は わかんないけど」と思いつつ、投げます。前田君はバントの構えを見せ、もう1個ストライクに。
阿部は次は振らせようと、スライダーを低目外に。4分割、ですね。
これを前田君はかろうじて打ち、崩したと思いきや、内野を越してしまって無死一、二塁に。西浦、ピンチです。
ここで男前田島が、「三橋! 打ち取った打球だぞ!」と声掛け。三橋も、「うん ちゃんとは打たれてない」とうなずきます。
次の5番に対して、阿部は”まっすぐ”を高めに入れて打ち上げさせようとしますが、またしてもファールされてしまいます。
まだ6回。あまり”まっすぐ”に慣れさせたくないと思った阿部は、変化球でゴロを打たせようと内にシュートを入れます。
5番くんはストレートと思っていたのにシュートで打ち損じるのですが、ゲッツーがいけると思った巣山くんが二塁に投げようとしたところ、ファーストランナーが既に二塁に到達するところで、焦って悪送球をしてしまいます。その間にセカンドランナーがホームインしてしまい、同点に。しかも、まだ無死のまま一、二塁が続いてしまいます。
打ち取っているはずの打球、いい当たりは1コもない、たまたま運が悪かっただけ、まだ同点……うわぁ、これって逆にフラグな感じなんですけど! 不安になっちゃうよ〜
そんな感じなところで、以下次号です。
ものすごく萌える回だったんですが、不吉な終わり方でしたね……
頼む、底力を見せてくれ、西浦バッテリー!
2014年10月号
今月のひと言。西浦の4番と5番の呪いがまたしても!
今回も電子版で購入です。でも、電子版をパソコンで読めるようになり、それなら見開きもちゃんと見えるのですよ! これからはずっと電子版にすることにしました〜
さて、投球練習中の西浦バッテリー。阿部に「座るぞ!」と言われ、踏み込む歩幅を確認する三橋。今までの歩幅の7足半で測りかけて、6足半で測り直して足場をならしていると、目敏く阿部が「それでいーのか!!」と大声で……単に離れていたから大声なんでしょうけど、”どきーんっ”となってる三橋……相変わらずの二人です。
でも、ちゃんと言うことは言えることになっている三橋は、「やっぱり 6足半 が いいみたいだ」と言います。「理由あんの?」と阿部に尋ねられ、目は合わせられませんでしたが、「変 だったから 最後の 7足半が」と答えます。阿部は至近距離なのにまたしても大声で、「変だったのは6足半だろ!?」と怒鳴り、三橋が小声で何か言いかけると「は!? 何!?」とひどい対応ですが、一応返事を待ってはあげて、三橋は「7足半 も 変になった けど 1球だけだし よくわからない」と答えます。
阿部は厳しく、「お前が一人でカッテにフォーム改造進めた結果だったことは わかってるよな?」とくぎを刺した後、モモカンに相談をしに行ったようです。正論だけど……きついなぁ、阿部。
三橋は過去のフォーム改造を振り返り、「だから今回だって 時間かければ ちゃんと自分のものになる……はずだ」と考えていますが、ちょっと不安そう。
モモカンの指示は、「もう練習だと思って6足半で投げろ」ということでした。それに、モモカンは三橋の違和感に気付いていなかったとのこと。それだけ微妙なところなんでしょうね。一歩の違いだもんね。
阿部は、釘を刺したところからは冷静というか、静かな対応。「どーしよーもなくなったら花井と交代だ そしたらこの試合は終わりだぞ」 ……これって、花井の評価はそれなのかよって言いたくなっちゃいますが、客観的な事実としてはその通りなんでしょうね。三橋以外に、今の西浦で千朶相手に投げられる投手はいない。と言うことは、三橋が投げられなくなったらこの試合はそこまでってことで。阿部、容赦ないなぁと思うけど、これは言わなきゃならないことなんだろうな。
でも、その後の対応が男前! 「好きに投げろ だまって受けといてやるよ」 このセリフにはちょっとキュンときた!
三橋は「怒ったってしょーがないことは 怒んないんだ」と受け止めた後、「立てなおすしかない」と、三橋としては結構男前な表情で決意。
さて、これが吉と出るか凶と出るか? 私としては吉と出そうな気がするんだけどな〜
攻撃の方は、3番の巣山から。何と、フォアボールを選んでノーアウト1塁です!
ここでモモカンは、「花井君にバントはもったいない!」と、”打て”の指示。よかったね、花井!
花井は、「1点差じゃ足りないんだ 単打でいいからつなぐこと!」と、モモカンの意思をよく汲み取ってます。そして、「外だってセンター返しできた どこに来たって打てる!」と、打つ気満々です。
そこへチェンジアップでタイミングを外されちゃって、ボテボテのゴロを投手が処理。でも、送球がややそれて、ランナーセーフ。打った花井も1塁へ。
花井は「何やってんのオレッ」と恥ずかしそうですが、結果としてはノーアウト1、2塁ですよ。モモカンにも、「あれでバット止めらんないのはフィジカルもメンタルも弱いよねェ」と評価されちゃってはいますが。
ここで千朶の内野手(セカンドかな?)は、「わり! オレの足が短いせいで!」と投手をフォロー。投手も笑って「ナイスキャッチ!」と返します。この辺が強豪のメンタルの強さですかね?
千朶のキャッチャーは外野に前に出るように指示し、モモカンは「1打で1点はむずかしいかな」と判断し、次のバッターの田島に「右打ち」「でかいのはいらない」と指示。つまり、2塁ランナーが3塁へ行けるように、ファースト方向にボールを持って行けってことですね。
1球目は外角ストレートが来て、田島は見逃し。次のモモカンの指示はエンドラン。
この辺の専門的なことはよくわからないのですが、ツーストライクになってボール球を入れられたらヒットにできないから、ストライクが来るころ合いで打っておけってことでしょうか。そして、田島なら確実に打つかカットするかできると踏んでエンドラン? で、内野がダブルスチールだと思えば三遊間が空くということは、サードとショートがベースにつくってことかな?
さて、実際の展開ですが、投手が投球動作に入ったところで2塁の巣山と1塁の花井が走り出し、内野手がそれぞれベースへ戻ります。それを見計らって、田島が三遊間を狙ってヒッティング。でも、ショートが踏み止まってそのボールをキャッチし、これでバッターアウト。更に、セカンドがベースに戻ったところで2塁に投げて、2塁ランナーの巣山がアウト。そして、セカンドがファーストの投げ、花井は戻り切れずに1塁ランナーもアウト……
つまり、合わせてスリーアウト、トリプルプレイ! ……最悪ですね。
西浦はみんなショックを受けてる感じですね。3番からの好打順だったのに一気にスリーアウトだもんなぁ。
一方、千朶の方はテンション上がった感じ。監督も「やっと強豪(うち)らしいプレイを見せられた」とご満悦だし。しかも、「向こうのバッテリーは何やらやってるし」と、見抜かれちゃってますよ!
ベンチに戻った田島はモモカンに「スンマセン!」と謝りますが、モモカンは「チャンスを潰す可能性もあるのは計算のうちよ」と返し、「というより今のは捕ったショートをほめるべきでしょ あの打球なら普通はエンドラン成功してる わかったら頭切りかえて!」と、頼もしいです。田島は、「全部 完全にモモカンの言う通りだ 切りかえ!」と、グラ整に加わりますが……ちょーっと無理してる感じかな?
それにしても、ここでも西浦の4番と5番の呪いは続いていましたねぇ。花井と田島の絡んだ得点は決して取れないという……私の記憶では、三星戦での花井の犠牲フライだけですよ、この2人が協力しての得点は。
グラ整もそろそろ終わり、投球練習を終えなければならない西浦バッテリーですが……三橋はまだ納得できていない感じ。
阿部が「大丈夫か そろそろラストだぞ 変化球はいいのか」と尋ねると、「…なんか どんどん わ…わかんなくなってきたけど」 これには阿部じゃなくても「はあ?」って言いたくなりますね!
それに続く言葉が、「なんとかなる す……する!」なんですよ。
うーん、これは……私、先月まではむしろこの試合で三橋の進化が見られるんじゃないかと思ってたんですけど……むしろメッタメタにやられそうな気がしてきたなぁ。「なんとかする」って言葉は、そのまま受け取っちゃいけない気がします。
来月、このまますぐにマウンドに上がっちゃうんじゃなくて、何かしら阿部がフォローできればいいだけど……
そんなところで、待て、次号!です。
2014年9月号
今月のひと言。難しいことはよくわからないけど……何かドキドキする!
今回も電子版です。やっぱり切り抜いて他を捨てる手間が省けるのがいいんですよね。だけど、見開きで読めないのでちょっとテンポが悪い気がする〜
さて、千朶のベンチではピッチングコーチらしきおじさんが、捕手にもっと三振を狙うように指示。二番手ピッチャーを9回までもたせる必要はないということのようです。エースピッチャーも投げる気満々みたい。
二番手ピッチャーは複雑そう。捕手がエースを大事にしすぎるからかな? 「オレは壊れても替えがいるからな」って、高校生には言ってほしくないなぁ〜
で、その二番手ピッチャーの吉成くんが5回表の先頭バッターです。
阿部はエースを打ってみたいと思いつつ、エースの方が打もいいから、「打者として相手にすんなら吉成の方がいい」とか失礼なことを考えてます。
そんな阿部が指示した1球目は、低目に”まっすぐ”のボール球。ワンバウンドして阿部の防具に当たります。それほど低くなくてもよかったんだけどと思う阿部に対し、三橋は「また ちょっと すべった かな」と、ちょっと不安げです。足元を固めてから、2球目はスライダーをベルト高に。これはストライクになりましたが、阿部は「高い なんかあったんだ」とタイムを要求。マウンドに駆け付けます。
「あのさ 7足半で投げても いいかな」と尋ねる三橋に、また背後で雷を起こしつつも抑える阿部。成長、かな?
「そんなに急にやれんのか」と訊く阿部に対し、三橋は「ずっとそれで投げてるし 6足半より投げやすい…」と答えます。阿部は「オレが口出すことでもねェだろ おめーの投げやすいように投げりゃいいよ」と言いつつも、「でも歩幅なんてチョコチョコ変えねー方がいい気はするぞ」と釘を刺し、「フォーム改造は……大会後にじっくりやろう 今は7足半で投げとこうぜ」と言ってから……去り際に、
「おこんねーよ おめーの性格はわかってる」
これ! ちょっとキュンと来るセリフなんですけど!
でも、三橋は「性格 悪いこと」とか思ってますよ! 伝わってないよ、阿部ェ〜
ここで、足元慣らして屈伸して、「よし 大丈夫」って視線をバッターの方に向ける三橋はかっこかわいかった。
阿部は「三橋の投げやすいとこ」と考えて、低めのスライダーのサイン。ボールになりますが、いつものコントロールということです。
「楽に!」と、あたかも外れてボールになったかのように装いますが、これはバッターへのブラフだということです。狙い通り、バッター吉成くんは「思ったよりも足に来てんのか?」と思っています。
3球目はカーブを投げてファールに。4球目は速い”まっすぐ”でしょうか? 打ち上げさせてフライでアウトとなりました。
次のバッターは1番の岩崎くん。2、3番にはヒットを打たれているので、このバッターを塁に出さないことが大事だということで、1球目はナックルカーブから。これは空振りで1ストライク。
阿部は、ナックルカーブだとわかってるスイングだったと見て、「リーチ届かねんじゃ次からは見送られっかも」と思いますが、ストライクを取れたので次もボール球でいきます。その球は見送られてボールになり、次は手を出してもらってファールを狙うベルト高の”まっすぐ”。これは狙い通りファールとなります。
阿部は「いつもの三橋だ 大丈夫だな?」と思いつつ、次も”まっすぐ”を続け、同じくファールに。阿部は2球続けてファールにされたことから”まっすぐ”はもう投げられないと思いますが、そこで三橋が言った「オレたち 成長するから」という言葉を思い出し、3球連続の”まっすぐ”を要求します。三橋は「何球だって投げるぞ 出しおしみできる投手じゃないんだ!」と、阿部のサインに従います。
ここ! 二人の引き締まった表情がいいので、紙面で見たかったかも!?
そして、3球目の”まっすぐ”もファールに。しかも、3球全部スタンドインのファールです。
阿部は「”まっすぐ”打つ練習でもしてるみたいな…」と、ちょっと緊張した表情に。そして、ナックルカーブを投げたいけれど、読まれて見送られたらカウントを悪くするだけだと思い直し、「もっと意外な球は……」と考えて、4球連続”まっすぐ”のサインを出します。
三橋もびっくりしますが、「コントロール気を付けて さっきより 厳しいとこ 生きた球!」と、気合を入れて投げた球がストライクに! これでツーアウトです。
ストライクの判断に、バッター岩崎くんは意外そう。「普通内角は厳しめに取るもんだが 2球続けて同じようなところに来たんだ こりゃあ主審があいつのコントロールを信頼したのかもな」と判断します。こういう考え方をする辺り、強豪校のレギュラーって感じですね。
2番の東川くんは、1球目を見送ってボール。「今のが例のストレートか」とはっとしていますが、阿部は次も”まっすぐ”連投を指示。2球目は高目で、打たせてファールに。
東川くんは「なんか変な球か?」と思いますが、「よくわかんねーけど オレは打ってく!」と気合を入れます。
3球目はナックルカーブのサイン。枠の中に入れるつもりで高目に投げたナックルカーブを東川くんが空振り、これでカウントはワンボールツーストライクに。
阿部は「一気にいくぞ」と、”まっすぐ”のサイン。
三橋はモモカン父の指示を思い出しながら、全力投球! 球は高目でしたが、相手が空振ってアウトに。これでチェンジです。
モモカン父の言っていた通り、軸足がぐるっと前に来てますよ! 何か、速くなったんじゃない?
阿部は、「あ ぶねーと思ったのに バットがボールのずっと下をくぐった」と、驚いた様子。
ベンチに戻った三橋は、阿部に駆け寄り、「な 投げ込みしたい あのさ やっぱし幅 が ちょっと変だ」と言い出します。
阿部は厳しい表情をしつつも、三橋に水分をとるように指示。
で、ここ、すごく緊迫したいい場面なんだけど……阿部のモノローグに間違いが。次のバッターは沖くんじゃないよね? 4回の最後のバッターが沖くんだったよね?
とりあえず、打順が回って来るまでに5分、その後のグラウンド整備の間に5分、計10分投げ込みができるということを押さえておきましょう。
阿部は、「そんなもんで修正きくか? この回 コントロールミスが4球あった 他の投手なら気にもしないミスだけど こいつは三橋なんだ 崩れはじめたバランスの修正って どのくらいできくんだよ」と、悩んでいるようですが……
何だか、じっくり読み返してみたら、これって三橋の飛躍の前兆のような気がします。
最後の球、コントロールミスというより、”まっすぐ”がワンランクアップしたような気がしたんですよね。バットがすごく上を通るって、”まっすぐ”がうまく機能している時のことじゃないですか!
不安もありますが、これは実はすごいことになるんじゃないかというドキドキ感があります。……まあ、野球の理論的なことは全然わからないんですけどね。
ドキドキしつつ、待て、次号!です。
2014年8月号
今月のひと言。今月から電子版にしてみました!
省スペース化のため、アフタヌーンも電子版で購入してみました。……やっぱりちょっと読みにくいですね。買いに行く手間は掛からなくて楽ですけど。うーん、次号はどうしようかなぁ〜
ちなみに、単行本は引き続き紙購入です。だって、カバーのデータとカバー裏の漫画が電子版では読めないですから!
さて、試合は三橋のバントから。これがうまくいって、1アウト1、3塁に。またもや西浦が得点のチャンスです!
次は1番泉くん。ここで、何と強豪千朶がタイムを取ります。もう1点を取られることよりも、2、3塁にして大量得点になることを避けようと相談する辺り、得点力に自信がある強豪校といった感じでしょうか。
泉くんはバントの構え。千朶のキャッチャーはスクイズはないと予想。で、極端に前に寄るバントシフトじゃなくて中間守備ってことは、バントでもヒッティングでも、どこかでアウト1つは取る構えってことかな?
1球目は残念ながらファール。三橋は2塁から1塁に戻り、阿部は3塁から動かず。
泉くんは、左打席から右打席へ移動。そうだ、泉くんはスイッチヒッターだったんですよね! 右の方がバントはしやすいみたいなんですが、次の球は内角高目で、打ち上げてしまって再びファウル。
次はボールで、カウントは2ストライク1ボールに。
泉くんは次の球は内にくると予想しますが、打球をピッチャーに取られてしまい、3塁ランナーの阿部は動けず、泉くんは1塁でアウト。これで2アウト2、3塁です。
千朶のキャッチャーは、「1死二・三塁と2死二・三塁じゃまるで違う」と独白。そっか、だからスクイズ阻止よりもアウト優先だったんですね。
次のバッターは2番の沖くん。「3点リードすれば本当にもしかするかもだ」と気合を入れますが、千朶には”一番のアンパイ”扱い……悔しいなぁ!
1球目はカーブを空振り。次は、いい音の当たりでしたがファウル。3球目もファウル。ベンチは「いーぞー! お前は打てんだよ!」「2打点もらっとけー!!」と声掛け。熱いね!
しかし、最後はストレートを打ち上げてしまってアウト。二者残塁に終わります。
沖くんは、「…同じ練習じゃダメなんだ だって 打てないんだから…」と、厳しい表情です。
阿部は三橋が戻ってくるのを待っていて、「ダッシュ7本だったな」と、相変わらず細かい声掛け。つまり、バッターが打って走ったのが7回ってことですかね?
「足大丈夫か」「投げる前に軽くほぐせよ」「投球練習も軽めにしよう」と、過保護ぶりも健在。
三橋が「オレ 大丈夫だよ!」と主張すると、「いーからするんだよ!!」と怒鳴るし…… この関係はなかなか変わらないですね。三橋は変わってきてるのに、阿部がなかなか変わらないからなぁ。
軽めの投球練習をして、三橋は「大丈夫だよ」と心の中でアピール。
で、「1球 ちゃんと投げたい」と、最後の球だけ全力投球したんでしょうか?
今度は安倍は、「変なカンジねーか」と確かめただけで、三橋が「うん だ 大丈夫だよ!」と答えると、「よし 上位回るからな 先頭切ンぞ!」と素直にホームに戻りました。……三橋の球が良ければ文句はないんですかね、この子は……
そんなところで以下次号です。
あれ? 何だか今回短くない? 気のせい?