2013年 アフタヌーン感想 
 



 



 

2013年11月号


今月のひと言。何か、何か……キャプテンが頼もしいっ!


さて、3番最強説の千朶の3番バッター、櫻井くんを迎えての1回表です。
阿部は、「オレらにも櫻井に関しちゃ6試合分のデータがある」と強気です。今月は、”キャッチャー阿部”をたっぷり堪能できる回でした!
櫻井くんは、夏大でARCとの決勝戦で最終バッターになってしまったのだとか。「試合後の号泣がずっと映っちってたのは気の毒だったな」と、実は阿部って結構かわいげがあるよね、な感想。ともあれ、「選球眼もよさそうだけど ストライクからは入らない」と……これは”まっすぐ”なのかな? 見せ球でボールです。三橋のコントロールに絶大な信頼を寄せている阿部は、次も見せ球で、たぶんナックルカーブを要求。カーブと思った球が落ちてワンバウンドして、櫻井くんも、ベンチの千朶の選手たちも意外そう。これを空振ってくれたので、カウントは1ボール1ストライクです。
次は普通のカーブを投げて、これも空振ってくれて、カウントは1ボール2ストライクに。ここで、うれしいけどこんなところで喜んでちゃダメだと抑制してる感じの阿部がかわいいです。
櫻井くんはこれで狙いを絞れなくなり、次のまっすぐを空振って三振! 千朶の最強3番バッターを三振させるとは、これはかなり大きいです! モモカンも「できすぎ…」と、喜びつつも改めて気を引き締めている感じ。千朶の監督の評価も「ナイスリードだな」です。
阿部は一つ深呼吸して、「喜びすぎない 油断しない」と自分に言い聞かせてます。ここの阿部……すごくかわいいっ!(今月、また改めて自分の阿部好きを自覚) 
蛇足ですが、ここでツーアウトのサインを出し合う西浦バッテリーもかわいいです〜
で、次は4番の江口くん。でも、123、456、789でグループと見なす千朶打線では、実質二人目の1番バッターということになりますね。夏はベンチ入りしていなかったそうでデータがなく、背番号も13とでかいので、「実力的に櫻井より上ってこたぁない…」との阿部判断で1球目はまたボールから。どんな打者か、まずは見るということだそうです。
江口くんはバントの構えを見せますが、ボールと判断してバットを引き、カウントは1−0。もう1回ボール球を続けますが、またバントの構えからバットを引かれ、カウント2−0に。
阿部は、「2B0S(ツーボールノーストライク)はマズイ」と思いつつ、「うち相手に四球選ぼうってのか?」と、ちょっと強気というか、三橋のコントロールへの信頼が仄見えるモノローグ。とは言え、このままボール球を続けてもバントの構えでは見られてしまうので振らせることはできないと判断し、まっすぐを使って打ち上げさせ、フライ(サードフライかな?)でアウト。これで初回は0点のままスリーアウト、チェンジです! 
「ナイピッチ!」と、盛り上がる西浦っこたちがかわいいです。
その中で、阿部は厳しい表情を崩さず、「まだ1回抑えただけだ けど この回は浮かれてもいいくらいの内容だったよな?」と、内心では思ってるところがやっぱりかわいいです。そして三橋について、「記述的な成長はともかく あいつには強い相手とやる緊張とかねェのか」と…… うーん。それは、三橋が自分と相手を比べるってことをある意味でしないからかなぁ? 以前は自己評価があまりにも低くて比べるどころじゃなかったんだろうけど、その感覚がまだ残ってるのかも。でも、決して三橋の自己評価はその頃のままではないと思うので、その感覚はプラスに転じてるかもしれないですね。
そんなとき、背後で”ズバンッ”という音が。
何事かと振り返ると、千朶の投手の投球練習の音でした。かなりのガチムチ体型で、力にものを言わせている感じの投手です。
でも、ここで花井キャプが頼もしいところを見せます!
「あのピッチャーが榛名さんより上だと思うか」とみんなに問い掛け、すかさず男前泉センパイが「思わねェ!」と応じます。
そして、「千朶はジャンケン勝って先攻とるチームだ 当然初回に先制パンチくらわすつもりだったんだ それが出ばなくじかれて多少なりともリズム崩しているハズだ こーなったらこっちが先制してやろうぜ!!」と、キャプテンらしい檄を飛ばします! きゃ〜っ、先月号の田島へのタンカはいっぱいいっぱいな感じだったけど、今月号のこれはホントに頼もしい感じになってますよ! こうなると、西浦の1回裏の攻撃に期待ですね!

まずは、1番センター泉。何と初球のストレートを打って内野越え! 一気に1塁を蹴って2塁セーフ! 無死二塁です。
2番の沖くんに、モモカンは「これはいきなり山場かもしれない」と打てのサイン。沖くんはちょっと緊張気味。1球目は見て、2球目から積極的に振っていきますが、空振り。3球目を打つも、ピッチャーゴロでアウトとなってしまいました。
3番の巣山くんも初球を打ち、それがピッチャーのグラブを弾き、内野安打に。これで、一死一二塁です!
さあ、いよいよです! スタンドでは花井母が、カメラの動画録画で「4番 ライト 花井君」のアナウンスを録音。うん、うれしいよね、母として。
花井はちょっと気負った顔で、「ここがこの試合の1つ目の山だ 間違いない!」と打席に立ちます。そして、「まだ1死 ダブりさえしなきゃ田島に回る」と、また田島を意識してる?と思いきや、ラストのコマで、「あいつにはランナーは残さねェ おいしいとこ全部持ってってやる!」と強気のモノローグですよ! ここの表情、これまでの空回りしがちだった花井の顔とは明らかに違う! 気負いや緊張はあるんでしょうけど、それをわかったうえでやってやる!って顔ですよ! これはもう、次号に期待するっきゃないですね!!


と意気込んだのですが……次号、単行本準備のため休載だそうです。そんな殺生な!!
まあ、単行本も楽しみですから我慢しますけど……花井の活躍が早く見たいです!


ちょっと心配なのは、これまでの花井の運の悪さ(?)を考えると、最悪のダブり(ダブルプレーでスリーアウトチェンジ)があったらどうしよう……ということと、「ランナーは残さねェ」ってことは、ホームランを意識してのことでしょうが、君はオーバーランでアウトになった前科があるよね?ということでしょうか。
でも、今回の花井は明らかに今までの花井とは違うので、きっと打ってくれると信じています。楽しみに次回を待ちましょう!




2013年10月号


今月のひと言。今、「スッゲェアホだ!!」と思える阿部が大好きだ!


今月はモモカンの自宅初公開!から。
モモカンが帰宅すると、だらしなくソファーに寝転がるお父さんとアイちゃんが。
から揚げに「キャホー」と喜び、ツマミ食いするという、自宅ならではのモモカンの姿が見られます。やっぱりまだ23歳だもんね。
そして、お父さんと打順の話に。”田島の特性が生きるのは本来1番”なのだそうです。出塁率の高さとか、いろいろできる器用さとか、盗塁成功率とかですかね? でも、田島を1番で使えるのは、田島と同等かそれ以上の打者が少なくともあと1人、できたら2人いる場合だそうです。モモカンは、花井を4番に据えるにはまだ迷いがあり、田島を1番にはできずにいるということのようです。でも、現状としては上位陣より下位の方が問題で、このままでは6、7番から始まる回でも点が取れないと指摘。下位でも点が取れるようにするには上位から下位に1人持ってくるべきで……モモカン、いろいろと悩みが多いです。
お風呂上りにも打順の組み換えに悩むモモカン。パジャマがかなりフェミニンな感じなのが意外でした。お部屋はあまり飾り気がなくてすっきりしているけど、ベッドカバーが花柄なのが女の子の部屋という感じですね。

翌日、千朶戦のスタメン発表。モモカンはかなり大胆に打順を動かします。
1番泉くんはともかくとして、不動の2番だった栄口くんに代わり、沖くんが2番に。3番が巣山くんで、4番が花井キャプ! 田島は5番に。栄口くんが6番で、7番が水谷くん(1番上がった!と喜んでますが、評価が上がった訳はないみたいだよ〜)。8番が阿部で、9番が三橋。
モモカンは、「勝てっこない相手に対する時は”勝利への欲”がなくなる」、つまり、勝ちを意識するプレッシャーがなくなると考えて、「”当たってくだけろ”という気持ちでやれる試合は案外貴重だよ!」とみんなに発破をかけ、「ビビッてたらもったいないよ! 集中して! 貪欲に! くらいついて行こう!」と鼓舞します。そして、打順を変えたことについて「来たチャンスを1つも逃したくないからだよ」と説明し、「各自試合展開考えて自分の役割はたすように!」と指示します。

次に、場面はスタンドへ。
トイレから戻ってきて、スタンディングオーダーをじっと見つめる花井母。相手チームのスタメンの分析をいつものように語りますが、次にオーダーを見て、やっと息子が4番なのに気がつきます。「気付いたーっ」「もー おそいよーっ」と盛り上がる母たち。真っ赤になって、「掲示板写真とっとこ」とカメラを出す花井母がかわいいですね。

一方、息子の方は単純に喜ぶでもなく。
一番大きい変更は沖の2番と栄口の6番で、沖は5番としては弱くて、逆に栄口は犠打要員にしといちゃもったいないってことか?と分析。でも、自分と田島の”微妙なチェンジは?”と戸惑い気味。
で、田島に声を掛け、「クリンナップの変更ってどーいう意味かわかるか?」と訊きます。田島は、「多分オレが第2の1番打者だ 今まで下位で得点するパターンが少なかったから考えたんじゃねーかな」と、百点の答え。(この、野球に関する田島のあまりにも天才ぶり、わかっちゃってるぶりが……どうも鼻につくんだよ! 私、花井びいきですから)
田島は花井には、「打順についての哲学は監督によってけっこー違うしあんま気にすんな」と言いつつ、「まーでも 千朶もは内が榛名からHR打ったこたァ知ってるだろうし それでなくても4番はマークきついから がんばれよ!」とか言っちゃって、栄口くんに「あんまプレッシャーかけんじゃないの」とたしなめられます。栄口くん、西浦の良心、オアシスだ……
栄口くんは「”うしろに田島がいてくれる”って思うと気が楽になんじゃない?」と言ってくれますが、それも実はプライド高い花井にとっては微妙ですよね。
田島は、「監督に期待されてんのはたしかだろ 栄口もな」と切り替えし、「モモカンは勝つ気で打順を変えたんだ オレはモモカンについていく お前がビビッてんなら ぶっとばす!」と花井に畳み掛けます。
花井はいっぱいいっぱいな表情ながら、「ビビってねーし 今日はオレが相手にプレッシャーかけてやっから お前は楽に打て!」と言い返します。こう言えるようになったのは、花井の成長かな?と思うとちょっとうれしいです。ホントの自信はまだ伴ってないんだろうなって感じはしますけど。
田島の「よく言った!!」は、いいんだけど、ちょっと偉そうでもやもやする〜

何はともあれ、いよいよ試合開始です。
千朶が先攻で、三橋がマウンドへ。足で七歩分を測って印をつけ、投球練習開始。
それを見ながら、千朶の監督は三橋をヒョロ球に慣れていないのを逆手にとって先発してくる2番手、3番手投手だと考えてますが……結構、こういうこと多いですよね。強豪の監督とかがさも当然と考えていることが事実とは全然違うってこと。でも、現時点での三橋への評価は、”悪くねェんじゃん?”ということですよ!
三橋の投球練習の球を受けつつ、阿部はヒザの高さ、踏み込み幅が身についているのを見て、”こいつぜってー家でもやってるよな…”と見抜いていますが、コントロールに影響がなく、確実に速度が上がっているので、阿部的にはOKのようです。読者としては、三橋の無理が後々悪い影響を及ぼさないかと少し不安ですが……
で、次の阿部のモノローグが、今回最大の私的燃え・萌えポイント!
”三橋の球をはじめて受けた時 面白いと思った” ”でも同時に こいつの上限も見えたと思った 三橋の努力を認めてるようで 三橋との野球に限界感じてたんだ” ”スッゲェアホだ!!”
ここの阿部、ある意味すっごく幸せを感じる瞬間だったんじゃないかと思います。ていうか、高揚感? 内心、絶対ぐわぁ〜ってきてると思うよ。試合開始直前じゃなかったら、三橋の頭つかんで髪わしゃわしゃしてやりたい感じだったんじゃない? 意外と阿部ってカンゲキヤさんだからな。

さて、プレイボールです。
1球目は振りかぶって投げますが、ジャストミートされて打球は外野へ。センターの泉とライトの花井が追って、交錯しそうになったところに栄口くんが「声出せ!!」と注意し、花井が「ライト優先!!」と指示して、泉が避けて、花井がキャッチ。これでワンナウトです。
ここで千朶の応援席から拍手が起こるのはどういう意味なんだろう…… 強豪の感覚ってわからん……
で、三橋が「ナイスレフトー!」と言ってるのは、「ナイスライトー!」の間違いですよね!?

次の2番も初球打ち。今度はセンター越えのツーベースです。
ここで花井母のうんちくですが、千朶の須永監督は「3番最強説」をとなえている人だそうで、打順を123・456・789の3グループと考えて、どのグループでも点をとれるように組むけど、その中でも最も得点力が高いのが123のグループ、つまりは3番打者がチーム一得点力のある打者ということになるそうです。
その3番、櫻井君が打席に。夏も3番を打っていた選手だそうで、阿部は”9回までの組み立てとか考えてる余裕はねェ 一瞬気ィ抜きゃコールドにされる打線だ ”まっすぐ”使ってく!”と決意。
これは、吉と出るか凶と出るか、下手するとボロボロにされる選択ですが……二人の成長がわかる好機かもしれないですね。頑張れ、西浦バッテリー!

てなところで次号です。
この先の展開は全然予想がつきませんね。バッテリーと4番花井が鍵になるかな?と期待します。





2013年9月号


今月のひと言。花井のクジ運って……

さて、秋の県大会の抽選会です。
シード4校が投票で選ばれ、それから各校が到着順にクジを行くということで、シードはARC、千朶、日農大、春日部市立の4校のようです。そして、西浦の花井キャプが引いてしまった対戦相手は……シード校の一つ、千朶でした。
ここ、桐青の利央くんが目撃しています。抽選会にいるってことは、副主将なの!? 1年生だよね? そういう伝統なのかしら?

帰りの電車で落ち込む花井キャプ。”ガクー”で擬音がついてますよ……
しかも、「この世に千朶がいるって ――わかってたか?」って、何すかそれは? どんだけテンパってんですか、君は? 
栄口くんの親切な解説によると、「対戦が決まってはじめて相手の強さをリアルに感じる」ってことなのだそうです。
一方、栄口くんは冷静。「花井って 子どもン時けっこー慎重派じゃなかった?」(中略)「そういうのがキャプテンするのにいい時もあるけど 見せちゃいけない時もあると思うよ」と、素晴らしいアドバイスです。さすが副主将。もう一人の副主将とは大違い!(ところで、もう一人の副主将は何で抽選会に行かないんでしょうね? ホントーにキャッチャーしかやらんのか、あいつは?)
栄口くんの冷静さは、シニアは中学野球よりもチーム数が少ないから、NO.1とあたった経験があるから、悪い意味で”慣れ”があるからということですが、メンタルの強さもあると思いますね。
そして、「多分千朶はスタメン一軍じゃないよ」と指摘。で、少し気を取りなおす花井キャプ。強打のチームは三橋の球には合わないかもしれないと言われ、更に顔が上がる花井キャプ。で、トドメが、「勝機はあるし オレは花井なら 千朶のエースからだった打てると思うよ」! この辺の栄口くん、男前ーっ! 
動揺する花井キャプに、「つか 打てなきゃ困る」と冷静に釘を刺し、「花井だけじゃなく全員がね」と、ここで少し栄口くんの表情にも緊張が見られます。
でも、確実に栄口くんの株が上がったシーンでしたね。かっこよかったです。

対戦相手が千朶になったと告げられ、驚く西浦っこたち。
「もうどーせならARC引いてこいよ」と、まずは泉先輩。ある意味これも男前な対応ですよね。そして、栄口くんに匹敵する冷静さで、「ARCは4市大会でもやれるけど 千朶は公式戦でないとなかなかできないよ」と指摘する巣山もかっこいい。そして、一人異次元の反応を示す田島。巣山の言葉に応じて、「おお! いいクジだ! 花井 けっこークジ運いいな!」
……花井のクジ運って、田島を喜ばせるという一点においてはすごくいいですよね、いつも……
水谷は、「けして良くはないだろ…」と、一番普通の反応。で、沖くんに「オレ達ずーっと 三橋のぞいて打率がペケとペケ2なんだよ オレらが打率上げればそれはチームの底上げに直結するんだよ」と詰め寄られます。「わ わかってる オレがんばるよ つかがんばってんの知ってんでしょーっ」と、ちょっと情けない水谷。でも、水谷って結構打ってる印象なんですけどね。ペケ2なんだ……
西浦バッテリーは、対戦相手が千朶になったことをモモカン父に報告。モモカン父もびっくりしますが、すぐに「ここを抑えらんなきゃ先はない!」と喝を入れます。
で、60mのロングキャッチボールをやっているかと訊いて、阿部が昼休みにと答えると、足りないと言いたげな表情。でも、西浦の練習場事情では仕方がないことですよね。他の部活と融通し合ってやっている訳ですから。(で、実はこれはこの後の伏線でした)
それからフォームの修正の話になるのですが……やっぱり、専門知識がないとよくわかりませんね。簡単に言うと、三橋は関節が柔らかいから投球のときに膝が高くなるので、バランスをとるために頭が下がる、そのまま投げると足を踏み出しすぎてしまい、体重が前の足にのっかりきれない、つまり、力が球に乗り切らない……ってことでしょうか? 三橋は速い球を投げたいからなるべく足を高く上げてめいっぱい踏み込んでいた訳ですが、そうしない方が体重移動がうまくできて、実は力も入って球速も上がる、と。やってみるかと促されて、意気込む三橋ですが、今は大会中だからとモモカン父がためらい、一気に”ぐげーん”とがっかりした顔に。それを見た阿部が試合まで6日間あると指摘すると、また一気に目を光らせる三橋。ほんと、この子、最近表情が素直になりましたね。
そして、試しにフォームの修正をやってみることに。
セットポジションから頭を上げようとするとぐらついてしまい、もう一回やってみて膝の高さを低くさせたところ、今度は頭を上げてもぐらつかないことがわかります。で、そこから投球してみて歩幅を測って、体重移動を確認。そして、歩幅を一足分短くしてみて、また体重移動。
モモカン父は三橋には6足半がちょうどいい歩幅だと指摘してから、「楽だけど これじゃ力が入んないと思ってるだろ」と言われ、三橋は「はい」と答えます。「そこはハッキリ言えんだ」と驚く阿部。(……だから、三橋がハッキリ話せないのはあんたのせいって部分もあると思うよ。)
すると、モモカン父はゴムを6足半の位置に固定し、それを踏まないように投げてみることを指示。何度か投げてみますが、ゴムに引っかかってしまう三橋。4回めにしてやっと歩幅をゴムに合わせて投げることができますが、全然コントロールがつきません。
モモカン父が「とりあえずやめとくか!」と言い、阿部も「そっすね!!」と、ちょっと怒気混じりに答え、フォーム修正はひとまずお預けとなります。ホント、コントロール命だね、阿部は。

場面は変わって、千朶へ。私立のようですが、決してグラウンドには恵まれておらず、野球部はソフトボール部と共同使用のようです。サッカー部は全面使ってるのにね。
対戦相手が「西浦」になったと聞き、知らなそうな部員が何人かいる中で、「武蔵野に勝ったとこだ」「1年だけなんだろ?」「でも榛名から確か4点取ってンぞ」と、結構知ってる部員は知ってます。でも、武蔵野が負けた理由が「3年抜けたからだろ」はちょっと違うよな。武蔵野の1年生はつぶぞろいだったもんね。まあ、捕手はあれですけど……
「ARCまで4試合か  シード取っちゃうとなげーなー」と一人の部員が嘆き、キャプテンらしい子に「お前なんつーぜいたくな」とたしなめられます。そうだよね、シード取れるってすごいことですもんね。埼玉県は高校数多いし。
そして、キャプテンらしい子が「あとはミーティングで話そう そろそろソフトが――…」と言いかけたところで、「いつまでくっちゃべってだあ!!」と、コーチらしき人に怒られます。そして、慌てて練習に戻る千朶の部員たち。
コーチは千朶のOBなのですね。グラウンドが狭いのは当時からで、それで甲子園を目指すのは無茶だと思っていたそうですが、今の千朶はそれに負けずに強打のチームに育ち、外野のエラーもないそうです。そして、注目選手は好投手の宮森くん、一級打者の櫻井くんらしいですよ。櫻井くんが、「シード取っちゃうと〜」と言っていた子ですね。宮森くんはまだどんな子かわかりませんね。
千朶が強くなったきっかけは、10年かけてチームを育ててきた監督のようですが……この監督がどんな人かも、おいおいわかってくることでしょう。

ラスト、三橋は自宅でこっそりフォーム修正練習……
ボールは持たないから……と自分で自分に言い訳していますが、ダメそうな予感がプンプンしますね。
これでコントロールが乱れたりしたら、また阿部が爆発しそうだなぁ……

そんな不安を残しつつ、以下次号です。
うーん、今月号は試合の合間にしては結構内容が濃かったですね。
でも、やっぱり試合は楽しみです。夏の高校野球も始まりましたり、オオフリも盛り上がってほしいですね。


2013年8月号


今月のひと言。身内は盲点だった!

西浦っこたちが着替えながら投球論議をしているところに、謎の男性が登場!
……って、当然この人がモモカンのコーチなんだろうなぁと想像はつきますが、その正体はなかなか明かされません。
準備運動をして、瞑想をして、練習を始めて、合間の10分休憩になったところで、モモカンが謎の男性と話しにいきます。しばらく会話をしているうちに、「お父さんが現役だった頃より」……えっ、この人、モモカンのお父さん!? 身内とは盲点でした。高校の時の仲間とは思えないから、卒業後の人脈なのかなぁと思っていましたが。
しかし、お父さんとの会話では、モモカンも子どもの一面が出ますね。「プリプリすんなら帰るぞ」なんて、まさに父と娘のやり取りって感じですね。
そして、コーチをみんなに紹介。「私の父です」でドッと驚く西浦っこたち。しかも、モモカンのお父さんは東京の有名高の出身らしく、甲子園でも投げた経験があるとは! そうかぁ、モモカンの野球好きはお父さんの影響もあったんですね。確かに単に野球が好きなだけじゃ、女性が監督ができるほど野球に打ち込むことができるとは考えにくいですもんね。それだけの環境が周囲にあったということでしょう。
驚きと憧れと戸惑いが入り混じったようで見つめる西浦っこたちの前で、モモカンのお父さんがあいさつ。「”何かが足りない”と感じた」というのは、美丞戦の敗北の後の新聞記者さんのインタビューで、田島が「必死さが足りない」と言っていたことにもつながるかもしれませんね。それは伝統の重みや上下関係がないからなのか、それとも全く別の何かなのか…… 西浦っこたちの楽しく野球をしている姿をなくしてしまうような”何か”なら、強くなるためでもそれはなくてもいいなぁと勝手に思ってしまいますが。

そして、早速モモカン父は三橋の投球を見ます。まずはバッターボックスに立って。何と、モモカン父は三橋のストレートに見覚えがあると! 三橋みたいな「細身のチビっこい投手」で、フォームは力投型なのに全然スピードがなく、変に伸びる感じのする球……まんまじゃないですか! しかも、その球を全然打てなかったことから練習を強化して、甲子園に行けたきっかけになったかもしれないとまで…… これは、いよいよ”まっすぐ”の謎が解き明かされるのかも?
更に、モモカン父はビデオとカメラを準備し、二ヶ所に丸く色がついているボールを使って三橋の投球をチェック。やる気マンマン(byモモカン)です。
30球の調整投球が終わり、ビデオをチェック。投球の細かいことはよくわかりませんが、ナチュラルスライダーの類で、少年野球で小さい子が筋力のなさが原因でそういう回転になるということです。これも確かに三橋に当てはまりそう。本来、スライダー回転は球が伸びないし、ワンバンで変な方向で跳ねるから早くに直されるということですが、三橋はちゃんとした投球指導を受けたことがないですからね。でも、磨けば縦スラをものにできるかもしれないというのはすごいですね。これも落ちる系の球ですよね? 落ちる球はナックルカーブを練習しているということを阿部が伝えて、モモカン父は理由を問いますが、「へっ ふっ う」と口ごもる三橋……”名前がかっこいいから”が言いにくかったのかしら?
で、話を戻して。三橋のフォームは下半身主導で左腕もちゃんと使えているとのことで、下半身が使えていない小さい子のフォームとはまた違うんですね。でも、若干手が頭から離れていることをモモカン父が指摘。下半身の力を上半身にうまく伝えるためには腰をななめに捻るのが正しいそうですが、それが横回転になると遠心力で手が頭から離れて遠回りになり、その結果手投げになってスライダー回転になってしまうということですが……正直、よくわかりません! でも、1日目してかなり解明されてきた感じですね。
阿部も「スゲーな 斉徳じゃ投手はみんなあんな指導受けてんのか」と感心。しかし、三橋が投げたくてウズウズしているのに気付き、「大会中だかんな くれぐれも勝手なことそんじゃねーぞ!」とすかさず釘刺しするところはさすがですね。

西浦は秋大会の2回戦、3回戦を突破して地区大会を勝ち抜き、県大会へとコマを進めます。
県大会は改めて抽選を行なうということで、再び抽選会に臨む花井キャプテンと栄口副キャプテンと、顧問のシガポ。「地区大会の抽選会とは なんかこう……重量感が違うな」と、ちょっと気後れしているような花井ですが、花井も少しは横にも成長してきたかな?
三橋の投球はどのように化けるのか、西浦は何処まで勝ち進めるのか、期待大!ですね。




2013年7月号


今月のひと言。祝、連載100回!

今月号はほんとーにいろいろありましたが、まずは連載100回おめでとう、でしょう!
プチ・コーナーのQ&Aでは、注目すべきはひぐち先生が考える「いい夫になりそうな」キャラが花井、そして一番イケメンなキャラも花井だった点でしょう!(準太と榛名はイケメンだけどクセのあるイケメンってことなのでしょうね。片やタレ目、片やツリ目) 忘れられない名場面は、1、2位は順当だと思いましたが、4位が意外でした。確かに名場面だけど、まさか4位とは。そして。同点5位に花井のホームランが入ったのもビックリ。最近でインパクトが強かったからか、花井ファンがそれだけ多いということか……後者ならうれしいですね。

そして、表紙も今回はおおふりですね! みんなで花火大会。ユニフォームということは練習の後でしょうか。遠近感を出すためかキャラごとの大きさの差が大きいですが、10人みんな見つけましたよ。普段とはちょっと違う組み合わせが目に付きますね。花井と千代ちゃんと沖とか。泉と西広くんとか。アイちゃんは栄口くんと一緒にいるのにモモカンはいませんね……
屋台がいろいろ出ていますが、三橋はイカメシ、阿部は焼きそば、田島はたこ焼きなのはそれぞれの好みなのかな?
まあ、それはさておき。

さて、本編の感想です。
阿部が榛名に「カホゴ」と言われてショックを受けていた頃、三橋はというと、阿部から借りた本を読みながら机に突っ伏して寝ちゃってましたよ、と。
その本とは、『投球の物理学』と『投球理論』。阿部よ、おまえはそこまで理系な男だったのか……
しかし、この2ページの寝起きの三橋、かわいいですねぇ。家にいるということもあるんでしょうけど、今まではあんまり見なかった表情だな。「阿部君は スゴイんだよ」のときも、これまでの妄信とは違って、ちゃんと考えて言っている表情だという気がします。
「書いてある意味がわからないって なんか…スゴク だめなんじゃないか」と浮かない顔だった三橋ですが、朝ごはんを見ると一変して無邪気な表情に。
母的には”冷凍焼き鳥”、”切っただけトマトとリンゴ”、”せめて色つけたグリンピースのみケチャップチャーハン”、”賞味期限切れヨーグルト”と、手抜きなうえイマイチなメニューですが、食べ盛りの男の子にとっては”好きなものばっかり!”なんですね。すごい勢いで食べてます。そして、ペロリと平らげて「ごちそうさまでしたーっ」。
”食べると元気ンなる”ってのは真理ですね。
そして、元気になった三橋は「バックスピンも”まっすぐ”も両方投げられればいい」という結論に達します。
しかし、”まっすぐ”の変な回転がなんでかわからないというのは意外でした。そう言えば、1巻でもはっきり何で回転が変なのかまでは説明されてませんでしたからね。
三橋は7組の教室前で阿部を待ち伏せ。積極的になったねぇ、三橋!
”まっすぐ”とバックスピンを両方投げられるようなると言う三橋ですが、阿部はその可能性は考え済みだったようで、「投げ分けらんねーようなもんだったら?」とすぐさま切り返します。
「腕の振り方でも手首のヒネリ方でもいーけど フォーム自体を直すようなことなら投げ分けはムリだろ それともストレートだけ違うフォームで投げて球種バラすか? そしたら全球種投げ方考えなきゃなんねェよ」ということですが、やっぱりフォームからどの球種なのかすぐわかってしまうようではダメで、複数の球種を同じフォームから投げられるようにする必要があるってことですかね?
で、「今一番楽なフォームで投げてんなら どっかに負担がくンぞ」とのことですが、実は阿部が一番気にしているのってここですよね。三橋は不満そうな顔をしていますが、結局阿部は慎重すぎるくらい三橋のことを考えているってことなんですよね。うーん、不器用なヤツめ。
阿部に否定的なことを言われても、今日の三橋は引き下がりません。頑張って話します。「オレは オレの球はダメだって お 思ってる やっぱり けど かわしたり 打たせたり さ…三振とったり 阿部君がいっぱい経験させてくれた から あの 枯れ木も山のニギワイ…みたいな だめな球でも 阿部君が使ってくれるから 大事にする」。この辺、阿部にとっては結構捕手冥利につきる言葉なんじゃないでしょうか。でも阿部ってば、三橋の故障の可能性の方を気にし過ぎちゃって、「ダメならあきらめる約束がねーんなら 協力する気になれねー」と突っぱねます。「だっておめーは”まっすぐ”の原因が見つかりゃ それが何だってバックスピンの練習すんだろ オレらあと2年しかねんだぞ 高校野球なんて1度故障したらほとんど終わりだってわかってっか?」
で、反論に詰まった三橋に、「きこえねェ!」って怒鳴っちゃうんですね、この不器用な男は。
何とか「練習 す するよ! オレ だって ちゃんとストレート投げたいんだ! でも故障 しない!」と言い返しますが、阿部はまたしても「故障したくて故障するやつぁいねェよ!」と怒鳴っちゃいます。
ここで、声を聞きつけて花井キャプと水谷くんと千代ちゃん登場。(私服! 花井の私服、結構いーじゃん! 眼鏡! 授業中は眼鏡なんだ!)
三橋は泣いちゃいそうになりますが、頑張って涙を拭って再反論。成長した、三橋!
「じゃあ あ 阿部君は さ オ オレの球で 優勝できると 思ってるの ですかっ オレは 思わない」
涙をためて反論する三橋もかわいいですが、一生懸命過ぎて敬語が入っちゃうところもかわいいですよね。
ここで、間に入る花井と水谷。花井が阿部担当で、水谷が三橋担当という役割分担。適材適所ですね。
三橋は結構立ち直り早く、「阿部君 また あとで!」と自分の教室へ。阿部も何事もなかったように自分の席へ。
彼的にはやっぱり三橋の故障が一番気になることのようで、「故障したことねーやつが故障の前兆に気付くかよ」と渋い顔。でも、阿部も三橋の”まっすぐ”の原因は気になって、投球指導をしてくれる人とか、モモカンに相談とか具体的に考え始めます。……この子ってば、怒鳴る前にこれが言えればいいのにねぇ。

昼休みになって、学食に集まる西浦たち。
阿部はまだ来ていなくて、花井に「阿部君は?」と訊く三橋。こういう短い言葉では普通に話せるようになったようですが、説明をするのはまだ苦手みたいで、朝の言い争いの理由を尋ねられても要領を得ず、「…………」となっちゃっている花井と水谷。
三橋は「オレ 信頼 されて ないんだ… だからオレ ごはん食べるよ!」 ……その飛躍は、何となくわかるけど、唐突過ぎるよ、三橋!
「ま 腹へってっと考え下向くからな 食うか」と、訳がわからんながらも大人な対応の花井キャプ。
今日も「うまそう!」「いただきます!」をやりつつ会話している西浦っこたちがかわいいですね。
阿部は一人でモモカンに電話。モモカンにはちゃんと冷静に説明ができているようで、「私も阿部君の心配はわかるよ」と言ってもらえています。だからモモカンは阿部の方にある問題にあんまり気がつかないのかな? 実は阿部と三橋の話し合いがうまくいかない責任の半分、もしかしたらそれ以上は阿部にあるんじゃないかと思うのですが。
「両方が納得する道を探してちょうだい あなたたちは同じ場所を目指してるんだから そういう方向があるはずだよ」というアドバイスは適確ですが、「あ でも三橋君相手が大変なのは承知しているから こじれそうならまた相談して」というのは、ちょっと阿部より過ぎだなぁと思う訳です。

三橋がお昼ごはんを食べ終わったところで、阿部も学食に現れます。「メシは?」「食った」って、あんた、どこで? 学食でみんなで食べればいいのにねぇ。
みんながじっと見ているので、阿部は三橋をうながして場所移動。ちょっと心配そうな水谷くんと栄口くん。「そりゃなァ」と、阿部より?な花井。へーぜんとしている9組ズ。反応がそれぞれちょっと違いますね。
まずは阿部から、投球コーチが頼めそうという話から入ります。
三橋は「速さはやっぱ ブキだ…から ほ…欲しい」、「榛名さんみたいな球 投げられない それは だからオレ ”まっすぐ”もなくなったらダメなんだよ って思うよ」と頑張って言うのですが、阿部はこの程度で「どっか途中はしょってねェ?」。このくらいわかれよ、阿部! 三橋は”もっかい説明”で「速さはブキでしょ そいで 球種の多さ も ブキ でしょ」と言ってます。つまり、速さは武器になるからほしいけど、榛名ほどすごい豪速球を投げて絶対的な武器にすることはできないから、球種に多さという武器も大事、だから”まっすぐ”も大事ってことですよね。阿部〜、これ程度の飛躍は察しろって! 「だからオレ ごはん食べるよ!」よりも大分マシだよ?
阿部はしつこく、「フォーム改造する必要あるようなコトだったら バックスピンはあきらめる?」と念押し。三橋は「うん 故障したら お おわりだ」と同意しますが、阿部は更に、榛名との話を三橋に伝えます。「今の回転じゃ力が分散してっから キレーな回転覚えりゃもっと速い球投げられんだろってさ」 「そんなん言われてあきらめられるわけねーよなァ」 あ、あんた……その意図は何? いじめ?じゃないだろーけど、そんな冷たい言い方しなくても〜
でも、この次がこの回最大の山場!
「でも 阿部君が 一番 オレのこと 考えてくれてるんだ」
ここで、固まって、汗いっぱいかいて、赤面する阿部が滅茶苦茶かわいい……(アベミハでしたねぇ! 久しぶりに)
こういう顔を三橋も見ればいいのに、うつむいちゃってて見てないんですよね。
そして、阿部はやっと素直に本音を言います。「もしフォーム改造しなきゃなんなェ場合は お前オレとかモモカンが見てるとこでだけ練習してくれっか」「お前のこと信用してねんだと思わないでくれよ?」「自分ではわかんねェからみんな故障すんだよ それが怖え」。最初っからそれを言えばいいのに、君は! 不器用だねぇ。
「お前の球 今のままでいいとはオレも思わない 高校野球は1回勝負だから ある程度までは行けると今でも思ってっけど もっと ずっと上まで行くためには」
ここを読んで、これはこのバッテリーの大きな転機になるかなと思いました。三橋の球がどう変わっていくのか、楽しみですね!
そして、モモカンの謎の電話の相手も気になる〜 軟式の頃の先輩ではないと思うので、それ以降の知り合いでしょうか? それとも……


いやあ、今月号は100回記念にふさわしく、原点に戻った感じの回でしたね。いろんな意味で。



2013年6月号


今月のひと言。「カホゴ」。(うん、そうだよね……)

勝ったのに、試合後はモモカンのお説教。理由は打てなかったから。5点中3点が相手のエラーがらみというのは確かに……でも、榛名相手なんだから……ねえ?
「あの捕手が 夏まであのままでいるなんて考えないように!」は、記憶に刻んでおかなければならないところですね。”目覚めた”秋丸がどう化けるか……次の夏に甲子園に行くのは武蔵野第一かもね!
「監督さんかっこいー…」「ねぇ」「すごいよねぇ」と感心しているお母さん方の後ろで、「あった〜〜 梓のホームラン」と喜んでいる花井母。大物ですね。

モモカンに指摘されていた「バッテリーの反省すべき点」ですが、榛名への危険球?ですね。コミックスの方を先に読んでいたのですんなりつながりました。
怒られていたときの表情からして、阿部はあんまり反省している様子がありませんが、田島の評価は「コントロールミスじゃなくあのコースは狙ってんのと同じやばさだよ 当てるつもりじゃなかったつっても通用しない」という評価。うーん、阿部としては三橋のコントロールなら当たる訳ないって自信があってこその戦法なんでしょうが、傍から見るとどうかってのはありますよね。それに、田島の「バレなきゃいーとか ケガさせんのはダメだ 野球が面白くなくなる!」という言葉にはなるほどと思いました。(それにしても、田島の腹筋とパンツの柄が…きょーれつですね)

そして、三橋だけにはぽろっと漏らす弱音。
「体は急にでかくなんねーから クサってもしょーがないんだ でも考えちゃうよ オレにはホームラン打てないのかなって」
……花井のホームランのとき、ほめてたけど、表情は悔しそうだったもんね。
こんだけ田島は花井を意識してんのに、花井は崎玉戦後はイマイチ田島に対してギリギリしてないのが物足りないんだよなぁ。(萌え的にもイマイチ……)

投球について相談することになった西浦バッテリーは阿部宅へ。
それぞれの家に行ったことはある二人ですが、二人だけというのは初めてですね。(まあ、お母さんがいますけど)
「お…じゃま します…」と緊張気味の三橋だけど、阿部母に「今日は酢豚」と聞いて目を輝かせるあたり、さすがに高校生男子ですね。
阿部の部屋は、「汚ーけど お前の部屋ほどじゃないよな」とのことですが、汚そうな描写はあんまりないですね。勉強机の上とかは乱雑そうですが。
で、部屋のドアの前で立ち止まる三橋に「?」。「えーと 入れよ?」で、部屋に入る三橋。「カバンおろして」で、はっとなんってカバンを置き、「座れ」で正座。「…まーいーや」
そう言えば、お見舞いで初めて阿部の家に来たときも、三橋はカバンも置かずに立ったままで、座ったときも正座でしたね。あの頃と、まだ根本的には変わってないのか?
と思ったら、阿部はいきなり「バックスピンっていっても」と本題に入ります。
この辺の技術的なことは、1巻での志賀先生の説明を思い出しながら何とか意味を汲み取ろうと思いましたが……阿部の言うことは理屈っぽくて難しいよ。
大事なところは、”ストレート”が投手にとって大事なのは、1番速い球、1番力を込めやすい球だから、その意味では三橋の”まっすぐ”は三橋にとっての”ストレート”だし、回転軸が”平均”からずれている打ちにくい球、それをバックスピンに近づけることは”平均”に近づけることで、阿部にするとマイナスにしか思えない、というところでしょうか。
でも三橋は、「…………でも オレ…打たれた 榛名さんと2番の人… 5球目で…まっすぐ」と、がっくりとうなだれながらも反論。で、「バ… バ…」と言ってるのは、バックスピンの練習がしたいの意味でしょうか。
阿部は「榛名に言われたからってなんなんだよ! せっかく他のヤツと違う回転の球投げられんのに!!」とマジギレ。
……これは、”榛名に言われた”と、”他のヤツと違う”と、どっちに重点があるんでしょうね? 前者なら阿部はまだ榛名に拘ってるってことで、後者ならそれだけ阿部は三橋の球に惚れているってことなんでしょうけど。
三橋をビビらせてしまったことですぐに自制した阿部は、榛名に電話。出なかったけど。「榛名に真意を聞いてやるよ どーゆーつもりでバックスピンとか言ってんのかさ」とのこと。
でもここ、阿部が榛名にすぐ電話できたのは、シニアの頃と番号が変わっていないということなのか、前に会ったときに番号教えあったのか……そんなことが気になってしまいました。
そこで阿部母からごはんができたと声が掛かり、二人はメシ優先。ごはんシーンがなかったのは残念ですね。

翌朝。榛名から電話。(バックで阿部父、ラジオ体操?)
「昨日ウチの投手にバックスピンがどーのって言ったんスよね」
「あー…言った ストレート変だから」
「変だとなんかいけないんスか バックスピン信仰やめてくださいよ」
「そんなことで電話してきたンかよ」
「なんか他の意味があんなら聞きたかったんスけど ないみたいなんでもーいーです」
相変わらず榛名に対して態度悪いな、阿部!
「だってあの球じゃ通用しねーもん」
で、次は榛名の大ゴマ。かっこいい!
「力が分散してる あいつもっと速い球投げれんのに」
「……速いつったってタカが知れてんでしょ」
「(ぶはっ)ひでーな」
うん、阿部はいつも何気にひでーよね。
「150出なくても 130後半出りゃおもしれー投手になんじゃねーのって思っただけだよ」
これも重要なんですが、次も重要!
「オメーに言ったんじゃねーし あいつに自分で電話させろよ カホゴ」
これで電話は切れました。

阿部は”130後半出りゃ”の方にショックを受けたようですね。そう言えば、最初の頃にもモモカンと言い合って、「こいつはこのままでいいんです!」とか言ってましたよね。あの時も三橋は「速い球投げたい!」って言ってたんだよな。阿部は三橋のコントロールの良さと”まっすぐ”の特殊性に惚れた訳なので、他のことに目がいっていなかったようですが、確かに130後半が出れば、もっと先に行けるんじゃないかという気がしますよね。捕手の目線と投手の目線という違いもあるのかな? 
そして、「カホゴ」も重要ですよ。だいぶバッテリーの関係が正常化してきたとはいえ、阿部はまだまだ三橋のことを「オレが面倒見てやらなきゃ」と思ってるふしがありますよね。一度そう認識してしまったものを完全に払拭するのは難しいんでしょうけど、傍から見たらどうなのかってことを知ることは必要でしょう。
榛名の真意を聞いて、阿部はどうするのか。次回、バッテリーの転機になるかもしれませんね。


そして、次回は連載100回記念だそうです。めでたい!
結局企画には参加しませんでしたが、どんな名場面が選ばれるか楽しみです。


 

2013年4月号


今月のひと言。え……これでゲームセット?

さあ、9回裏の西浦の攻撃! サヨナラのランナー、阿部は1塁に。バッターは8番の我らがフミキ、水谷くんです。
秋丸は阿部の盗塁を気にしつつ、「ここで清水と替わったら 二度と 榛名の球は受けらんない んじゃないかな」とモノローグ。そして、「二塁ならカバーがいる 外へ放らせて 投げて……刺す!」と決意。
榛名はまず、1塁へ牽制。
阿部は「これで榛名に刺されたら笑えねェ キャッチャーのこともあんまなめたら危ねェよな」と、ちょっと慎重なところを見せたかと思ったら、「世の中には”まぐれ”ってもんがあんだから」と、超失礼! 秋丸だって、コントロールさえミスらなければ肩はそう悪くないのに! ホント、阿部はこういうとこは変わりませんね。無自覚に俺様……
榛名も、「コースさえまちがえなきゃ殺せんだぞ 刺せよ!」と、秋丸へ期待(?)してますし。
水谷はストレート狙いで打つ気でしたが、あえなく見送り。阿部は投球モーションに入ると同時に走っていて、秋丸の送球が逸れて悠々セーフ。
結局盗塁は成功しちゃった訳ですが、榛名は「アウトにしてェと思ってんのが わかる なんもできるようになってねーのに 同じ盗塁セーフでも違うんだよ お前の変化がこのチームを変えるぞ!」と、秋丸を高評価。余程うれしかったんだろうな、榛名……
さて、期待のフミキでしたが、盗塁されてしまって1塁が空いたためか、敬遠されてしまってフォアボールで出塁です。本人も言ってますが、「もうちょっとなんかこー…」ですよね。活躍するバージョンでも活躍しないバージョンでも、もうちょっとこー、笑える展開を期待してたのに〜
が、そこでランコーに出てた巣山が一喝! 「前にランナーいるからって安心すんなよ!」「えっ」「お前でタブられることだってあるぞ」
さすが男前巣山! ”ダブられる”ってのは、ダブルプレイにされるってことですよね? ランナーを埋めるってことは、攻撃側にとってチャンスが広がることでもあるけど、守備側にとってはアウトを取りやすくすることでもあるんですね。
次のバッターは三橋。モモカンの指示はバントです。モモカンの評価は、「三橋君は実のところ かなりプレッシャーに強い ここもきっと転がせる!」
プレッシャーに強いというか、人とプレッシャーを感じるところが違うというか……
それはさておき、三橋は「阿部君が帰れば― 武蔵野に勝てるんだ」と気合入ってます。
阿部はというと、秋丸の構えから次の球が外角低目ストレートだと見抜き、榛名が投球モーションに入ると同時に三塁へダッシュ! 秋丸は三塁に投げようとする動作は見せますが、投げられずに盗塁成功!
阿部曰く、「やっぱ投げねェよな 暴投すりゃそのまンまサヨナラだからな あの捕手が投げられるわけねェよ」と、すごい言い様です。モノローグだけど、今の秋丸なら言われても仕方がない面もあるけど……阿部ってやっぱりえらそうだよねぇ。
モモカン、「おもいっきりサイン無視したねっ」と、ちょっと怒り気味? 「結果オーライとするか」との評価ではありますが。
榛名・秋丸バッテリーは、スクイズを警戒して1球外すことに。
で、ここがフミキクオリティなのか……スクイズサインが出てれば、たぶん1塁ランナーは走らなくてもいいものなんだろうけど、フミキってば榛名がセットしたのと同時にダッシュ! 巣山がすごい顔で「はええよ!!」と心の中で叫んでおります。その上のコマで「えっ」とびっくりしてるのは榛名ですよね?
でも、阿部は一人冷静。「動き出してなくても もうモーションに入ってる!」と読んで、榛名が投げると同時にダッシュ。これはホームスティールってやつですか?
ここからの展開にはちょっと整理が必要なんですが……
阿部に「よけろ!!」と怒鳴られて三橋はしゃがもうとしますが、偶然にもそれでバットがボールに当たってしまい、ワンバウンドしたボールがこれまた偶然にもサードの清水くんのグラブへ!
阿部は挟まれてしまいますが、これまた偶然にも、秋丸が3塁のベースカバーに入ったショート(たぶん)に投げたボールが阿部のヘルメットに当たり、ボールはショートの頭を越えて外野の方へ転がってしまいます。
レフトがバックホームしますが、泉の「内回ってかわせ!!」の指示で阿部は、ホームベースのカバーに入った榛名のタッチを避けてホームベースに手をつき、審判の判定は「セーフ」!
……と言う訳で、サヨナラの1点が入って、西浦が勝利です。
何か……予想外と言えば予想外だけど、それだけでは割り切れないような、ちょっと呆然としてしまう幕切れでした。

みんなびっくりしてますが、阿部はやっぱり冷静。泉とハイタッチして、普通に整列へ。
花井もちょっと呆然としていたのか、慌ててベンチのみんなに「整列だ!」と声かけ。
スタンドのお母様たちも呆然。
武蔵野の先輩たちはため息…… でも、「負けに不思議なし」ってのは、やっぱり秋丸がってことなのかなぁ。
秋丸もしばらく動けずにいたようで、清水くんに促されて我に返って整列へ。
あいさつの後、榛名をじっと見る三橋。それに榛名が気付くと目を逸らしてしまうのですが、榛名の方から寄ってきて、「9回に投げた落ちる球 アレ何?」と訊きます。
三橋は答えようとしますが、阿部が三橋の口をバシッと…… まったく、相変わらず雑なヤツだぜ、阿部! これが兄って人種なのかね?
で、涼しい顔で「最後までナイピッチでしたよ」と言うんですが、榛名には「お前マジでカケネナシにヤなヤツなのか?」と言われてしまいます。いや、ヤなヤツというより、がさつなだけなような……まあ、それが阿部ですかねぇ。
阿部に「行くぞ」と促されますが、三橋は榛名を振り返って、「ナイピッチ でしたっ」と……なんか、泣きそう?というか、いっぱいいっぱいの顔で。
榛名は真剣な顔をして、「おめーはバックスピン練習しろ ぜってー損しねェ」と告げて去っていきます。
これって、普通のストレートを投げられるようになれってことですよね? うーん、阿部がどう反応するかなぁ? 今の”まっすぐ”を保ったままで普通のストレートも投げられるようになるならいいかもしれないけど……

さて、これで西浦は次に進める訳ですが、秋大は何処までいけるでしょうね? どんなところと当たるかも楽しみです。

でも、来月号はまた休載なんですね。単行本の準備のためのようですので仕方ないですけど……
連載100回記念も次の次ということなので、盛り上げていきたいですね!






2013年3月号


今月のひと言。 やっぱりそんな阿部が好きーっ!

いよいよ9回表。4対4の同点で、武蔵野の攻撃です。
攻撃が始まる前の投球練習で、まっすぐを2球続けた後、阿部が出したサインは……新しい変化球、ナックルカーブ!
(それにしても三橋、恐ろしく投げにくそうな握り方をしてますね。ピッチャーってたいへん……)
「これが落ちなければ サインは出ないかも」と、三橋はまだ弱気なのかと思いましたが、次のページでは「ちゃんと落ちれば オレが 自信を持たなきゃ」と、前向きです!
そして、すごい落ち方! ……これって、ホームベースにぶつかってミットに入ったんですよね? すごい鋭い落ち方じゃないですか!?
そこへ田島が、「アレ投げんのか! ビックリさせてやれ!」と三橋に声かけ。三橋は「ビックリ?」と意外そうですが、あれだけ落ちればビックリしますって!

そして、9回の先頭バッターへの1球目からナックルカーブのサイン!
いきなりの落ちる球に、先頭バッターの小池くんは訳のわからない感じで空振り。
それを見ていた榛名は、秋丸に話しかけようとしますが、言葉が出て来ない……秋丸の奮起が本物なのかどうか、まだ測りかねている感じなのでしょうか?
秋丸は言いよどむ榛名に不思議そうにしつつも、「落ちたかも」と答えます。
ここでビクッとする榛名……期待と、期待してまた裏切られてがっかりするのは嫌だ、という感じなのでしょうか?
でも、ここにきて、榛名もようやく秋丸の変化を認めるところまできたようです。ここの榛名のモノローグ、ちょっと感無量ですよ!
「こいつが捕手としてできることは 今までとなんも変わってねんだよ だけど それ以前の問題があって………… なんかが乗っかる土台がないと なんも乗っかんねえ こいつにはだから何も乗っけらんなかった まだ何も乗ってねェ でも これから ぜってェ何かが積み上がってく お前ン中でスルスル通過するだけだった時間が どんどんお前ン中でたまってくぞ!」
榛名と秋丸のバッテリーは、ようやく二人で前に進んでいく出発点に立てたようです。

さて、西浦のバッテリーは?
ナックルカーブの成功で、阿部の組み立てが再び冴え出したようです。
ボール球を2つ続けて、わざと2ボール1ストライクのバッティングカウントを整えます。次はストライクを取る球を投げてくるだろうと考えるバッターの読みを逆手に取り、シュートを打ち損じさせてワンナウトです!
次はスリーヒットを打っている吉沢君。要注意バッターです。
またしても1球目はナックルカーブで空振り! 阿部曰く、「コントロールが定まんなくても この落差があちゃカウントかせぐには充分だ」とのことです。
三橋がナックルカーブを覚えた理由は、「修ちゃんみたいな落ちる球投げたくて」、「あと 名前がカッコイイから」だそうです! 「けど ボールにしかならない し オレは スピードないから 修ちゃんのフォークみたいに 空振り 取れなかったんだ」 ……でも、今は空振りが取れる! 阿部くんと力を合わせれば、ですよね!
次は”まっすぐ”をボールで見せて、同じコースにスライダー。スライダーなら曲がって内に入ってくるので、”まっすぐ”だと思っているとボールだと思って振らず、見逃しでストライクが取れるということですね!
そして、カウントは1ボール2ストライクと追い込みました。
ここからは、阿部のモノローグがいい!
「正攻法だ ストライクの枠ン中だって打てねェ場所がある」「このカウントならきびしいとこ攻められる」「お前の”まっすぐ”は目くらましかもしんねェけど お前のコントロールはどこの誰が見たってスッゲエんだよ! ここは打てねェ こい!」
そう、そうだったよね。阿部は三橋に惚れたのは(腐的な意味でなく)、あのコントロールを見たからだったもんね! 1巻の目をキラキラさせていた君を忘れてはいないよ!
そして、外角低目のギリギリに投げた”まっすぐ”がストライクに! ここの阿部のうれしげな顔がかわいいです!
三橋は、「打たれたらオレの責任」「三振取れたら 阿部君の手柄だ!」って……うーん。阿部の気持ちとは、やっぱりちょっとズレてるかなぁ。このバッテリーって、やっぱり両片想い的だなぁ。

3人目のバッターは、9番の秋丸。
「延長か… ダメだそんなこと考えちゃ 出るんだ トップに回せば何か起きるよ!」と頑張りますが、初球を打ち上げてセカンドフライにしてしまい、あえなくスリーアウト、チェンジです。
ベンチに戻ってくる秋丸を待ち構え、「打ちてえだろ」と言う榛名。そして、笑ってマウンドに走っていくとき、とってもいい顔してます。
榛名、秋丸の変化のおかげで完全にテンションが上がっているようです。これはピッチングにも好影響かも?

西浦の9回裏の攻撃を前にして、頼れる頭脳派、西広くんが「キャッチャーのクセ わかったかもだ!」と発言。
阿部の伏線がここでようやく回収されましたね。
秋丸のクセは、「ストレートの時のが変化球より足が開く」というもの。やっぱりストレートの威力がすごいから、それだけ身構えるということなのかしら?
阿部は、自分がフっておきながら、「西広 それ確実?」「100%ではない」「ならオレン時はいーや ストレートがいつ来っかはだいたいわかンし 変化球の球種なら教えて欲しいけどな」……っておいおい。相変わらずえらそーなヤツめ。
沖くん、水谷、三橋は、ストレートを教えてほしいと希望。で、西広くんがサインを決め、先頭バッターの沖くんがバッターボックスへ。
でも、沖くんは三振してしまいました。西広くんのサインは合っていたけれど、榛名のストレートの威力が落ちていなくて手が出なかったよう。やっぱり、秋丸の奮起が榛名をノせてしまったようですね。
次は7番の阿部。「80球制限がなつかしいな」とか考えてますが……これは、阿部が完全に榛名を相手チームのピッチャーとして客観視できている故の言葉、と思っていいのでしょうか?
「もうオレには7球連続ストレートだ オレが捕手なら 打ってないヤツにわざわざ榛名の変化球は使わない」って……ストレートがいつ来るかわかるって、そういうこと?
でも、そう割り切ったうえでの阿部の作戦がすごかった! バントヒットでサードに捕らせ、何とかセーフ! サヨナラのランナーが出塁しました!
榛名は、「勝負に負けて試合に勝つかぁ? ホンットおめーはそういうヤツだよなァッ」と、ひきつり笑い?
阿部は、「バントヒットだって内野安打だろうが 塁にさえ出りゃこっちの勝ちなんだよ!」と、兇悪な笑み。
うん、そういうヤツな君が大好きだ!

次は8番の水谷。モモカンからは、「水谷君が送って三橋君…はない! 打つんだよ 水谷君!!」と、ヒッティングのサイン。
阿部は「1球目からヒッティングか オレァ盗むつもりで走っけど いい球のがすなよ!」と、やっぱりえらそう。
そして、水谷アップです! 「やってまいりましたァ これはオレの 見せ場じゃないですか!」「たのむぜ西広! オレなんかもう当たったっていい覚悟なんだから!」「いやその 打ちに行って当たる分にはってイミだけどね」 この辺、一人百面相っぽくてかわいいです。
でも、最後はいい顔! 「来い! 榛名さん!」と、気合入ってます!
これまでも、何気にいい場面で打ってきた水谷ですので、今回もやってくれそうな気がします。たぶん……

しかし、今回、ラストページのアオリがすごい!
「いけ、8番レフト米 もとい水谷! お前のライスなバッティングを見せてみろ!!」
う〜ん。これもある種の水谷の人徳? いじられやすい子だから?
クソレと呼ばれたり、米と呼ばれたり……いや、でもきっと次回は水谷が大活躍しているはずだよね!


それにしても、今回は自分の阿部好きを再確認しました。
この子の野球馬鹿さ加減とか、性格悪く頭いいところとか、実はなりふり構わないところとか、兇悪な笑い方とか、好きでたまりません!
来月はホームインする阿部が見たいね。






2013年2月号


今月のひと言。 誰か西浦の4番5番の呪いを解いて!

さて、西浦バッテリーの正念場。8回表の武蔵野の攻撃は2死3塁。バッターは5番。ヒットを打っている藤巻くんです。
阿部は「歩かせてもいい気持ちでクサイとこついてく」と、高目のボール球に”まっすぐ”、速い球を要求。
三橋は打たれた記憶を少し気にしていますが、サードランナー榛名をじっと見て、思い切って速い球を投げます。(ここの、三橋の視線を受け止める榛名の顔がかっこイイ!)
1球めはボール。次はシュートを外スミギリギリに入れてファール。次もボール球に相手が手を出してくれてファール。これでカウントは1ボール2ストライクで、ピッチャー有利に。
ここでの阿部のサインに、三橋が自分の意志では初めての首振り!
阿部の「えっ」と驚く顔がかわいいやら情けないやら…… 「……あ 首振ったのか そうか じゃ も1球シュートで」と、ちょっと動揺しつつ次のサインを出します。
三橋は「よ よかった 違うサインくれた」と、やっぱりちょっと不安だったようです。
しかし、次のシュートは相手に読まれてしまい、ヒットを打たれて榛名がホームに還り、逆転されてしまいます。
マウンドに走って来た阿部に青ざめる三橋。まだ怖がられてるんですね、阿部……(不憫……)
阿部はため息とつきつつ、「いんだよ 首振っても」とフォロー。
ここ、何となくわかったので流してしまっていましたが、阿部は三橋の4つめの変化球を要求して首を振られてしまったんですね。
三橋の「オ レ 自信……」は、「まだオレはあの球をちゃんと投げられる自信がない」という意味なのでしょう。
阿部にもそれは伝わったようで、「お前的にはまだ完成してねェのはわかってるよ でも現状でも使い道はあると思う この状況だからな 出せるカードは出してェんだ」と説得。
三橋は「う うん」と、まだちょっと不安そうでしたが、「イヤなら首振りゃいーし イケそうならうなずけ! 次はノーヒットの6番だ 引きずんじゃねェぞ!」と言われたのには、「わかった!」といい返事。二人だけの会話ですが、うまくいった感じですね。
結果、6番八木くんはセンターフライに打ち取り、スリーアウトでチェンジです。

8回裏の攻撃を前に、花井キャプからのありがたいお話。
「巣山も田島も水谷も全部センター前だ センター返しはやっぱバッティングの基本なんだよ そんで打ったのはみんなほぼ真ん中 オレの球もそうだった つまり失投があるんだ もう4巡目だ 速さにも球筋にもなれたよな! きちんと捕らえりゃあの球は飛ぶんだ! ビビンねーでいい球振ってくぞ!」
「おお!」
気合の入る西浦ナイン!
バッターボックスに向かう泉せんせーが、「ホームランのあとだと説得力が違うね」と、珍しく花井を褒めてます!
そして、泉は1球目は空振りするものの、真ん中に入った2球目にうまく当ててヒット! ノーアウト1塁です。
モモカンのサインは盗塁でしょうか? 泉くん、「当然 走るわけよね」とモノローグしてますし。
そこで秋丸が、「榛名! バッター勝負!」と言ってミットをバンッと鳴らします。わー、キャッチャーっぽい!
榛名は「それは ランナーはオレがアウトにしてやからってこと?」と目をむいていますが、そこまでは秋丸は思ってないでしょうね。走られても、後を抑えればいいという意味では?
案の上、榛名の栄口くんへの1球目はストライクになりますが、秋丸は投げる構えだけはしますが投げませんでした。
当然、泉は走って2塁を落とし入れます。モモカンはこの回での逆転を狙い、栄口くんには送りバントをさせ、クリーンナップで得点する作戦。ネクストバッターズボックスで待つ男前・巣山のバックに、西浦の4番5番が見えます!
栄口くんはさすがの職人技で、榛名のストレートを見事にバントし、ランナーを3塁に進めます。
そして3番の巣山くんは、1点を入れて自分も生きて逆転につなげるため、ヒットを狙います。
榛名は逆にスクイズで1点を警戒し、ボール、ストライク、ボールと、ボール先行のカウントに。しかも、ボール球ははっきりと外れているとわかるボール球です。
そこで秋丸がマウンドへ。「あのさ この場合 四球で逆転のランナー出すのが一番バカらしいよ オレはそう思う!」と、すごくまともなキャッチャーらしい声掛けを!
榛名は「……っ なんなんだ!?」と複雑そうな顔をしていますが、「まあ確かにはずさなくても バントさせねェつもりの球 高目に入れてりゃいいかもしんねェ」と思い、内角高目を投げますが、それが巣山くんのお尻に当たってしまい、デッドボール……い、痛そう……
するとまた、秋丸がマウンドに走ってきて、「転がしたらゲッツー! 上げてもタッチアップできるとこまでは飛ばないように 気合入れた球頼むよ!」と声掛け。
榛名は「ホンキか なんでだ そうカンタンに信じねェぞ」と、やっぱり複雑そうですが、「………でも うれしいじゃんかよ!」と、上から目線ながらかわいいモノローグです。そして、スタンドの方に視線を向け、「先輩達 なんかよくわかんねーけど きっとあんたらのおかげだ!」、ですよ! うーん、先輩達に聞かせてあげたいですね!(ここで1コマでちっちゃくだけど加具山先輩が登場しているのが個人的にうれしい……)
そして、西浦のバッターは4番の田島! 榛名の1球目は低目のストレート! ミットの音からもありありとわかるいい球です。田島は驚きつつもうれしそう。
2球目はボールながら、やはり勢いのある速い球です。田島は気合を入れ直し、「集中――!」。
榛名は秋丸のサインにうなずき、「ボールが吸いつく ツメまで血が通ってるみてェだ 秋丸しだいで 上がっちゃうのかよオレ!」。
次も力の入った球が来ますが、田島はそれを捕らえて打ち返します!
飛んだ先がショート正面で、一瞬ヤバイかと思いきや、直前で打球がバウンドし、ショートのグラブを弾きます。
それを見たサードコーチャーの西広せんせーがゴーのコールをかけ、泉がダッシュ! 2塁で巣山はアウトになってしまいますが、打ったランナーの田島はその間に1塁に到達し、泉がホームイン! これで同点になりました。
ベンチからは「ナイバッチー!」の声がかかりますが、田島は「ナイバッチ? どこがだ!」と悔しそう。ちゃんとしたヒットが打てず、アウトカウントを増やしてしまったのが不本意だったのでしょうか……
で、次のバッターは5番の花井キャプです。田島は盗塁して2塁に進みますが、花井がセカンドゴロでスリーアウト……
これ。これです! 西浦の4番5番の呪いは! 田島が塁にいるときは、花井は絶対活躍ができないという…… 花井が田島をホームに返せたのは、私の記憶では三星との練習試合で犠牲フライを打ったときだけなんですよ! 
ホームラン打ったときも田島は塁にいませんでしたしね…… 西浦がもっと上のランクに進むには、この4番5番の呪いが解けないといけないのではないかという気がします。

とうとう回は9回です。
気を取り直してみんなが守備に向かう中、阿部が三橋に声を掛けます。
「練習球 1球投げてみろよ 次の打者 サイン出すぞ ナックルカーブ試してみようぜ」
三橋の4つめの変化球はナックルカーブだったんですね!
しかし、この阿部の言葉に無反応というか、固まっているというか、読めない表情の三橋が不安……


この試合、勝敗よりも、その結果としてバッテリーの関係にどう決着がつくかが重要だという気がしてきました。
榛名と秋丸のバッテリーは、秋丸の奮起が今後も続くものなのか。
三橋と阿部のバッテリーは、本当に対等な関係が築けるのか。
それがこの試合が終わったときに見えてくるのてはないかと思います。
……でも、やっぱり西浦には勝ってほしいかなぁ。次の試合も見たいですもんね!




 
2013年1月号


今月のひと言。むしろ君の正念場だぞ、阿部!


7回裏の西浦の攻撃。バッターは7番の阿部。……しかし、無念にも3球3振のようですね。
これは、榛名が阿部に下手な組み立ては通じないと考えて速球で押してきているからなのか、はたまた阿部の打力が及ばないからなのか……とにかく、バッターとしての阿部はピッチャーとしての榛名に負けっぱなしです。
続く水谷はファーストゴロ、三橋は三振でスリーアウトチェンジ。
8回の武蔵野の攻撃の前に、トップバッターの外野の子がだっーと秋丸のところに走ってきます。必死です。でも、秋丸ってばその子を「ちょっと待って」とかわして、何をするのかと思ったら。
榛名に、「榛名! あの球打てるよ 打とう!」と、いつになく力強い表情で! 榛名もびっくりです。
そして、秋丸による”まっすぐ”の説明ですが……「ストレートっぽい軌道だけど うーんと」「浮くんスか? 伸びるんスか?」「違う ストレートと比べたら落ちるんだ」
ううーん? ここで、三星戦で叶くんがしてた”まっすぐ”の説明を思い出してみましょう。叶くんのストレートとチェンジアップの軌道を比べると、ストレートの方が速くて、軌道も落ちない。三橋の”まっすぐ”はストレートよりも落ちる軌道だけど、軌道からチェンジアップのような遅さを予想してしまうと、チェンジアップよりは落ちないので、その落差をボールが”浮く”と錯覚してしまう……というような感じだったと思うのですが、よかったでしょうか?
次の、清水くんに対する説明ですが、「捕手ならボールの山のてっぺん見てるだろ あの山見ちゃうと予想外ってダケなんだよ。”速いと思ったら遅い”はないけど ”遅いと思ったら速い”はアリなんだ」。これでピンとくる清水くんはさすが捕手。
まだわからない他の子たちへの説明は、ボールの山のてっぺんというのはボールを投げたときの軌道の山ナリのことで、変化球の方がスピードがないから山のてっぺんが高いけど、ストレートと思って山の高さから”こんくらいの球速”と予想する速さよりも速く来るので、変なふうに伸びる感じがする、と。(ここ、水分摂りながら、榛名も聞き耳立ててます)
叶くんの説明と大体同じですが、違うのは、叶くんは球の出だしの角度でスピードを予測すると言ってたけど、秋丸は軌道の山ナリのてっぺんで予測すると言っているところでしょうか。これがピッチャーとキャッチャーの違いなのか、バッターとしての実力の違いなのかは定かではありませんが。
で、後輩から「でも秋丸さんなんかスゴイすね だてに榛名さんの球捕ってないスね」と褒められる秋丸。これって、かなりレアのことなんじゃないでしょうか?
そして、「予想とかじゃなく見えてんでしょ? いくら遅い球つったってオレ打席であんなんわかんないスもん」と言われますが、それに対する秋丸の返しが、「まァでも 打ててないからな 練習が足んねェからダメなんだよなァ」。
これを聞き、びっくりしつつブルッと震えている榛名……これって何なんでしょう? もしや秋丸がイチネンホッキしてのかと期待しつつ、やっぱりまた期待外れだったらどうしようというところでしょうか?
その間、1番がセカンドフライでアウトになってしまい、次は2番の清水くん。
秋丸に「榛名! こいつらなら打てると思うんだよ! だからさ!」と言われ、榛名は清水に「打ってけ! 上からたたけ!!」との指示。つまりは、ストレートと打っていけとのことですね。

阿部が、「何かの指示出たか? キモチ悪いな クサイとこついてくぞ」と、外低目の”まっすぐ”を要求。つまり、ストライクギリギリのところを狙っていくということでしょうか?
その球を清水くんはファール。
初球から”まっすぐ”を振ってきたことから、阿部は狙い球を変えたかと疑い、次はスライダーを同じところへ要求。これは外れてボールに。
次は”まっすぐ”を高目で空振り。これで1ボール2ストライクに。
”まっすぐ”に狙いを切り換えたのかもしれないと思いますが、打ち上げさせることを狙ったのか、阿部はもう1球”まっすぐ”を要求。三橋も、まだタイミングがあっていないから大丈夫と判断しますが、”ストレートもどきは予想よりも速い”ということを理解している清水くんは、早めのスイングで”まっすぐ”を捉えます。セカンドの頭を越え、ライナー性のヒットに。つまり、打ち上げたのが運よく落ちたのではなく、ちゃんと打たれたことによるヒット。「ジャストミート、だ」と、ショックを受けてるっぽい三橋。
でも、次の3番はバントを打ち上げてキャッチャーフライ。これでツーアウトです。
次のバッターは4番の榛名。
「清水が打った 秋丸の目が正しいのか ――だとしたら そんなもんを自信持って投げんのは 無理だ」とモノローグで言い切る榛名。確かに、ピッチャーとしての感覚はそうなんでしょうね。三橋も”まっすぐ”を投げることを執拗に怖がってましたもんね。でも、その恐れを自信に変えさせたのは阿部の捕手としての力でした。その自信が、どこまで強固になっているのか……それが今、試されるときです。
阿部の作戦は、”まっすぐ”は釣り球に使って変化球を打たせるというもの。まずは外角高目のシュートで、”まっすぐ”を打つ気でいた榛名は空振り。
次は”まっすぐ”でかわすことを狙いますが、榛名にジャストミートされ、センター越えのヒットに! ランナーが還ったうえ、榛名は三塁へ。今まで、何だかんだ言っても長打にはさせていなかった”まっすぐ”で、スリーベースヒットを打たれてしまった訳です。
呆然とする三橋の脳裏に、三星での苦い記憶が甦りますが……今はあの時とは違うんです!
三橋を中心に集まる内野陣に、伝令の西広くんが合流。
ドキドキしている三橋を前に、阿部の第一声が「打たれたな」。相変わらずデリカシーのない男です。でも、次に出たのは「連続でライナー性の当たりをされたからにゃ ”まっすぐ”の使い方考えなきゃなんねぇ」という冷静なもの。田島は「打たせろよ 2死だぜ!」と強気。沖くんも、「そうだよ 三振いらないよ」と同意。そして、栄口くんが「三橋 うしろいるからな!」と絶妙なフォロー。相変わらずの、頼れる方の副キャプテンです!
西広くんが「次はうち1番からだ 同点で切ろう!」と締めて、「サードランナー!」と榛名をみんなでガン見。
……これって、リラックスのために始めましたけど、相手を動揺させるという意外な効果があるかも?
三橋は、「打たれた オレの”まっすぐ”」と、ちょっと落ち込みが残ってる感じですが、「やっぱりこれが オレのホントの姿だ オレは わかってた カントクもみんなも こういう日が来ることはわかってたはずだ でも オレがエースだ 勝つ気で投げる!」と、素晴らしい成長振りを見せました! というか、三橋の芯の強さが出たってことですかね。どんな状況でも投げ続ける三橋は、実は相当強いと思います。
どちらかと言うと、顔に出さなくてもダメージ受けているのは阿部の方でしょう。「桐青にも美丞にもなんとか最後まで通用した球だ 武蔵野に打たれるとは正直思ってなかった」と、ちょっとショックを受けている感じ。でも、「だけど 勝ち上がれば当然同じとことやることだってある 遅かれ早かれこういう日は来たんだ こっからが 捕手の見せ場だろ!」と気合を入れます。
次のバッターは、ヒットを打っている藤巻くんです。ここで同点で抑えるか、追加点を取られてしまうか。この試合の流れを決める正念場です!


と、いいところで以下次号なんですよね〜
それにしても、ここは三橋にとってよりも阿部にとって試練、正念場だという気がします。
三橋はいざという時に開き直れる強さがあるけど、阿部は結構繊細で、計算が狂うと動揺しちゃう子だという感じがしますので、ここで冷静に頭を使って捕手としての実力を発揮できるかどうか……まあ、阿部がダメになりかけた時に三橋が支えるという展開も捨て難いですが。
そして、阿部が本当の意味で榛名との確執を乗り越えるためにも、この試合の決着が重要なのではないかと思いますね。人間、そう簡単にトラウマからは逃れられませんから。

ここでまた1ヶ月待たなきゃいけないのは長いなぁ〜 







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