2012年3月号
2012年12月号
今月のひと言。せっかく前回かっこいいコマで終わったのにねぇ……
前回、「この回 オレまで回せ」とかっこよく言った秋丸ですが、「オレに回してほしーつって ここにいるヤツに頼んでてもダメじゃね?」とさらっと言う榛名。
今、打席に立っているのは7番打者。ネクストバッターズサークルにいるのは8番。秋丸9番……
後輩たちはいい子たちで、7番バッターに「生きろ!!」「なんでもいーから!!」と声かけします。でも、カウントは1ボール2ストライク。追い込まれて三橋の”まっすぐ”を打ち上げ、レフトフライでアウトです。
秋丸はレガースをつけたままネクストバッターズサークルの方に駆け出していき、次のバッターの吉沢くんに「このチャンス オレにくれ!」と頼みます。でも、策はなして、「そらお前 自分で工夫してくんないと…」と情けない感じなんですが、やはりいい子な後輩くんは「オッケっす! 先輩の見せ場作りますよ! いーとこ見せてください!」と男前な心意気を見せてくれます。それを秋丸が吉沢くんにアドバイスした誤解する子もいたり……(榛名は「違うんじゃねーかなぁ」と思ってる表情ですね)
阿部も”まっすぐ”の打ち方について何か教えたのかもしれないと考え、1球様子見で”まっすぐ”を投げさせます。これは見送り、1ストライク。次も”まっすぐ”で低目ギリギリを狙わせますが、それがボールと判定されてしまいます。これで阿部の計算が狂って投げられる球が制限されてしまい、吉沢くんに配球を読まれてライト前ヒットを打たれてしまいます。それで二塁ランナーの藤波くん(フトマキってあだ名ですよね?)が一気にホームをつき、1点返されてしまいます。
阿部は「2球目で調子狂った あと立て直せなかった わりい」と謝ります。それに対して三橋は、「わ わるく ないよ!」。
「気にしてねーならよかった まだ1点勝ってんし 次は9番だ」
「9番 でも 油断しない さっきバント きめたんだ ”まっすぐ”をわかってる」
この会話の後、阿部のモノローグが「今スッゲエしゃべりやすかった」、三橋が「スンナリ は 話せた!」。
この程度のことですが……何か、よかったねぇ、二人とも……としんみりしてしまう気持ちと、まったくこの二人は……という気持ちが半々です。
さて、ここでやっとスタンドの武蔵野3年生たちの様子が。加具山さん、相変わらずかわいいなぁ。
それはさておき、メインは町田さんのモノローグ。近すぎたからこそ秋丸が競争心をなくしてしまったのだと気付き、「同情はすっけど 肯定はしねェ! 榛名との野球が終わっちまう前に なんとかしろよ 秋丸!!」と、秋丸の奮起を期待します。
秋丸はストレートを見つつなるべく球数を投げさせて、できればヒットを狙う構え。
阿部は秋丸の振りではそうそうヒットは打てないと踏んで、全力投球の”まっすぐ”を選択。これはストライク入ります。
秋丸は「伸びてる… んじゃない 伸びてるんじゃなくて」と何かをつかみかけている感じですが、三橋は「オレの球 の変なとこ 効いてないとしても 球の力で抑える!」と、いつになく前向きです! そして、2球目の”まっすぐ”もストライク。これで秋丸は追い込まれてしまいました。
阿部は最後はカーブでタイミングを崩させて打ち取ろうとしますが、ここは秋丸が当ててファール。
そして、阿部も強気。「今日はよく伸びてる 打たれる気しねェ!」ともう1球”まっすぐ”を選択。三橋も「1点差 守るぞ この人に 打たれる気 しない」と珍しく強気です!
秋丸は、ストレートに見えるけどストレートより落ちる、回転はバックスピンじゃない、遅いストレートに見えるけど予想より速いという”まっすぐ”の特徴をつかんではいるんですが、打てずに空振り。これで三振でスリーアウト、チェンジです。
秋丸は「見えてんのに打てないよーっっ」と悔しがり、久しぶりの”悔しい”という感情に、幼い頃の記憶を思い出します。榛名に「オレがピッチャー お前キャッチャーな」と言われたとき、「オレもピッチャーがいい!」と言った自分のことを。それまでは何でも張り合っていたのに、少年野球の練習で注目されている榛名を見て、「かなわないもんへの挑戦はやめたんだ 悔しい思いをするのが 嫌だから」と、自分の原点というべき感情の流れを自覚します。
この秋丸の自覚、果たして彼の奮起につながるのでしょうか? そして、武蔵野は三橋の”まっすぐ”を攻略できるのでしょうか?
そんなところで待て次号です。
この試合はいろいろありますが、やっぱり秋丸が変わるかどうかが焦点の試合ですね。
西浦バッテリーの変化とか、花井の初ホームランとかもあるのですが……ちょっとかすんじゃってますね。
次回は西浦の攻撃ですので、西浦っ子たちの活躍をもっと見たいものです
あ、20巻のことも少し。
練習試合で無死満塁で花井(この試合は4番)に回ったところで、それでも田島(この試合は1番)をホームに帰すのがワイルドピッチで花井ではないところに作者の拘りを感じました。もっと花井が成長しなきゃダメなのね……
ここの花井の”幻聴”のシーンは大好きですが!(あんた、どんだけ田島を意識してんだよって)
2012年10月号
今月のひと言。
はーなーいーーーーっ!!(他に何も言えねー!)
さて、6回の裏の西浦の攻撃は、3番巣山くんからの好打順なんですが……
みんなして、じいぃっと一点に視線を注ぐ西浦っ子たち。
何かと思ったら、5回の裏の攻撃のときに阿部が、捕手のクセを見つけて球種を見極めようと提案したからなんですね。ブルペンキャッチャーなら人に指摘される機会も少ないからクセが見つかりやすいかもしれないという読みは捕手・阿部ならではでしょうか。でも、なかなかクセを見つけるのは難しい様子。投げるテンポが速ければ構えている時間も短いですもんね。この作戦は、何らかの成果が出るのでしょうか?
そうこう言っている間に、巣山くんは三振。ツーストライクで追い込まれると、ボール球でもストレートは振らされてしまうようです。
お次は4番の田島。「5キロ10キロ増えたってタイミングは合わせられる 球スジは何度か見れば覚えられる さっこい!」と、相変わらず男前です。
初球は速球のストレートでストライク。球スジを覚えるための見送りってことなのかな?
秋丸は、「さっき見逃したから縦スラしてみるか?」とサインを出しますが、ここで榛名は「やだね」と、今試合初の首振り。阿部、「首振った?」とガン見です。
「え… 首振られても困んだけど」と、秋丸はまたしてもボケボケ。でも、「…じゃ スライダー?」と、一応考えて次のサインを出します。スライダーはボールになり、清水くんがまたイライラ。「ちゃんとストライク要求するべきだ コントロール今イチの榛名さんは平行カウントにするとあと厳しくなるし」と、結構モノローグでは言いたい放題ですね。
2球目のストレートがストライクになり、次の決め球は当然ストレートと田島は読みますが、「組み立ては単におぜんだて 打者をアウトにすんのは 投手の力だ!」と、榛名のプライドがこもった一球で、田島はレフトフライでアウト。榛名は「何だかんだで三振しねェな」と、ちょっとおもしろくなさそう。
で! 次、5番の花井キャプです!
秋丸はスライダーのサインを出したみたいですが、榛名が首を振り、「気合で押せるヤツには1球速い球見せてやっと後が楽なんだ」とストレートに。榛名は2回目の首振りで「オレの組み立て当てにきてたわけじゃねーのか」と思ってますが……それ、誤解ですから……単に読みが外れただけですから……
そして、1球目のストレート。花井キャプ、「オレだってこの勝負を 楽しみにしてたんだ!!」と、思いっきり振り抜きます!
「まさか!?」(泉さん……)「おいおいおい――っっ」「はいったああああ!!!」と、ベンチ大興奮!
花井キャプ、公式戦第一号ホームランです!!
打った花井は気付いてなくて、一塁ベースを蹴った後も全力疾走。二塁に向かう途中でわかったけど、まだ実感が湧かなくて呆然としてて、びっくりした顔のままホームベースを踏む花井……
ネクストの沖くんに大興奮で「ナイバッチ!」と言われてハイタッチしてもまだ呆然。
ベンチに戻って、みんなに迎えられてじわじわと実感が湧いてきて、モモカンにコクっとうなずかれて真っ赤に。
でも、一番の盛り上がりは次! 田島様!
「オレが出てりゃあ2点は言ってたよな」「うえ?」「お前がこんなんなら四球選んだってよかったのに!」「はあ?」「予想外なんだよ!! 榛名からホームランとか お前スゲーぞ!!!」(どっかーん)←マジで。
はない〜〜〜〜っ!! おめでとう!!(え、何か違う?)
いやあ、モモカンにうなずかれたときの反応よりも、田島に「スゲーぞ!!!」と言われたときの反応の方がすごかったのが、タジハナ的にはたいへんごちそうでした。あっざす!
モモカンは、「花井君 これでやっと田島君の視界に入ったってとこかな」と思ってますが、実は違うんです。田島はもっと前から花井のことを視界に入れていたんですが、当の花井があまりにわかってないので焦れてたんですよ。でも、これでやっと花井も上がってきてくれたんで、田島様もうれしいんじゃないでしょうか?……というのがタジハナ的解釈です。
しかし、確かに”予想外”ではありましたね。モモカンに「飛距離を伸ばしましょ」と言われてましたから、いつかはこんな日がくるだろうと期待していましたが、こんなに早く来るとは!
田島の反応も、思ったよりまともでうれしかったです。
沖くんはサードゴロでしたが、榛名の球を当てられたということは収穫だったようですね。
で、チェンジでベンチに戻って、秋丸の第一声。「いやー ビックリしたねー 1年にホームラン打たれるとは!」
周りの子たちは青ざめてますが、榛名は全然気にしてません。「みくびってたわけじゃねーけど 向こーをほめとくよ」と。こういうケース、多いですね。秋丸の物言いには榛名は慣れてるからか全然気にしてないのに、周りの子たちだけが気にしているというシーン。二人の付き合いの長さから考えれば、傍が気にするようなことじゃないんじゃないかと思いますけどね。
そして、榛名の三橋の”まっすぐ”についての読み。「ストレートみてェに、見えっけど別の球だぞ」、「ゆれも曲がりもしねーけど なんかタイミング狂う」、「あのボールは捨ててけ」と、なかなか的確?
次の打者は、花井を「気合で押せる相手」と言っていた藤波くん。榛名がホームランを打たれたことに責任を感じてて、ここは絶対打ちたいところ。
阿部は武蔵野ベンチで話し合っていたことから、初球はまっすぐを見せて探りを入れます。
藤波くんは打ちかけますが、”まっすぐ”なことに気付いてバットを止め、ストライク1つ。
もう1球”まっすぐ”を投げてそれも見送りだったので、阿部は”まっすぐ”は捨ててると読み、次はボールになるスライダー。
内角低目のスライダーで目付けをしておいて、外角高目まっすぐで締める……三星戦のときの、”対角線のリード”ですね?
でも、藤波くんはボール球を強引に振っていき、それがギリギリでフェアになって長打コース。無死二塁となってしまいます。
次の打者には、監督が送りバントのサイン。でも、”まっすぐ”はバントしにくい球。打者八木くんは2球続けてバントを失敗し、3球目のスライダーを空振って三振に。
八木くんも”まっすぐ”が浮いたように感じられ、”まっすぐ”でバントを決めた秋丸にコツを聞きますが、秋丸は「かなぁ……こう………つーか…………だから…………」と曖昧。
でも、ここでようやく秋丸も”イチネンホッキ”したのか、「次の打席でもっかいちゃんと見てみっから この回 オレまで回せ!」と、ちょっと男前顔で宣言。そんな秋丸を静かな目で見据える榛名。
果たして、秋丸は”まっすぐ”の攻略法を皆に伝えることができるのか? 待て、次号!
……というところだったんですが、次号は単行本作業のために休載だそうです。
20巻の大台はうれしいけど、ちょっと残念。まあ、もう待つのには慣れましたけどね。
今回の花井のホームラン、他の方の感想も読むのが楽しみです。
2012年9月号
今月のひと言。ナイバッチ水谷、再び!
今月号は表紙もオオフリですね。千代ちゃん以外、みんながスイカを二つずつ持ってるのがおもしろい(あ、巣山は見えないけど、たぶん)。
さて、5回裏の西浦の攻撃、先頭打者は阿部です。
秋丸がサインを出したことにちょっと気を取られる阿部。捕手の性ですかねぇ。
一方、榛名は「ちっとうっぜーけど これは プラス方向の変化だろ!」と思うようにしたようです。うーん。プラスと言えなくもないけど、まだまだですよね?
榛名の投げた球は全力投球なのかどうかは定かではありませんが、かなり速い球だったようで、自分に全力投球はないと考えて阿部はちょっと動揺。しかも秋丸がサインを出すものだから、それがキャッチャーのリードによるものなのかと疑います。組み立てを捕手がやるなら、投球内容が全然違ってきてしまうかもしれませんもんね。で、次の球が榛名の趣味通りだったようで、「サインは出しても組み立ては榛名ってパターンか? でも何で今更」と、阿部さんならではの考え過ぎ?
「考えんのはあとだ!」と気を取りなおそうとしますが、次もストレートの速い球が入り、ツーストライクと追い込まれてしまいます。
次の球もストレートと予想しますが、阿部のバットは宙を切って空振り三振。これ、ストライクゾーンよりかなり上で、見送ればボールなんでしょうが、追い込まれているし球が速いしで、ボールかストライクかの見極めなんてしてたら振り遅れてしまうでしょうから、仕方がないんでしょうね……
秋丸のミットがビリビリいってますので、これはかなりのいい球だったようです。
モモカン、「阿部君にいい球3球使ったんだから 次の1球は狙い目だよ!」と、次のバッター水谷にヒッティングの指示。
水谷はぐっと拳を握って、「この頃は ムケたマメの痛さがきもちくなってんだよねェ」と。レギュラー争いの危機を感じてがんばったことがプラスになってるかな?
で、秋丸が”休憩所扱い”と評しましたが、8割投球のストレートがちょうど真ん中に入ったようで、水谷がバットを振ったタイミングがどんぴしゃ! センター前ヒットです!
やった、文貴が打った! 「ナイバッチー」って言ってもらってるよ!
(でも、振り返ってみると、水谷って結構大事なとこで打ってるんですよね。実は阿部より打率はいいんじゃない?)
榛名としちゃ「気合ヌけすぎた」ということですが、打ったことには変わりありません。1アウト1塁です。
次の三橋はバントの構えですが、ここは盗塁のサインが出て、榛名が投球姿勢に入ると同時に水谷ダッシュ! 秋丸は「間に合う!!」と思って二塁に投げますが、送球が逸れて水谷はセーフに。
控え捕手で、今はサードを守ってる清水くんは、「フォーム安定しないから コントロールバラバランなんだよ 完全に練習不足なんだよなァ」とイライラ。
少し前に、秋丸の「ナイスロー!」が4球に1球である件で、集中しているかどうかが問題だと書きましたが、練習が身につくかどうかも集中に問題なんじゃないかなぁという気がしますね。秋丸、先輩たちと同じメニューはこなしてると言ってましたし。後は、自分に足りないところがどこなのかを把握して、それを補う練習をちゃんとしてるかどうかかなぁ。どちらにせよ、清水くんの立場ではそりゃ歯がゆいでしょうね。
で、三橋は引き続きバントの構え。バントしにくいコースということで、榛名・秋丸バッテリーは外角高目ストレートを選択します。三橋は打ち上げてしまい、打球がサード前に落ちて水谷は動けず、三橋はアウト。
ここで、キャッチャーが野手に何処にボールを送ってアウトを取るか指示を出す訳ですが、ここでも清水くんは「指示も遅いっ」とイライラ。たとえば、2塁ランナーが飛び出してたりすると、2塁か3塁に投げるっていう選択肢がある訳で、ボールを見ている野手に代わって、キャッチャーがランナーの状態を把握して指示を出さなきゃならない訳ですよね。その判断が遅れれば、アウトが取れない場合もあります。だから、キャッチャーの指示というのは重要な訳ですが……
清水くん、「サイン出すようになったし ポジション譲りたくないんだろ? だったら もっともっともっともっと! 練習してくんなきゃスよ!!」と、心の中でキレかけ。清水くんとしちゃ、今の自分では榛名の全力投球は取れなくて、その点だけは秋丸の方が上な訳だから、榛名が全力を出し切るためには秋丸に捕手として成長してほしいんでしょうね。自分で取れるなら譲りたくないでしょう。その自分と同じくらい、秋丸には必死になってほしいんだろうなぁ。
次は1番に戻って泉様。
1球目のストレート、振りに行ったタイミングが合って、打球はサード前へ。
サードゴロでスリーアウトになるかと思いきや、秋丸の指示が遅いことにまたイラッとしてしまった清水くんが悪送球! ファーストが捕球できず、泉はセーフ。ツーアウトだったから2塁走者の水谷も走っていたので、ホームに生還、2点目です!
これは清水くんがかわいそう…… 元凶の秋丸に「ドンマイドンマイ!」とか言われちゃってるしね。榛名が代わりに「お前がゆーな お前がっ」とツッコミを入れてくれてます。
モモカンいわく、「ラッキーでも1点は1点!」。
2番の栄口くんも続きたいところでしたが、ここはあえなく三振でスリーアウト。チェンジです。
攻守交替となった途端、ビョッとグラウンドに走り出していく三橋。前回の、阿部の「ありがとな」の効果がまだ続いているようです。
阿部さんはそんなこと気付いてませんので、三橋のテンションの高さに「やけに元気だな」と思う程度。で、「飛ばしすぎんなよ 花井や沖じゃ押さえらんないかんな」と言われ、また三橋がじわじわと感動してるんですが、阿部さんは「…なんだ 変なスイッチ入ってンぞ?」と、全くわかってません。阿部さん、罪作りだな……
さて、6回の表の武蔵野第一の攻撃は、さっき悪送球をしてしまった清水くんから。
もう残り3回なので、出し惜しみせず”まっすぐ”です。これまでの打席で積極的に1球目から振ってきていた清水くんは今回も1球目を打とうとしますが、三橋の”まっすぐ”に違和感を感じ、バットを止めます。でも、この球は入って1ストライク。次はスライダーを空振り。次は”まっすぐ”だったのか、またしても空振りで三振です。
清水くん、ベンチに戻るときに次の打者に「よく見てけよ! ストレート!」と声を掛けます。で、ベンチに戻ってからもストレートのことを気にして、「ストレートがなんなの?」と仲間に訊かれ、「いや……つか ストレートなのか ちょっと変な球で」と動揺。
秋丸は、「伸びて なかったスか?」と訊かれ、「えーとね 思ったよか速い」「伸びてはない…スか」「うーん 思ってよか速い」「あの…説明する気あります?」「えと うーん」というやり取り。清水くんがちょっと気の毒になりますね……
その間に、次の打者の永井くんがセンターフライに倒れてツーアウトになってます。彼も”まっすぐ”を投げられたようですが、彼は変な感じはしなかったと言います。
で、清水くんは次の打者の榛名に向かって「榛名さん! ストレートよく見て!」と声を掛けます。
コーチャーボックスにいた小林くん、前に”まっすぐ”を打ち上げた彼も、清水くんの言葉にはっとして、「バッター ストレートよく見てこう! 焦らず選んでいーよ!!」と声を掛けます。
訳のわからん榛名は「そんなん聞いてこいつがストレート放らすとは思えねェけど」と、阿部の性格をよく知っている者らしいことを考えますが……そこが阿部の作戦ですから。
1球目は”まっすぐ”で、榛名は見送って1ストライク。
榛名は、みんながストレートを見ろと言っているのに阿部が”ストレート”を投げさせたことに、「裏かいてるつもりか それとも 見せてんのか」と考えますが、次の球はシュートでファール。これでカウント2−0です。
相変わらず清水くんは「ストレート気を付けてー!!」と言ってて、榛名は「こんだけ言われてさすがにもうねぇよ」と思いますが、次の球も”ストレート”で、レフトフライでアウト。これでスリーアウトです。
ベンチに戻って、ストレートを気にする清水くんに、榛名は「言えることはな 考えはじめたらあいつの術中ってことだ」と、また阿部をよく知る者らしいことを言ってます。そして、「自滅してくれんなら一番手間ねーって考え方のヤツだからな」とも。さすが、よくわかってらっしゃる。
で、「お前 今 はまりかけてんの わかってっか?」と清水くんに。おっ、さすが投手榛名。三橋の”まっすぐ”の特殊さがもうわかってるってことでしょうか?
榛名が”まっすぐ”を見抜いたとしても、他の打者がすぐに打てるようになるとは限りませんが……榛名がどんな説明をするのか、気になるところです。
次の西浦の攻撃は、前打席でヒットを打っている3番巣山からの好打順! 追加点の期待が高まりますね。
そして、この試合ではまだいいとこのない花井キャプに活躍の機会を!!
2012年8月号
今月のひと言。阿部、一番大事なところを見逃したぞ!
武蔵野の5回表の攻撃は7番セカンド小池君から。榛名を甲子園に連れて行こうと決意している一年生たちの気合がどうでるかです。
ここは高目のスライダーを打ち上げさせ、1球目でフライでアウトです。
次の8番吉沢君は、ストレートが極端に少ないことに気付き、疑問を持っています。そこで、球種を絞らせようとしてか、ギリギリ内側に構えます。阿部は三橋のコントロールに絶対の自信を持っていますので、内角のシュートをでストライク1つ。吉沢君はもう一度同じ構え。榛名が「この捕手は”性格わりー”」と言っていたことから、投手のコントロールに自信があるなら同じ球をもう1球内角に続けるだろうと読み、それがぴったり当たってセンター前ヒットです。阿部は”まっすぐ”を投げさせるべきだったかと後悔。打った吉沢君も、「このスタンスで内にストレートズバッときたら厳しい」とモノローグしてましたので、”まっすぐ”なら空振りだったかもしれませんね。
続く9番秋丸にはバントのサイン。秋丸、「よかった バントだ」じゃ駄目でしょーが! そんなんだからあんたはいつまで経っても成長しないのよ! 阿部にも「期待されてねェなァ」って思われちゃってるよ!
秋丸への1球目はボールになるスライダー。あてそこねでファールになるのを狙ったということですが、秋丸はバットを引いたのでボールのカウント。阿部はまだ2巡目だけれど9番で回も5回だということから”まっすぐ”を使うことを選択。内角高目で打ち上げさせようとしますが、秋丸は何かに気がついたのかもう一度バットを引きます。
阿部はもう一度”まっすぐ”を、今後は外角高目に指示。三橋は秋丸がバットを引いたのを”まっすぐ”を「見た」のかもしれないとひっかかりますが、「初めての人は 打ち上げる のが ほとんだ!」と自分を納得させ、サイン通りに”まっすぐ”で外角高目を狙います。
秋丸は”まっすぐ”を見て”浮く”かのように見えたようですが、それが錯覚だということを見抜いたのか、「伸びてない」と判断し、うまくボールを転がします。送りバントが成功し、ツーアウト2塁です。
榛名いわく、「犠打1コにヒヤヒヤさせんなっつーの」。……勝手にヒヤヒヤしてただけじゃん。と、ツッコミいれてみました。
次、大事なところです!
マウンドに走って来た阿部に動揺する三橋。
「ご めっ オレ ひっ ひっ」(って、阿部じゃなくても「はあ!?」ってなりますね…… ここはちょっと進歩ないなぁと思ったのですが)
「はあ!?」
「ひっか かっ かっ たんだ けど オレ オレ」
「何が!?」(やっぱり声がでけー阿部。前の反省はどうした?)
「あの人 あの人 1球見てたんだ でも」
「何も!」
「あ まっすぐ を でも でもオレ ひっか ひっかかったんだ 首ふらないで ごめ ごめん …なさい」
「………」
ここの阿部の顔が見えないのは残念。でも、次のセリフに阿部の成長が見えます。
「お前がオレの言ったことやろーとしたんのはわかった ありがとな」
この後、阿部がいろいろと次の打者に対する投球をどうするか、秋丸のバント成功についての読みも含めて説明していますが……三橋にとって重要だったのは、阿部の
「ありがとな」
です!
133ページの最後のコマ、”ニカッ”に匹敵するようないいカオしてますよ!
阿部の自分への信頼を感じてうれしかったんでしょうね。
しかし、惜しむらくは、ここで阿部はもう背中向けてホームベースの方に戻っていってしまってるんですよね……
三橋の気持ちが内野陣に伝わって意気が上がって、その結果としての巣山の声掛けだったのですが、阿部ってば「巣山ナイス いい雰囲気ンなった!」と……
違うよ…… 巣山にその声を出させたのは三橋の気持ちが上がってるからだよ。その理由はあんたの言葉だよ。それを見逃してるんだから、阿部ってばホントに間の悪いヤツ!
それはさておき、打順は1番に戻ってセンター小林君。
もう一度”まっすぐ”を試すということで、内角高目でストライク一つ。阿部としては手を出させたかったところだったようですが、コースが打ちにくいところに入ってしまって、見たのか打てなかったのか判断がつかなかったようです。なので、もう1球”まっすぐ”で、今度は外高目で打ち気を誘います。小林君は阿部の狙い通り、”まっすぐ”を打ち上げてキャッチャーフライ。これでスリーアウトチェンジです。
このときの、阿部の「だよな!」ってとこの顔がかわいい。気ぃ強そうなしたり顔なんだけどかわいい……
ここで、「ストレートだったか?」と訊いているのは、さっきヒットを打った8番の吉沢君ですね。彼はまだ三橋の”まっすぐ”を見ていません。なので、「榛名先輩みたく球 伸びたとかう言うなよ」と言ってますが、実際に”伸びた”ように見えてしまった小林君。秋丸に「あの…西浦のピッチャーのストレート… スゴイ伸びませんでしたか…………?」と訊きますが、秋丸は軽く「いや?」
これは、秋丸が榛名の球を見慣れているから三橋の”まっすぐ”が実際は浮いていないことがわかるのか、それとも秋丸の目が”よくない”から浮くように錯覚しないだけなのか……うーん、私には謎です。
そして、5回裏の西浦の攻撃は阿部から! 榛名との読み合いに、今度は勝つことができるのか? 楽しみですね!
追記。19巻のこと。
今回の表紙は登場人物シリーズじゃなくなってましたね。ARCのメンバーは出切ったんでしたっけ? 20巻は桃李や波里の子たちが表紙にくるかな?
描き替えは、加具山さんが最後のボールを取るページのところしかわかりませんでした。今回は間が空いているから気がつかなかったのかも。でも、大きなセリフの変更はなかったと思います。
カバー裏は、オオフリ内唯一の公式カップル、武蔵野の大河キャプと涼音さん。こんなにイチャついてたんですねぇ。ショックで青ざめている榛名がちょっとかわいそう。
そうだろうとは思っていましたが、西浦は全員彼女ナシということが確認されました。しかし、自称初恋年齢3才って、田島、それは絶対違うと思うよ。
初恋まだのメンバーには、巣山以外は納得。巣山は情緒が育っていない訳ではないので、いてもおかしくないと思うんだけど……めぐり合わなかったというだけかなぁ。
「それなんか問題あっか?」と堂々としている阿部様はさすがです。そうだね、恋愛経験のあるなしは野球に関係ないもんね。君はそのままでいてくれ!
2012年6月号
今月のひと言。榛名の顔がおもろいことになっている……
さて、武蔵野の4回表の攻撃は、4番榛名から。
阿部、3巡目から使うはずだった”まっすぐ”のサインを出します。うなずくものの、ちょっと動揺する三橋。「オレの知らないうちに 監督と阿部君で 決めなおしたのか……?」と思ってますが、そんなことあるわきゃありません。しかもコースが、打者ギリギリの内角高目!
榛名、「狙わせたんじゃねェだろな」と阿部をにらみつつ、「いくらウラミ買ってっからって故意死球はねーか 内角放るときゃ気ィつけろよミハシ!」と切り替え。……ウラミ買ってる自覚はできてるの? でも、榛名が考える”ウラミ”と阿部が実際に抱えている複雑な感情は全然違うんだろうなぁ。
そして、2球目も内角にボール2つ分外します。これでカウントは0−2。
榛名は「はあ!? 当てるつもりかよ!」と阿部を再びにらみますが、阿部は「おめーと違うんだ 2球共よけなくても当たんねーよ だけど向かってくる球はコエーだろ」と冷静……というか、無茶苦茶性格悪いモノローグ。(これをアニメで聴きたいね!)
3球目は変化球にようですが、私では球種まではわかりませんでした。榛名は空振り。阿部いわく、「読まれてるとしても 打てねェ球はあんだよ!」ってことですが、榛名の考えていた球とはあっていなかったようにも……
4球目はカーブで、再び榛名は空振り。(3球目もカーブだったのかな?) 阿部に「プッ」と笑われ、真っ赤になる榛名。(この辺から榛名百面相開始)
「演技だ 演技じゃないにしたって気にすんな」と気を取りなおそうとしますが、次の球もいろいろ悩んでいるうちに投げられてしまい、3連続空振りでアウト。
またしても阿部に「クッ」と黒く笑われ、悔しさMAX。(ここの顔もおもろいことになってます)
ベンチに戻り、無言で秋丸にヘルメットや腕のガードなどを渡し、ベンチに座ると「あいつ性格わりイ!」と怒鳴ります。そのまま話しながら足のガードも秋丸に渡して、帽子を受け取ったところではっとなる榛名。「ひょいホイはマジーか こいつも今はスタメンだ」とモノローグ。でも、世話を焼かれることが染み付いてしまってるようで、その後も当然のようにドリンクを渡されて受け取っちゃってますが。
「人の空振り笑ってさ それが心理戦とか言うならセコイ戦いだよなァ」「笑われたのか」のやり取りで、ぶうっと頬を膨らませる榛名。こういう顔を見せるのも、幼馴染の秋丸相手だからでしょうか?(美形キャラのはずが、崩壊しちゃってますよ!)
次のコマの、「負けたくねェな」と言っているときの顔はかっこいいのにね。
そして、真面目な顔で「お前といられんのもここ(武蔵野第一)までだぞ」と言う榛名。
秋丸は、「プロになるのか それがムリでも大学は強いとこ行くんだな」と、さほどショックでもなさそうな顔で考えています。「一般入試で同じトコ入ったとしても オレじゃ野球部に入れてもらえないかもしんないなァ」と思ってから、「いや 同じトコつー理由で大学決めちゃマズイだろ 自分の将来考えないと」と思い直し、「”将来”とかナニソレってかんじだけど」とちょっと情けない顔に。まあ、高2じゃまだまだ”将来”なんて具体的なじゃないですよね。
「榛名みたいにやりたいコト ハッキリしてんのって めずらしいよな?」 そりゃあ、自分の才能がどこにあるかってことが、早い段階ではっきりわかる方がめずらしいですからね。
「将来につながることやってんだから そら一生懸命だろうさ」 と、自分と榛名とは違うというところに落ち着きそうな秋丸でしたが……
「3年生達は 楽しそうだったな」 そう。将来につながるかどうかだけが”一生懸命”になる理由じゃない。秋丸が自分なりの理由を見つけられるかどうか、それが鍵ですかね?
最後は、「清水に2番とられんのは やだな」と。あの、何があったも熱くならなかった秋丸が、”やだな”と! これが吉と出るか、凶と出るか!?
阿部と三橋のバッテリーは武蔵野の攻撃を0点に抑えたようです。
チェンジになってベンチに戻ると、モモカンに呼ばれ、「榛名君への1球目2球目 どういうことなのか説明して!」と厳しく言われてしまいます。
阿部はさすがにまずかったなという表情で、「――っ 速い球使いたくて ”まっすぐ”ですけど球筋追いにくいように 2球とも内角にボール2つ分はずして放らせました」と説明。
モモカンは「高目にボール2つはずしたら よけなきゃ当たるでしょう! 渡しとの決め事やぶるほうがまだしもだよ! もう一度やったらポジション変えるからね!」と教育的指導。さすがの阿部も反省しているようです。
三橋にも、「どんなサインもらったとしても実際投げたのはあなただよ あの球が榛名君に当たっていたら あなたが全責任を負うんだよ!」「おどかしで言ってるんじゃないんだよ」「自分が榛名君にケガさせたかもしれないってこと ちゃんと想像しなさい!」と、自覚の足りていないことを苦言。伝わってるのかどうか、イマイチわからない三橋の反応ですが……
でも、ここで3番巣山がセンター前ヒットを打って、お説教は打ち切りに。
ここのお母さんたちの会話がおもしろい。
花井母「打ったじゃないの!」
阿部母「おうちでもがんばってるんでしょ!」
巣山母「うん けっこう」
花井母「えらいわー うちのも一応がんばってるけどさァ なんか性格的に優しすぎるってかさ 私に似ちゃったのよねェ」
阿部母「あら! もうちょっと似れば良かったのに!」
巣山母「あははは」
お母さんたちも仲良し! 楽しそうですねぇ。
次は、4番田島。「さっきは打ったんだ ちっとは本気出せよ!」と張り切ってます。
榛名は1球牽制を投げてから、「前の回みてーに走らせンなら打者は1球目待ちだ つってもいー球なら手ェ出すかもしんねーから 打っても内野ゴロになる球」と考えて、新技縦スラ、縦に曲がるスライダーを投げます。
田島は見送り、ボールに。田島、「内野ゴロ狙いか コース入ってたらはまってたかも」と冷静な分析。ほんと、野球をしているときだけは男前です。
モモカンからは1球待ちのサインが出て、その間に巣山は盗塁。秋丸は2塁に投げて盗塁を刺そうとしますが、暴投で内野を越してしまいます。でも、たぶんライトの子がボールを取ってくれて、巣山は二塁ストップ。三塁到達はさせませんでした。「キャッチドンマイすよ!」と言ってくれる後輩に、榛名は「いい後輩スギだろ」と顔をしかめ、秋丸は無言でちょっと反省してるっぽい?
ここで何を思ったのか、突然サインを出し始める秋丸。「2B(ツーボール)… ここでストライク入れに行くと打たれるパターンだから 苦しまぎれのスライダー?」「は!? 何サイン出してんの!?」
でも、榛名はもともとスライダーのつもりだし、とスライダーを投げ、田島は空振り。
「したらあとはストレート押し でしょ」「だあから なんでサイン出してんだよっっ」と、投球内容は合ってるけれど、全然通じ合ってない二人。
田島のバットは榛名のストレートをかすり、ボールは秋丸のミットへ。これで……ファールキャッチでアウトになっちゃったのかな?
次は5番花井。まだ緊張してるっぽい表情。
秋丸は、「5番はさっき盗塁援護で2S(ツーストライク)ンなって 結局3球三振 ならまだストレートでいーや ってカンジかな」。榛名は、「わああ イライラするうううっ」っと、全然かみ合ってません。
一方、阿部・三橋のバッテリーは。
関係の改善が見え始めていた二人ですが、三橋はまだ考えることを阿部に任せてしまっているところがあるようです。阿部は、「せめるわけじゃねェけど 引っかかったら首振れよ」と、約半年前の彼を考えると信じられないようなまともなことを言ってます。
「でも ちょっと だ」「は? 何が?」「ひ ひっか 気になった の」「ああ…」 この辺のやり取り、意思疎通がマシになったなぁという感じですね。
「ちょっとでも首振れよ 投げたくねー球投げても いい結果出ねーし 投げたくねー球投げさせられ続けたら どっかおかしくなっと思う」「オ オレ おかしく なる」「おめーじゃねェ オレ達だ」
びっくりした表情の三橋。
「失敗したくねェから」
阿部……本気で三橋とのバッテリーを大切にしようとしているんだなということが伝わってくる一言でした。それがいい方向に向かってくれるといいのですが。
さて、戻って榛名・秋丸のバッテリー。花井を四球で出塁させちゃってます。いくら投球内容が読めても、四球出させちゃ駄目でしょーが! 榛名は「いらんサイン出されてリズム狂った…!」と、またおもろい顔になっちゃってますし。
6番沖君にはバントのサインが出ます。
秋丸は「打者関係ない 四球のあとはだいたいストレートを外角」。榛名は、「クソ 何がイラつくかって オレの投げようとしてる球を こいつが全部当ててくることなんだよ!」とイライラ。
でも、外角ストレートを沖君は強く跳ね返らせてしまい、ピッチャー榛名のまん前で、ダブルプレイを取られてしまってスリーアウトとなってしまいます。
チェンジになって、ベンチに戻ろうとする榛名に、清水君が「先輩! 一度も首振んなかったスね!」とうれしそうに声をかけます。秋丸がサインを出していることに気付いてたんですね。
「はあ? だってそら……」「長いつき合いだから……っスか!?」「まァ そう…だな」 榛名はすごく嫌そう顔。
「オレけっこうリードできるかも」「とか思ってねーだろな」 これは、榛名を私は支持します。ピッチャーが投げたい球がわかるだけじゃ、リードじゃないでしょう! 打者に打たれない組み立てを考えて、試合をつくっていくのが捕手の役割でしょうに!
そんな駄目駄目な秋丸なんですが、清水は秋丸がサインを出し始めたのがうれしそう。捕手として本気になってくれたんだって思ったということでしょうか?
ここで、一年生たちの真剣さの理由が明らかに。
「この大会に勝って関東に出れば 選抜の芽があるかもしれないんだ」「甲子園に出ようが出まいが 榛名さんは上へ行くだろう」「だけど ”甲子園”の経験はすっごくすっごくでっかいはずだ!」「榛名さんに残されたチャンスはあと2回」「オレらで」「連れてくしかない!」
うわーっ、この後輩たちすごい!
これって、モモカンが前に言ってた、必死になるような、心から奮い立たせるような動機が彼らにはあるってことですよね? これは強くなるはずですよ。
西浦、太刀打ちできるでしょうか?
来月は単行本作業のために休載だそうです。残念。
でも、1ヶ月だけなら待つのも辛くないですね。次回は、阿部・三橋のバッテリーがどんな変化を見せるかに期待します。
2012年5月号
今月のひと言。田島め〜〜(嫉妬)&加具山さんだ〜〜(1ページだけだけど)!
夏大で引退した武蔵野の3年生、スタンドで観戦中です。その中に、少し髪の伸びたカグさんが! 相変わらずかわいい〜(少し後ろにフクちゃんもいます!)
さて、2回の西浦の攻撃はノーアウト1塁。盗塁する気満々の田島がランナーです。相変わらず男前です(嫉妬)。
榛名はバッター勝負!と花井にガンくれてます。メンタルの弱い花井キャプ、がんばれ!
と、1球目から走る田島! キャッチャー秋丸の送球はピッチャーマウンドに当たって跳ね、田島は2塁悠々セーフです。
そして、田島の秋丸評は「肩は悪くねーのになァ」。後、相手も田島を知っていたように、田島もサードの清水くんのことを知っているんですね。荒シーの頃に対戦したことがあったんでしょうね。なかなかいい選手だったようで、「あいつが正捕手のがチームしまんじゃねーの?」と評しています。
さて、モモカンの次の指示は、花井には進塁打でいいから打て、田島には三盗はダメというものだったようですが……「行けるときゃ行く!!」と、三塁を狙う田島。あー、男前ですね(嫉妬)
花井は空振り(これは援護じゃない)。秋丸の三塁への送球がまたしてもそれ、田島はそれで一気にホームへ。足で1点をもぎ取ります。(点が入ったのはうれしいんだけどさあ……田島だけで1点取ってしまうというのは、これからの西浦的にどうなんだろう? 攻撃は田島のワンマンチームになっちゃっていいの? 花井は「オレは追い込まれてしまった」と青ざめてるし……花井の成長がまた止まっちゃうぜ? 4番5番の連打で1点という展開が観たいんだよ!)
当然、榛名はまた黒い怒りを漲らせていますが、清水くんがフォローして不発に。うん、確かにこの子が正捕手の方がチームのムードはよくなるかもしれないですね。
バッター花井に対して、阿部から「スライダー来るぞ!! クサイ球カット!!」という声が飛びますが、これはこう言っておけばスライダーが投げにくくなり、ストレートに集中できるという阿部の戦略。ですが、泉せんぱいが危惧したとおり、花井にはその意図があまり伝わっていなかったようで、本人もストレートが来ると予想していたものの、またしても空振りでアウト。気合負けはしていないと思うのですが、タイミングが全然合っていないみたいですね。
次は沖くん。「こ…怖がるなよ」と自分に言い聞かせているところが沖くんらしい。でも、1、2球は外よりのストレート、3球めは内よりにストレートを入れられて、あえなく見送り三振となってしまいました。
次は阿部。因縁の対決です。阿部は、「1年受けてた球だぞ 打てねェわけねェだろ!」と強気です。榛名は……「こいつ あらためて見っと目付きわりィなァ」って! いや、阿部のためにせめてもの弁護をしますと、元々の目付きの悪さはあるにせよ、内面的なものが目付きの悪さに表れるようになったのは榛名が原因ですから!
気を取り直して。1球目はストレートで見送り。阿部、「確かに迫力あっけどな ストレートしか投げねェなら 当てっことはできる!」と打ちにいきますが、スライダーで空振り。こらこら、榛名の球種はわかってるはずでしょ? 「変化球だって来んのが読めりゃ当てられる」っていうけど、読めなきゃダメってことで……3球目は、ストレートがくると思ってたのにスレイダーだったのかな? 1打席目は完全に阿部の読み負けとなりました。
阿部、「全力投球ナシでやられた オレ(捕手)がハルナ(投手)に読み負けるとか…クソ!」と悔しがってますが、”オレがハルナに”よりも、”捕手が投手に”の方に重みがあるなら、まだ阿部は立て直せるかなという気がします。榛名に対する悪い意味での拘りは、ある程度払拭できたのかなぁ。
3回表の武蔵野の攻撃は、三者凡退。でも、西浦も3回裏の攻撃は水谷、三橋が連続三振。2回から数えると5連続ですよ!
打順一巡して、1番の泉せんぱい。とにかく塁に出ようとセーフティバントを狙い、またしても秋丸の送球が逸れてセーフに!
今度こそ怒りに抑えられない榛名ですが、清水くんが止めに入ります。ホント、実はこの子が今の武蔵野の真の要なんじゃない? そんな清水くんにも怒鳴る榛名ですが……なんか愉快な顔になっちゃってますよ?
秋丸を睨みつける顔は本気で兇悪ですね。「決して以心伝心の間柄ではない」というところにちょっとウケました。
盗塁する気満々の泉せんぱいを見て、榛名は投球をワンバウンドさせます。わざと、なのかな? 当然、泉せんぱいは2塁に到達。
バント職人、栄口くんに対するモモカンのサインは、バントをキャッチャー前に転がせというもの。ツーアウトですから、バントする栄口くんも生きなくちゃいけない訳ですよね。榛名の球の勢いを殺すというのは相当難しいんでしょうが、栄口くんはさすがにうまくキャッチャー前に落とします。
ですが、秋丸が奇跡の好送球を見せ、1塁アウト。田島が評したように、実は秋丸って肩は悪くないんですね。でも、成功率は4球に1回。そこにまだ西浦がつけ込める余地あるはずです。
さあ、4回表の武蔵野の攻撃は、4番榛名から。
バッターとして、投手榛名に読み負けた阿部、当然バッター榛名を打ち取ることに闘志を燃やしてます。次号の勝負が楽しみです!
追記 秋丸の「ナイスロー!」が4球に1球である件
三星戦のとき、叶くんが「好きってことは集中してるってことなんだ」って言ってましたよね? 三橋は野球が好きで、一試合通して集中して投げられるくらい好きだから、抜群のコントロールを発揮できる。
秋丸も、野球は好きだと言ってましたけど、送球を逸らさないのは4球に1球。
つまりそれって、秋丸の野球に対する「好き」は、一試合通して集中できるほどの「好き」ではないってことですよね。
「好き」の重さ、「好き」に対する覚悟が足りないってことかな?
だから、秋丸が一試合通して集中できるほどの「好き」を野球に対してもてない限り、いくら榛名がギリギリしても、秋丸がいい捕手になることはないんだろうなと思いました。
まあ、中には「好き」過ぎて冷静さを失ってしまう人もいますが……(阿部さん……)
2012年4月号
今月のひと言。田島が男前すぎっ!
さて、2回です。
マウンドに向かう三橋。ホームベースの方を見て、そこに阿部がいることに何らかの感慨があるのかなーっと思いきや……次のページめくったら、何かわいいことしてるんですがあんたはーっ!
これ、榛名が投げるときに踏み込んだ跡が残ってるので、そこに自分の足を合わせてみてるんですね? だいぶ離れているということは、やはり身長が……
三橋がこんなおもしろいことをしているのに、阿部の感想は「比べんなよ!」です。阿部は、榛名と三橋を比べてはいないんでしょうけど、榛名への拘りがまだ捨てきれてない気がするなぁ。
1回が三者凡退だったので、2回のトップバッターは4番の榛名です。「楽しそうじゃねェの」は阿部に対する言葉ですよね? 榛名の方には拘りはないんでしょうけど(たとえば、タカヤが武蔵野に来てたらとか考えることはないでしょうけど)、ちょっとは気にしているのかしら?
榛名を分析する阿部にも、阿部のリードを読もうとする榛名にも、やはりお互いを知っている者同士という感じがします。
カーブ(ゆるい変化球)を打たせるつもりがスライダー(速い変化球)を打たれてしまったということは、阿部的にはちょっとやられた感があるのでしょうか。でも、シングルヒットなのでこの後を抑えれば問題ないはず。
5番の藤巻くんはバントの構え。普通、5番といえばクリーンナップの一員のはずなのに、バントをさせるということは大したことないのだろうかと思ってしまいますが、バントがうまい上に足も早く、オールセーフでノーアウト1、2塁になってしまいます。6番の八木君にもバントされ、1死2、3塁のピンチに! モモカンは満塁策をとり、7番を敬遠します。
8番との勝負で、1球めはバントの構えをするも引いてストライク。次は狙ってのボール。3球めはカーブを打たせてファール。これでカウントは2−1です。4球めは低目ギリギリを狙ったシュート。これをスクイズされ、ホーム返球は間に合わないと見て阿部はファースト送球を指示しますが、バッターランナーも間に合ってセーフに。その間、3塁ランナーの榛名がホームインして1点先取されてしまいます。
つまり、武蔵野の1年生は俊足ぞろいで、下位打者でも油断できないということですね!
でも、9番の秋丸はセカンドゴロで、ダブルプレイでチェンジです。
2回裏の西浦の攻撃は、こちらも4番の田島から!
榛名はまず速球でボール。そして、2球めに行く前、榛名をじっと見据える田島。睨み返す榛名。このページ、すっげえ男前ページですね!
しかし、榛名は田島が打てないと思って1球めと同じような球を投げてしまったようで、見事田島に打ち返され、センター前ヒットでノーアウト1塁です。モモカンも言ってますが、ほんと、惚れ惚れするメンタルの強さ!
タイムで走ってきたのは、キャッチャー候補の清水くんでしょうか? 「ダメッすよ 1本調子じゃ! そう言いましたよね!」と、榛名に遠慮なしに怒鳴ってます。続いて走ってきたのはファーストなので藤巻くんですね。彼は中学時代の花井を知ってるのか、「花井はまず気合で押しちゃって下さいね」と……花井キャプ! 見抜かれちゃってますよ!
この藤巻くんも榛名に遠慮なしです。榛名は「こいつら 3年いる間は猫かぶってたんなァ」と渋い顔をしていますが、それだけ彼らは本気で勝ちたい、勝とうとしているってことですよね。それに、榛名を尊敬しているのだろうけどこうして遠慮ないってことは、単に偶像視しているのではなく、一緒に闘っていこうとしているってことですから、榛名にとってはいい環境なのではないかと思います。
そして、花井がバッターボックスへ。このモモカンのサインはなんでしょうか?
榛名は、「これが”花井”ね なるほど気合で押せそうなカオしてら」とか、失礼なことを思ってます。キャプ、見返してやってくださいね!(いや、そこでヒーローになりきれないところが花井なんで、ポカってもそれはそれでいいんですが)
それはさておき、この最後のコマにシビレました! 田島、「花井 ちょっと待ってろよ 今オレが三塁まで行って お前に打点付けてやっから!」と……すっごい男前セリフ!
冷静に考えれば、あのキャッチャーだから足でかき回してやれるってことなんだと思うんですが、田島が花井にモノローグで呼びかけている内容がこんだけ男前だということに萌えるんですよね〜
次号、嫌がおうにも期待が高まります。花井、スクイズでいいから決めてね!!
今月のひと言。阿部が試合でキャッチャーしてるーっ!
今月号から、いよいよ榛名率いる武蔵野との直接対決開始です!
先攻後攻を決めるじゃんけんで、何と花井が勝ちます。運の悪いキャプテン返上? それとも、榛名はこんなところで運を使い切らないぜってこと?
最初、微妙にうれしそうで、榛名に背を向けた途端に笑顔になって、コマが進むごとにうれしさが高まった行って、どんどん崩れていく花井がかわいい、というか愉快です。モモカンの後姿を見つめる花井がかわいさMAXですよ! その後も花井が百面相状態でおもしろいんですが、最後はモモカンのニヤリという不適な笑いに「オレらの監督は頼もしいぜ〜」と、怖がりつつうれしそうな笑顔が締めでした。
グラウンドでは、西浦バッテリーが投球練習中。阿部の「ナイスボール!」の声に、「うひゃ〜 なっつかし〜」とモノローグする榛名。忘れてなかったのね。ちょっと報われたかな、阿部?
そんな榛名が飲み終えたカップを、何も言わずにひょいと受け取って片付ける秋丸。そして、チラっと視線を寄越されただけでサっと腕のマッサージを開始。……これはもう、バッテリーというより、幼馴染というより、長年連れ添った夫婦のノリですね。萌えないけどさ!
その途中、「そんじゃ上(スタンド)で見てんな! がんばれよ!」と声を掛けた先輩は……髪が伸びてて、最初誰かと思いましたが、大河先輩ですね。先代キャプテンの。ノックをしにきてくれたらしい。
マッサージを再開しようとする秋丸の手を、やっぱり何も言わずに振り切って、大河先輩を追っかけて行った榛名。ちょっと相談? 秋丸のことを何とかしようと考えていた榛名が思いついた「コエーこと」、秋丸の熱のなさの根本的な原因ですが……
「あいつの望みって もう かなっちゃってんじゃねーかって思って……」
ここで榛名、青ざめてはいますが、そのこと自体がイヤって感じじゃないんですよね。単に、そうだったら秋丸がレギュラー取ることに本気になることはなかいって確定しちゃうから、それが「コエー」ってだけで。
大河先輩に「野球部にいてポジションとられて悔しくねーやつはいねーよ!」と言われ、「そっすね 清水が正捕手とったら キット ツイニイヨイヨ 秋丸も イチネンホッキしますよね」と返す榛名。(このカタカナの多様は、榛名はそうは思ってないってことを表すためなのだと思いますが、ちょっと田島を彷彿とさせてしまいました。漢字書けない?って感じ)
どんどん「コエーこと」になってくる榛名と大河先輩の会話ですが、「親と同じアイジョーなわけ!?」「そんないーもんじゃないんスよ あいつの場合は 生まれながらにその役つーか 黒子つーか …もうオレの一部…みたいな……」というところまで行き着いてしまいました。あの榛名をブルブル震えさせるなんて、このネタでしかあり得ませんね! それでも榛名は、どんなに望みが薄くても、後輩の清水くんが町田先輩のレベルになってくれるよりも、秋丸がキャッチャーとして本気になってくれる方がいいんですね。それだけ、自分の100%の力が出せる相手は貴重だということでしょうか。
秋丸自身は”子分になっても仕方ないだろ”的なことを言っていましたが、最初に構想されていた秋丸が主人公だったという『おお振り』プロトタイプは、そんな秋丸が”自分は榛名の一部じゃない”と気付く話だったんですかね……?
しかし、まさか大学に行ってまで”子分”のままの秋丸が付いていけるとは思えませんので、榛名が待てるのは高校生の間だけでしょうね。それこそ、高校から直プロということもあり得るのですし。
次は西浦バッテリー。
試合前の恒例行事、手を合わせる二人。これ、他校にはどう見えてるのかな……
そして、「おかしーとこあったら首振れよ!」という阿部。あの阿部が、首振れと! 変わりましたね〜
「こいつには うらぎられない オレも こいつを うらぎらない!」とモノローグする阿部。榛名との確執、まだ阿部の中で傷として残っているのかな? ちょっと危ういものを感じさせる阿部ですが、気合は入っている様子ですよね。
それに……2回め読み返していたときにぐわぁっと感動の波が来てしまったのですが……阿部が試合でキャッチャーしてるんですよねっ! 作中では数カ月のことですが、私たちにとっては何年ぶりよ!?って話ですよ。うれしくて一頻りきゃーきゃー言ってしまいました。
さて、いよいよプレイボール!
三橋の精密コントロールで打たせて捕る戦法は顕在。1番小林君は初球を打たされてサードゴロでアウト。2番の清水君はキャッチャー候補の子で、榛名さんがいるんだからこのピッチャーに負けたらダメだと気負ってますが、やはり初球を打たされてショートフライ。とんとんとツーアウトです。3番には2球見られますが、やはりストライクからボールになる変化球を打たせてアウト! 三者凡退です。
ところで3番バッターのとき、阿部は「4番(あいつ)の前にランナー出したくねェし」とモノローグしてますが……”あいつ”というのはつまりは榛名のことですね? 内容的にはキャッチャーとして普通のモノローグなんだけど、ちょっと気になってしまいます。阿部の中で、榛名の位置ってまだ特別なのかな、とか。
続いて、西浦の攻撃。榛名の投球練習を見る田島、花井、巣山の目は真剣そのものです!
ここで場面はスタンドへ。花井母、阿部母、巣山母の3人。花井母は阿部のことを既に「タカ」呼ばわりですよ! その阿部は、お父さんと2人で昔のビデオを引っ張り出して、榛名の投球分析に余念がなかったようです。毎日夜食3人分! 大変ですね、阿部母さま。そして、息子だけに食べさせるのは無理なのか……阿部父、生活習慣病が心配ですね。
で、西浦の1番はいつも通り泉先輩。速いだけなら当てる!と意気込みますが、1球目見送り、2球目振り遅れ、3球目見送りでアウト。続く2番栄口、3番し巣山も三振です。
西浦っこたちは全然ついていけない速さのようですが、阿部は「8割投球でコース投げ分けてる やっぱ中学ン時のあいつとは別モンと思った方がいーな」と冷静な分析。これはふっ切れているのかしら……とも思いますがまだちょっと気になりますね。
武蔵野ベンチでは、秋丸が榛名に「なんか今日丁寧に投げてない?」と聞き、新人戦の教訓を生かしていると答える榛名に、「へー じゃ今日は四死球ナシか?」「そーいうことんなる」「ははは まさかあ」という会話をかまし、後輩達に白い目で見られてます。榛名本人は気になっていない様子ですが。
榛名は「教訓もあっけど アノヤロどーもオレのことアホだと思ってるカンジすっかんな 今日は頭使えっコトを見せてやんだよ」と言って笑ってますが、秋丸は「アノヤロってタカヤのこと? えー頭じゃかなわないだろー 西浦と偏差値いくつ違うか知ってるか?」と返し、また後輩達の白い目にさらされています。で、やっぱり榛名は全然気にしてなくて、「え いくつ?」とかのんきに聞いてます。
うーん、これはかみ合ってないというより、秋丸と榛名の普通が、後輩達の目からはひどいバッテリーに見えるって感じなのではないでしょうか? 榛名は案外、秋丸とこういう会話することで余計な力が抜けていいのかもよ?
ちなみに西浦のモデル校と武蔵野第一のモデル校の偏差値差は、私が受験生の頃は10くらいはあったと思います。西浦のモデル校を受ける子の滑り止めが武蔵野第一のモデル校ってカンジですね。
今はどうなってるかわからないけど、あんまり変わらないのかな? 実は西浦のモデル校って、県下では有名な進学校なんですよ〜
ところで、私には一つ言いたいことが。
先月号は町田先輩、今月号は大河先輩。そう来たんだから、来月号は加具山先輩を出そうよ! 髪が伸びたカグやんを見たいよ〜!
今月のひと言。これは”オレたちの目標”だ!
先月号に引き続き、西浦は文化祭真っ最中です。
ですが、クラスの手伝いもせずに秋季大会のために榛名の投球分析をしようとする阿部。
部員たちのクラスを回ってからにしようとするのに対しても、「えー いらねーだろ」と、何処までも野球中心の阿部。
ここで、三橋が自己主張! 阿部に「なんでだーっつってんだろ!!」と怒鳴られても、臆せずに「みんなんとこ 文化祭 見たいんだ!」と、目をキラキラさせて自分の気持ちを言います。
それに対して、阿部も「じゃ回ってからでいーや」と折れました。いやー、変わりましたね! 三橋も阿部も、二人の関係性も。
クラスの当番を平気ですっぽかす阿部に泉せんぱいが鋭いツッコミを入れていますが、水谷の弁によると「どこ中心かわかりやすいから案外許されてんじゃないかなァ」だそうです。つまりはあまりに野球馬鹿すぎる阿部に、みんな何を言っても無駄だと悟っているということですかね? 「がんばってる姿も知ってんじゃん」ということですから、三橋のクラスメイトが指の心配をしてくれるのと同じようなことでしょうか。
で、ここで場面は武蔵野第一高校に移動。(なので、西浦の文化祭風景は描かれませんでした。残念……。他のクラスが何をやってるかも見たかったなぁ)
秋丸じゃない捕手を相手に投球練習をしている榛名。それを見守っていたらしい元捕手の町田先輩。(何で町田先輩だけなの!? 加具山さんも出してほしかったーっ!)
町田先輩にいろいろ言われますが、やっぱり熱意の感じられない秋丸。「軽いな〜〜〜」と言われちゃってます。
それにしても、榛名は意外に後輩たちに慕われているみたいですね。この場面では、「そんな人じゃないスよ」「残念ながら オレに対してはそんな人なんだよ〜〜」にウケました。
サインを出させない投手の例で村田兆治さんが挙げられていますが……えーと、まさかり投法の方でしたっけ? すごい投手なんですよね? ……そんな人と同列でいいのか、榛名?
秋丸は町田先輩にさらにいろいろ言われていますが、最後には溜息まじりに「お前 春からポジションねーぞ」と言われてしまいました。
夏大の最後では、榛名は秋丸を何とかすると言ってましたが、まだ全然何ともなってないようですね。
場面は変わって、三橋の家。三橋、阿部、田島、泉というメンツで武蔵野の新人戦のビデオ鑑賞です。
話題は”2年生捕手=秋丸”について。サインを出していないように見えるということで、田島がまた天才ぶりを発揮。球種は投げた瞬間にわかるそうです! 秋丸は”キャッチングに特化したヒト”というのも当たってます! そして、「バッティング全然で クロスプレー下手で スローイング悪い」とぶった切りですね。全部ホントのことですが……
3年の抜けた武蔵野の力は落ちるかと思っていましたが、ノーエラーでヒットも6本。鍛えられているようです。
でも、四死球絡みで相手に点を取られているそうで、やはりそれは秋丸の捕手としての力不足のせいもあるんでしょうね。榛名のコントロールだけの問題でなく。
阿部の作戦は、プレッシャーかけて四死球かエラーで塁に出て、足でかき回すというもの。
田島が速球に目を慣らしておく必要があると主張し、久喜にある150キロの速球を打てるバッティングセンターに行くことに。久喜というと、西浦の最寄り駅からですと、調べてみると大宮で乗り換えでほんとに30分くらいでした。しかし、部活のあとに更にバッセンって……根性あるなぁ。
翌日、文化祭2日目ですが、野球部は他校との練習試合で、戻ってからも普通に練習。しのーかも普通にジャージ姿に戻り、田島のハートマークは消えてしまいましたが、三橋はやっぱり……なのか?
文化祭の後のクラスの打ち上げにも行かないということで、その理由として水谷が「酒飲むやつとかいそうだもん」と、なかなかしっかりしたことを言ってます。それで、花井が千代ちゃんにも打ち上げに行くかどうかを訊いたので、過剰に反応する水谷。千代ちゃんも行かないと答えたので、ぐっと拳を握り締める水谷。気付いていない花井、気付いている泉、気付いているけど訳がわかっていない三橋という三者三様がおもしろいですね。
モモカンは、花井を呼んで後夜祭のファイヤーストーム点火は見ていったらどうかと提案。毎年の演出というのが高校の文化祭っぽくていいですね。
たった一人の部員が亡くなっていたということが引っ掛かっていた花井は、モモカンに「それでも今みたいに甲子園目指してたんですか」と質問。それに対するモモカンの答えが、軟式だったので甲子園を目指すようなところじゃなくて、部員も減ってしまって、部員獲得のために硬式にしたというもの。
そして、花井が更に「じゃあ監督も 今 はじめて 甲子園優勝 目指してんスか?」と訊くと、モモカンの答えは「そういうこと」!
それを聞いた花井は、モモカンが甲子園を目指す決意をしたきっかけがたった一人の部員の死で、動機もその人のためかもしれないけど、モモカンもはじめて甲子園優勝を目指しているのなら、これは”オレたちの目標”だ!と、引っ掛かりを吹っ切りました。ここの花井の表情、いいですね!
その次のページからは、一気に情けなくなってしまいますが……
ファイヤーストームの点火を見ながら、たった一人の野球部員が亡くなっていたことをみんなに報告。後夜祭らしく笑いが満ちている中で、真剣な表情をしている野球部のみんなの対比が印象的です。みんな、この時間が貴重な、かけがえの無い時間であることを噛み締めているのでしょうか。
そして、いよいよ秋大の始まりです。場所は浦和市営球場なんですね。西浦っこたちは自転車移動。武蔵野はマイクロバス。
バスから降りてきた榛名が、三橋に気付いて、ヨ、と手を上げるとこ、何かいいなぁと思ってしまいました。榛名、三橋のことは認めてるんですね。
三橋、榛名に気付いてもらえてうれしそうだけど、「今日はいい勝負して オレ達が 勝つ!」と、いい表情です!
気弱なところもビビリなところも、どこかしら残っているとは思うのですが、三橋は野球に関してはすっかり譲らない気構えができているということでしょう。
次号、どんな試合になるのか楽しみです!
2012年1月号
今月のひと言。待ってました!!
ようやく、おおふりの連載が再開されました!
新人戦は華麗にスルー、西浦は秋季大会のシード権を獲得です。……阿部がいない大会だから、ま、いーか。
そして、埼玉代表ARCは2回戦敗退。うーむ。埼玉って、全国レベルと比較するとそんなに強くないんだな。
部長の花井と副部長の栄口くんは秋季大会の抽選会へ。志賀先生も一緒。
そこで、今回いきなり明らかになった新事実! モモカンの時代のもう一人の野球部員はお亡くなりになっていたことが判明……
お医者さんからの伝言を聞いたときのモモカンの態度からして、何かキツイ事実があるんだろうなとは思っていましたが、そうきましたか。
でも、もっと黒いことかと思っていたので、ある意味ソフトかも……まあ、亡くなる前に黒いことがあった可能性は残っていますが。
それはさておき、このことは、もしかすると西浦の子たちの”強い動機”になるかもしれませんね。
ここで花井、「オレら11人の中の 1人が死ぬことだって うまく想像できねェ」と述懐してますが、高校生ならそれが普通ですから!
縁起でもないこと考えないで!
あ、11人ってことは、千代ちゃんも入ってるんですよね?
そして抽選。花井、”さすがのクジ運”で武蔵野第一が初戦の相手です。
いきなり榛名と直接対決ですか!
しかし、田島は「よくやった!」「もーオレ 楽しみで しょーがない!」と、目をギラッギラさせています。さすが田島。ここのページ、ずっと目がギラッギラしたままですね。
で、この翌日が文化祭なんですね。練習は休み。あさってから朝練再開、ということは、新人戦の間は朝練をやってなかったんですね。試合前に疲れすぎたらまずいからかしら?
栄口くんが「夜更かし今日までだな」と言うのに対して、巣山は「弁当が大変なんだよなー」と言ってますが、それは巣山がお弁当を自作しているからなんですって! さすがつくねをつくってくる男だけのことはありますね!(「ちいさく振りかぶって」参照)
阿部はまだちょっと榛名には思うところがあるのか、渋い顔で三橋に「対戦 嬉しーのか」とか言ってます。
でも、三橋に「だって阿部君 出れるでしょ オ レ 勝てる!」と言われ……ここ、阿部の表情出てませんが、きっと内心はぐわーっときてるはずだと思います。
三橋は別に相手のフトコロに入るためにほめてる訳じゃなくて、本心から思ってることを言ってるだけなんでしょうね。「でも ホントのことだから しょーがねェな!」ってのは、そういう意味なんじゃないかと私は解釈しました。
さて、文化祭と言えばクラス企画ですが、三橋も阿部も自分たちのクラスが文化祭で何やるか知らないんですね。運動部の男の子ってそんなもんなのでしょうか?(私は女子校出身なんですが、女子校では運動部の子もちゃんとクラス企画に参加していた気がします。むしろ文科系の部活の子の方が、文化祭では自分達の部も企画があるのでクラスにあまり参加できなかったのではないかと思います)
さすがに前日のこの日は野球部の面々もクラスの準備を手伝うことに。スーパーマイペースの阿部は、「オレはいーや 重いモン持ちたくねェから てきとーに言っといて」ときましたが。……うん、怪我がまだ完治してないんだよね? 単に文化祭に興味がないだけじゃないよね?
9組のクラス企画は人気投票。単なるミス、ミスターだけでなく、いろいろなジャンルでやってるみたいですね。「Nice筋肉」とか、「Nice唇」とか、「Niceメガネ」とかあります。そして、その中に「Nice学ラン」が! 当然応援団が1(浜ちゃん)、2(梅原さん)、3位(梶山さん)を独占! しかし、浜ちゃんならもっと別のジャンルでもいけそうな気がします。
クラスの女子に「三橋君はいーよ! カッターとか針金とかあぶないから!」と言われちゃう三橋。(この子、ちょっと目つきがきつめでかわいーです)
浜ちゃんが言ってるのかしら? それとも、阿部が9組まで出張して注意しているのかしら……と、妄想してしまいました。
花井と栄口くんは、偶然ゴミ出しがかち合って合流。話題は、抽選会で聞いたモモカン時代の亡くなった部員のことに。
「そっとしてといてほしいかもしんねーだろ」と言う花井に、栄口くんはその人とモモカンが特別な仲だと思ってるのと、ちょっと興奮気味?(栄口くんって、けっこう恋愛話が好きですよね)
そこへ、田島までが合流。この3人だけで話すのって珍しい。つか、初めてじゃないっすか?
”なんかひっかかる”と言う花井に対して、栄口くんの返しが大人です。
「はげみにしてるんならいんじゃないの? 人って死んじゃうもんだし 残された方はそのことでがんばれたりがんばれなかったりするもんだよ」
実際に、大切な人を亡くしている栄口くんだから言えることですかね。
この花井のひっかかりは、花井→モモカンのフラグと考えてしまうにはちょっと短絡的すぎるような、もっと奥が深いものを感じます。
……しかし、タジハナ好きとしてはここは萌えシーンなんでしょうが、全然そんな気にはなりませんでした。そういう方向に走るには、話題が重過ぎるからですかね?
さて、文化祭当日。
9組の3人は部員のとこ全部回ろうと出発。まずは一番近い7組から。
「ぐりーんてぃかふぇ」ってことは、つまりは和風喫茶店ですね。しのーかがウェイトレスをやってます。ゆかたにフリルエプロンで、ヘッドドレスもつけて大正浪漫風?
田島が「わースゲー! ユカタ! エプロンもかっけー!!」と騒いでいたら、泉せんぱいが「かっけーじゃねーよ かわえーだろ」とのひとことで、千代ちゃんを赤面させました。さすが泉せんぱいです。言った後でテレてるのが高1らしくかわいいけど。
三橋は千代ちゃんのかわいさに真っ赤に。……これで三橋→千代ちゃんは確定か。本人の自覚はさておき。田島と泉せんぱいは気付いたっぽいけど、水谷はまだかな?
で、お茶と団子を運んできた阿部は、”雑だから”という理由でお茶係を外されたそうです。しかし、本人全然気にするふうもなく、「ンじゃ一緒に榛名の投球解析やんね?」とスーパーマイペースです。ここまでくるとさすがです。クラスのみんなもあきらめちゃってるんでしょうね。「阿部だから……」と。
そして以下次号。
ここで投球解析を始めてしまうとなると、他のクラスには回れないかもしれませんねぇ。
せっかく7組にいるので、午後当番の花井が合流するかどうかが気になるところです。