2009年 アフタヌーン感想 前半
 



2009年6月号


某サイトの今月号の感想を読んで泣いた…… 阿部、そろそろ乗り越えようよ!

今月号も武蔵野対ARC戦です。
榛名の投球を見て興奮気味の太田川に、キャッチャー吉田先輩が苦言。「じゃあ 速い球で抑えられるわけはねェよな」「はい!」「リキんでオレのリード ムダにすんじゃねーぞ」「はい!」
先輩後輩の関係があってこそなんでしょうが、ここで投手に気持ちを切り替えさせる吉田先輩はキャッチャーとしてかっこいいですな。うっかり惚れそうだ。
一方、西浦。捕手が代わってから榛名の投球が目覚しくよくなり、新しい捕手が気になるのは当然でしょう。だから三橋は「あ 阿部君 秋丸さん 知ってる 人?」と訊いたんですが、余裕のない阿部は「は? なんで?」と、ひどい態度ですよ! 三橋にしてみれば、榛名とシニアでバッテリーを組んでいた阿部は、秋丸も知ってるかもしれないと思うのは自然な思考だと思うんですが、阿部は自分が秋丸のことを全然知らないし、そのことでイラだってもいるので、そういうことに気付けないのですな。(そういや、抽選会で会ったときに三橋は秋丸にも会ってて、榛名と親しそうなのを見てますしね。……覚えてるかどうかは微妙ですが) 人の思考を読むのが捕手の役割の一つでしょうに、日常生活では全然それを使えないんだなぁ、阿部は…… まあ、そんな風に人の思考を読もうとする以前に、そのきつい態度を改めなさいって話ですが。
三橋、「しっ しっ しっ ごっ ごごっ」とどもってます…… これ、解読できなくてちょっと悩んだんですが、「知ってるかと思った。ごめんなさい」って感じですかね? 三橋はウザがられるからキョドっちゃダメだと抑えようとしてますが、それよりまず、阿部が自分の態度が三橋のキョドリの原因だと気付くべきだろーよ! あー、ちょっと今月は阿部にやさしくできません。
阿部は深く考えないので、さっさと次のバッターのことに注意が向かってしまってます。4番の大河さんは「結構 打って」るんですね! しのーかは新聞の切り抜きもしてくれてるのか〜 阿部よ、それだけ世話になってるならたまには礼を言ったりねぎらったりさ…… まあ、そんなことするよーな阿部じゃないとはわかってますが。
最初読んだ時は「バッピ」って何のことだろう?と思ったんですが、「バッティングピッチャー」の略ですね。つまり、バッティングの練習のために投げる投手。榛名の速球でバッティング練習してりゃあ、当然武蔵野の選手はみんな速球には強くなる訳で、彼らを抑えるには速球に頼らないリードが必要になるということでしょうか。
吉田捕手の配球は、1球目はカーブでストライク。「このストライクを見逃しちゃうと 後に効いてくんだよ」とは阿部談。2球目もカーブで1球目よりは内に入れ、ファウル。同じような球が来たから打てると思って手を出しちゃうけど、同じ軌道をイメージしたスイングではズレてしまうってことでしょうか? 三橋は「つ  つ 次は カーブ じゃない球 来る?」と予想。阿部も「多分な」 三橋は「せいかいっ」とうれしそう。3球目は全力投球でボール。カウントが2−0だからボールになっても良しで、打たれても力負けしないように全力投球指示ってことだそうです。で、まだカウントは2−1で投手有利なので、思いっきり投げた球が今度は入ってストライク。これで三振。
三橋、「お 太田川君 より 吉田さん 対 大河さん だね」と、なかなか鋭いことを。吉田の指示ってことを阿部が言ってるからかな?
ここでの阿部の捕手談義がおもしろい。と言うか、吉田さん談義ですか。投手によって捕手のリードは変わるという話で、エースと二番手の時は「お前の球信じてンぞ」ってのが見えるリードで、2年生の時は「お前はやれっから自信もって投げろ」って感じで、1年生の太田川の時は「いーからだまってオレの言う通りに投げやがれ!」ってところ。これは、先輩後輩の関係とかってだけでなく、投手の性格も踏まえてのリードの仕方ってことなんでしょうね。
生き生きと吉田捕手について話す阿部を見て、三橋が「あ 阿部君 は キャッチャー 好き なんだね!」 何を今更ですが…… それに応える阿部が、すごくいい笑顔!

「はあ!? ったりめーだろ! キャッチャーが一番 かっこいーよ!」

同じ「は?」でも、言う態度によって全然印象が違う訳ですよ、阿部よ……
それはさておき、阿部ってホントにキャッチャーってポジションが好きなんですよね。田島に二番手キャッチャーをやるようにモモカンが説得してた時も、阿部は「キャッチャーが一番おもしれえよ」って言ってたしね。あれは掛け値なしの本音なんだろうな。だから、いい捕手の話をする時はこんなに楽しげでうれしげ。でも、武蔵野の捕手に対しては……と言うか、”榛名の捕手”を見るときは、その人がいい捕手だろうがイマイチな捕手だろうが、そんな風には楽しんでは見られないんだろうな。それがどうしてなのか、そろそろ気付こうよ、阿部。
三橋は、ギシギシ荘でハマちゃんとしょーちゃんの将棋対戦に横から口出しして「ミハシ うるっせい!」と怒鳴られたことを思い出して、自分が阿部と一緒に配球を考えることは邪魔なんじゃないかと思いかけますが、「投手は 阿部君の相談相手になる役 だ!」と思い直します。三橋、大進歩だ! 三橋は、「ちゃんとしたバッテリー」になろうと努力している。それに気付いていない阿部の方が負けてると思うぞ。

2回表の武蔵野の攻撃は0点で終わってしまったようですね。
チェンジで、塩入と太田川の1年生コンビの会話。シオくんの津軽弁が……わかるよーでわからない! 「けっぱってらな」は「がんばってるな」って感じだと思います。「あずましい」は確か「すごい」とかいう意味かと思ったのですが、ネットで調べてみたら「気持ちがいい」という意味でした。ってことは、「吉田先輩のリードはすごく気持ちいいから、何もかもうまくいくんだな」という感じでしょうか? 「えふりこぐ」は「見栄をはる」という意味でした。「したばって」は「だからって」という感じでしょう。「わんど」は「自分達」という意味なんですって。読みづらいかもしれないけど、私はこうして地方出身のキャラがちゃんと方言でモノローグしてるのは好きですね。だって、考えてるときって自分の普段使う言語で思考が構成されているはずですから。それを標準語にしちゃうと嘘っぽいでしょ? 何となく意味はわかりますしね。
さて、2回裏のARCの攻撃。8番の坂巻君は最初の2球とも振っちゃいます。2球目は明らかにボール球なのに。3球目もボール球のようですが、振っちゃって三振。
阿部、複雑な表情。「…もしも 万が一… ノーサインでやってんなら 榛名の組み立てってことかよ?」 榛名は、”組み立て”ってほど考えて投げてる感じはしないのですが、感覚的に自分の球の活かし方を知ってるから、自然と効果的な投球ができているんじゃないでしょうか? でも、阿部は捕手だから、そういう見方はしないのだろうな。
9番のピッチャー太田川に対しては、榛名は1球目から速いストレートど真ん中! ここで、三橋の反応と太田川の反応がそっくり同じでおもしろい。投手として、すごい球にはビビっとくるんだろうなぁ。それで太田川くんは打者として燃えてしまいますが、次は遅いストレートがきてタイミングが合わず、打ち損じてアウト。
阿部は、速い球と遅い球を「ノーサインで捕れるもんか?」と気にしてますが、思考を言葉に出してはいません。榛名の投球が始まってから無口になってるんじゃないでしょうか? 三橋の方は「しゃべら ないと 相談 するんだ」とがんばってます。
そして、打順は1番に戻り、前打席ではヒットを打っている北川さん。1球目はボール。三橋は、「1番の人 は 内角苦手 だもんね?」と! あ、ちゃんと打者のデータ覚えてるんだ! 2球目もボール。榛名、コントロール度外視で思いっきり投げてるんでしょうか? 3球目もボールで、真っ青になる三橋。投手として、0−3は一番嫌なカウントなんでしょうね〜 でもそれだけじゃなく、「前打たれたの 内角 高目 手ェ出してくれたら いいボール?」と、ちゃんと分析してます! 釣り球だったってことかな? しかも、阿部に「お前 1打席目の配球 覚えてんの?」の訊かれて、たどたどしくですけど全部の配球を答えてますよ!
なのに阿部ったら、それを褒める前に「それ覚えてて なんで毎度 対戦校のデータが 入んねんだこの頭は!?」とウメボシ…… も〜、これだから阿部はダメなんだよ〜 応用で、「今度から 集計前のスコア 見してみっか」とか思ってますが、それをじろっとにらみつけながら考えてても三橋をビビらすだけだって…… 一般的な感覚だと、試合を観てたり実際に試合してたりする時は集中しているから覚えられて、紙のデータになってるものはドキドキもしないし緊張もしないから覚えられないんだと思いますが、阿部はデータで覚えることが身についているからそういう感覚はわからないんですかね。スコアでどうかはわからないけど、試合のビデオを観ながら解説すれば、三橋も覚えられるんじゃないかな?
4球目は内のストライク。これでカウントは1−3。一貫して打者の苦手な内角を狙っているんですね。次の球は内角高目でボールだったようですが、打者は手を出してファウルにしてしまいました。見逃しても2−3だからよかったのに、手が出てしまうというのは勢いに押されているということでしょうか? 「伸びる」って感覚がよくわからないんですけど……
6球目も同じ球を投げて、これは打ち上げさせてアウト。「っし」とガッツポーズする榛名が悔しいけどかっこいいですな。
ここで泉が阿部に「バッテリー間 サイン交換してっか?」と訊いてます。(ちなみに、その後ろに水谷が。今月は、このコマが唯一まともな登場……) 阿部は、「普通のやり方はしてねーけど どっかでサインは出てると思うよ」と言いますが……出てないんですよね。阿部ほどの能力があっても、140km超えの荒れ球と135kmあたりのスライダーとを、どっちが来るかわからないで捕るのはきついんですね。そりゃそうだよな。武蔵野の事情を全く知らなければ、当然そう見える訳ですよね。
だけど、武蔵野ベンチでは……
戻ってきた榛名・秋丸バッテリーを迎えた町田さん、キズナっぷりがキモイ発言。榛名は不機嫌。「何十万と受けてて そんくらいできろってだけっしょ!」「つっか それしかできねーのかってハナシっすよっ」 大河さんに「ホントは仲良しなくせに!」っと言われて、歯をむき出しにして怒ってるし。打席に立ってからも、「キズナとか言うなよマッチン オーカワものってくっし」って……あ、あんた……先輩に向かって……! さすがに実際に言ってはいないでしょーけど! とすると、加具山先輩のことも、口に出しては「カグさん」と読んでも、脳内では「カグヤン」なのかしら? 
でも、続きのモノローグを読むと、不機嫌になるのも無理はないという気がしてくる。「あいつの甘ったれた根性には ホンットムカツイてっから おだてだってわかっててもイラッとすんよ」「っとよォ あいつがもっと真剣になってくれりゃあ オレの野球人生 けっこう違ってんぞ!」
秋丸が捕るだけじゃなく、他の捕手の役割でも向上するように努力してくれれば、もっと勝てる可能性が高くなりますもんね。でも、秋丸はそこを磨いてくれてない。町田さんという正捕手がいるからとか、秋丸が自分を過小評価しているか、いろいろあるんでしょうけど、それが「甘ったれた根性」に榛名には見える。ちゃんと秋丸に「もっと努力してくれ」って話しているのかは疑問ですけど…… 秋丸と榛名の目標が一致してなければ、秋丸は榛名の思うとおりの努力しなくても仕方が無いことですからね。例えば、秋丸の目標が「楽しく野球をすること」だったら、榛名の「プロを目指す」に合わせる必要はない訳ですよ。「甲子園に行く」を目標にしてるなら、もっとがんばれ!って話になるかもしれませんけど。そう考えると、チームとして目標を一致させるのってやっぱり大事なことなんですよね。全員が同じ高さの目標を目指さなければ、そこには到達できませんから。榛名もあまり話さないタイプでしょうし、秋丸に対しては榛名も榛名で気心しれてる甘えがあるからきっと言ってないでしょうけど、せめて「オレを勝たせるためにもっと上を目指してくれ」くらいは言うべきでしょう。ホントに秋丸が捕手として自分に必要だと思っているのなら。
ここでちょっと、榛名にとっても阿部を失ったのは惜しいことだったのかな、という気がしました。実際にそう思ってるかどうかじゃなく、単純に榛名を活かせる捕手として。阿部だったら、秋丸のようにノーサインで受けられる域には達しなくても、榛名の思いっきり投げたストレートを受けられるように技術を磨くでしょう。その他の捕手の技術についても。阿部だったら、秋丸の足りないところと町田さんの足りないところの両方を補うような”榛名の捕手”になれるのではないかと思います。この二人、出会う時期がもっと違っていたら、最高のバッテリーになれたのかもしれないんだな……と。

さて、武蔵野の3回表の攻撃。榛名は7番でしたっけ? セーフティバントを狙いますが、サードの送球が間に合ってアウト。
花井が「惜しいな!」、栄口くんが「さすがにヘッスラはないか でも狙いよかったよね」 ここのコマが、今月唯一花井がちゃんと出てるコマ……(泣) でも、隣に田島がいるから良しとするかな?
ネクストバッターズサークルにいる秋丸に、ベンチへ戻る途中の榛名が何やら耳打ち。ここの「はー!?」っていう秋丸と、不機嫌顔の榛名が何かかわいいなぁ。
で、榛名が秋丸に何を言ったかを加具山さんが尋ねると……「バット振んなって」! みんなも「はあ!?」ってなりますが、榛名の「だってスイング見たら そいつのレベルわかんじゃないスか!」がアタリだったようで、吉田先輩に「あいつ下手だぞ?」と見抜かれちゃいました。まあ、捕手としての「下手」なところが見抜かれている訳ではないのでセーフかもしれませんが。
ARCの監督は、「捕手によって投手は変わる 昨日教えた榛名攻略法は 全部頭っから消せ」と指示。で、榛名は全国区ではBランク、甲子園では3番手で出てくるレベルの投手だそうで……甲子園で勝ち進むことを目標としているARCにとっちゃ、「データなしで打てなくちゃおはなしにならない」レベルなんですって! 頂点への道は険しいな!
3回裏のARCの攻撃は、2番の小杉さんから。「オレらの試合 録画してねーのか武蔵野はってとこだよなァ」とモノローグしてますが、武蔵野はそこまでやれるチームじゃないってことでしょうね。ビデオ撮りに行ってくれる協力者がいないってことかもしれないし、ビデオ撮っても分析できるブレーンがいないってことかもしれないけど……どちらにしても、そういうレベルのチームだったってことですよね。そこが常勝のチームとの違いでしょう。
小杉さんはかわいい顔の割には辛口っぽい。「オレらも攻略法なくなったけど 榛名だって オレらのこと一夜漬けでしか知らねんだろ!」と強気です。
1球目は外のボール。変化球かな? 2球目はど真ん中の速球ストレート。阿部は、「ド真ん中は案外 穴になってんだよな でも2球は続けらんねー球だぞ!」と見ますが、榛名はやはり速いストレートを投げ、打ち上げさせてアウト。三橋に「速い球 2球 続けた ね…」と言われて無言の阿部。たまたまだってのは、もう言えなくなってるのかな?
3番は1年生のホープ、塩入君。津軽弁の彼です。「捕手が変わったからってそんなに変わるもんかな」「たしかにさっきより速い気がするけど」「速いだけだからBクラスな訳だろ」って感じでしょうかね。
1球目はストレートで入って、2球目はツーシームだったようです。えっと、ツーシームは変化球の一種ですよね? 榛名、球種増やしたんだ!? それとも、遅いストレートがそう見えただけ? でもとりあえず、これでカウントは2−0。阿部、すっかり”榛名の捕手”モードに入って試合を見ています。「1球遅いの見せたから 次は速い球 追い込んでるからボールでいい 高目に1つ!」 その通り、榛名は高目の速球を投げたらしく、塩入君はそれを打ちますがファウル。かなり飛んだようですが、阿部は「ビビるこたねェ 次はスライダーをヒザもとへおとせ それで―…」 が、榛名は低目の速球を投げたのかな? で、塩入君は空振り三振。
阿部は、「全力投球してくれんなら オレだって こういうリードをしたのに……」 せ、切ないね。阿部もつらいね……阿部は、榛名の”今の捕手”がこういうリードをしてるんだと思ってるんだもんな……
でも、阿部の隣には、阿部の”今の投手”の三橋がいるんだぜ? 阿部、そろそろ気が付けよ!
三橋は「……解説 なくなっちゃった な」と、阿部が黙り込んでることを気にしてますが……阿部の気持ちがわかっているからではなく、自分がしゃべるのが「ウザかった」からだと思ったよう。「言われる…前に 気 気づけた…… よかった」じゃないって! 阿部の鈍さばかりを責められないか?
でも、今の打席のことは聞きたくて、阿部の背中ごしにこっそり泉に話しかけ、イラアっとした阿部にウメボシされてしまいました…… どっちもどっちだけど、阿部にイラつく権利はないよ。(「これにも慣れたなー」な泉くんはやっぱり大物ですな! 隣で西広くんは驚いてるよ)
4番は吉田先輩。クールな吉田さんですが、春日部の強打者高橋君からのメールを思い出し、イラついて想像の中でバットで高橋君をボコボコなぐってるのがかわいー! やっぱり高校生だねぇ。うちのせんぱいがにほんいち!の春日部の双子もかわいいなぁ。吉田さんのイメージ内ですが。それにしても、普通に対戦相手とメアドを交換して日常的にやり取りしてるんですね。かわいいな。
で、吉田さんの打席。1球目をジャストミートしてツーベース!
榛名、ちょっと悔しそうですが、ツーアウトでランナーなしだし、「ツーベースのがあいつのボロ出なくていーや 2死1塁じゃ走られる確率高ぇしな!」なんですね。あいつのボロってのは、当然秋丸くんの肩ってことでしょうね。
そんな、全力で投げている榛名を見ている阿部のモノローグが切ない。
「成長期が終わったからなのか シニアの関東大会はあいつにとってイミがなくて 高校の県大はイミがあるってことなのか? それとも あいつは今 チームのために投げてるっつうのかよ…!」
最後のが、阿部にとって一番つらいでしょうね。阿部は、以前三橋が感じ取ったように、榛名に”自分と今やっている野球”を大事にしてほしかった。自分たちのチームを大事にしてほしかった。それに応えてくれなかった榛名が、今のチームのためには全力で投げているとしたら……自分たちのチームは何だったんだよ!?って気持ちになりますよね。
でも、阿部にとっては榛名とのことはもう終わったことのはずで、今は阿部には三橋がいて、西浦の仲間たちがいる。榛名に今は武蔵野の仲間たちがいるように。終わったことに拘って、今の仲間を大切にできないならば、阿部は榛名にやられて自分が一番許せなかったことを、今度は自分の仲間たちに対してしてしまうことになるんだよ。それに早く気づいてほしいな。

阿部が、”榛名の捕手”に対する拘りを捨てられるかどうか。それに今後の西浦が掛かっているような気がします。





2009年5月号

それでも、阿部を怒らない訳にはいかんだろうよ……

さて、武蔵野対春日部戦が終わり、ようやっと西浦のみんなが毎号出てくるようになってうれしい今日この頃。
片足バランスやってるみんなと、怪我で出来ないのでタイムキーパーをやってる阿部。モモカン登場で、みんな、バランスやりながらも「ちわす!」 さすが運動部。
試合結果について話す阿部とモモカン。この二人の会話は非常に野球脳がいい者同士って感じがしますね。
美丞はベスト8止まりだったのですね。倉田くんが出なかったのは、やはり野球を止めることにしてしまったからなのか、それとも…… 詳しい経緯をやってほしい訳ではないけれど、呂佳さんがあの後どうするのかは気になりますね。何らかのフォローはあってほしいものです。
そして、モモカンが怪我をした阿部にチクリとやります。必死になるとケガそっちのけになることがあるのはわかるけど、「私はそれを決して肯定しない」と言い切るモモカンがかっこいいですね! 指導者がこういう考えだってのはいいことだと思うな。
反省する阿部に、すかさずアメも与えるモモカン。柱の文句どおり、モモカンの選手のやる気の出させ方ってうまいですよね。阿部のうれしそうな顔ったら!(その後ろでバランスやりながら「まだか〜」と言ってる花井がかわいそう。阿部、時間測るのすっかり忘れてるよ〜)

そして、県大会のベスト4が決定。千朶、日農大付属、武蔵野第一、ARC。日農大付属は今まで名前が特に出て来なかったところだけど、後は強いところとされていた高校ですね。武蔵野第一はともかく。
(ここで試合の結果を聞いている時の田島の顔が、やけに真剣でかっこいいんですけど……おまえ、その顔はグラウンドと花井の前だけにとっとけよ!)
何と、西浦はみんなで準決勝を観戦! これはうれしい展開ですね。そして、4校のどことやっても勝てるようにプランを考えさせるとは、モモカンの指導には隙がないですね。みんなやる気だけど、実際やるのはすごく大変そうだ〜 でも、敗退前より「必死さ」が増してるのは伝わってきますね。まだまだモモカンの求めるレベルには達してないんでしょうけど。(「目標だけじゃ弱い」って言ってましたもんね……)
三橋のモノローグに行く前にちょっと。「もっかいフロ入りてー」「水シャワー行くか?」とか言ってる泉くんと花井キャプ。結構なかよし? 外野仲間だから? そして、田島はしのーかと何やってるんだろう? 周辺視パネルかな?
で、三橋のモノローグですが。榛名との過去に拘りすぎて、自分で自分の本心に気付いていないらしい阿部に対して、三橋の推測の方がよほど当たっているような気がしますね。阿部は榛名が変わったことに気付きつつも、認めたくない。認めてしまったら、自分が榛名という「スゴイ投手」を選ばなかったことを後悔することになるから。「阿部君が悔しいのは 自分が 榛名さんの捕手じゃないこと……じゃないのか」という三橋のモノローグは、かなり核心をついてる気がします。ここで三橋は「オレが ダメだから…」と思いかけて、仲間のことを思い出して「オレは ダメじゃ ないっ」と自分に言い聞かせます。これは、つらそうだけど、三橋の成長だと思います。まだ「自信」にはなっていなくても、ダメじゃないって自分に言えるようになったことはすごい進歩でしょう。でも、その時三橋の頭に浮かぶ仲間の中には阿部はいないんだな……
「阿部君は明日 榛名さんのこと わかるんだろう」というモノローグの時の三橋の顔が、すごく静かなのが気になるのですが……それでも西浦を、自分を選んでくれって言えるだけの強さが三橋の中に育っていて、阿部がそれにちゃんと答えられるくらい立ち直ってくれてればいいんですけどね。

いよいよ準決勝。観戦している西浦メンバーにお昼ご飯を届けてくれるお母さんズ。(モモカンはおにぎり4つ! やはり体力勝負の監督業!)
花井母はすかさずモモカンの隣に陣取って野球談義開始です。いいなぁ、きくえさんのポジション…… 第一試合は千朶が勝ったのですね。しかし、日農大は秋に新グラウンドができるとか、2年にいい選手がいるとか、そこまで情報持ってるきくえさんって何者!? 西浦はきくえさんにブレーン兼情報屋をお願いすべきかもしれないよ〜
次のコマ、モモカンをじっと見てる花井と田島がかわいい……何気に隣同士!? 何か、最近田島、ご飯の時に花井の隣にいること多くね? 花井の隣だとご飯がうまいのか? 食欲がわくのか? それとも……単に早く「うまそう!」をやってほしいからかな……
ご飯を食べている間に選手紹介が始まり、この試合は榛名が先発であることを三橋も知ります。既に張り詰めた表情の三橋……
ARCの先発は1年生の太田川。ここでもきくえさんのウンチクが繰り広げられています。このお母さんの息子だったら、一度は「野球でなくてもいーし」とか言ってみたくなる気持ちもわかるわ、花井。
昼食後、モモカンの指示で三橋は阿部の隣に移動。何か、三橋の阿部に対するキョドリ具合が出会いの時よりひどくなっちゃってる感じですよ〜 阿部は阿部で、「離れてられんのはメシン時だけか」とか思っちゃってますし。その後、「オイオイ 合宿前はこんなこと思わなかったぞ」と反省?しているようですが……
これ、単にモモカンの指示で一緒にいることが多くてイラつくことが多くなってるから出てきている一時的な感覚ならいいんですが、もっと奥深いものだったら大変なことになるような気がする。
あの、「一緒に強くなろう」が一気に消し飛んでしまうような。
あの時に、阿部は「投手」としてしか三橋を見ていなかった自分を反省したんですが、自分の怪我をきっかけに榛名のことも考え直しかけている感じでしたよね。シニアの頃の榛名は怪我のせいで荒んでしまっていた頃の榛名で、本当の榛名はもっと違った人間なのかもしれないってことに気付いた。でも、その後、武蔵野が勝ち進んでいることに対する悔しさの方で頭がいっぱいになっちゃって、榛名を見直しかけていたことを忘れているようですが…… しかし、ちょっとしたきっかけでそれは思い出されることなのではないかと思います。そして、今までの阿部の三橋に対する好意的な感情って、大抵榛名との対比からきていたんですよね。榛名と違って、三橋はコントロールがいい。榛名と違って、三橋はサインに従う。榛名と違って、三橋は自分を頼りにしてくれる。榛名と違って、三橋は自分に感謝してくれている。”榛名と違って”ということを通して阿部はずっと三橋を見てきていた訳で…… 阿部の中の榛名に対する見方が変わったら、三橋に対する見方もガラっと変わってしまうのではないかと思います。それが、「合宿前はこんなこと思わなかったぞ」に出てきてるのだとすると……怖いなぁ。阿部は「三橋の捕手」ではいられなくなるのではないかと危惧します。
そこを乗り越えてくれれば、バッテリーとして一歩前進できるのではないかとも思うのですけどね…… やっぱりそれは、三橋が榛名より自分を選んでくれって言えるようになってるかどうかが鍵ですかね。

こんな短いシーンで長々と書いてしまいましたが。
試合前の武蔵野ベンチ。今日は加具山先輩はベンチです。「こういう日が来ることは わかってたんだ」と自分に言い聞かせてから、榛名に声を掛ける加具山先輩。精一杯の強がりに見えます。
でも、榛名はぜーんぜんそういうことに気を遣わないヤツなんですね。もちろん、こういうカラっとした態度を取ってくれた方が加具山さんとしては楽だと思いますけど……ムカムカして当然だと思うぞ、うん。
それにしても、榛名、ちゃんと春日部にもらったデータを覚えたんですね! そういうことは全部捕手任せかと思ってたよ!
一方、ARC。捕手の吉田さんは主将でしたっけ? 「今日はおまえに勝ち星をつけてやる」って、かっこいーな! こんなこと言われたら、1年生投手はがんばっちゃいますよね!
そんな訳で試合開始。1回表の武蔵野の攻撃は、1番福原、2番戸塚と連続三振。3番の町田さんはショートゴロでスリーアウト。三者凡退で終わってしまいます。完全に太田川はノっちゃってる感じですね。
さて、観戦中の西浦バッテリー。きくえさんに負けずに阿部もウンチクを披露してます。
しかし、「榛名と どっちがスゲーか 比べてみ」っておまえ…… 阿部は自分の気持ちに気付いてないからさらっと言ってますが、ちょっとギクっとするセリフだなぁ。
榛名、ちゃんと春日部からもらったデータが頭に入ってるみたいですね! 打者の特徴を復唱しながら第一球。これはアウトコースのボールで、「おっとと 力 入りすぎてんな」と思っているところを見ると、ストライクを入れるつもりだったのでしょうか? 2球目はインコースで、またボール。でも、やっぱりストライクを入れるつもりだったみたい……榛名、内外は狙えるようになったんですかね?
そして、阿部の解説アワーの始まり。次の球はストライクでもARCは四球狙いで見てくる、という予想は大当たりで、3球目はストライクでカウント1−2。問題は次で、打者の苦手なインコースを狙っているようだけど、甘い球なら打たれるという予想通り、インコースの高めのボールを打たれてセンター前ヒット。先頭打者が出塁してしまいます。
「あべくんの言う通りに! すごっ すごいっ」とコーフンしてる三橋と、えらそうに「Aシードの試合はほとんどテレビでやっかんな」と言ってる阿部のコマでちょっと和みましたが……(その前に泉んに「よくしゃべるなー」と思われてるとこも要チェックだな)
2番はバントの構え。でも、このバッターは長打も打てる選手だそうで、2球目ではヒッティングの構え。3球目、阿部が「三橋 ランナーも見てろよ」と阿部が注意を促したところ、1塁ランナーがダッシュ! エンドランでしたが、打者はファールで不発でした。ARCの1番はスゲー足速いそうで、エンドランで一気にホーム狙えるってんですから相当ですね。やっぱり1番ランナーは俊足でこそだよな〜
結局、2番は平凡なフライで1アウト。阿部はここではまだ「榛名嫌い」モードらしく、「チッ 素直に送るなりすりゃいーのに」とか心の中でつぶやいています。この後、阿部の様子が変わっていくのに注目です。
3番の塩入くんは1年生。抽選会の時にもいたシオくんですね。青森からの留学生とは! 最近は東北だって結構強いとこあるのにね。三橋たちと同学年ですから、当然県予選を勝ち上がるためにはチェックしなければならない相手な訳です。
塩入くんに対する榛名の1球目は外ギリギリのストライク。阿部は「たまたまだ」って言ってますが……一応は狙ってあのコースなのかな? 2球目も外でファール。阿部は「1球目と同じとこ狙って 外れてたのが幸いしたんだ」って言ってますが……塩入くんはアウトコースが好きなのかな? それで外のクサいところを狙って振らせようってとこなのかしら? 「次は?」と思っているところの阿部、徐々に観戦者ではなく捕手モードに入っていってる感じです。打つことじゃなく、打たれないことを考え始めている……しかも、榛名が投手だとして。三橋が阿部の表情を気にしているのが心配です。
3球目はスライダーで、ヒットを打たれてしまいます。「スライダーかよ ここで144キロ投げりゃ有効だろうに 出し惜しみしゃーがって」と不満げな阿部。普通のストレートを2球続けた後で速い球が来たらついてこられないだろうってことでしょうか?
これで1アウト1、2塁で、バッターは4番。ARCの4番はキャッチャーの吉田さんことヨシさんです。貫禄ある4番ですね。
1球目は外にボール球。2球目もボールで、緩い球を高目に。これでカウントは0−2です。榛名のコントロールを信用していない阿部は不満げ。3球目のスライダーはストライク。阿部はここにくるともう完全に”榛名の捕手”目線で、「次こそストレート投げさせてェぞ」とか思ってます。でも、町田さんのリードは普通のストレートを低目に。低目にはちゃんと入ったようですが、軽く合わせただけに見えた打球がレフトを超え、一挙に2点入ってしまいます。(ところで細かいことですが、ここで2点目のランナーはシオくんのはずなんだけど、アウトになったはずの2番バッターの顔に見えるんですが……ミス?)
ここで阿部はもう苛立ちを抑えることができず、口に出してフラストレーションを発散。「―っんだ今の球ァ! ただの低目でARCの4番を打ちとれっと思ってんのか ここで一番いい球使わねーで いつ使うつもり!?」って、”榛名の捕手”としての言葉としか思えないですね。
1アウト2塁で5番。榛名は5番打者の情報を思い返しつつ、「ってさあ ンなふーに相手のいーとこ 復唱してっから 打たれんじゃねーの?」と思ってます。確かに。榛名はあんまり考えないで投げた方が良さそうなイメージがありますよね。
5番打者に対しては3球続けてボール。釣ろうとしてのボール球のようですが、やっぱり阿部は不満げ。4球目はストライク。三橋が「ノースリー だから 見たのかな」と話しかけますが、阿部は「かもな」とそっけない。目は完全に榛名に向かってます。ここでも阿部の表情を気にしてる三橋が心配です……
6球目はスライダーでファール。阿部はやや身を乗り出して、次こそ速い球と思ってますが……投げる前に阿部にはわかったようですが、榛名が投げたのはたぶん、全力ではないストレート。これを打たれ、3点目が入ってしまいます。
もう言葉も出ない阿部。自分がリードするんなら考えられない配球なんでしょうね。
でも……ここでちょっと推理小説みたいだと思ったんですが、阿部が持っている情報には制限があるんですよね。阿部は、武蔵野のキャッチャーの町田さんが榛名の思いっきり投げたストレートをうまく捕れないことを知らない。自分があれだけがんばって捕れるようになった経過を意識してかしないでか、その可能性が思い浮かぶこともないようです。読者は町田さんの事情を知ってるから、全力のストレートが投げられないこともわかってる。でも、阿部は知らないから、町田さんのリードがとんでもないものに見えてしまう。美丞戦の時も思いましたが、情報が制限されることで生じる状況というのは、野球でも推理小説みたいなおもしろさがあります。
では、話を元に戻して。
打たれまくっている榛名を見て声も出ない阿部に、三橋が何とか話しかけようとします。「…榛名 さん」 「ああ!?」 って、阿部たっらまた怒鳴って〜 三橋はビクっとしながらも言葉を続けます。進歩した!
「は 速い 球 投げないね…」 三橋の方が冷静に見てます。何かあるから速い球投げないんだって、気付いているみたいです。
榛名は全力のストレートを投げられないままではARCには勝てないと悟ったようです。町田さんに「秋丸と代わってもらえませんか」と言い出します。
感情的にはいろいろあるけど、勝つためには榛名の力を完全に活かせなければだめだとわかっている武蔵野メンバー。痛恨の思いで、加具山さんに代わって初めて試合に出られたライトの川崎さんを交代させます。攻撃力を低下させないためには、3番バッターの町田さんは外せないので……
榛名にも川崎さんの気持ちを気にするところはあるようで、ベンチに戻って行こうとする川崎さんに声をかけますが、榛名に言わせる前に、川崎さんが「お前はがんばって投げろ!」と言ってくれます。
そして、「オレらを甲子園へ連れてけよ!」 ここで苦わらうのが高校生っぽい。やっぱり女子に言ってもらいたいものなのか!
捕手交代で、秋丸登場! 彼が出てくる展開は予想していなかったのでちょっとうれしいですね。阿部も三橋も交代の理由がわからない様子。読者にはわかってることなんですけどね。
「えーと」と困惑気味の秋丸に、榛名が蹴りを入れつつ「しっかり捕れよ! おめーはそれしか能がねんだからよ!」と容赦ありません! この二人って幼馴染っぽいですが、長年この呼吸でやってきたんですかねぇ。
「見てくれはでけーから 何もしなけりゃ しばらくはダマせんだろ ボロ出したら走り回られっかんな よけーなこと すんじゃねーぞ!」って……榛名、態度ひでーな。
それはさておき、秋丸ってリードもいまいちなのかしらと思ったんですが、春日部から資料もらってるくらいですからそれはないですよね。走り回られるということは、肩が弱いのかな? でも、榛名の球を捕ることにかけては誰よりも”うまい”訳ですよね。
一応は捕手らしく、「ワンナウトー! しまっていこー!」とか言ってますが、榛名はサインなしで1球目。(ん? ここは6番のはずなのに、7番って言ってるぞ。これもミス?)
最初っから全力投球です。音がすごい! 阿部も三橋もびっくり。加具山さんや川崎さんのうれしそうな顔が、榛名のこのチームでの立ち位置を物語ってますね。太田川もびっくり。でも、他のARCメンバーは結構冷静そう。
阿部は、この展開の納得いく説明が思いつかずに困惑している様子。「こっちが正捕手 のわけねーよな でも確実に 今までと投球の質が違う………」 町田さんの捕球能力や、秋丸と榛名の付き合いの長さを知っていれば、この展開は謎でも何でもないんだけど、阿部は知らないから訳がわからない。でも、榛名の投球が格段によくなったのはわかる。理由の説明がつけられないだけに、阿部のように理屈で考えようというタイプの人間にはショックが大きいようですね。
三橋も「これが ホントの榛名 さん」と、真剣な面持ちで見つめていますが……でも、三橋の方がダメージは少なそう。だって、榛名が「スゴイ投手」なことはわかっていたことですもんね。榛名がいくら「スゴイ投手」でも、自分が立ち向かっていけるだけのものを、この試合で三橋が見つけてくれることを願います。
そして、阿部が”榛名の捕手”という呪縛から解放されるといいのですけど……



 


2009年4月号


ひっさびさの西浦せいぞろい!

3月号であの場面は一区切りかと思いきや、今月は三橋を待ってる阿部のところに千代ちゃんが通りかかるところから再開。
二人で同時に「みは」と言いかけるところがかわいーですね。千代ちゃんのうろたえぶりが……ああ、私は千代ちゃんにはしあわせになってほしいんだけど、相手がこの男ではなぁ……
働き者の千代ちゃんはテレビ放映した試合のスコアをつけてくれていました。武蔵野第一対春日部市立戦ですね。スコアブックを見た阿部の顔がどんどんキョーアクになっていってるよ〜 そばで見てる千代ちゃんは大変だ。
そこに三橋が戻ってきて、千代ちゃんが三橋に武蔵野の試合を見せてまずかったかな?と相談。ここで三橋がちょっとドキドキしてるのは、これはまだいつものキョドリの延長かな? 表情かたいし。しかし、相談されてる意味は全くわかってませんねぇ、三橋は。千代ちゃんは、榛名と阿部のことをわかった上での「まずくない」だと受け取ったようですが…… 「男の子どうしではいろんな話してるんだろうな いいなァ」とのモノローグですが、それも誤解ですから。野球の話と食いもんの話しかしてませんから! そして、「三橋君と阿部君 は 仲良しだね!」の千代ちゃんの笑顔に「ビカッ」と効果音が入っていますが、これは「仲良し」に対してなのか、千代ちゃんの笑顔に対してなのか……うーん、両方? 三橋、「なかよし」にシュワシュワ反応してるし、千代ちゃんのことをずっと目で追ってるし。「いいひとっ」の状態なのか、もうちょっと色がついた感情なのかはまだ微妙ですね。これから、かな?
阿部の「背ェはかっか」には即反応。そして、武蔵野の試合のスコアを見て、榛名が100球以上投げていることに気付く三橋。「ホ ホームラン打たれて…っ ………! 打って!?」のところの表情の変化が投手だなぁという感じですね。そして、やっぱり三橋は榛名に対しては「すごい」と思っても嫉妬はしないのですね。だから、阿部が榛名の捕手だったら、ということも考えちゃうのかなぁ。今は阿部は三橋の捕手なんだから、他の投手のことを気にしてる阿部に、普通だったら怒るだろうし、榛名に対してもよい感情はもてないと思うんだけど…… マウンドに立ってない時はとことん我が出ないってことですかねぇ。
阿部は相変わらず傍若無人。三橋を呼んで何かと思ったら、背を測るのに真っ直ぐ立つための支えですか! ぎゅむっとやる前に、「片足だとまっすぐ立てねー」から支えになってくんない?くらい言えよ! 順番間違ってるだろーがっ! とことん気の効かない男ねっ。心根はやさしーし、いい子だというのはわかってるのだけど……わかった。阿部は何かにつけて「雑」なんだ!
ともあれ、阿部は2cm伸びて172cm、三橋は1.5cm伸びて166.5cmになっておりました。よし、そのまま順調に伸びつつけてくれよ。この辺のやり取りは、三橋もはっきり話すようになっててちょっと進歩を感じるな。 
榛名は182cmで75キロなんですね。ちょうどいい体型? 身長はもうちょっと欲しいところかもしれませんが。三橋が榛名のデータを見ていることに気付いて、ちょっと思案顔の阿部。武蔵野は榛名のワンマンチーム。うーん。そうとばかりは言えない気がするけど、榛名が崩れたらもう駄目だってのは確かだよね。ARCに通用するかしないかは、今までARCの野球の描写が全然出てきてないからわからないけど、チームの格としてはそうなのかなぁ。そして、「もしかしてあいつ 明日投げねーかもしんねーぞ」という阿部の言葉に、複雑そうな表情の三橋。阿部の中ではまだ榛名はシニアの頃のままの榛名ですからねぇ。
「……… …もし 阿部君が いたら 通用…」と言った三橋の心情は、ちょっと測りがたい。もう、単に「阿部くんがいなくなったらオレは駄目だ」という不安だけで言っているのではないと思うのですよね。表情からしても、そうとは思えない。阿部が後悔しているのを感じて、三橋は榛名の捕手ではなくなったことの後悔じゃないかと思っている。それを確かめたくて言い出したことなのか、引き止めたくて言い出したことなのか、阿部の望みが本当にそれなら武蔵野に行くべきだと思ってのことなのか……最後のはあんまり現実的じゃないかなぁ。
三橋が「阿部君が武蔵野にいたらARCにも通用する」と言っているということに気付いた阿部、特大の「はあ!?」  「おめえは……っとにさァ きもちわりい仮定をすんじゃねェよ」 すごい怒り方です。明らかにいつもの怒り方と違います。冷静に考えれば、阿部がもう榛名のことに拘っていないなら、こんな怒り方をするのはおかしい。普通に仮定の話として、オレのリードならARCも通用するとか、いやあのノーコンじゃ駄目だとか想像してみればいいだけのこと。それを阿部は、三橋が「ありえねェことまでわざわざ考えて それを オレに わざわざ言うからムカツイたんだ…!」と思ってますが、本当にそれだけかな? いつもの「三橋に」むかついた時の阿部の怒り方と、今回の怒り方は明らかに違う。明らかにタガが外れている。阿部は、自分が後悔しているのは「西浦よりも強い、武蔵野よりも強いチームを選らばなかった」ことへの後悔だと思っていますが、心の何処かで「武蔵野に行かなかった」ことも後悔しているのではないだろうか? だから三橋に言われてむかついたんでは? 何だかんだ言って、阿部はまだ「榛名の捕手」だった自分を忘れてないんだよね。実は心を開いていないのは、三橋の方じゃなくて阿部の方なんだよ。ここを気付いて、改めて三橋を選びなおさないと、阿部は今の自分を越えられないんじゃないかなぁ。
それにしても、二人をフォローする千代ちゃんは大変だ。こんなに気を遣って…… 後、阿部の捻挫が「動かすだけで熱持つ」というのが何か悪い伏線じゃないといいんだけど……新人戦だけじゃなく、秋大に間に合わないってのはあるかもなぁ。
昼食シーンではひっさびさの花井キャプだ〜! 「うまそう!」に慣れたというのがかわいい。さり気に田島が隣に座っとる。前もそうじゃなかったっけ? 花井の隣だとメシがうまいのか? 
このページの3コマめで久々に西浦せいぞろいかと思ったら……水谷がフレームアウトしとる。フミキ、ふびんな子! でも、5コマめにはいますね。急いで食べようとしてる千代ちゃんに「ゆっくりくえよー」と声をかけてます。やさしい。千代ちゃん、やっぱり阿部はやめとけ! 水谷の方がいい奴だぞ!
次のページでは食休みで昼寝中の10人。今回は阿部が足だけ! でも、これで1コマに西浦せいぞろいしましたね? 室温36℃! みんな汗かいて寝てるよ〜
プールの使用許可がとれ、歓声を上げるみんな。水谷、脱ぐの早っ。
沖くんは泳ぐの速いんですね。花井は次着だったみたい。坊主でもちゃんと水泳帽かぶるのね。高校生だなぁ。
阿部は「手だけはキツイ〜〜〜」 ちょっと気の毒。花井はクラスメイトらしく遠慮なく、「とか言って なまってんじゃねーの?」とか言っちゃってます。沖くんはちょっと困ったような表情。言われた阿部は全然気にしてませんが。
ここで後半チームが来て、花井が「田島はえー」と、悔しげな顔。よしっ、それでこそタジハナ! 花井にはずっと田島に対してギリギリしててほしいのさ。
阿部は、三橋と一緒にロードに行ってるのを「……アレはなァ 心の方の訓練だな 三橋といること自体が目的みてーよ」とか言ってます。花井の反応は「やっぱそーか」 沖くんは「訓練て…」と微妙な表情。やっぱり、花井は阿部の方が理解できるし、沖くんは三橋の方がわかるんでしょうね。
阿部に「オレ 別に三橋と仲悪くねーだろ?」と訊かれ、沖くんは言葉に詰まって花井の方をチラっと見ますが、花井も言葉にはできない感じ。でも、傍から見た阿部と三橋をどう言ったらいいのかわからないのは花井も同じのようです。沖くんは「阿部って三橋のこと怒るよね?」と訊きますが、阿部が自覚していないのはともかく、花井も「?」なのは意外でした。花井は「ま 怒るってより しかってんだろ」という認識のようです。でも、明らかに「怒ってる」時もあるよね? 阿部本人も自覚している部分はある模様。でも、それは怒って当然のことという認識のようで、確かに「キャッチャーやめる」という仮定は心配するようなことじゃないと思うけど……「西浦やめる」は、ありえねえと言い切れることじゃないよね。本人、後悔しちゃった訳だし。そして、三橋に言われたことを思い出し、「榛名の捕手」である自分を想像してしまった阿部。これは……次にもう一波乱あるかな? 阿部が榛名から開放されるためには、まだもうちょっと必要なことがあるんでしょうね。
この後の沖くんと花井の会話もおもしろい。かわいい。阿部にはエンリョや手加減というキノウはついていないのか! やっぱり究極のガサツ男なのね。花井はどちらかというと感覚は阿部よりだけど、そういうキノウはついてる訳だ。「でもさ 手加減なしでモノ言われんにって 三橋にとって 多分悪いことじゃねーと思うんだよな」という花井キャプのモノローグに、今後の展開をちょっと期待しましょう。
沖くんは三橋にイラッとこないらしい。でも、それはウツワのでかさと言うよりも、沖くんは三橋の気持ちを理解できるからなんでしょうね。
Bチームは田島が一番。三橋は二番。三橋って、結構身体能力は高いんですね。ビート板で背を比べる田島と三橋がかわいいですねぇ。判定にはなぜか水谷指名。事前に頼んであったのかしら? 水谷と巣山が並んで片目つぶってじーっと見てるコマに、何だかちょっとトキメイテしまった。もうバレていると思いますが、私はこの二人のコンビが好きなんですよねー。
次ページでの田島の暴挙に、即反応して教育的制裁を加えている泉様はおっとこ前ですね! あの田島を押さえ込むスピード! 日に焼けたコンクリートに押さえつける容赦なさ! さすが泉様です。田島、背中を真っ赤にして反省。……でも、ここでの田島の行動は、ひょっとすると策略だったのかしら? 三橋のコンプレックスを除いてやろうという……考えすぎ? でも田島って、何処までが意識的で、何処までが無意識なのか、まだよくわからないからなぁ。それが水谷の言うように「空気読む」ことなのかどうかはわからないけど。
ARCは準々決勝でも7回コールド勝ち。やっぱりすごいチームなんですね。次の準決勝では、ARCと当たることになった武蔵野。
帰りのバスの中で、榛名が大河キャプテンに「明日は はじめっから投げさしてください」と言い出します。それに対して加具山さんが「それしかない!」 そして、「ARCに勝つぞ!」と盛り上がる武蔵野チーム。
榛名と秋丸は同じマンションに住んでるんですね。しかも、試合の後はマッサージしてあげるのが当たり前なのかー。しかも、鍵は秋丸が開けてやるのか。さすがにエレベータは自分で呼びますが、階数を押すのも秋丸。いろいろ秋丸が話してるのにも上の空だしー。秋丸がそれでも全然気にしてないところを見ると、相当昔からこの関係が確立している幼馴染なんでしょーね。
ぼーっとしているような顔をしてた榛名は、実は加具山さんのことを考えていたようで。(しかし、ここで「カグヤン」とあるのは「カグさん」の誤植では!? ひぐち先生がこういうことを簡単に変えるとは思えないんだよなぁ。榛名の中では加具山さんはちゃんと「先輩」として認識されていて、自分の力で勝ってると思っているとしても、その辺は揺らがないと思うんだけど……コミック収録時には「カグさん」に直ってるに1000点!)
加具山さんは自分の力では勝てないって思ってるから、「自分で投げねーで勝つのと 自分が投げて負け」るのとを比べることはないんだろうな。ホントのホントはどっちってのは、だから加具山さんは答えようがないだろうな。榛名と出会ってなければ、榛名がチームメイトじゃなければ、「自分が投げて負ける方がいい」って言えたかもしれないけど。でも、榛名が「どっちだろうが 甲子園に行けば全部 どーでもよくなるって!」と言っちゃうのはどうかなぁ? さっきまで悩んでるふうだったのが台無し! 結局こいつも「雑」な男だ……
秋丸が言っていた「ナオちゃん」とは、榛名のねーちゃんだったことが判明。マッサージしてくれる姉。やっぱりスポーツやってるんですかね? ソフトかしら……(榛名のねーちゃんならさぞかし美人だろうなと今思った)

来月はまた試合なんですかねぇ。その前にもうちょっとじっくり西浦のターンをやってほしいなぁ。 



2009年3月号

榛名……甲子園行っちゃうんですかね?

さて。試合は延長10回裏。監督は投手の替え時を思案。葵くん、119球ですか……高校野球としては多いんですかね?(涼くんはマッサージしてあげてるのかな? 団扇で扇いでるのは友障くんかな? 彼のポジションも気になるなぁ。私的には捕手だといいなと思ったんですが……何年か後に出てくるかな?)
春日部の攻撃は3番加藤くんから。はっきり描かれてませんが、ゴロに倒れてワンナウトみたいですね。続いて4番の高橋くん! 注目のスラッガーです。榛名の速いストレートに狙いを絞って打席に向かいます。
町田さんのサインは全力のストレート。榛名、100球超えて投げてるんですね! 割と淡々と「80球超え」しちゃったなぁ。……もう完全に過去からは立ち直ってるってことでしょうか?
ですが、全力のストレートはまさに高橋くんの狙い球で、芯で捕らえられてホームランを打たれてしまいます。これは、榛名でもってると言っても過言ではない武蔵野にとっては痛い!
町田さんも青ざめちゃってますが、「まだ同点だ オレがしっかりしなきゃ!」とマウンドに駆け寄ります。先月涼くんも言ってましたが、キャッチャーはどんな時でも自分で気持ちを立て直してピッチャーを支えなきゃならないんだからしんどいよね。
先に榛名に「スンマセン!」と謝られちゃった町田さん。榛名にしてみりゃ、自分で自信があった球が打たれちゃったんだから、謝りたくもなるでしょうね。でも、町田さんにしてみれば、自分が打者の狙い球を見抜けなかったばかりに、榛名の「決め球」をみすみす打たれてしまったという悔いがある。……で、暗くなってしまったところに大河キャプテンがフォロー! 「町田! ちゃんと後輩 引っ張ってやれよ!」って、キャプテンらしいですね〜 で、促されて町田さんが言った言葉が、「オレは お前が投げてて負けるわけねーと思ってる……」 うおう! 投手にとっては最高の賛辞じゃないすか!? 正直な気持ちではあるんだろうけどね。でも、言った後で、「……… 言ースギか?」「えっ いや なーことねーと… なっ」「……っ(コクコク)」ってやってるのがかわいーですね。ちなみにコクコクは福ちゃんだ。
で、榛名は目をキラキラさせて「オレ今 町田さんの心の声を聞きました」なんて言っちゃって、みんなにヒかれております。この子、本来はこういう単純馬鹿っぽい子だったんだよね…… つくづく阿部はサイアクな時に出会っちゃったんだなぁ。そのサイアクの時にも充分キラキラしてたからまた始末に悪いよな……
で、打った高橋くんはカンペキに浮かれています。これって、なつかしの3巻で阿部が言ってた「あたれば飛ぶ軽い球」ってことなんでしょうか? でもあてるのが難しいんで、あてる高橋くんはスゴイんでしょうけどね。
ここ、高橋くんと話しているときはクールだった柴先輩が、くるっと振り向いた途端に満面の笑みってのがいいですね。柴先輩にもこんな一面が! その勢いか、柴先輩も榛名のスライダーをきれいに飛ばしてツーベースヒット! 春日部、逆転サヨナラのランナーが出ます!
武蔵野は続く6番は敬遠して1塁を埋め、下位打線勝負。ここで、春日部の監督は7番の涼くんに替えて代打安達くんを送ります。応援してた葵くんが呆然とした表情…… 投手・葵と捕手・涼はセットで、涼くんを替えるってことは葵くんも替えるってことになるのかな? 固い表情でベンチに戻ってきた涼くんの首に高橋くんがガッと腕を回し、応援に引っ張り込みます。負けん気な表情で高橋くんの腕をどけるところも、「慎也先輩!! 打っちゃってください!!」って声援を送るところもかわいいな〜
武蔵野バッテリーは、町田さんが速い球のサインを出したところ、榛名が首振り。ランナーがいるので、後逸しちゃったら1点入っちゃう恐れがあるからってことみたいですね。(町田さんの、「捕逸で負けたら一生夢に見るとこだ」ってモノローグで、ちょっと呂佳さんを思い出してしまいますね……) 
で、投げたのは8割のストレートなのかな? それを代打の安達くんは初球打ち。高いバウンドで抜けそうだったのをサード大河キャプテンがキャッチし、まず3塁を踏んでセカンドランナーアウト。それから1塁に送り、打ったランナーもアウト! ダブルプレーでスリーアウトチェンジです。これで、ちょっと試合の流れが武蔵野で傾きましたね。榛名、「大河先輩 かっこいっす!」なんて叫んじゃってますよ。こういうとこは、こいつも普通のかわいい後輩なんだけどねー。やっぱり阿部はサイアクの……(以下同文)
11回の表、春日部はバッテリー交替で、投手は背番号12の長沢くん。葵くんの態度からすると3年生っぽいですね。
榛名は、「このタイプは嫌いじゃねーよ」とか言って、初球打ちでホームランを飛ばしてくれちゃいます!(何か、今月初球打ちが多くない? 多すぎない?)
これが榛名のスター性ってヤツなんですかね? 続く武蔵野のバッターはみんな凡退しちゃいましたが、試合の流れはカンペキに武蔵野にいっちゃったって感じです。
11回裏は、榛名がきっちり3人で抑えてゲームセット! 榛名に駆け寄ってくる武蔵野の選手達と比べて、春日部の選手達の呆然とした表情が……あのクールな柴先輩まで! 高橋くんに促されて、はっとして「整列行くぞ!」って声かけて、それから、まだ呆然としたままの葵と涼に後ろから腕回して「ありがとな」って言って、「急げよ!」って言って先にベンチを出て行く後ろ姿が……うわぁ、切な! 桐青の和さん&準さんほどじゃないけど、やっぱりこういう場面にはぐっときますね。
「泣くんじゃねーぞ」が涼で、「ったりめーだろ」が葵みたいですね。(アンダーシャツの首元で見分ける) 「自分に腹たって 泣くどころじゃねェよ−…」は二人ともかな? 先輩と一緒に甲子園に行きたいって思いは、榛名よりもこの二人の方が強かっただろうからなぁ……
で、春日部も千羽鶴を武蔵野に渡してますね。こうやって、試合の後の交流があるところが高校野球らしいですね。
榛名と葵と涼も、仲がいいのか悪いのか。割とふつーに話してますね。そう言えば、この子達って同い年?(観戦してたおじいちゃん達が、「これじゃ来年までしねねーな」「ほんとほんと」と言ってるのがいいなぁ)
涼が次の対戦相手になるかもしれないARCのデータの提供を申し出ますが、榛名は「つってもなァ データあってもオレ細けェことできねーし 先輩達もできねーし」って! 涼には「やれよっ」と捕手らしく怒られ、葵には「じかくあんだなっ」と笑われてますよ。見かねて秋丸が「イヤあのほしいっす! つかください!」と割って入りますが。涼くんに「誰 でしたっけ?」と訊かれ、榛名に「うちの控えの控えの控え捕手」と言われちゃってます。……榛名って、気を許してる相手にはとことん傍若無人だよね! 阿部も同じ扱いだったんかなぁ。でも、阿部は秋丸とは立ち位置が違うから……
で、葵に「倒せよ ARC そんで 行けよ甲子園」と言われ、「ああ 今年はうち(武蔵野第一)が行かしてもらう」と不敵に笑う榛名。私、今年の武蔵野には甲子園は無理だって思ってたんですが……こんだけひぐち先生が榛名に力を入れて描いているところを見ると、行っちゃうのかなぁ、甲子園……

一転して、舞台は西浦に移ります。待ってたよ〜、阿部、三橋!!
校門入ってから校舎までの坂が結構きついんですよね、西浦のモデルになってる某高校は。三橋、ゼーハーいっちゃってますね。
しかし、阿部楽しそーですね。三橋と歩み寄りでき始めたのがそんなにうれしいのかな?(人拓って、汗たくさんかいてる時に座ってた跡とかにできるあれですね。三橋の語彙にはなかった模様。こんな風にはしゃぐ阿部が見られる日が来ようとは……)
でも、校舎にさしかかったとこで、出勤してた先生が高校野球中継観てて……武蔵野が延長11回で春日部に勝ったことを知った二人。阿部、微妙な表情。三橋は試合結果よりも阿部の反応が気になるよう。先生にちゃんと挨拶してるところは体育会系の礼儀正しさですね。
阿部は「ベスト4かよ」とため息。三橋に「……く 悔しい?」と訊かれて単純に「そら 悔しいだろ」と答えてますが…… 三橋、「…阿部君 ”悔しい”ばっか で ”嬉しい”…… ”スゴイ”もない のかな」と、阿部にとっての榛名が”ライバル”というような存在ではないことがわかり始めた感じ? 「阿部君が 悔しいのは 榛名さんが 勝ったからじゃなくて―…」って、何かまずい方に思考が進んじゃってますよ! 確かに阿部にもちょっとはそういう気持ちがない訳ではないと思うんだけど、本人は自分は榛名とは二度と組みたくないって思ってるって思い込んでるはず。だから、前に阿部がぐるぐるしていた”後悔”ってのは、武蔵野に行かなかった後悔じゃなくて、もっと強い高校じゃなくて西浦を選んだことを後悔することを自分に戒めていたんだと思うけど……でも、心の根底には榛名への拘りがあって、榛名の捕手になれなかった自分への後悔もあって、それを三橋は気付いちゃってるんだろうなぁ。自分自身よりも、近くの人間の方が自分をわかってることあるよね。
なのに阿部は、のんきに「おせえっ」とか思ってイライラしてますよ! 阿部は、自分が思ってるよりずっと三橋が自分のことを考えてるんだってことを知るべきですよね。相変わらず会話の足りないバッテリーだよ!
この二人の気持ちのズレが、今後どう展開していくのか非常に気になります。来月は久々に西浦がメインのようなので期待しましょう!

てか、そろそろ養分がもらえないとひからびるよ! 花井キャプがみーたーいーっ!



2009年2月号


今月は西浦が出てこない……そろそろ補給が必要ですよ、ひぐちせんせーっ!

さて、8回。春日部の攻撃は4番の高橋くんから。
榛名はまず、速球のストレートで入ったようですね。キャッチャーの町田さんが「は? 何コレ?」と思ってるのは最初は何のことかわからなかったけど、まだ抜いて投げてるってことみたいですね。2球目も抜いた球でファール。でもアタリはいい感じ。4番との対決なのに何でヌイたタマ?と、青ざめちゃってる町田さん。この人も秋丸とは違う意味で榛名に苦労させられてるなぁ。3球目は変化球(榛名だからスライダーですね)でボール。これでカウントは2−1。次はストレートでまたファール。これも抜いた球。次はストレートでボール……ん? 榛名、内外投げ分けられるようになってんの? ノーコン返上!? 成長の兆し?
抜いた球を投げ続けていたのは、段々に速さを上げていって町田さんに慣れてもらうためだったようです。「ケガされちゃ困っかんな」って……榛名が人を気遣ってる? あの榛名が? タカヤ、大変だよ!(まあ、正捕手に怪我されたら困るってことかもしれないけど)
で、次の球はスピードを上げていったけど、またファール。
次の球はとうとう本気出した感じの投球でしたが、判定はボール。これでカウント2−3です。榛名の球にどわああっとスタンドが沸きますが、高橋くんはボールだってわかって見送ったから不満そう。榛名はイラっとしてますが、これはボールになっちゃったせいですかね。わりークセってのはノーコンのこと? それともすぐにイライラすること? タカヤはどっちでも大変だったろうねぇ……
それはさておき、最後はマックスっぽいストレートで、ものすごく高めのボールですが、高橋くんが空ぶっちゃって三振。ワンナウト。
柴先輩、高橋くんに「残念だったな」と声かけてますが、自分はレフトフライだったので「残念ですー?」とやり返されちゃってますね。あの渋い柴先輩でもからかわれてムキになってるのがやっぱり高校生っぽい。
この回は結局春日部無得点でチェンジ。1対3のまま最終回です。
武蔵野の攻撃は、先頭バッターの5番中山さんがヒットで出塁。6番が送りバントを決めて1死二塁になったところで、バッターは7番榛名! 「また打たせにくんなら打ってやる!!」と、1球目から打ってツーベースヒット! ランナー生還して2対3です。
8番も送りバントで2死三塁になって、次は9番の加具山先輩ですよ! うわー、何か劇的な打順!
……ですが、春日部の投手葵くんの方が後アウト1つということに力んでしまったのか、コントロールを乱してフォアボール。労せずして加具山先輩出塁……うーん、現実的なマンガだ。
打順は1番に戻って福原くん! ちょっと職人っぽい感じの目つき鋭いショートですよ。彼がナント、1球目でスクイズ! 榛名がホームを踏み、1塁セーフで同点です! 盛り上がる武蔵野ベンチ!
呆然とスコアボードを見る葵くんに、柴先輩が声かけ。グラブで頭をばしってやって、ゆっさゆっさと揺さぶってるのがかわいーですね。
キャッチャーの涼くんが「投手(アオイ)はいーよなァ みんなにガス抜きしてもらってさ 捕手(オレ)は自分で頭冷やさなきゃ」とモノローグしてるのに、なるほどと思ってしまいました。それだけ投手っていうのは特別なポジションで、捕手っていうのはいろいろな精神的強さが要求されるポジションなんですな。野球って奥が深い。そして、私はますます捕手好きになりました。
葵くんはいい感じにガス抜きできたようで、次のバッターはセカンドゴロでスリーアウト。2者残塁です。もったいないなぁ。
でも、9回裏の春日部の攻撃は無得点で、3対3で延長に入ります。
10回表の武蔵野の攻撃、先頭バッターはキャッチャーの町田さん! 彼の「あんたらみたいないい選手にとっては”高校3年間”の最後なんだろ オレらにとっちゃこんなハレ舞台 人生最後のチャンスなんだよ」というモノローグが胸に響きましたね。武蔵野の原動力って(榛名は除いて)そこなんでしょうね。だから勝たせてあげたいけど、危うくもあり……でも、町田さんは気合でヒット! 無死一塁です!
4番の大河くんがバッターボックスに向かおうとしたところ、加具山先輩が伝令に。「あのカントクがそんな細かな指示を」って言ってるとこがなんかいいですねぇ。カントクもやる気になってきた! そして、「打てよ大河! お前は打てる!」「ホントに!?」「ホントホント! もー打つ姿しか見えねーオレ!」「おおお!? オレにも見えてきた!!」って……言い合ってる二人がすんげえかわいい! あー、やっぱり加具山先輩はこの試合で唯一の潤いですね。癒されるわ〜
で、甘く入った1球目を大河くんがヒット! そんでもって長打! 町田さんが一気にホームに還って逆転です!! 最高に盛上がる武蔵野ベンチ! 抱き合って喜んでるのは福ちゃんと加具山先輩?(マイフェアリ二人〜 でも、このコンビで喜んでるのは私くらいだろーな)
そして、続く中山さんもフォアボールで出塁し、無死一・二塁。追加点のチャンスです!
ここで春日部の監督は伝令を走らせ、「監督がオメーを変える気はねーって!」と言わせて葵くんをやる気にさせます。(で、ここで飼い猫の話を始める伝令くん。この子、例のナチュラルH&Rの友障くんですよね? わーい、再登場。そしてかわいい猫を飼ってるのかぁ。やたらキャラが細かいぞ! こうしてなんでもないような話をするのが緊張をほぐす技術なんでしょうね。美丞の元捕手の宮田くんばり?)
で、その間に涼くんはおにーちゃんがやる気を出しているのを見て「こいつホント単純 8回から長沢さん準備してるし」とれーせーです。さすが捕手。長沢さっていうのが二番手ピッチャーなんですね。
でも、「今ここで葵を替えない監督の判断を 正解にしてやろうぜ!」と、冷静でいながら闘志を奮い立たせています。うーん、やっぱり捕手ってかっこいい!
涼くんは6番佐々木さんがバントをしてくるのを読んで、うまく転がせないような球を投げさせて、すかさず葵くんがバント処理。二塁ランナーは三塁に行きますが、二塁と一塁がアウトになって、一気に2死三塁。そんな重要な場面で回ってきたバッターは榛名です!
春日部監督は張るなはヒッティングでくると読みますが、実は「スゲ足速い」榛名はセーフティスクイズを狙ってきます。涼くんはそれを読んで外した球を投げさせ、飛び出していたランナーは三塁に戻れずにアウト。で、スリーアウトチェンジです。
ここでふと鈴木兄弟の顔を見て、「あいかわらずスゲ同じカオだな」という榛名。それに応えて、涼は「たりめー」、葵は「全然違うっ」。ピキッとにらみ合う鈴木兄弟がかわいいですなぁ。榛名は笑いをこらえてんの? 
似てるよーで似ていない、似ていないよーで似ている二人。性格は全然違うけど、審判に「ハリアップッ」と言われて走っていく後姿はそっくりですよ!
そして、スコアは4対3で、10回の裏へ。春日部の攻撃は3番バッター加藤さんから。つまり、確実に4番の高橋くんまで回ります。「オレのための試合展開?」と自信満々な彼ですが……果たして!?というところで以下次号です。(個人的にはまだ榛名の方が勝ってるような気がするけど……80球を超えた先がどうなるかが勝負ですかね)

次号はちょっとでいいから西浦を出してほしいです……



2009年1月号

今回は表紙から西浦バッテリーが登場!

先月のロード中のところから再開ですね。西浦は出てきても1、2ページだと思っていたのでうれしいっ!
西浦バッテリーは相互理解を深め中?
阿部は今までと違って、投手としてだけじゃない三橋を知ろうとがんばってるみたいですね。「勝ち進むよか イミある練習ってのも あんのかもな」って言葉はその表れかと。
で、阿部としてはかなりの重みで「三星が今年 甲子園行ってたら どーしたよ」って訊いたと思うんですが、三橋に「?? お めでとうの メール…… する?」と答えられてガクーーーっとなっちまいました。「あ あと オレ く 悔しいと 思う と思う」と言われてちょっと浮上しましたが。
でも、阿部にとっては榛名は「ライバル」ではないですよね。三橋にとっては叶君ががんばってるからオレも負けずにがんばるぞ!って感じのまさに「ライバル」ですが、阿部にとっての榛名は「トラウマ」というか、古傷みたいな存在ですから……もう治っているはずなのに、いつまでも残っているような気がして気になってしまうというか。だからまさに、三橋は叶が勝ち進んでもご飯がおいしく食べられるけど、阿部は榛名が勝ち進んでいると気になってご飯がおいしくないような気分になっちゃうんですね。
でも、三橋に「メ メシは うまいよっ」と言われて、自分のマイナス思考に気がついたようです。「メシはいつでもウメーや」って、そういや、榛名が勝ったことを知った後もモリモリご飯食べてましたもんね。
おっきくなった、でかくなったと言い合っている二人がかわいいなぁ。阿部も、重くなるだけでなく背も伸びていてくれるなら何よりです。(頼むから父上の方向は目指さないでくれ……捕手としてはがっしりした方が安心だからいいんだけどさ)
阿部は、武蔵野第一が勝ち進んだことで西浦を選んだことを後悔したみたいに思ってますけど、ただ悔しかっただけなんだと思いますよ。それをプラスの力に持っていけるようになれば、阿部も古傷を克服したということになるんでしょうけど……その日は遠い、かな?
どっちかって言うと、嬉しいのと悔しいのが両方なのが正しい「ホントのライバル」ですから! 三橋はそのまんまでいいんだよ!……と、三橋には言ってあげたいですね。

一方試合は6回で、武蔵野も春日部も無得点。
7回の武蔵野の攻撃は、4番大河キャプテンがフォアボールで出塁し、5番中山さんが送りバント、6番佐々木さんがライト前ヒットでワンナウト1、3塁のチャンス。7番は榛名で、葵くんの気合の入った投球でフライに倒れ、ツーアウト。8番の相馬君もいい当たりはしたものの、サード正面(たぶん)でスリーアウト。残念ながら無得点です。
大河キャプテンがみんなに「3点くらいすぐだぞ!」と言って気を取り直させようとしますが、そこで榛名が満面の笑顔で「そっすそっす! オレもー打たせねーし!」と口を挟んで、みんな一瞬シーンとしちゃいます。
榛名っ、得点できなかった後の空気の重さを全然気付いてないの!?
捕手町田さんが「オメーの自信過剰が オレちょっと きもちくなってきたよ」と言って、みんな大笑い。一気に重い空気が吹っ飛んでしまいます。
確かにこれが榛名の持ってるエースらしさで、阿部が知らない本来の榛名の力なんでしょうね。
7回裏の春日部の攻撃も無得点に終わり、回は8回へ。捕手の町田さんの「あーヤベェ どー考えても今が捕手人生最高の時だ!」ってモノローグが、何かちょっと胸にクるものがありますね。(阿部も榛名が荒んでるときに出会わなければ「最高の時」になったのかなぁ……でも、そうなると三橋には出会えなくなっちゃうんで、これでいいんですけどね)
8回表の武蔵野の攻撃は、9番のカグさんから! 初球から打ちにいって、サード正面と思われた打球がイレギュラーして1塁出塁! 1番フクちゃんはバント失敗が続いてしまい、ヒッティングに切りかえてレフト前ヒット! 2番の戸塚さんがバントを決めて、ワンナウト2、3塁のチャンス!
3番の町田さんは、ワンストライクツーボールになったところでスクイズを決めて、カグさんがホームに還って1点入ります。でもここは、春日部としてはアウト取れればいいから1点はやってもいいって感じだったみたいですね。全く動じることなく、4番の大河キャプテンはファーストゴロに打ち取ってスリーアウトになってしまいます。
(ここ、葵くんのモノローグがすごいっすね。涼くんはイジワルなのか! 捕手ってやっぱりそーいう人種が多いのか? 阿部も相手の裏の裏をかくのとか好きそうだもんな〜)
8回の裏、球数を知らせようとする秋丸くんを、榛名は裏拳をアゴに入れて黙らせます。(男の子ってそういうもんなのかもしれないけど、榛名は秋丸くんの扱いがひでーな。捕手を何だと思ってんだ、榛名のヤツ! それだけ長い付き合いだからってことかもしれないけど)
意外なことに、榛名、自ら80球の縛りを解禁しましたね。このことで少しはイザコザとか葛藤とかがあるのかと思ってたんですが……
榛名にとってはもう、80球制限よりもこのチームでこの試合に勝つことの方が重要になったんですね。榛名はもう完全に「怪我をしていたときの自分」を克服したってことなんだろうなぁ。本人に自覚はないかもしれませんが。(阿部が克服するにはまだちょっと掛かりそうですけどね……)
秋丸くんの「そらそうだよな!」にちょっと泣けましたね。
そして、春日部の4番、高橋選手との対決。この勝負に榛名が完勝しなければ、この試合の武蔵野の勝利もあり得ないでしょう。次回、山場ですね!

でも、正直に言うともっと西浦が見たいです……






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