お勧めパソコン会計ソフトの評価結果


中小企業の経営者にとって、会計業務は「複雑でわかりづらい」との印象が強く、会計事務所などの専門家に頼っているケースが多くなっています。
しかし、ここ数年の間にパソコンの性能は格段に向上し、会計ソフトも最近になって高性能でしかも使いやすいものが数多く登場しています。しかも、今までは高額なコンピュータシステムに限られていた統合業務型パッケージ(会計業務だけでなく販売業務・購買業務等を統合し処理・管理するシステム)がパソコンで簡単に実現できるようになりました。
そこで、「ビジネスのために積極的に利用する」ためにいくつかのソフトについて簡単に説明させていただきます。
ずばり、パソコン会計ソフトは、価格帯=機能ということがいえ、以下のものがお勧めです。

中小規模向け=低価格ソフト
販売価格帯として2〜6万円前後であり、主なものとして会計王・弥生会計2000・勘定奉行太鼓判とクイックブックスがあります。

クイックブックス・・・いわゆる「ERPパッケージ」的なシステムであり、会計だけでなく、販売・購買・在庫管理も可能。つまり、「請求書を作成すると自動的に会計仕訳が作成」「納品書から商品を入庫処理すると、自動的に会計仕訳が作成」といった具合です(便利、但し他のソフトにも販売・購買・在庫管理用ソフトあり=バッチ処理、データ連動なし)。画期的なソフトというます。
また、入力画面が領収書・請求書など実務的な作りのため、会計簿記の知識(=貸借勘定)が分からなくても比較的容易に入力処理が可能です。「経理業務は、全く初めて」という個人事業者や会社にとっては最適です。
更に、エクスポート機能(どのソフトにもあり)が充実し、通常はCSV形式出力なのですが、クイックブックスの場合は、エクセルのシートに値だけでなく、計算式の出力もでき、その後の加工が容易です。

弥生会計2000・・・コストパフォーマンスの面から1番のお勧め。クイックブックスと同じソフト会社のため、入力画面の作り(ナビゲータ)など、便利(洗練されている)になっています。
帳簿体系がオーソドックスなため、補助簿・総勘定元帳に「手書き作成」の感覚で入力ができますので、「今まで手書きで現金出納帳を記帳していた。」という経理担当者には最適です。

但し、この価格帯は機能に無駄がない(機能が限定し使いやすい)ため、色々なことをこのソフトだけで行おうとすると無理が生じます。


大規模向け
販売価格帯としては15万円程度以上であり、主なものとして勘定奉行・PCA会計があります。勘定奉行・PCA会計は、ネットワークにも対応しており、かつ他のソフトとの連携により統合業務型パッケージとしても利用できることから比較的大きな企業にも利用可能です。今までオフコンの会計ソフトを利用している会社や玄人(経理業務専門家)にとってもなじみやすいものになっています。

勘定奉行・・・シェアは1番。グローバルスタンダードになりうる可能性があり、今後の機能充実・改善が期待できます。
しかし、、また複数のウィンドウを開いての処理に制限があるなど「伝票会計を基礎にした作り+やや古い」との印象あり、不便と感じる点があるのも確かです。

PCA会計・・・Windowsにも完全に対応しており、現状では最もバランスがとれたソフトといえます。

会計事務所など記帳代行依頼先との連携
勘定奉行・PCA会計の一部機種については「分散入力」可能のため、会社で入力を継続しながら、会計事務所で修正・入力が可能です。それ以外のソフトの場合は、会社で入力したファイルをメール等により会計事務所など記帳代行依頼先に渡し、修正・入力後また会社に返還という一方通行となります。なお、クイックブックスには「会計事務所チェック」機能というのがあります。
よって、完全に自計化(経理業務全部を自分で行う)しなくても、会計事務所などとの連携を上手にすれば、パソコン会計ソフト導入による効果は大きいと考えます。