戦略海洋諜報部隊

設立概要
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設立 0079 3月 提唱 グラナダ総司令キシリア・ザビ少将。
「地球の七割は海である」。現在、公国軍は地球の海洋をほぼ支配している。 広大な海洋を支配している限り、地上での反撃の機会は訪れるだろう。 その制海権を支える強力な公国軍潜水艦隊に、これまで以上の期待がかかっている。

話しは2月にまで溯る。
 大量の地上制圧部隊を降ろしたジオン軍は、 直ちに各都市の占領をおこなうと共に、 連邦軍の軍施設、兵器工場の多くを摂取した。  中でも一番の収穫は、カルフォルニアの連邦海軍基地を、 ほぼ無傷で制圧できた事であろう。  このカルフォルニア基地には、 潜水艦建造を一手にまかなう大規模な造船所があった。 そしておあつらえむきに、稼動可能な潜水艦も残されていた。  ジオンは侵攻があまりにも迅速すぎ、 破壊する間も無かったのだ。  これがジオン潜水艦隊発足の発端である。 せっかくの潜水艦建造施設であるが、ドズル中将などは、 「宇宙艦艇建造施設、もしくはガウ型攻撃空母の生産に回すべし!」と唱えた。 彼は、海を知らない生粋の宇宙の戦士である。そう考えるのが普通であろう。 しかし古き戦史から、海洋制圧こそが地球での制圧につながると学び取っていた キジリア・ザビ小将は、頑強に潜水艦隊設立を提唱した。 それには完成後は月のグラナダに配備される予定だったドロス型宇宙空母2番艦 「ドロワ」をドズルに中将に譲ってまで、その考えを実行に移した。

 こうして連邦軍の攻撃型潜水艦隊[型は、USMサイロの一部を撤去され、 MS格納庫に改造され、新たにユーコン型として生まれ変わった。  また同じく残されていた旧式の潜水艦X型は、各種電子装置などを施され、 情報収集潜水艦ブローバー型として再生された。  海洋艦艇の開発など不可能だったコロニー国家・ジオン公国にとって、 連邦軍の優秀な潜水艦を入手できた事は大変に幸運だった事であろう。 さもなければ、ジオン軍は終戦まで、一切の海洋兵力を持てないままだっただろう。  さらに、それを有効に運用したキシリア・ザビ少将の采配にも、 先見の明が有ったとも言える。  7月より実質的に運用され始めた潜水艦隊は戦略海洋諜報部隊の指揮下、 連邦地上軍の偵察、また海上通商活動の妨害、さらに残存海上艦隊への攻撃を行った。  キシリア・ザビ少将の意見の正しさを完璧なまでに証明した潜水艦隊であったが、 彼女にはさらなる別の目的もあった。  収集した情報の独占である。月が拠点のキシリア・ザビ少将にとって、 自らが提唱し設立した戦略海洋諜報部隊は、地球を覗ける唯一の窓であった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく



EB「戦略戦術大図鑑」参照