拝啓 佐藤正午様

 このお正月に久々にあなたの作品を読みました。ここ2年くらい読んでなかったけど・・・

 あなたの作品の読みやすさと透明感が好きです。透明感っていうと、なんかよくわからないのですが、なんせ、きれいなのです。ファンデーションで塗り固めたような表現じゃなくて、手袋で覆ったような言葉でもなくて。
 なんていうか、私にはとてもあうんです。ああ、そうです。私にはちょうどあうんです。相性がいいんです。

 まだ、あなたの作品の全てを読んではいません。だって徳島ではなかなか手に入らなくて・・・。大阪とか東京とかに行ったときに仕入れるんですが、書店にもなくて困りものです。
 けど、たまたま大津PARCOで見つけました。Lucky!

 「個人教授」
 男の弱さとずるさと孤独と残酷さとがいっぱい。
 でもなんで私はこんなん読んで「自分にあう」とか思うんでしょうか?
 私のなかにこーいうのがたっぷり入っているからなんでしょうか?
 ま、それはおいといて・・・。

 一番のお気に入りは「夏の情婦」です。最初に読んだ作品です。大学3年の春休みに東京駅のどっかのホームのキヨスクで買いました。
 何度も何度も読み返して、大事に大事にしてたんですが・・・。今は、私の元にはないんです。手の届かないところに行ってしまったんです。
 たぶん、2度と私の手元には戻ってきません。「失物は出てこない」と丑三つ時のおおあさひこじんじゃで引いたおみくじにもありましたし。

 今のところ新しいのを買おうって気はありません。ごめんなさい。読みたくなったら図書館で借ります。それにまだ他にも読むものがたくさんあるし・・・。

 ということで、この辺で終わります。