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▼『潮風のいたずら』の作品データ▼
#03.洗濯機    (1999.6)
 ついに梅雨入り。でも、この時期を乗り越えれば、夏はすぐそこですね。今回は夏らしく、船上の出会いから始まる恋(?)物語をとりあげましょう。

といっても『タイタニック』ではなく、『潮風のいたずら』からの小道具です。

□□□主人公のジョアナ(ゴールディ・ホーン)は、超お金持ちの奥様。彼女は美人でナイス・バディ、そして教養もある。ただ・・・その性格が”少々難あり”だった。豪華クルーザーで、夫と共に船旅を続けているジョアナは誰彼かまわず毒舌を吐く、わがままな女性。(←根性曲がってる!/笑)
夫も、船内の使用人たちも、ジョアナのわがままには閉口していたが、逆らうことも出来ず彼女の言いなりになっていた。□□□

ある港に停泊中のこと、突然ジョアナは「クローゼットの改装をしたい」と言い出します。そこで雇われたのが地元の大工、ディーン(カート・ラッセル)。ジョアナはディーンを”猿人”と呼び、彼に見張りまで付けます。
とりあえずクローゼットの改装は完了。ディーンは得意気に使い方の説明をしますけれど、すんなり納得するはずないのが、ジョアナ。またしても、言いたい放題!口論の末、代金をもらえないままディーンは大工道具もろとも海へ突き落とされ、ジョアナの乗った船は、彼を見捨てて出航してしまうのです。(最悪の出会いだ!)

□□□しかし、ジョアナにも天罰はくだるのだった。深夜、甲板でさがしものをしていたジョアナは足をすべらせ暗闇の海へと転落してしまう。幸い一命をとりとめたものの、ジョアナは完全な記憶喪失になっていた。□□□

(記憶を失っても、彼女の毒舌だけはなぜか消えず、)困り果てた病院側はジョアナを精神科病棟へ移すことに・・・。また、連日のようにテレビのニュースではジョアナの身元引受人を探していました。ニュースでジョアナの事故を知った彼女の夫は、一応病院まで出向きますが記憶喪失をいいことにジョアナを置き去りにして帰ります。同じようにディーンもニュースでジョアナの事を知り、彼も病院へ行きます。「彼女に対する親切心から?」答えは「NO!」です。ディーンはとんでもないことを企んでいたのでした。
その企てとは、”ジョアナの夫になりすまし、彼女に家事や育児をやらせよう!”というもの。(病院でディーンがみんなに大嘘を連発するのも可笑しいです。)

□□□ジョアナがディーンの妻、【アニー】として帰宅する場面。贅沢三昧の家に育ったジョアナは、今までに見たこともないような、ボロ家に驚く。もっと驚いたのは【アニー】が4人の子持ちだったこと。この4兄弟、ディーンが放任主義で育てているためか・・・いたずらが過ぎて、ベビーシッターが続いたためしがないほどである。あまりのショックにぶっ倒れる【アニー】だが、次の日からは、膨大な量の家事と育児が待っていた。□□□

これまで、身の回りのこと全てを使用人にさせていた彼女は、家事など初体験。失敗続きの上、悪ガキどものいたずらも加わって【アニー】の苦労は無限大でした。(子供のお弁当がすさまじい!ピーナツ・バターとジャムを塗りたくったサンドイッチとチョコレートを茶色の紙袋にポイッと投げ入れて持たせるのです。)
それでも【アニー】の頑張りのおかげで、ディーンのボロ家は質素ながら住みやすく整えられ、4人の子供達も次第に【アニー】を”ママ”として慕うようになっていきます。

末っ子のジョーは、字を読めないのがコンプレックスでしたが、【アニー】に教わって絵本を読めるようになります。お礼にジョーは”ママ”へネックレスをプレゼントします。このネックレス=たくさんのマカロニをひもに通した、世界でただ一つしかないもの。よ〜〜く見ると・・・この作品中に、あと2度もマカロニ・ネックレスが登場します。見つけてくださいね!

□□□一緒に暮らすうち、ディーンと【アニー】もいつしか惹かれ合うようになる。二人が初めて同じベッドで眠った翌朝。寝室のドアの向こうから、子供達がにぎやかにノックする音がして、ディーンがドアを開けると・・・、そこには、新品の「洗濯機」(〜オレンジ色のリボン付き〜)が・・・。ディーンと子供達から【アニー】への贈り物だった。□□□

いつかは【アニー】(ジョアナ)へ真実を打ち明けなくてはいけないと思いながら、ディーンは言い出せずにいました。4人の子供達も同じ気持ちです。いずれ訪れる【アニー】との別れを覚悟しながら「洗濯機」を贈ったディーン。彼は、大工仕事の他に飼料運搬の仕事を引き受けてお金を貯めていたのです。

この時の【アニー】にとって、新品の「洗濯機」は何よりも嬉しい贈り物だったことでしょう。なんたって、育ち盛り・やんちゃな4人の男の子を持つ”ママ”でしたから・・・。ちなみに「古い洗濯機」は衣類を洗いながら前進する特技を(?)もつ代物でした。(笑)

□□□その後、【アニー】のアイデアによってディーンの仕事までもが上手くいきはじめる。今度は”愛を込めて”結婚指輪を贈るディーン。みんなから祝福されて【アニー】は幸せをかみしめるのだが・・・。□□□

ラストシーンまでには、もう一波乱ありそうですね。さて、【アニー】とディーンたちの運命は・・・?

 この映画は、『プリティ・ウーマン』『フォーエバー・フレンド』のゲーリー・マーシャル監督の作品です。『潮風のいたずら』は、残念ながら日本ではあまりヒットしなかったそうですが、私は時々むしょうにこの作品を観たくなります。ゴールディ・ホーンとカート・ラッセルは実生活でもパートナーとして暮らしているとのこと。きっと楽しい(面白すぎる?)ご家庭なんでしょうね。

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